ハック・フィン協奏曲

         2018・1・1から

  私は私の意見を述べる。それがよい意見だからではなく、私自身の意見だからだ。

 
    


        「さらば友よ」

           2020・6・30 

    朝早く電話が鳴った。火曜日の「お茶会」の座長である福盛田恵美子さんからの哀しい報せだ。
   私たちの親しい友である曽川伸晃さんが去る27日、入院先の病院で亡くなったという悲報だ。
   伸晃さんは私より10歳ほど若い、この死は余りにも早すぎる。何でこんなことになるのか、まだまだやりたかったことが
   山ほどあったろうに、やり残したこともまた数え切れぬほどあったろうに、夏だというのに何とも言えぬ暗い朝だ。
   死因などの詳しいことはまだ分からないけれども、今日の午後5時から平岸で家族だけの通夜が行われると聞いた。
    友よ、安らかに眠れ。
           合掌。

    午前10時、そのお茶会に出かける。
   今、手稲区で問題となっているのは、北海道新幹線の延伸工事で発生する有害物質を含む土砂の受け入れについて、
   ということだが、私の観るところ、手稲区の全住民がこの問題についての正確な情報を持っているわけではない。

   「有害掘削土から手稲の水と安全・健康を守る会」という市民団体があって、そのホームペイジを開けば、この問題の本
   質がどこにあるのかは理解することが出来るが、その前にいつものごとく少なからずの市民の側の無関心という惰性が
   横たわっている。あるいはまた「水と安全・健康を守る」という公衆衛生上の問題を、政治的色眼鏡でもって解釈しようと
   する
(何らかの利害も絡んでいるのだろうが)悪意と無知による奇妙な動きもある。
    では本当のところはどうなのか。4月26日の「ハーバー・ビジネス・オンライン」は次のように報じている。

       「2030年札幌オリンピックのための新幹線延伸で、北海道が汚染される!?」(樫田秀樹)
    2030年、北海道は「北海道新幹線の札幌延伸」と「札幌オリンピック」の同時実現を目指している。そのビッグイベントの
   ために北海道の大地が汚染されようとしている。
        鉛、カドミウム、ヒ素などを含む汚染残土の埋め立て計画 
    2019年12月11日。筆者は北海道札幌市手稲区金山(かなやま)地区の森を歩いていた。空気がおいしい。鹿のフンもと
   ころどころで目にする。  案内してくれた市民団体「有害掘削土から手稲の水と安全・健康を守る会」(以下、守る会)の大
   平三千夫さんが小さな池のほとりに立つ。数十年も前に稼働していた金山(きんざん)、手稲鉱山で使われていた沈砂池だ。  
   池の向こうは見上げるような急斜面。肉眼でその奥はもう見えないが、急斜面の奥にはさらに急勾配の鉱山の採石場跡地
   がある。そこに、東京ドーム1杯分に相当する110万㎥もの汚染土壌が積まれるという。
    その汚染土壌は、北海道新幹線の工事で排出される残土のなかでも「要対策土」と呼ばれ、鉛、カドミウム、ヒ素など
   の重金属を含む
。すぐ近くには川も流れ、浄水場もある。小学校も中学校もある。  この手稲鉱山閉山後の1986年12月、
   コンクリートで密閉した坑口の脇から突然、鉱毒を含んだ鉄砲水が噴出して手稲区の住宅地を襲った。数十戸の床下浸水
   に加えて、国道5号線やJR本線も運行停止となり、住民は以後10年間の野菜栽培や山菜採りの禁止を要請されたほどの事
   件だった。  その場所に持ち上がった汚染残土の埋め立て計画。この事件を覚えている大平さんは「私たちは北海道新幹
  線には反対はしない。でも住民生活に不安を与える残土埋め立てには断固反対します
」と明言した。

         

       この問題について共産党の紙智子議員の発言を聞く。5月21日の「しんぶん・赤旗」に掲載されたものだ。


          新幹線残土「白紙に」
                紙氏 受け入れ前提調査だめ

      日本共産党の紙智子議員は18日の参院決算委員会で、JR北海道新幹線の延伸に伴い発生する残土の受け入れ
     に地元住民が反発している問題を取り上げ、受け入れありきの事前調査をやめるよう求めるとともに、「白紙に戻し考
     え直させるのも国の責任だ」と迫りました。
      残土の受け入れ候補地の周辺には浄水場、教育施設や福祉施設などがあり、札幌市手稲区の金山地域と厚別区の
     山本地域の住民からは処分地にしないよう訴える署名が2万人分を超え、事前調査を拒否しています。
      紙氏は、受け入れ地で環境アセスメント(環境影響評価)が実施されていないと指摘し「延伸する最初の段階に問題が
     あったのではないか」とただしました。
      国交省の水嶋智鉄道局長は、残土の受け入れ先や処分量は明らかではなかったと答えました。

       この問題をめぐるその後の動きだが、24日のNHKのニュースだ・

           「新幹線残土の新候補地で説明会へ」



        


 
       「イマジン」

        2020・6・29

    午前3時、中国5千年の霊薬は本当に素晴らしい。この数日は足に恐怖を覚えることはない。
   左右の脹脛(ふくらはぎ)にはまだ幾分かの硬さは残っているが、歳も歳だし、まあ、気長に付き合うしかないだろう。
   4時、週に一度の新聞配達に出かける。外は明るい。小雨が降っていたが気にはならなかった。今日も元気である、
   丈夫である・・・毎日が楽しい。
    菜園には小松菜、青紫蘇、トマト、バジル、唐黍と順調に育っている。先日は小松菜の味噌汁を食べた。昨日は青
   紫蘇を天婦羅にして食べた。貧者の自給自足、太陽の恵みと豊かな自然、、素朴にして豊饒か、いいね、この田園
   生活は、オールド・カントリー・ボーイか、やっと辿り着いたか、釣聖ウオルトンの言った「静かなることを学べ」の境地
   に、祝福すべき70歳の初夏だ。
    5時、久しぶりにジョン・レノンの『イマジン』を聴く。1971年に発表された楽曲だ。
   歌詞についてはつぎのような解説が付けられている。

    国家や宗教や所有欲によって起こる対立や憎悪を無意味なものとし、曲を聴く人自身もこの曲のユートピア的な世界
   を思い描き共有すれば世界は変わる、と訴えかける。人類愛や平和を勧める歌として多くの人々に愛唱されている。


    1971年(昭和46年)、この時、私は22歳だった。遠い昔のことだ。けれども歌は生き続けている。コロナ禍と人種
   差別が荒れ狂うこの世界、今こそみんなでこの歌を聴くべきだ、そして大きな声で歌うべきだ。

           想像してごらん 国なんて無いんだと
           そんなに難しくないでしょう?
           殺す理由も死ぬ理由も無く
           そして宗教も無い
           さあ想像してごらん みんなが
           ただ平和に生きているって...

     さて、その世界だが、今朝の新聞に目を通す。何が起きているのか。
     
        「きょうの潮流」 (赤旗のコラム)

     アメリカでの警官による黒人殺害を機に世界で人種差別反対の運動が広がっています。イギリスでは、オックスフォード
    大学の建物正面の外壁にあるセシル・ローズの像の撤去が決まりました▼大学にはアフリカ出身者や黒人学生も多く、数
    年前から「ローズは倒れなければならない」運動が起こりました。撤去のオンライン署名には15万人以上が賛同。当局は、
    討議と熟考を経て、英国と世界に与える影響を十分意識して決定したといいます▼セシル・ローズと言えば、アフリカ大陸を
    南北に大きくまたぐ巨人の挿絵を覚えている人もいるのでは。現行の中学社会科教科書にも登場し、列強が植民地の資源
    や市場を求めて侵略を進めた象徴として扱われています▼太平洋戦争の始まった年に出版された本に『セシル・ローズと南
    アフリカ』(鈴木正四著)があります。ダイヤモンド、金の独占企業で大金持ちとなり、その力で本国面積の数倍の支配者とな
    った「南アフリカのナポレオン」。日本への批判もこめられていました▼ローズいわく、「私たちが第一等の人種、私たちの住
    む世界が広がれば広がるほど人類は幸福である」。アングロサクソン民族優越の植民地主義者で、夜空に惑星を見れば「併
    合したいと考えた」とも▼青年ローズが初上陸したのが、南アのダーバン。2001年に同地で開かれた世界会議は「ダーバン
    宣言」を採択しました。植民地主義は「いつであれ、どこであれ非難されねばならない」と。像の撤去決定は、その一つです。

     次は中国に関する記事だ・

      香港 無言デモ
         国家安全法案に反対   NGOや記者協会が声明・書簡

     中国政府の香港への統制を強める「香港国家安全維持法案」が中国全国人民代表大会(全人代)常務委員会で30日に
    も採決されると伝えられる中、香港市民は抗議の声を強めています。28日は当局がデモを不許可にしたものの、市民はス
    ローガンを叫ばない無言のデモ行進で、法案反対の意志を示しました。
     香港の非政府組織(NGO)や非営利団体(NPO)の関係者ら約1900人は26日、連名で声明を発表し、法案に「強い反
    対」を表明。法案が香港の自治や法治、人権、自由にマイナスの影響があるとし、立法プロセスをすぐに停止するよう求め
    ました。香港記者協会も同日、全人代の栗戦書(りつ・せんしょ)常務委員長宛ての公開書簡を公表し、法案の撤回を要求。
    書簡は、法案が「人権や自由の保障、メディアの自由、記者の取材の自由などに大きな衝撃をもたらす」と懸念し、条文の
    公開と市民の意見を聞くことを訴えました。
     公共医療医生協会の馬仲儀会長は27日の記者会見で、国家安全維持法で公務員としての医療関係者も香港基本法(憲
    法に相当)への宣誓を求められたらどうするか問われ、「受け入れない。医療従事者が重視するのは患者だけだ」と強調しま
    した。(小林拓也)

     午前10時、10年前に書き綴った戯文をパソコンから取り出して一冊の文集に仕立てた。特にの意味はないのだが、身辺
    整理の真似事だ。例によって15部ほどこしらえて親しい友たちに配るつもりだ。この忙しい時に何たる暇人であることかと怒
    られるかもしれないが、これが貧しい私の精一杯の友情の表現だ、まあ、許されよ。
    午前12時、ジイサンとバアサンの今日の「枯葉のデート」は、星置にある有名なラーメン屋さん「吉林(きちりん)で昼食」を、と
    洒落こんだ。『ティファニーで朝食を』はトルーマン・カポーティの小説だ。これはオードリー・ヘプバーン主演で映画化された。
    ティファニーはニューヨーク5番街にある宝石店だ。つまり「ティファニーで朝食を食べるご身分」に憧れる女の物語だ。
    カポーティが書くものだから映画化されたもののイメージがどうであれ単純な恋愛物語ではない。企画の段階では、主演として
    候補に上がっていたのはマリリン・モンローだったそうだ。モンローとヘプバーンでは個性がまったく異なるが、映画は興行的
    には大成功だった。
     話はティファニーから吉林に戻る。
    吉林のラーメンは「清湯(ちんたん)」スープが売りで、この醤油ラーメンが絶品であった。
    中華料理の世界では、「清湯」とは、濁りのない透明なスープのことで、私の知る限りでは札幌にはこういうスープでラーメンを
    提供する店は他にはない。「清湯」の反対は「白湯(ぱいたん)」で、これは白く濁ったスープのことを言う。
    ところが今日の吉林のラーメンは「清湯」ではなかった。職人さんが変わったのか、材料が変わったのか、何だか知らないが、
    少しがっかりした。まあ、よくあることだ。
     釧路末広町に釧路ラーメンの本流を受け継ぐ『銀水』という屋号のラーメン屋さんがある。30代の頃、釧路に行くたびに必ず
    覗いた。釧路ラーメンの特徴は魚介系のスープで麺が白くて細い。旭川ラーメンとは正反対である。
    因みに、釧路ラーメンは札幌、函館、旭川と並ぶ北海道四大ラーメンと呼ばれているそうだ。
    もう一度『銀水』のラーメンが食べたいね。
     午後4時、鴨長明の『方丈記』を川瀬一馬さんの現代語訳で読み返す。この訳文は素晴らしく、無知無学な私でも長明さんの
    語る風景がよく理解できる。そして、現代語訳を読んでみて改めて思い知るのは長明さんの文章の素晴らしさである。
    随筆は内容もさることながら、やはり文章が命である。

     若(もし)、人このいえる事を疑はば、魚(いお)と鳥とのありさまを見よ。魚(いお)は水に飽かず。魚(いお)にあらざれば、
    その心を知らず。鳥は林をねがふ。鳥にあらざれば、その心を知らず。閑居の気味もまたおなじ。住まずして誰かさとらむ。
                              阿弥陀仏、両三遍申してやみぬ

     堀田善衛さんは長明の文章を次のように評している。

     時としてつき出て来る棘のようなものを除けば、まずは堂々たる文章である。対句仕立てを、まことに駆使という言い方が
    あてはまるほどに使いこなして、高い調べにのって唱う音楽的な文章であろう。

     鴨長明の文章の最大の特徴は、反語と、その音楽性である。
      今日はジョン・レノンで明けて、鴨長明で陽が暮れる。

 



      「今なぜ『方丈記』を読むのか」

         2020・6・28

    知ったかぶりをしている訳ではないけれども今更これはどういう意味ですかと聞けない事を新聞に教えて
   もらう。それで少し安心というか、なんとなく落ち着いた気分になる。相変わらず単純な男だと我ながら少々
   恥ずかしくなるが、そう言えば、「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」なんて言葉もあった。
    それで何を学んだかと言うことだが、一つはコロナウイルスについてであり、もう一つは経済学に関するも
   のだ。
    細胞生物学者にして歌人でもある永田和弘さんの講義をノートに取る。

    生命の定義は、①遺伝物質を持ち自己複製ができる②細胞膜や殻で外界と自分とを区別できる③代謝
   (外からものをとりこみ要らないものを排出する)ができる、の三つです。
    ところがウイルスは「代謝」ができない。動物の細胞内に入らないと死んでしまいます。また、ずっと一つの
   宿主にとどまっていると、宿主の免疫が働いて排除されてしまうため、次々と宿主を代えないと自分を維持
   できません。なので、ウイルスは移動を止めれば消滅します。
         自然壊し災厄よぶ
    
今回の感染拡大が教えるのは、自然を尊重することの重要性です。自然は傍若無人な人間だけのもので
    はなく、生態系全体のものなのです。ウイルスもその生態系のなかでかろうじて生きているのです。
     コウモリの中で悪さをしないで自分の子孫を残してきた。ところが人間が、野生動物の世界に分け入って
    食料にするとか、森林を破壊し動物との接触を増やすなど、そこに手を伸ばしていくものだから、ホストジャ
    ンプ(それまで宿主でなかった動物・植物への寄生性を獲得すること)が起きることになります。そのときに
    ウイルスが別の性質をもつことが多いうえに、人間はそれに対する免疫をもっていないので、ばたばたと死
    ぬことが起こるわけです。

    2時間目の授業は経済学だ。「新自由主義って?」何のことだろうか。これも分かり易い。

     新自由主義は、資本主義経済の運営に対する規制をできるだけなくし、自由競争に任せるべきだという
    「市場原理主義」の思想です。古典的な自由主義は封建制や絶対王政のもとでの自由への制約の撤廃を
    主張しました。これに対し新自由主義は、資本主義の矛盾の拡大のもとでつくられた、労働者や国民の人
    権を保障するための企業活動への規制の撤廃を主張するものです。
     派遣労働をはじめとする非正規雇用の拡大で労働法制の規制緩和を進めることは最大の柱の一つです。
    また、所得税の累進性の緩和、法人税や社会保障の企業負担を安くする一方で消費税を導入、拡大します。
    それと連動して医療、介護、年金などの社会保障を大幅削減します。公立・公的病院の統廃合はその表れ
    です。また、その他の企業活動に対するさまざまな規制を緩和し、強い者勝ちの「競争原理」を強めます。
    これを広く国民に受け入れさせるためのイデオロギーが「自己責任」論です。

     今日の二つの授業は生物学と経済学で、科目は違うけれども、二つ合わせると社会科の環境学となるの
    では、ふとそんなことを思った。出来事についての原因と結果の関係である。
     コロナウイルスを呼び込んだのは新自由主義であり、また、これが為に感染拡大を阻止することがあらか
    じめ不可能だったということだ。ここで起きたことが医療崩壊であり、それは感染者数の急激な増加への対応
    が出来なかったから生じたものであり、その原因は貧富の格差により貧困層が無防備な状態に捨て置かれて
    いる状況にある。例えばアメリカ、そしてブラジルだ。問題は、経済優先の思想及び政策は何を犠牲にして成り
    立っていたのかという疑問だ。
     アメリカのサンダース上院議員は上院での演説で、「新型コロナウイルスから学んだものがあるとすれば、
    国家の安全保障は、爆弾や戦闘機の製造以上のものであり、国民の生活向上のためにできるすべてを尽くす
    ということだ」と指摘。構造的な人種差別や、無慈悲な医療保険制度、異常な経済格差の広がりにもふれ、
    「米国史上、国の優先事項を根本的に変えなければならない瞬間があるとすれば、それは今だ」とも強調した。
     
3時間目の授業は国語だ。今日は日本文学の古典を教科書とする。

     古京はすでに荒れて、新都はいまだならず、ありとしある人は皆浮雲の思いをなせる

    
だから『方丈記』が、今、必要なのだ。川瀬一馬さんの現代語訳で読む。
 
     旧都(京都)はもはや荒れ果ててしまったのに、新都(福原)はいまだできあがらない。みんながみんな、
    空にただよう雲のように、落ち着かない気分であった。



       「新都はいまだならず」

         2020・6・27 

      堀田善衛さんの『方丈記私記』を読み終えた。
     この本を読んで、改めて堀田善衛という人に教えられたものは何かと考えるに、それは鴨長明の思想、
     この時代の無常観、『新古今』の世界観、後鳥羽院の怪物性、定家の芸術至上主義、等々いろいろと
     思い起こす事ばかりだが、一番大事なことはそれらについての知識や解釈ではなく、本の読み方、70
     歳にもなって恥ずかしながらに告白すれば、本はどのようにして読むのか、ということを教えられたと言
     うことだ。
      本は、部屋の中であれ、公園のベンチであれ、あるいは他のどんな場所であれ、自分の手で頁を開
     いて読み進むものであるから、此処には、またこの時には、他者の存在は一切ない。この当たり前の
     ことを時々忘れる。そこに他者の影すらないとしても、何らかの影響が全くないとも言い切れない。
     それは先入観という形で読書を歪める。特に「古典」として既に評価が定まっている書物にはこうした
     余計なものがしつこく付きまとう。この場合には、その本を読んでいるのが自分なのか他者なのかの
     区別が付かなくなってくる。この事実に気づかず本人が読後の感想を語る時、それは案外、その本を
     先に読んだ人たちの意見かもしれない。
      本を読むということは、自分の目が追ったものを自分の頭で確かめるという行為である。それを「発見」
     と言うか。本を読むことの楽しみと歓びはここにしかない。そういうことを堀田さんは教えてくれた。

      芸はこれつたなけれども、人の耳をよろこばしめむとにはあらず、ひとりしらべ、ひとり詠じて、みずか
     ら情(こころ)をやしなうばかりなり。

       と語った長明の人間について堀田さんの結びの文章が、平安も、鎌倉も、無常も、幽玄も、古典も、
      方丈も、その他の何もかもをも吹き飛ばしてしまう。本を読むとは、こういうことか。

       歴史と社会、本歌取り主義の伝統、仏教までが、全否定されたときに、彼にははじめて「歴史」が見え
      て来た。皇族貴族集団、朝廷一家のやらかしていることと、災殃にあえぐ人民のこととが等価のものと
      して、双方がくっきりと見えて来た。そこに方丈記がある。すなわち、彼自身が歴史と化したのである。
       私には、この時代について、及びこの時代の「世」について考えるとき、二人の、二つの極に立つ人の
      姿が見えている。長明が一方の極にある人として、さらにもう一方の極にある人としては、身みずから、
      罰せられて「世」に出て衆生救済そのものと化した人としての親鸞が見えている。
       しかも長明がかくれた日野山の、そのすぐふもとに親鸞が生まれたとは、何たる縁というものであろうか。
      長明かくれて親鸞出づ。

       堀田さんについては、この後『ミシェル 城館の人』全三巻が残っている。コーチャンフォーになければ
      アマゾンで買い求めるか。
       それにしても、どうするつもりなのだろうか。もう70歳だよ。これからも本を買い続けるとして、後何年生き
      るつもりなのだろうか。笑うべし、すべてを墓石の下まで持っていくつもりなのだろうか。
      確かに、読書とは、精神の快楽であるな。
       さて、ここで現実に戻るとするか、今日の新聞から気にかかった記事を二つ転写する。
     最初のものはコラム「きょうの潮流」、これは昔も今も金権政治が自民党の体質であることを批判したもの、
     二つ目は都知事選に関して、政治家に求められる清潔と誠実とは何かと問うたもの。

         「きょうの潮流

      数は力、金こそ力。金権政治の代名詞といわれた田中角栄・元首相。とくに1974年の参院選はヘリコプ
     ターで全国を回り、巨額をばらまいて集票。買収などで多くの逮捕者を出し、金権選挙と批判されました▼政
     治を事業と目し、派閥をつくり、選挙やポストを使って権力の中心に居座りつづける。相手との「信頼関係」は
     カネによって築く。自民党のなかに歴然と横たわる金権体質です▼「安倍さんから」「2人の約束」。前法相の
     河井克行、妻・案里の両国会議員による買収容疑で、現金のうけとりを認める地元議員が相次いでいます。
     首長も辞職し、広島の政界は混乱を極めています▼自民党本部が投入した異例の1億5千万円。しかも本
     紙が報じたように、安倍首相と克行氏は昨年何度も面会、その前後に自民党から多額の資金提供がくり返
     されていました。もともと両者はべったりの間柄。首相の際立つ肩入れがこれだけの買収事件を招いた責任
     は重い▼2人だけの秘密と胸元にねじ込まれたという広島市議は家族や支援者に話がおよぶと涙ながらに
     謝罪。「きれいごとが通じるような政治になれば」と。モリ・カケや桜をはじめ、周りを次々と不幸に突き落とす
     “アベ案件”がどれほど罪深いか▼「(河井夫妻のようなことは)みんなやっている」。安倍チルドレンと呼ばれ
     た元衆院議員の発言は、いまもつづくこの党の金権腐敗ぶりをあらわに。それとともに表れているのが、法
     も民主主義もそっちのけの安倍政治のゆがんだ姿です。


        「カジノへの態度は? 公開質問状回答」
             宇都宮候補 誘致きっぱり反対   小池候補 いぜん態度表明せず
                               東京連絡会会見

      弁護士や司法書士、主婦連合会などの個人や団体でつくる「カジノいらない!東京連絡会」が26日、都庁
     内で記者会見し、都知事選の争点であるIR(カジノを中核とする統合型リゾート)東京誘致への態度を各候補
     者にきいた公開質問状への回答状況を公表しました。 日本弁護士連合会元会長の宇都宮けんじ候補は誘
     致に「反対」と明言。「人の不幸を踏み台にして経済活性化を図る。これは政治家の堕落以外のなにものでも
     ない」としたうえ、「カジノは中止すると明言するよう、小池候補に迫っていきたい」と述べています。
      現職の小池百合子候補は「決めていない」としたうえ「メリット・デメリットを総合的に検討していく」と、従来と
     同様、態度を明確にしない、不誠実な回答をしました。れいわ公認の山本太郎候補は「反対」と回答。全体で
     5人の候補が回答しました。同連絡会事務局長の三上理弁護士は「今回当選した知事の任期中にIRを誘致
     するかどうかの結論を出さなければならず、この知事選が都民の意思を問う最後の機会になる」としたうえ、
     「現職の小池候補の回答が従前と同じだったことは残念だ」と述べました。

      林文子という女性がいる。74歳。この人は横浜市長さんである。
     2017年の市長選挙で、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致は「白紙」と強調して再選を果たした。
     しかし、2019年8月22日、林文子さんはこれまでの「白紙」方針を一転させ、カジノを含むIRの誘致を正式
     に表明した。さらに、市民に誘致の賛否を問う住民投票を実施しない考えも明らかにした。
      2017年9月13日の第三回定例会で、市長である林文子さんはこう言っていた。

      「現在の考えですが、国において検討が進められておりますが、実施法の成立時期も定かではございません。
     制度の全体像も明らかになっていないことから、現在、白紙の状況でございます。今後、市民の皆様や市会の
     御意見も踏まえて検討してまいります」。

      この女性は緑のタヌキの御親戚の方なのか。世の中にはよく似た人がいるものだ。緑のタヌキの姉妹品だと
     すれば、これが赤いキツネという奴か。
     かつて緑のタヌキは「築地は守る 豊洲は生かす」と言ったが、その後はどうなったのか。

       古京はすでに荒れて、新都はいまだならず、ありとしある人は皆浮雲の思いをなせる



        「正直者と嘘吐き者」

         2020・6・26 

    昔むかしある処に正直者の小父さんと嘘吐き者の小母さんがいました。
   小父さんは弱い人や苦しい人を助けるための朝から晩まで毎日走り回っていました。趣味は引っ越しだという小母さんは
   弱い人や苦しい人には全く関心はなく、マニキュアを塗ったりお化粧の時間たっぷりかけたりして鏡を見ながら毎日優雅
   な生活を楽しんでいました。ある時、その村の代表を決める選挙がありました。小父さんは弱い人や苦しい人を助けるため
   に立候補しました。現職であった小母さんは政治的理念などというものは一かけらも持っていないのですが、今の地位と贅
   沢を守るためにやはり立候補しました。
    小父さんの名前は確か宇都宮健児(73歳)、反貧困ネットワークの代表でしたか、小母さんの名前は小池百合子(67歳)、
   都民ファーストの会の代表だと覚えているのですが、その団体の実態はよく分かりません。
    今日の新聞にこの二人の人柄を伝える記事が載っている。最初は叔父さんに関するものだ。

         “弱い人、苦しい人に寄り添う人”
                 宇都宮×前川喜平Zoom対談
                               東京都知事選

    東京都知事選(7月5日投開票)の宇都宮けんじ候補と元文部科学省事務次官の前川喜平さんが25日、政治や都政に
   ついてZoom対談を行いました。
    前川氏は、宇都宮候補の魅力について「何より正直者で、弱い人や苦しい人に寄り添おうという強い意志を持っておられる。
   そこが魅力です」と話しました。小池百合子知事のコロナ対策を問われた前川氏は、五輪延期の決定後すぐ「重大局面」と言
   いだし、「東京アラート」の基準のあいまいさを指摘。「はっきり言って場当たり的。(小池知事への)支持率が上がればいいと
   いうことで、対応しているんじゃないかと考えざるを得ない」と批判しました。都政課題について前川氏は、「都の豊かな財政を
   人のために使うべきだ」と指摘し、教育、医療、福祉などの公共分野や、そこで働く人たちの処遇改善が必要だと述べました。
    宇都宮候補は、コロナ対策で学校の少人数学級が進んだことで、恒常化してほしいという都民の要求があると述べ、前川
   氏の認識を尋ねました。前川氏は、国の基準の40人学級は明らかに多いと指摘し、「少人数学級にすべきだ」ときっぱり。
   自治体から少人数学級を進めることは可能だとして「都は財政もある。率先して進めるべきだ」とこたえました。
   宇都宮候補は「自治体は住民の福祉の増進が最大の使命。都の予算を使えば少人数学級や先生を増やすことは十分可能」
   と述べました。さらに、学校給食完全無償化の政策を紹介されると前川氏は、「子どもたちを社会全体で育てていくことが非常
   に大事。都民の税金を使うのは大事です」と賛成しました。
    対談は都立大学の授業料の話や夜間中学・定時制高校拡充の話など話題が尽きませんでした。
   最後に、ツイッターで「都知事選は正直者とうそつきとのたたかいになる」と投稿した前川氏が一言。「威勢のいいことを言う人
   ほど信用できない、筋道を立てて話してくれる人が信用できます。よく考えて一票を投じる必要がある。宇都宮さんが正直な人
   であることは間違いない」と話しました。
    宇都宮候補は、「投票で主権を行使することによって都政を変えることができる」と訴えました。

    小母さんについてはこのほど『女帝 小池百合子』という本を出版したノンフィクション作家の石井妙子さんが、その人柄に
   ついて語っている。石井さんは、「これまで、男性優位の日本社会で努力と研鑽を積んで一事を成した近現代の女性たちの
   評伝を書いてきた」人だ。石井さんはこう語り始める。

    それまでは共感できる女性を書いてきました。小池氏については、がんを乗り越えた都知事選の対立候補を「病み上がり
   の人」と誹謗(ひぼう)したことなどに違和感があり、人として信頼できるのか疑問を持っていました。しかし都知事であり、女
   性初の総理にもなるかもしれないという。どういう人物かを国民は知るべきだと考え、本書を執筆しました。
    3年半かけて100人以上の関係者に取材し、小池氏の著作や発言録、新聞や雑誌の記事など大量の資料を読み、精査
   しました。氏にも3回、取材を申し込みましたが断られました。

    石井さんは1969年生まれの51歳。白百合女子大学文学部国文科卒業。
   1997年より毎日新聞社主催・本因坊戦の観戦記を担当。毎日新聞囲碁欄も担当。
   著書は『囲碁の力』『おそめ  伝説の銀座マダムの数奇にして華麗な半生』『日本の血脈』『原節子の真実』『小池百合子
   「虚飾の履歴書」』等がある。
    私は石井さんの本を読んだことがないので、またその名前も今朝まで知らなかったので、石井さんの発言については判断
   のしようがない。ただ緑のタヌキのこれまでの言動と照らし合わせるだけである。
    本書については松谷創一郎という人が書評を書いている。その一部を紹介する。


    稀代のポピュリストを描く『女帝 小池百合子』は、読者を興奮とドン引きに突き落とす 


         政治家の評伝らしからぬ通俗性

    同書の前半は、これまであまり知られていない生い立ちからキャスター時代までが描かれる。興味深いのは、父親・勇二郎氏
   (故人)が“政界ゴロ”であったとする描写だ。石井氏は幾度も彼を大法螺吹きだと表現し、百合子氏はその血筋を受け継いでい
   るかのように物語を紡ぐ。 そこから、私立甲南女子中・高校を経て、関西学院大学に入学するもすぐに中退してエジプトに渡り、
   カイロ大学に編入する。本書の肝は、この時期に延べ2年間同居をしていた10歳年上の早川玲子氏(仮名)の証言だ。日々遊
   び回り、一時期は結婚していた小池氏の様子は、早川氏が当時記した日記なども引用されながら描写される。
    その後、日本に戻った小池氏は、日本テレビ『竹村健一の世相講談』のアシスタントを経て、テレビ東京『ワールドビジネスサテ
   ライト』の初代キャスターとなり知名度を上げていく。政界入りする前のここまでが前半だ。
    日本新党から出馬して政治家となった中盤から後半は、ひとむかし前なら「風見鶏」と揶揄された変節を多く見せて階段を上が
   っていく。1992年・日本新党、1994年・新進党、1997年・自由党、2000年・保守党、2002年・自民党、2016年・都民ファーストの会、
   2017年・希望の党──その過程では細川護熙、小沢一郎、小泉純一郎と、ふたりの総理を含む時の権力者のもとを渡り歩いた。
     21世紀のこの20年、日本の政治はパフォーマンス勝負だった。小泉純一郎氏も橋下徹氏も、そして小池百合子氏もそれで勝
   ち続けてきた。身なりに気をつけ、仮想敵を見つけ、大きな声で正義のコピーを唱えれば、それで数字(票)は取れる。身も蓋も
   ないが、それが市民(有権者)が選択してきた日本の政治の現実だ。彼女は間違いなく、稀代のポピュリストだ。

    ここから石井さんの発言に戻る。石井さんは「権力を目指す半生から見えてくる社会の歪み」として小池百合子的なるものを
   批判しているのだと思う。

    裕福な家庭に生まれ育った芦屋令嬢、外国語に堪能な才女といった生い立ちと経歴を売り物にしてきた小池氏ですが、この
   自分語りの矛盾は数え切れません。国立カイロ大学を日本人女性で初めて、しかも首席卒業、という学歴詐称疑惑は、過去を
   塗り替えてきた氏の半生を象徴する一例です。
   【中略】小池氏には社会的弱者や女性への冷酷な言動も顕著です。阪神・淡路大震災後、地元芦屋の被災女性たちが氏を訪
   ねて窮状を訴える中、マニキュアを塗り続け一度も顔を上げず、「もうマニキュア、塗り終わったから帰ってくれます?私、選挙
   区変ったし」と言ったこと。
    小池氏も参加した北朝鮮拉致被害者家族の会見が終わった後、バッグがないと慌てて会場に戻ってきた氏が「あった――、
   私のバッグ。拉致されたかと思った」と叫んだこと。
   【中略】小池氏の半生からは社会の歪みも見えてきます。権力を握れば人は寄ってくるし思い通りになる。人を信用できない
   荒野のような孤独の中、ひとり生き抜いてきた女性の姿も浮かんできて哀しみを覚えます。

    毎日新聞は6月13日付けの社説で、小池都政のコロナ対応について「感染防止の強いメッセージを出し始めたのは、東京
   オリンピックの延期が固まってからだ。初動の遅れには疑問が残る」と書いていた。
   次から次と政党を乗り換えていくこの女性は、いったい何がしたいのだろうか。
   変節、冷酷、虚言、しかしタヌキは何処まで行ってもタヌキである。それ以外の何ものにも成り得ない。この『分福茶釜』はあま
   りにもグロテスクである。



 
           「タヌキの厚化粧」

        2020・6・25 

    今日の新聞の第一面のトップ記事は「東京アラート」についてのお勉強の時間だ。
   「アラート」の意味は「警報」または「待機の姿勢をとること」と何日か前のこの日記に書いた。緑のタヌキこと小池
   百合子おばさんが異常なカタカナ語(外来語)好きであることも書いた。
   緑のタヌキがこの「東京アラート」なるものを発令したのは今月の2日のことである。その日から港区のレインボー
   ブリッジが赤くライトアップされた。これは感染再拡大の兆候が表れたとの判断による警戒の呼びかけだと言うこ
   とだ。そして11日に解除された。わずか9日間の警報であるが、その間、小池知事及び東京都は何をしていた
   のか。この後、知事は、改めてアラートを出すことはないと表明し、アラート解除にあたり「数字は落ち着いており、
   東京アラートの役目も果たしたのかと思う」と自画自賛して、何か自身の功績でもあるかのように語った。
    それで結局のところ、「東京アラート」とは何だったのか、これがさっぱり分からない。
   さて、そこで今日の新聞だ。
    
          「東京アラート」何だった   2029・6・25 しんぶん・赤旗

      小池知事 新基準示さず   出馬表明前日に解除 その後、感染増  新規感染者 東京は55人

   24日の東京都の新型コロナウイルス新規感染者は55人となり、先月25日に緊急事態宣言の解除後、最多になりました。
  都がコロナ感染に警告を発する「東京アラート」(2日発動)が11日に解除されましたが、その後感染者数は解除前より増加
  傾向にあります。
   都はその下で、19日からは基本的に全業種での休業・自粛要請を解除し、小池百合子知事は、改めてアラートを出すこと
  はないと表明しました。都は15日に、「東京アラート」に代わる、警告を出す指標の見直しに向け、専門家を交えたワーキン
  グチームを発足させました。都の担当者は「これまで会議は15日を含めて2回開いた。専門家の意見を聞いている段階だ」
  と説明しています。直近の感染者数の状況(表)を見てみると、アラート発令の3基準のうち、2基準でアラートを発令する状
  態になっています。
   小池知事はアラート解除にあたり「数字は落ち着いており、東京アラートの役目も果たしたのかなと思う」と述べましたが、
  14、15日と連続で新規感染者数が1日40人を超え、平均でも30人を超える事態となり、到底「落ち着いて」いる事態では
  ありません。

   感染者が拡大傾向を示す中で、新たな警戒目安も示さないまま、ワーキングチームの結論待ちという姿勢では都民の命と
  暮らしを守ることはできません。さらに、アラート解除は小池知事が都知事選に出馬を表明した前日であり、全業種への休業
  ・自粛要請解除は都知事選告示の翌日です。 「警戒を強化したり緩めたりする手綱が恣意(しい)的ではないか、との疑念
  が残る」(東京新聞13日付社説)との批判も出ています。
  そもそも「東京アラート」は、赤い光で都民に注意喚起するだけで、都が何をするのか肝心なことを示さず、都民の自己責任
  に委ねるものでした。これが感染拡大防止のためのものと言えるでしょうか。「東京アラート」は何だったのか、多くの都民か
  ら疑問の声が上がっています。

   「東京アラート」が発令された時、地球外からエイリアンが侵入してきたのかと思った人もいたのではないか、これは冗談
  で言っているのではない。戦争を知らない世代の多くの人は「空襲警報」など知らないだろうが、漫画で培った教養は侵入
  者を人間以外の邪悪な生物として捉えたとしても不思議ではない。
   では本当のところ「東京アラート」とは何なのかということだが、これが発令されたからといって、東京都が感染阻止の具
  体的な対策を取るということはない。また何らかの拘束力を持っているわけでもない。ただ感染者数の増加を踏まえ、警戒
  を呼びかけるということだ。つまり、もし感染したとしてもそれは貴方の責任ですよ、と言っているだけのことである。
  ここには政治の責任という発想はない、むしろ政治の無責任を公然と表明したものと言える。
  で、何が起こったのか、普段は夜間、七色に光輝くレインボーブリッジと東京都庁が赤く光っているということのみである。
   赤旗が問題としているのは、「アラート解除は小池知事が都知事選に出馬を表明した前日であり、全業種への休業
  ・自粛要請解除は都知事選告示の翌日です。 『警戒を強化したり緩めたりする手綱が恣意(しい)的ではないか、との疑念
  が残る』(東京新聞13日付社説)との批判も出ています。」、ここのところだ。
   簡単に云えば、「アラート狂騒曲」とは、小池知事の現職だからこそ出来る選挙活動であるということだ。このニュースが
  流れるたびに小池知事の顔はテレビに映し出される。つまりは売名宣伝である。この人は昔からこの手法が得意であった。
  と言うより、これ一本でここまで伸し上がってきたのだ。政策論争は徹底的に避けて、ひたすら政治を劇場化する。
   「アウフヘーベン(止揚)」「ワイズ・スペンディング(賢い支出)」「サスティナブル(持続可能)」「ステークホルダー(利害関
  係者)」「ビジネス・アズ・ユージュアル(いつも通りの仕事)」「ロックダウン(都市閉鎖)」「オーバーシュート(感染爆発)」「ク
  ラスター(集団感染)」、カタカナ語はこの女性の美顔術である、これを俗語では、厚化粧と言う。
  



     「75年経って」

      2020・6・24 

    今日の新聞からこの国の「今と此処」を読む。
  「1」 平和希求の心 発信
     平和宣言で玉城デニー知事は、安倍政権が県民の民意に背いて米軍新基地建設を強行する同県名護市
    辺野古の海を含む沖縄の自然は「ウチナーンチュ(沖縄の人々)のかけがえのない財産だ」と強調。新基地
    を造らせないで豊かな自然を後世に残していく立場を改めて示しました。

      平和宣言(抜粋)
     しかしながら戦後75年を経た現在もなお、国土面積の約0・6%に米軍専用施設の約70・3%が集中し、米軍
    人・軍属等による事件・事故や航空機騒音、PFOS(ピーフォス)による水質汚染等の環境問題は、県民生活
    に多大な影響を及ぼし続けています。  名護市辺野古で進められている新基地建設の場所である辺野古
    大浦湾周辺の海は、絶滅危惧種262種を含む5300種以上の生物が生息しているホープスポットです。世界自
    然遺産への登録が待たれるヤンバルの森も生物多様性の宝庫であり、陸と海が連環するこの沖縄の自然体
    系そのものが私たちウチナーンチュのかけがえのない財産です。  この自然豊かな海や森を次の世代、また
    その次の世代に残していくために、今を生きる我々世代が未来を見据え、責任を持って考えることが重要です。

   「2」 首相、河井前法相と官邸面会12回
      安倍晋三首相が、参院議員の河井案里とともに公職選挙法違反容疑で逮捕された夫で前法相の河井克行
      容疑者と、2019年1月以降、克行容疑者が法相を辞任する10月まで官邸で12回も面会していたことが
      わかりました。

   「3」 米軍経費8500億円要求
        「ジョン(ボルトン)は10億ドル取ってきた。君たちはミサイルで50億ドル取れるだろう」と述べ、日韓から
       米軍駐留経費などを引き出すために北朝鮮の脅威を利用する考えをあけすけに示したといいます。

   「4」  きょうの潮流(コラム)
       支持しないと答えた人は49%で、第2次安倍内閣発足以降、最も高くなった―。直近の世論調査をNHKが
      伝えました。安倍首相の自民党総裁4選に「反対」が69%。こちらは朝日新聞です▼もっともだ、自分の考え
      とはちがう…。報じられた結果に持論を重ねながら、世の動きや見方に思いをめぐらす。人びとの声を反映さ
      せる世論調査は民意の指標、社会のミニチュアともいわれます▼「民主主義日本への基底は輿論(よろん)
      の尊重にあり」(「毎日」)。戦後早くから、GHQの後押しで新聞がこぞって始めた世論調査。それは、国家に
      屈服し国民を戦争に駆りたてた報道機関にとって、再建のシンボルでもありました(『「世論調査」のゆくえ』)
      ▼いまでは毎週のように。時の政権をゆるがす裏付けになっているのが、メディアへの信用や信頼です。
      それを根底から覆す不正が、フジテレビと産経新聞の合同調査で行われていました。業務を再委託された
      会社が電話をかけず、架空の回答を入力していたと▼メディアとしての存在自体が問われる事態。ただでさ
      え安倍応援団と目されているだけに不信はひろがります。命ともいえる公正・公平さをゆがめたことはメディア
      全体の信用を損ねます。徹底した検証が必要でしょう▼為政者を正し、権力を監視する国民の“武器”にもな
      りえる世論調査。それが操作されるなら民意の誘導にもつながります。内閣を支持しない理由として一貫して
      最も多いのが「人柄が信頼できないから」。そこは信用できるか。

    「5」 安倍首相イラン仲介 米大統領は期待せず
        ボルトン前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は23日出版の回顧録で、米国とイランの緊張激化を
       受け、トランプ大統領が昨年、安倍晋三首相に仲介を要請しながらも成功に期待せず、仲介の失敗後、安
       倍氏に米農産物の輸入拡大の方がはるかに重要だと早期の輸入増を迫っていたことを明らかにしました。

    「6」 都知事選 TV討論早く  宇都宮陣営が各局申し入れ
        宇都宮事務所で緊急会見した海渡雄一選対本部長は、これまで複数の局から討論会出席の打診を受け、
       陣営としては全ての依頼に応じる意思を表明したものの、何らかの理由で討論会自体が立ち消えになってい
       ると指摘。「新型コロナウイルス感染症対策でなぜ検査が十分できなかったのか、コロナ禍の都民の命とくら
       しをどうすれば守れるかなど政策論争を通じて都政の対応を検証し、有権者に判断材料を提供したいができ
       ない。メディアには討論を企画する社会の公器としての責任があり、論争を拒んでいる候補がいるとすれば
       誰なのか、調査し報道する責任があるのではないか」と述べました。

    「7」 新型コロナ対策  日本の農林水産関連支援  欧米よりも貧弱
        余剰農作物を市場から隔離し、価格下落を防ぐことが重要な課題になっています。外食など業務用需要が
       後退し、2019年産米の在庫が積みあがっています。20年産米も現状では平年作が想定されています。農
       水省に対し、農民連は「このままでは米価が暴落する。政府が買い上げて隔離するべきだ」と求めています。  
        欧州や米国では、農家への直接補償、買い上げが大規模に行われています。
       アメリカでは、販売額が5%以上減った農家に、19年生産量の25%を対象に価格下落分を補償。上限は
       25万ドル(約2700万円)です。3200億円の追加予算で野菜、果物、乳製品、食肉を買い上げてフードバ
       ンクに供給。これとは別に、低所得者や休校中の児童への食事支援の財源に2兆7000億円を追加してい
       ます。欧州連合は生産者1戸あたり最大1200万円の補償を加盟国に指示。価格安定のため、余剰乳製品
       ・食肉を対象に、民間企業が市場から隔離のために保管する場合の経費を補助する制度を発動しました。

    「8」 スウーデン 刑法改正から2年
        スウーデンは2018年、刑法の性犯罪規定を改正し、レイプの定義を、「合意のない性行為」と変えました。
       他の多くの国では、検察官は、レイプ事件において、暴力の使用や暴力の脅しがあったことを証明しなければ
       なりませんが、スウーデンではその必要はなくなりました。

    「9」 電通圧力 国認める  持続化給付金事業めぐり野党に
        国の持続化給付金事務事業の再委託を受けた広告大手・電通が下請け企業に、別の委託事業で電通以外
       の企業に協力しないよう圧力をかけていたことを23日、国会内で開かれた野党合同ヒアリングで経済産業省
       が認めました。電通が圧力をかけた相手はイベント企画大手のテー・オー・ダブリュー(TOW)です。持続化給
       付金事業では、電通の外注先から仕事を受けた孫請け企業に当たります。
        「文春オンライン」は21日に電通から指示を受けたTOWが、複数の下請け企業にあてたメールを公表しま
       した。メールには、電通傘下で持続化給付金事業にかかわった企業が、国が新たに発注する家賃補助の給
       付事業を受託した企業に協力した場合、「出禁(出入り禁止)レベルの対応をする」と書かれています。


     この他にもまだまだ気になるニュースはあるけれども、とりあえずはここで止めておく。
    私は新聞は「赤旗」しか読まないので、他の新聞がこの国の「今と此処」をどのように報じているのかは知らない。
    「国境なき記者団」(RSF、本部パリ)が発表した2020年度の世界各国の報道自由度ランキングでは日本は66位
    である。日本の低さの原因の一つはRSFは、「編集部門が、経済的利益を優先する巨大な『系列』の方針に左右さ
    れる状況が続いている」と指摘している。そして、フジ・産経の世論調査捏造という奇怪な事件が起こった。
     全国メディアの世論調査でも内閣支持率は30%台と低迷しているが(毎日は27%、朝日は29%)、沖縄と長野
    では18%という数字が出ている。
     官僚を巻き込んでの政治の私物化、忖度に虚偽答弁、公文書の隠蔽・廃棄、桜を見る会から河合夫妻逮捕まで
    の税金を使っての公職選挙法違反、今もって解明されないモリ・カケ疑惑。
    読売・産経は大本営発表の少年漫画だから、こんなものを読んでも時間の無駄だが、朝日・毎日にもう少し勇気が
    あったならば、ジャーナリストとしての良心がもう少しあったならば、その紙面は赤旗までとは言わないが、少なくと
    も沖縄タイムスや琉球新報や東京新聞と変わらないものになっているのでは、だから私は商業新聞は読まない。
     安倍首相は「何よりも重要な拉致問題の解決に向けて、条件を付けずに、私自身が金正恩(朝鮮労働党)委員
    長と向き合う決意だ」と言った。「(北方四島の)領土問題を解決して、平和条約を締結する。私と(プーチン・ロシア)
    大統領の手で成し遂げる決意だ」とも言った。そしてどうなったか。一歩でも前進したのか。
    こうした空約束について朝日・毎日はどのように報道してきたのか。
    NHKが国営放送となり、読売・産経が大本営発表となった今、朝日・毎日は何のための新聞なのか。
     新聞を読んで「日本と世界の出来事」を知る、しかし、本当にそうなのか。そこで報じられている出来事が嘘であった
    ならば、私たちが知る「日本と世界の出来事」とは何なのか。
     例えば、沖縄だ。沖縄には米軍が駐留している。これは外国の軍隊だ。沖縄には本土の機動隊が派遣されている。
    これは日本国の治安維持組織だ。この組織は米軍に対する県民の抗議行動を弾圧することを目的として派遣では
    なく、県外派兵された暴力装置である。この問題について本土の新聞・テレビは何を伝えたのか。
     だから私は今日も「しんぶん・赤旗」を読む。

  



     「万国津梁の鐘」
       」

       2020・6・23 

     今日は「慰霊の日」だ。「しんぶん・赤旗」の第一面のトップ記事。

     太平洋戦争末期の、多くの住民を巻き込む激しいい地上戦で20数万人の尊い命が奪われた沖縄戦から
    75年、沖縄県では23日、「慰霊の日」を迎えます。
    
     20数万人もの人が何の為に亡くなったのか。当時の日本政府が「国体護持」(天皇制存続)と本土決戦を
    遅らせるための「捨て石」として位置付けた、こんな馬鹿げた理由の為に、人々の生活は壊され、命は奪わ
    れていくのか。しかも、敗戦後、天皇はこれほどまでに多くの犠牲者を出した沖縄を保身の為にアメリカに
    差し出した。この地上戦では沖縄県民の4人に1人が犠牲となっている。そして天皇制は残った。
     港ヨコハマの小野さんからメールが届いた。
    高良朱香音さんの詩を読んでみた。
    私たちは沖縄について本当に何を知っているのだろうか。暗澹たる思いになる。
    それで、高良さんの詩「あなたがあの時」をこのホームペイジの「沖縄」の欄に全文転写した。忘れないためだ。

       「あなたがあの時」

   今年は首里高校(親友の母校でもあります)の高良朱香音さんでした。

 https://news.yahoo.co.jp/articles/a414936b78c8e785d1d4fecaf23b4756aad8d767

   この感受性と想像力をもつ10代が私たちの暮らす本土にどれだけいるだろうか。
 この感受性と想像力に共感できる大人が私たちの暮らす本土にどれだけいるだろうか。

   私たちが置き去りにして忘れたふりをしているものを、
  直視する勇気を放棄していることを、沖縄の人たちは大切に語り継いできた。
  人の歴史とは、本来そうではなくてはいけない。

                    小野


    今日は火曜日、午前10時、恒例のお茶会に出かけた。
   出席者の近況報告を聞くと、ひと月前よりは世の中が落ち着きを取り戻している様子が感じられた。 
   札幌駅前ではデパートの買い物客の姿が多くなったということだ。しかし、まだ予断は許されない。コロナは世界的には
   まだ治まってはいないのだ。今は、大陸間を移動中である。また、一度は去ったかに見える地域でも新たな感染は確認
   されている。専門家は、秋以降に第二波は必ずやってくると言っている。
   近況報告では、この季節らしく各人の家庭菜園・花壇での作業風景についての話で盛り上がった。
   経験も知識も豊富な人たちの話だから私のような素人には勉強になる。晩学初心、謙虚さは人間を幸せにする。
    午後からはバアサンと「枯葉のデート」を楽しむ。
   近くのホームセンターを覗いて、マリー・ゴールド(聖母マリアの黄金の花)とベゴニアを2苗づつ買った。どちらも色鮮やか
   である。1苗98円、笑うべし、貧者の作庭記である。
   ベゴニアはフランス領アンティル諸島の総督であったフランス人ミシェル・ベゴンの名に由来するものだそうだ。
   植物学にも植民地支配の歴史がつきまとうか。
   ヨーロッパ人は他人の土地で色々なものを発見し、それらの物に勝手に名前を付ける。まさしく言語帝国主義である。
   この「オリエンタリズム」をエドワード・サイード(1935年~2003年)は批判し、告発したのである。
    サイードによればオリエントとは、西洋(オクシデント)の諸文化に対する文化的な他者として立ち現われてくる、エキゾ
   チックで、ときには不気味かつ挑戦的ですらあるイメージの総称として用いられているもの、この中には中東ばかりでなく、
   アフリカやオセアニアやラテン・アメリカも含まれている。つまりは「西洋」対「非西洋」の関係であり、それは支配する者と
   支配される者の記号化、ときには可視化のことである。
    ベゴニアの本当の名前は今ではもう分からない。
   沖縄が「琉球」と呼ばれていた時代、つまり独立国家であった時代ということだが、これが遠い記憶である。75年前の地上
   戦、これが近い記憶である。そして今、沖縄では民意を無視して辺野古新基地建設が進められている。建設の理由は、国
   土防衛上、アメリカの抑止力を本土は必要とするというものだ。またしても本土防衛のために沖縄は犠牲となれ、である。
    日本版オリエンタリズムとしか云い様のない思考様式がある。
   日本の優れた文化対遅れたアジア諸国及び地域といったものだ。地域の中には沖縄も北海道(先住民問題)も入る。
   日本版オリエンタリズムの最大の特徴は、「同化と差別」である。
   いつでもどこでも日本は他者に対して「同化」を強制しながら、「差別」は残す。
   例えば、日本式の苗字に変えなさいと言いながら、その苗字は必ず「非日本人」であることが誰にも分かるものが与えられる。
    基地のない平和で豊かな沖縄、それは遠い記憶の中に確かにあった。
   
        「万国津梁の鐘」

     琉球國者南海勝地而 鍾三韓之秀以大明為
     輔車以日域為脣歯在 此ニ中間湧出之蓬莱
     嶋也以舟楫為万國之 津梁異産至宝充満十
     方刹

     琉球国は南海の勝地にして
     三韓の秀を鍾め、大明を以て輔車となし
     日域を以て脣歯となす
     此の二者の中間に在りて湧出する所の蓬莱島なり
     舟楫を以て万国の津梁となし
     異産至宝は十方刹に充満せり



      「四字熟語」
   
         2020・6・22 

    朝の9時、妻殿と二人で手稲区前田にある「コメダ喫茶店」に出かけた。
   先週に続いてジイサンとバアサンの枯葉のデートだ。バアサンが言うには「此処の珈琲は味が濃くて美味しい」ということ
   だそうだ。コメダは名古屋発祥の喫茶店で、今は全国に展開しているということだ。珈琲は一杯450円、朝はモーニング・
   サービスとして一切れのパンがつく。これが出社前の勤労者には大人気ということだ。店内は音楽もなく、どこか山小屋を
   思わせる設計はとても静かな雰囲気だ。喫茶店といっても若い二人が恋を語り合うといった場所ではない。それこそ早起
   きのジイサンとバアサンが健康のための早朝散歩のついでに一休みする茶店のようなものだ。
   しかし、此処の珈琲は確かに美味である。味に深味がある。朝一番にこういう珈琲を飲めば、その日一日は充実したもの
   になる、根拠はないが、そう思わせるものはある。
    帰りにホームセンターに寄ってみたが、野菜の苗はもう売っていなかった。まだ土地?が少し余っているのだが、さてさて
   どうしたものか。緑一色では色気に欠けるから何か花でも植えるか。6月の花か、思い当たるものがない、教養がないとい
   うのは寂しいものだね。
    家に帰って、新聞を開く。連載企画「新型コロナが問う 日本と世界」、今日はフランス文学者の堀 茂樹さんの登場だ。
   この人は慶応大学名誉教授。訳書に『悪童日記』『第三の嘘』などがある。堀さんはこう語っている。

    われわれは社会的な存在でもあり、集団生活は公共性に支えられています。自然、身体、公共をもう一度意識化し、その
   保全に十分なお金を注いで強くする必要があると思います。それでどうするか。表面的な効率追求、ジャストインタイム(必
   要な物を必要な時にだけ取り揃え在庫を極力減らす)的な、余裕のない社会の組織・運営をやめて正気を取り戻す、物事
   の本質を見つめ直す意識改革が必要です。ところが、それをやらせないのがいわゆる新自由主義ですね。日本でこれを
   ひっぺがし、環境を保護し、疾病に備え、公共部門を強くするには、政権交代が不可欠です。

    西原扶美雄さんのフェイスブックを覗いてみる。相変わらず強烈だ。
   こういう人たちのフェイスブックがあれば新聞・テレビはいらない。



   元法務大臣が選挙違反で逮捕される国、メディア(フジ・産経)が世論調査を捏造する国。
  総理大臣が製造元不明の汚れたマスクを国民に配布する国。
  もう結論は出ているのではないか。
  追い詰められ、辱められ、馬鹿にされ、それでも緑のタヌキを支持するのか、それでも靖国小僧を支持するのか。
  
 

「多数者が一者に隷従する不思議」

  ここで私は、これほど多くの人、村、町、そして国が、しばしばただ一人の圧制者を耐え忍ぶなどということが
 ありうるのはどのようなわけか、ということを理解したいだけである。その者の力は人々がみずから与えている
 力にほかならないのであり、その者が人々を害することができるのは、みながそれを好んで堪え忍んでいるから
 にほかならない。その者に反抗するよりも苦しめられることを望むのでないかぎり、その者は人々にいかなる悪
 をなすこともできないだろう。


           エテエンヌ・ド・ラ・ボエシ  『自発的隷従論』



        「古京はすでに荒れて」

           2020・6・21 

    今日は「父の日」、亡くなった父親を偲ぶ日ということか、それとも年に一度現役の父親が家族から感謝される日という
   ことか。いつからこの日が生まれたのか、パソコンに聞いてみるか。ウイキペディア(フリー百科事典)。

    1909年アメリカワシントン州スポケーンのソノラ・スマート・ドッドSonora Smart Dodd)が、手1つで自分を育ててくれた
   父を讃えて、教会牧師にお願いして父の誕生月である6月に礼拝をしてもらったことがきっかけと言われている。彼女が幼い
   頃南北戦争が勃発。父ウィリアムが召集され、彼女を含む子供6人は母親が育てることになるが、母親は過労が元でウィリアム
   の復員後まもなく亡くなった。以来男手1つで育てられたが、ウィリアムも子供達が皆成人した後、亡くなった。
    最初の父の日の祝典は、その翌年の1910年6月19日にスポケーンで行われた。当時すでに母の日が始まっていたため、彼女
   は父の日もあるべきだと考え、「母の日のように父に感謝する日を」と牧師協会へ嘆願して始まった。
   1916年、アメリカ合衆国第28代大統領ウッドロー・ウィルソンは、スポケーンを訪れて父の日の演説を行い、これにより父の日が
   認知されるようになる

    なるほどね、男手一つで子どもたちを育てたという神話か、南北戦争云々というからそれほど古い話ではない。
   そして、我が家の今日の夕食。サーロインステーキと握り寿司、酒は大吟醸「越後桜」ときた、何とも豪華だね。
    シェイクスピアは「聡明になるまで、老いるべきではなかった」と言った。
   堀田善衛さんは藤原定家についての書き物の中で、「父親とは滑稽にして、悲壮なものだ」と書いていた。
   では、私はどうなのか、これ以上はよそう。ここは私生活について語る場所ではない。
   いつもの「ハック・フィン」に戻る。

    堀田善衛さんの『方丈記私記』を読んでいる。期待していた以上に面白く、想像していた以上に奥が深い。
   堀田さんは1918年(大正7年)生まれ、この年に生まれた人は私が生まれた時は31歳となっており、時は西暦1949年
   (昭和24年)で、戦後4年目にあたる。この時点では彼および彼女らはまだ海のものとも山のものとも分からないけれども、
   後に各分野で名を成すことになる人たちだ。
    小暮実千代(女優)、川島雄三(映画監督)、池部良(俳優)、中村真一郎(作家)、升田幸三(将棋棋士)、塩月弥栄子(茶
   道家)、神田隆(俳優)、田中角栄(政治家)、高峰三枝子(女優)、いわさきちひろ(絵本作家)、鶴見和子(社会学者)、高
   英男(シャンソン歌手)、中曽根康弘(政治家)、福永武彦(作家)、以上の人たちは経歴も立場も様々だが、敗戦の焼跡に
   立っていたという体験を共有している。この時、彼および彼女たちは何を考えていたのか。
    
     藤原定家「紅旗征戎吾ガ事ニ非ズ」

     鴨長明「古京はすでに荒れて、新都はいまだならず、ありとしある人は皆浮雲の思いをなせる」

    
知と財があって家に籠ることができれば定家を気取ることはできる、家がなければ路上の孤児である長明の思いを我がこ
    ととするだろう。
    
私が見るに、堀田さんは定家にマラルメを見ていた。しかし、これは若い頃のことであって、その後、「新古今」の世界が持つ
    非歴史性から次第に離れていったのではないだろうか。
   
まあ、先は急ぐまい。堀田さんについてはもう少し勉強しなければならない。まだ全体像を掴んでいるわけではないのだから。
     赤旗のコラムを読む。

        「奴隷解放の日」米熱く
                “なくせ人種差別”

     【ワシントン=遠藤誠二】米国の「奴隷解放の日」にあたる19日、警察による相次ぐ黒人殺害事件への抗議が続く全米各地で、
    人種差別撤廃を訴える集会・デモ行進が行われました。
     首都ワシントンでは、市中心部への車の乗り入れが禁止され、さまざまな団体が終日、イベントを開催。フリーダム広場では教
    師・学生ら数百人が、「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命は大事)」とともに、「ブラック・スチューデンツ・マター(黒人の生徒・学生
    は大事)」と声をあげました。
     参加者は、「(奴隷が最初に連れてこられてから)400年たった今も、米国は偉大になれないのか」「人種差別は最も長い疫病だ」
    などと書かれたプラカードを掲げ、数キロ先の教育省まで行進しました。
    行進に参加したエミリアさん(32)は、「肌の色の濃い人たちは貧困層が多く、住む地域の教育予算も少ない。教育の機会でも差別
    を受けている。制度の改革をもとめています」と話しました。
    「奴隷解放の日」は、リンカーン大統領による奴隷解放宣言(1863年)を経て、南軍が陥落した1865年にテキサス州で最後の奴
    隷が解放された日。黒人社会以外には広く認識されてきませんでしたが、今年は、休日にする自治体や企業が相次ぎました。
     12日に警察による黒人射殺事件が発生したジョージア州アトランタでも集会がおこなわれ、抗議デモは、ミネソタ州でのジョージ・
    フロイドさん殺害事件から連続25日目となりました。

     事の起こりは、1492年10月12日、クリストファー・コロンブスはアメリカ大陸周辺の島であるサン・サルバドル島に到達した、
    いわゆる「新大陸の発見」である。
     此処で何が起こり、そのことがその後の世界史にどう関わってきたのか。
    人種差別はアメリカだけの問題ではない。元をただせば、それはヨーロッパ諸国の帝国主義が植民地支配を正当化するための
    イデオロギーである。シェイクスピアの『テンペスト』はその寓話である。
     この数日、世界各国でこれまで偉大な人とされてきた皇帝や軍人や政治家の銅像が引き倒されているが、ここに来るまでに
    400年という時間がかかった。何故こんなにも長い時間に渡って見逃されてきたのか。
     植民地主義とは何か、それは言葉を教えることから始まる、そして、それは言葉を奪うことでもある。これを言語帝国
   主義という。次に名を与える、これは元の名を奪うということである。そして、最後に神を与える、これはその土地の歴
   史を奪うということである。

    スペイン人が南米大陸でしたこと、イギリス人が北米大陸でしたこと、日本人が朝鮮半島でしたこと、みなこの手順によ
   って展開された。血塗られた恩寵、これがコロニアリズム(植民地主義)である。

     モンテーニュの『エセー』(筑摩世界文学大系13・昭和48年刊行・原二郎訳)第1巻第31章154頁、「食人種に
   ついて」に次ぎの言葉を読む。

     私は、このような行為のうちに恐ろしい野蛮さを認めて悲しむのではない。むしろわれわれが彼らの過ちをこっ
   ぴどくやっつけながら、われわれの過ちにまったく盲目であることを悲しむのである。私は死んだ人間を食うよ
   りも、生きた人間を食うほうがずっと野蛮だと思う。

    
鴨長明、私にとっては「夏の嵐」だ。

        古京はすでに荒れて、新都はいまだならず

   
  さてさて、新都はどこにあるのか。
    でも僕は忘れたくない。その時代がどういうものであったかを。

     それも僕たちが――愛する者に看取ってもらえず、寂しく死ぬことになるかもしれないなんて、しかもその葬儀は音ひとつ
    せず、立ち会う者ひとりいないかもしれないなんて、誰が想像していたろう?にもかかわらず。

                     パオロ・ジョルダーノ

      最後に、この夏の浜辺から呼びかけよう。
     先ず、緑のタヌキの銅像を引きずり降ろせ!
     それが新都建設の第一歩だ。




       「闇の奥」

          2020・6・20 

    「ハローページ」がなくなると今日の新聞に書いてあった。「NTT東日本とNTT西日本は18日、個人と企業の
   固定電話番号を50音順に掲載した電話帳『ハローページ』の発行を、2021年10月から順次終了すると発表
   しました」ということだ。理由は「携帯電話の普及に加え、番号掲載を希望しない世帯が増加」だそうだ。
   世の中が変わったということなのだろう。私が少年だった頃は、家に電話があるということはお金持ちの証明だ
   ったが、今時は小学生でも携帯電話を持っている。それも昔に比べると機能が天文学的に拡大されて、この携
   帯電話(スマホと云うのか)を電話機と呼ぶことが正確なのかどうかも疑問であるが、かくして時代は変わったの
   である。これが良いことなのか悪いことなのかは分からぬが、科学は善悪に関係なく進歩し続けるという性質を
   本来的に持っている。だから、科学の進歩を無条件に受け入れてはならない、時にはそれを制御しなくてはなら
   ない、と私は考える。善意を持っての発明・発見が悪意を持って利用されるということだ。
    今日の新聞の第一面のトップ記事は、「新型コロナが問う  日本と世界」と題してのもので、京都大学総長で
   ある山極寿一さんが登場している。その発言を少し書き留めておく。

      資本主義は限界  誰もが・・・
    問題は、利潤をあくまで追求し、利潤を将来の投資に向けるという資本主義の原則です。資本主義はそのため
   の自然破壊をためらわないのです。資本主義は自然が文句を言わないために、自然を「搾取」してもいいと考え
   ます。国内産業の不振などでGTP(国内総生産)が上がらず苦労している先進国の中に、発展途上国の手つか
   ずの自然資源を利用して利潤を上げようとしている国があります。違うやり方を入れていかないと世界はもたない
   と思います。コロナ禍のもとで、誰もが資本主義は限界だと感じているのではないでしょうか。
       医療など「公共財」
    生産性と効率性を高め、未来に投資することを金科玉条として資本主義は発展してきました。しかし、生産性や
   効率性に結びつかないが、危機的な事態でも続けなければならない仕事があることが分かりました。例えば、医
   療、介護、子育て、教育などです。
   【中略】人間にとって医療や介護、教育などは利潤のあるなしにかかわらずコモンズ、公共財と考え、重視する必
   要が出てきたと思います。

    またまた話は変るが、今日の毎日新聞と時事通信から二つの記事も転写しておく。

     英オックスフォード大、セシル・ローズの像撤去へ 米黒人男性暴行死で批判強まり

    英オックスフォード大学オリオルカレッジは17日、同校の建物外壁に設置されている19世紀の大英帝国の政治家、
   セシル・ローズ(1853~1902年)の像の撤去を決めた。ローズはアフリカで英国の植民地拡大を推進した植民地主
   義者・帝国主義者として知られている。像を問題視する声が以前からあったが、米国の黒人男性暴行死事件への
   抗議活動が活発化する中、撤去を求める声が再び強まっていた。現在の南アフリカに渡ったローズはダイヤモンド
   の採掘によって巨万の富を築き、英ケープ植民地政府の首相などを務めた。  また、アジアにおける英国の植民地
   経営を担った東インド会社を模した「南アフリカ会社」を設立。現在のザンビアとジンバブエに当たる地域を支配下に
   収め、自身の名前にちなんで「ローデシア」と名付けるなど、典型的な帝国主義政治家として知られてきた。

      アントワープ市、レオポルド2世像撤去 植民地推進の元ベルギー国王

 【ブリュッセルAFP時事】ベルギー北部アントワープ市は9日、市内の元国王レオポルド2世像を撤去したと発表した。
   米国の白人警官による黒人暴行死を受け、アントワープでもデモがあり、その際、赤い塗料をかけられていた。  レオ
   ポルド2世は19世紀後半~20世紀初め、コンゴ(旧ザイール)などの植民地化を進めた人物。天然ゴムの農園で酷使し
   た現地人に死者が続出する一方、王室財政を潤わせた。

    ジョセフ・コンラッドの小説『闇の奥』はレオポルド2世のコンゴ支配を暴露したものである。この作品の舞台であるコン
   ゴ川一帯はベルギー国王レオポルド2世の私有地であった。
   「書評」によれば、闇の奥というタイトルは、アフリカ奥地の闇でもあるが、人間の心の闇、西欧文明の闇をも含意してい
   ると考えられるということだ。
    フランシス・フォード・コッポラ監督によって1979に映画化された『地獄の黙示録』の原作はこのコンラッドの小説である。
   舞台はコンゴからベトナムに移され、原作では貿易会社の現地代理人で奥地にいるクルツという男は、映画ではカーツ
   大佐と呼ばれ、マーロン・ブランドが演じていた。
    またまた話は変わるが、赤旗の名物コラム「きょうの潮流」、これも転写しておく。

         「きょうの潮流  2020・6・20

    自身のすべてをさらした勇気あるつぶやきです。19日開幕したプロ野球。楽天のオコエ瑠偉(るい)選手が数日前、自身
   の差別的な体験をツイッターでつづっています▼ナイジェリア人の父を持ち、日本で育った同選手は、5歳のエピソードから
   書き出します。保育園の先生が『醜いアヒルの子』の絵本を読んだとき、他の子らが自分の方をみて笑ってくる。自身は「う
   つむき耳を塞(ふさ)いでた。物凄(ものすご)く孤独だった」。そして「俺が周りとは違うと初めて認識させられた出来事だった」
   と▼つらい経験は続きます。親の似顔絵を肌色で塗りましょうとの先生の言葉。反抗しつつ「涙ながら」に茶色のクレヨンで塗
   ったこと。小学校の野球の先輩から、「お前の家では虫とか食うんだろ」とあざ笑われ、殴られたこと。高校でも「甲子園には
   黒人はでるな」のおとなからの言葉に深く傷つきました▼米国の黒人男性ジョージ・フロイドさんの暴行死をきっかけに反人種
   差別の声が世界をかけめぐっています。日本でも共感が広がる一方、「国内で差別は実感できない」との声も聞かれます▼
   しかし、彼の告白は偏見や差別が身近にひそんでいること、人々の心に容易に入り込むことを教えてくれます。子どもたちに
   どう伝え、教えるべきなのかも▼「こういう経験があるからこそ、悔いないように生きようと思う」。すべてを受け入れ、力に変え
   るその姿に胸が熱くなります。だれもが輝き、尊重される社会のために。彼が絞り出した心の叫びにしっかり応えなくては。

    ジョージ・フロイドの事件は決して遠い外国の出来事ではない。ましてや他人事でもない。
   日本では白昼公然とヘイトクライム(憎悪犯罪)がまかり通る。
    ヘイトクライムとは何か、日本大百科全書の解説を引く。

    人種、宗教、肌の色、民族的出自、性的指向別、心身の障害などを理由とした憎悪あるいは偏見動機とする犯罪
   憎悪犯罪
ともいう。この種の犯罪は古くからみられたが、ヘイトクライムとよばれるようになったきっかけは、1985年にアメリカ
   の下院に提案された、ヘイトクライム統計法Hate Crime Statistics Act(1990年成立)である。
   なお、アメリカでヘイトクライムにあたる行為が初めて法律で規制されたのは、南北戦争以降の人種差別問題を解決するため、
   1871年に制定された連邦法反クー・クラックス・クラン法Ku Klux Klan Actで、これ以降アメリカでは、ジェンダー(性差)、性的指
   向、障害などに対する偏見や暴力を規制する法律が制定された。またヨーロッパにおいては、ドイツにおけるユダヤ人差別に対
   する罰則の規定をはじめ、ヘイトクライム行為を規制する法律が施行されている。


 
      「二人の倫理観」

        2020・6・19

    都知事選スタート、日本記者クラブ主催の共同記者会見などの論戦にみる両者の違いを新聞で確認する。
   新聞は「しんぶん・赤旗」、両者とは宇都宮けんじさんと小池百合子さんのことだ。候補者が20人前後いることは
   知っているが、政策や争点が明確でないもの、もしくは何もないものは取り上げても意味はないと思うので、取り
   あえずはこの二人に絞って観察を続けることにした。
    二人の違いは次の4点だ。

   「1」 感染対策
     
宇都宮氏   検査拡充し(医療)体制強化
     
小池氏     内容不明の印象先行
   「2」 補償
     
宇都宮氏   弱い立場の人を救え
      小池氏    自衛強調「稼ぐ東京」
   「3」 五輪
      宇都宮氏   専門家判断で中止も
      小池氏    来年実施に一人固執
   「4」 カジノ
      
宇都宮氏   刑法犯罪ときっぱり
       小池氏    経済成長にメリット
   
    
「1」の問題については宇都宮さんは、日本のPCR検査数がOECD加盟国36カ国中35位だと指摘し、「まず検査
    体制の抜本的強化が必要だ」と強調。さらに都が保健所を71カ所から31カ所に減らしてきたことを示し、医療・保
    健体制の抜本的強化が必要だと述べ、また、都立・公立病院の独法化を中止し、充実・強化すべきだと力説。
     「2」の問題については、「自粛から自衛の段階」を強調する小池さんは、「自己責任、自助ということか」と問われ、
    それを否定しなかった。コロナ危機により苦境に陥っている都民への補償についての言及は一切なかった。
     「3」の問題について宇都宮さんは、「五輪には世界中の人が集まってくる。日本が克服しても、世界でコロナが蔓延
    していれば難しい。感染症対策の専門家が困難だとした時は積極的にIOCに中止を働きかける」「浮いた予算はコロ
    ナ被害救済に充てる」と語っている。
     「4」の問題について小池さんは、「観光経済成長を進めるメリットがある。まさしく『稼ぐ東京』だ。メリット、デメリット、
    総合的な検討が必要だ」と賛否を明らかにしない。これに対して宇都宮さんは、「カジノは人の不幸の上に成り立つ
    賭博、刑法で禁止されている犯罪だ。一家心中、一家離散を生んできた。政治家はもっと道徳、倫理を考えなくては
    いけない。カジノで経済成長なんて実態にも合わないし、考えてはいけない」と語っている。

     以上の4つの争点から見えてくるものは、当然、二人の候補者の政策や政治観の違いと言うことであるが、それ以上
    に鮮明なのは、政治的立場云々の前に、二人の人間の倫理観と地球的視野の有無である。
     先ず、小池さんの「自粛から自衛の段階」というのは、有り体に言えば、これ以上は補償はしたくない、自分の事は自分
    で守れという棄民政策である。ここには政治の責任という自覚はない。
     
この点について宇都宮さんは、ネットカフェで寝泊まりしていた約4千人の人など、弱い立場の人が苦境に陥っている
     ことを示し、路頭に迷わせない補償が必要だと訴え、その財源については、基金の活用と不要不急の大型開発の中止、
    大幅な予算組み替えを主張している。
     五輪については、小池さんは開催優先であり、中止が決定されるまではコロナ危機に対しては全く関心を示すことは
    なかった。「浮いた予算はコロナ被害救済に充てる」という宇都宮さんは、五輪よりも世界中の貧者・弱者の救済こそが
    政治の果たすべき役割だといっているのだ。この対比から見えてくるものは、差別主義対人道主義というものであう。
    
コロナ後の世界はどうあるべきか。

    たとえばこんな問いだ。すべてが終わった時、本当に僕たちは以前とまったく同じ世界を再現したいのだろうか。
    
     僕には、どうしたらこの非人道的な資本主義をもう少し人間に優しいシステムにできるのかも、経済システムが
    どうすれば変化するのかも、人間が環境とのつきあい方をどう変えるべきなのかもわからない。実のところ、自分
    の行動を変える自信すらない。でも、これだけは断言できる。まずは進んで考えてみなければ、そうした物事はひ
    とつとして実現できない。
                  『コロナの時代の僕たち』   パオロ・ジョルダーノ




      「誰を選ぶのか」

          2020・6・18 

    都知事選きょう告示。朝日新聞の候補者一覧を見るとなんと20人が立候補している。
   その中の何人かは名前も顔も知っているが、後の15.6人は見たことも聞いたこともない人たちだ。ということは
   これらの人はこれまでに政治活動などとは無縁の世界にいた人ということになる、事実その職業を見ても、なぜ
   今この時に都知事にならなければならないのか理解に苦しむ。どの選挙でも泡沫候補というお騒がせ屋は出て
   くるが、その目的は何かと考えるに、売名もしくは暇つぶしであるが、それでも時には神のいたずらとしか思えない
   奇跡が起こって晴れて政治家の名刺を持つことになる場合もなくはないので、案外、本気で立候補している人も
   中にはいるのだろう。過去には山東昭子(1942年生まれ・78歳)の成功例もあり、近くは三原順子とか今井絵
   理子とか馳浩とかいった例もある。ただし、この種の成功の条件は何と言ってもテレビを通しての知名度である。
    それはともかくとして、都知事選の前にこの国の「今と此処」を確認しておく。
   デイリー新潮の記事だ。

     1ケタ違った振込金額は二階幹事長主導か

    「立件へ」と報じられてきた国会議員夫妻がついに塀の向こう側へ落ちた。国会閉会直後の6月18日、東京地検
   特捜部は、河井克行前法相(57)と妻の河井案里参院議員(46)を公職選挙法違反容疑(買収)で逮捕。憲政史上
   初の「国会議員夫婦同時逮捕」で今後、夫妻の運命はどんな風に変転していくのだろうか。
     芸州・広島の有名な夫婦漫才「克行&案里」が興行先の大江戸で火付盗賊改方に捕縛されたという瓦版だ。
    火盗の長官の名前は長谷川平蔵か阿部式部は分からないが、ここから先は池波正太郎先生に聞くしかないか、
    私の記憶に誤りがなければ、この事件は『鬼平犯科帳』か『雲切仁左衛門』のどちらかに収録されているはずだ。
     実は、夫婦漫才というのは表看板でこの二人はその世界では音に聞こえた道中師であった。道中師とは今時
    めったに聞かぬ言葉だが徳川幕府265年の歴史では、街道を往復して人の用事を足すことを業とした人。飛脚・
    荷宰領(にさいりょう) の類。または盗賊、詐欺師となっている。
     天網恢恢疎にして漏らさず(てんもうかいかいそにしてもらさず) は老子の言葉だそうだ。
    意味は、天の張る網は、広くて一見目が粗いようであるが、悪人を網の目から漏らすことはない。悪事を行えば必ず
    捕らえられ、天罰をこうむるということだ。
    しかし、これから夏を迎える塀の向う側は蒸し暑いだろうな。でもいいか二人一緒で入るのだから、第二の新婚旅行
    のようなものだ。
    まあお元気で。また会う日まで(その時が来ないことを願うが)。
     次は懐かしの「雲隠れのメロン・マン」の近況だ。発信元は「JIJI・COM」(6月16日付け)

       自民・菅原氏、公選法抵触認める 議員辞職・離党は否定

    秘書が選挙区内で香典を配ったなどとされる疑惑で昨年10月に経済産業相を辞任した自民党の衆院議員
   は16日、党本部で記者会見し、香典提供など公職選挙法に抵触する事例があったことを認めた。捜査中を理由に詳細
   な説明は避けたが、議員辞職や離党は否定した。

    この人も夫婦漫才「克行&案里」と同じく靖国小僧をお頭(かしら)とする三代目長州屋の枝葉だ。組内での序列はそう
   高い方ではないが、その「雲隠れメロン・マン語録」は一頃はよく読まれていた。そこにはこんなことが書いてあった。
   「女は25歳以下がいい。25歳以上は女じゃない」「子供を産んだら女じゃない」「嘘を申請したから大丈夫」。
   つまり政治に関しては全くの無知、要するに素人(しろうと)であるが、夜の性事に関しては余人をもっては代えがたい玄人
   (くろうと)であるとご本人は言っているのだ。しかし、58歳だよ、そんなことを言っている場合か。
    痴呆のエログロ差別主義者、近頃多いよね、こういう大人が。
     で、話を都知事選に戻す。
    しんぶん・赤旗の今日のコラムだ。

        きょうの潮流   2020・6・18

    「忙しく頼もしい、背広を着た小さな救いの神」。温和な表情をうかべる人物を作家の宮部みゆきさんはそう描きました。
   自身の人気小説『火車(かしゃ)』のなかで▼サラ金被害者を助けるために奔走する弁護士。そのモデルになったのが宇都
   宮けんじさんです。作中、こんなセリフを言わせます。「現代のクレジット・ローン破産というのは、ある意味では公害のような
   ものでもある―」▼人間らしく生きたい、幸せになりたい。そう願いながら、行政の怠慢や法の不備によって転がり落ちてゆく。
   落とし穴にはまり抜け出せない。そんな人びとに寄り添い、貧困や社会悪とたたかってきました▼都民一人ひとりのいのちと
   暮らしを守り抜く。きょう告示の東京都知事選に立ったのも、みずからが地道にとりくんできた問題の解決には、政治を変え
   る必要があると痛感しているからでしょう。コロナ危機にも、仲間とともに電話相談や基金の設立を呼びかけ、政府に要望書
   も出しました▼信念をもって一貫している、まじめで誠実、筋を通し約束を守り抜く、決して不正は許さない強い意思を持つ人…。
   本紙に寄せられた期待の声は、苦しみや困難を取り除くために尽くしてきた活動が体現する人柄をさまざまに▼1400万人が
   生活する大都市東京。先の小説は現在の姿を「地味も消え、雨も降らず、耕す鍬(くわ)もない荒れた畑」だと。自分ファースト
   の小池都政から都民の声に耳を傾け、人にやさしい希望ある都政へ。偽りではない、真実がそこにあります。



        「合理的な判断」

           2020・6・17 

   昨日の新聞の第一面のトップ記事は、迎撃ミサイル配備停止について報じていた。

   「河野太郎防衛相は15日、防衛省内で記者会見し、陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」を
  秋田県と山口県へ配備する計画を停止すると発表しました。迎撃ミサイルについて技術的な問題が見つかり、
  改修に相当なコストと期間がかかるためだと説明しました。」

   目立ちたがり屋、上から目線、変節漢、時代が変わったのか、それとも人間が変わったのか、河野太郎か、昔
  はもう少し清潔感のある男だったと記憶するが、憐れむべし、今は見る影もない。どうしてこんなことになったの
  か、父・河野洋平は信念に基づいて行動し、己の良心に照らし合わせて政治を語る、そういう男だった。これは左
  右の立場を問わず政治家としての最低限の条件だろうと思うが、息子の太郎には庭の訓えが伝わらなかったか、
  この親不孝は傍で見ていても何か痛ましいものがある。
  偉大な父親と不出来な息子、しかし、ここまでは河野家の家庭内事情小説である。
   問題は、軽佻浮薄を絵に描いたような男が外務大臣や防衛大臣の椅子に座れるというこの国の政治の耐えら
  れない軽さだ。
   その不出来な息子さんは、配備停止について、「(ブースターを)確実にむつみ演習場に落とせることにならないと
  判明し、(改修の)コスト、期間を考えると配備のプロセスを進めるのは合理的でないと判断せざるを得なかった」と
  何だか他人事のように語ったが、何を今更である。これが配備停止の本当の理由であるかどうかは今のところ判
  断のしようはないけれども、もし、これが本当の理由であるならば、沖縄県名護市の辺野古の新基地建設も即刻中
  止すべきではないのか。
   太郎君は「地元の皆さまにはご迷惑をお掛けしてきた。おわびを申し上げなければならない」と秋田、山口の県民
  に謝罪したが、この言葉は先ず沖縄県民に対して発せられるべきものなのではないのか。
   目的の不透明性、計画の杜撰、県民の反発、構図は全く同じである。
  辺野古の基地建設予定地は軟弱基盤であり、「マヨネーズ並み」の軟らかい地盤であることは既に明らかになって
  おり、7万本の杭(くい)を打ち込む大規模工期は8年から12年に延び、工費は3倍近い約9300億円に膨らんで
  いる。そして、県民投票では、7割が反対票を投じた。
   玉城デニー沖縄知事は、「コストと期間を考えると、辺野古の方がより無駄な工事ではないか」と言っている。
  工期が12年に延びたといっても、それは7万本の杭を打ち込むだけの作業である、本格的な基地建設工事はそれ
  から先のことなのである。マヨネーズ地盤の上に飛行場を作る、これは何かの寓話か。題して「永遠の未完成」。
  秋田・山口では合理的な判断をし、沖縄では非合理的な強行か、この二重基準を差別というのである。
   偉大な父親・河野洋平(83歳)は2006年(平成18年)8月15日、全国戦没者追悼式の衆議員議長追悼の辞で、
  天皇・皇后が出席する中、「戦争を主導した当時の指導者たちの責任をあいまいにしてはならない」と戦争責任論に
  言及し、2007年(平成19年)8月15日も同じ場面で、「日本軍の一部による非人道的な行為によって人権を侵害
  され、心身に深い傷を負い、今もなお苦しんでおられる方々に、心からなる謝罪とお見舞いの気持ちを申し上げたい
  と思います 」と天皇皇后と戦没者遺族が出席している中で述べた。
   今日の新聞では、この不出来な息子はまたまた錯乱している。
  衆院安全保障委員会で、共産党の赤嶺政賢議員に「イージス・アショアをはるかに上回るコストがかかるのが辺野古
  新基地建設だ。なぜ停止しないのか」とただされると、呆れたことに「工事を着実に進める」と言い放った。
  さらに立憲民主党の本多平直議員の質問に対して、陸上配備を撤回した場合、代替策として、イージス艦の増勢もあ
  りうるとの考えを示したということだ。陸上に置き場がなくなったら海上にということだが、こうなると不出来を通り越して
  正真正銘の阿呆である。
   秋田も山口も沖縄も、今求められているのは延期でもなく中止でもなく、撤回である。それが合理的な判断というも
  のだ。
  


 
       「済勝(せいしょう)の具」

          2020・6・16

    連休2日目の今日は火曜日、中国5千年の霊薬が効いているのかこの数日は足に異変は生じない。
   森鴎外はその著『渋江抽斎』で、「抽斎はかつてわたくしと同じ道を歩いた人である。しかしその健脚はわたくしの
   比(たぐい)ではなかった。はるかにわたくしに優(まさ)った済勝(せいしょう)の具を有していた。抽斎はわたくしの
   ためには畏敬(いけい)すべき人である」と書いたが、この「済勝(せいしょう)の具」という言葉を知ったのは石川淳
   の『夷斎虚実』を読んだ時で、私は18歳だった。
    ただし、鴎外嫌いの私はそこから直ぐには渋江抽斎には進まなかった。抽斎を開いたのは40歳になった頃である。
   18歳の私が「「済勝(せいしょう)の具」という言葉で思い浮かべていた人物は、砂漠のランボーであった。
   永遠の彷徨者であったアルチュール・ランボー(1854~1891)は、右膝の腫瘍(しゅよう)で歩行不能となり、担架
   に乗せられてマルセイユに還って来が、既に時遅しというか、癌の全身転移により生涯を閉じた。享年37歳。
    18歳の私にとっては田舎の漢方医よりも砂漠の少年の「地獄の季節」が重大な事件であった。
   37歳という年齢も今では遠い昔の想い出となってしまったが、出会いの衝撃の新鮮さは古稀の今も消えてはいない。
   エリオットは西脇順三郎で、ランボーは金子光晴で読むのが私の流儀だ。

       永 遠   (金子光晴訳、角川文庫)
 
           とうとう見つかったよ。
           なにがさ?永遠というもの。
           没陽といっしょに、
           去ってしまった海のことだ。

           みつめている魂よ。   
           炎の中の昼と  
           一物ももたぬ夜との
           告白をしようではないか。

           人間らしい祈願や、
           ありふれた衝動で、
           たちまち、われを忘れて
           君は、どこかへ飛び去る・・・。

           夢にも、希望などではない。
           よろこびからでもない。
           忍耐づよい勉学・・・。
           だが、天罰は、覿面(てきめん)だ。

           一すじの情熱から、
           繻子(しゅす)の燠火(おきび)は
           ”あっ、とうとう”とも言わずに、
           燃え尽きて、消えてゆくのだ。

           とうとう見つかったよ。
           なにがさ?永遠というもの。
           没陽といっしょに、
           去ってしまった海のことだ。 


               *「燠火」=薪(まき)が燃えて炭火のようになったもの。
               *「繻子」=繻子織にした織物。

     「こむら返り」の「こむら」とは「ふくらはぎ」のことで、第二の心臓と呼ばれているそうだ。
    「カンポフルライフ」というサイトの説明を読む。
  
          ”第二の心臓”とも呼ばれるふくらはぎ
     ふくらはぎは全身の血行を巡らせる大切な役割を持っています。冷えて、このふくらはぎの筋肉が凝り固まってしまうと、
    血流が滞り血行不良を引き起こしやすくなります。
血行不良は足がつる要因の一つでもあります。
     真冬の朝方は気温がとっても低いので、自分でも気づかないうちに猫のようにぎゅっと縮こまって寝ていることもありま
    すよね。すると筋肉は緊張状態となり筋肉の収縮に必要な栄養素が十分に届きにくくなります。急に足を伸ばすと「!」とな
    ってしまうのです。

     難しいことは分からないが、足は大事だ。長く生きていくために、強く生きていくために、足は丈夫でなければならない。
    農耕も、開拓も、旅行も、足が丈夫でなければ出来ない。「自分の足で生きる」、いい言葉だね。
     午前10時、「火曜日のお茶会」に出かける。いつものようにお菓子を食べる。福盛田さんの家のお菓子は本当に美味し
    い。家には二人の娘がいるから、お菓子は色々とあるが、どうも娘たちの好むお菓子は食べる気がしない。その理由を
    考えてみるに、福盛田家のお菓子は、基本的に茶菓子なのだ。お茶を美味しく呑むために選ばれたお菓子なのだ。それに
    対して我が家の娘たちの好むお菓子にはお茶との関係が全くなく、ただの間食なのだ。暇つぶしの補助的な軽食である。
    だから、そういうお菓子では時間(対話と思索)を楽しむことができない。問題は、コミニュケーションの捉え方にあるのだろ
    う。あるいは世代の差か。
     お茶会が終わって家に帰ると、妻殿が美味しいお蕎麦を食べさせてあげるからお買い物に付き合えという。
    行き先は手稲駅前のスーパー西友の中にある蕎麦屋さんだ。私はざる蕎麦、妻殿は冷やしタヌキ。二人の娘が成長した
    後に残る時間、これからはジイサンとバアサンのデートの日々が日常生活を作っていくのだろう。
    ジイサンは山で柴刈り、バアサンは川で洗濯、しかし、もう河上から大きな桃が流れて来ることはない。老後である。
    蕎麦を食べながら妻殿の顔を見る。「この女が、俺の最後を看取ってくれるのだろう。感謝」などと馬鹿なことを考える。
    まだ70歳、ほんの若造だ。老人を気取るのは早すぎる。
     食事を済ませた後、妻殿は食料品コーナーへ、私は時間潰しに館内の奥にある「クマザワ書店」を覗く。置いてあるのは
    多種多様な週刊誌・月刊誌と漫画本である。新刊書の棚も今話題の本ばかりで、文芸・哲学に関するものは一冊もない。
    近頃はこういう本屋さんが多くなった。高速回転商法というか、売れるものだけが取り揃えられる。
     そんなことを思いながら文庫本のコーナーまできた。上段から下段まで収められた本の表題と著者名を確認する。
    ちくま文庫のところで目が止まった。
    「ユーレイカ(我、発見せり!)」と叫びたいところだ。何と堀田善衛さんの『方丈記私記』が目の前にあった。
     数日前に読んだ聖書の言葉を想い出した。
    マタイによる福音書7章のことば。

     求めなさい。そうすれば、与えられる。探しなさい。そうすれば、見つかる。門をたたきなさい。そうすれば開かれる。だれ
    でも、求める者は受け、探す者は見つけ、門をたたく者には開かれる。

     この文庫本は1971年に筑摩書房から刊行されたもので、定価は税抜き700円。巻末には「方丈記再読」と題して、堀田
    さんと五木寛之さんの対談が収録されている。
     後は『ミシェル 城館の人』全三巻(集英社文庫)を探すだけだ。この夏はシェイクスピアは暫し中断となるか、鴨長明から
    モンテーニュへどうやって辿り着くか、これは楽しい旅になりそうだ。
    「済勝(せいしょう)の具」とは単なる健脚のことではない。本当の意味は、精神の運動のことである、私はそう思う。




 
      「愚か者の休日」

        2020・6・15

    今日は仕事はお休み、従って一日中、自由時間だ。これといって行く処も行きたい処もないのだけれども
   何故か朝からウキウキ、例によってポール・マッカートニーの『アンド・アイ・ラブ・ハー』を聴いて行動開始と
   した。「古稀」などという美しい言葉もあるが、愚か者にはこの言葉はどうやら無縁であるようだ。
    午前6時、広大な菜園の水撒き作業、時間にして3分弱、唐黍の芽が出て来たよ。労働は報われている。
   成育は順調、太陽の下で土と親しむ、いいね。素朴にして豊饒、この農夫に足りないのは信仰だけか。
    たまには聖書でも開くか、

    一粒の麦が地に落ちて死ななければ、それはただ一粒のままである。しかし、もし死んだ
   なら、豊かに実を結ぶようになる。」(ヨハネによる福音書)


    
意味は分からない。これから先も分かることはないだろう。しかし、種を蒔くことは神聖な労働であるという
   ことだけは理解できる。今のところはそれだけで十分だ。種を蒔くとは、行動するということである。
    午前9時、駅前の散髪屋さんへ行く。3カ月振りだ。髪型はソフト・モヒカン。30分後、白髪が全部無くなった、
   10歳は若返ったか、またまたウキウキ、相変わらず単純な男だ。
    午前10時、新川通りにある郊外型大型書店「コーチャンフォー」に入る。これでまたまたウキウキ、この空間
   に迷い込むと時間が止まる。読みたい本がたくさんある、だけど悲しいことにお金がない。と言うより、煙草もお
   酒も止められない。身体にとって不健康なこと、これが昔から大好きである。だから馬鹿は死ななきゃ治らない。
    探した本は堀田善衛の『ミシェル 城館の人』『方丈記私記』、在庫はなかった、残念至極。それで最初の計画
   に戻って、松岡和子さんの訳によるシェイクスピア2冊を買った。『ジョン王』『タイタス・アンドロニカス』、これで
   ウキウキにニタニタが加わった。今日は悦ばしき日である。
    午前12時、手稲山口のイオンの中にあるタイヤ・ショップで愛車フィットのオイル交換、5000円の出費だ。後
   10年は乗りたいからね。そう思うとまたまたウキウキ、だってこれから10年もお酒を呑めるということだよ。
    午後1時、ホームセンターでホウレン草と水菜の種を買った。投下資本は380円、「私には夢がある」と言ったの
   はキング牧師だったか。「清く、貧しく、美しく」だ。スリキリワビの風流とはこういうものだ。貧者のダンディズムか。
    午後2時、家の近くの酒店で田舎正宗を3本買った。これで向う2週間の幸せは保障された。
   酒は呑むべし、百薬の長、と言うではないか。「酒と薔薇の日々」という言葉もある。
    午後3時、農作業開始。先程買い求めた野菜2種の種を愛情を込めて土の下に入れた。柄にもなく神に感謝。
   秋の収穫祭が待ちどおしいね。もっとも毎日が収穫祭のような人生だが。

     勧 酒  (于武陵・うぶりょう)
       コノサカヅキヲウケテクレ
     ドウゾナミナミツガシテオクレ
     ハナニアラシノタトエモアルゾ
     サヨナラダケガジンセイダ

                
井伏鱒二  
    
    
午後4時、『アランフェス協奏曲』を聴きながら窓辺でビールを呑む。この至福のひと時、何処かに置き忘れてき
   たような気がする。やっぱり70歳か。それは「愛と追憶の日々」ですよと誰かがささやく。
   気が付けば、私一人、遠からずいつかはそんな日もやってくるだろう。
   サヨナラだけが人生だ。
   行雲流水、あるがままを受け入れ、今この時を楽しめ。
    


 
      「古稀」

         2020・6・14

    「芍薬甘草湯」は、漢方の古典といわれる「傷寒論」に収載され、別名「去杖湯(キョジョウトウ)」ともいわれます、
   と説明書に書いてあったが、確かに中国5千年の歴史が持つ医療の知識と経験は未開社会の加持祈祷とも、ま
   たアメリカ発のサプリメント信仰とも違う。気のせいかもしれないが痛みは薄らいでいる。
    「傷寒」とはウイキペディア(フリー百科事典)によれば次のような解説が出てくる。

    傷寒には広義の意味と狭義の意味の二つがある。 広義の意味では「温熱を含めた一切の外感熱病」で、狭義の
   意味では「風寒の邪を感じて生体が傷つく」ことで温熱は含まれない。傷寒論におけるこの意味の扱いの違いは、
   林億(りんおく)、孫奇(そんき)らの校正・復刻による宋改の結果起こったことで、古典である傷寒論の解釈の違い
   になってくる。傷寒論のもっとも際立った功績とは、薬物療法を診断学と結びつけたことと湯液つまり煎じ薬を主体に
   薬物療法を組み立てたことだった。 ちなみに現代中国語ではチフスのことを傷寒という。傷寒とはさまざまな説があ
   るが、現在医学でいうチフスインフルエンザマラリアに似た疾患ともいわれるが、詳細は不明である

   漢方医学についての解説も転写しておく。

    漢方医学(かんぽういがく)または漢方は、狭義では漢方薬を投与する医学体系を指す。また漢方は、漢方薬そ
   のものを意味する場合もある。広義では、中国医学を基に日本で発展した伝統医学を指し、指圧なども含
   む。現在日本の東洋医学業界では、古典医学書に基づく薬物療法を漢方医学、経穴などをで刺激する物
   理療法を鍼灸医学、両者をまとめて東洋医学と呼んでいる

    漢方医薬の祖は炎帝神農と呼ばれ、古代中国の伝承に登場する三皇五帝の一人。医療と農耕を司る神とされる。
   別名は薬王大帝、五穀仙帝。医療と農耕の関係は分からない。どちらも人民を救うということか。
   炎帝の「炎」は、焼畑農業を教えたことによるものだそうだ。
    この神農さんは、日本でなぜか的屋・香具師の守護神・まもり本尊として崇敬されていて、博徒の「任侠道」に相当
   するモラルを露天商の世界では「神農道」と呼ぶ。これは神農の子孫である融通王が日本ではじめての露天商である
   という伝説からきているということだ。とすると神農さんは医療・農耕だけでなく。市場(商業資本)の神でもあったという
   ことか。露天商とは浅草はフーテンの寅さんの世界だが、昔はこうした非定住の漂泊民を「道々の者」と呼んだ。ここか
   ら先は網野善彦の世界である。あるいは隆慶一郎でも読むか。
    「道々の者」については平凡社の百科事典にあたる。

    道々とは諸道,さまざまな学問や芸能のことで,〈道々の〉とは諸道に熟達した専門家たちをいった。〈道々の
   ともいい,職人歌合(しょくにんうたあわせ)などによると鋳物師(いもじ)・鍛冶・番匠・医師・陰陽師(おんみょうじ)・巫・念
   仏者・猿楽博打・海人(あま)・遊女傀儡(くぐつ)師ほか,商人・職人・芸能民・宗教者・勝負師なども合わせたさまざま
   な技能者を含む言葉として使われている。しかし,およそ南北朝期を境として,工匠を除き,狭義に芸能者・呪術者など
   をさす用法が増え,のちに〈道の者〉を遊女と同義に用いることもあった。こうした用法変化の背景には芸能者・呪術者
   を含む被差別民の身分を固定化する社会動向があったと考えられる。

     因みに、農業を中心とした無階級社会を理想とした江戸中期の忘れられた思想家・安藤昌益(1703~1762)は
    後世方別派に属する漢方医であった。
     また「抽斎はかつてわたくしと同じ道を歩いた人である。しかしその健脚はわたくしの比(たぐい)ではなかった。はる
    かにわたくしに優(まさ)った済勝(せいしょう)の具を有していた。抽斎はわたくしのためには畏敬(いけい)すべき人
    である」と森鴎外が語った渋江抽斎(1805~1858)も漢方医であった。
     何だか話がややこしくなってきたね。
    ある時代までは的屋も医師も遊女も道々の者であった。
    今日、堀田善衛さんの『定家明月記私抄・続篇』を読み終えた。
    1231年(寛喜3年)、定家卿遂に70歳。春日神社に参拝する。
    「古希(古稀)」という名称の由来は、唐の詩人・杜甫(とほ)の詩にある、「人生七十 古来稀なり」の一節が出典だそう
    だが、新古今の時代では、この言葉は現実であった。もっとも定家卿はここから先まだ10年も生き延びるのだが、この
    時に詠んだ歌は、

         しらざりき山よりたかきよはひまで春の霞の立つを見んとも

    
この一首について堀田さんは次のように書いている。

     山より高い年齢を重ねて、春霞の立つ姿を見ようとは、よもや思わなかった、との意であるが、そこにやはり、老齢に
    いたった定家の、素直な感慨がこめられているのを見る。

     さてさて、この海辺の廃屋の70歳はどうなのか。春の霞は何処にも見えない。
    今日もまた、聡明になるまで老いるべきではなかった、で一日を終わるか。
    



        「悪と闘う」

          2020・6・13 

   
    東京都知事選に宇都宮健児さんが立候補した。宇都宮さんは1946年生まれの73歳、職業は弁護士だ。
   都知事選は18日告示で来月の5日が投票、立候補を表明しているのは現職の小池百合子(67歳)さんと
   維新の会推薦の熊本県の元副知事、小野泰輔氏(46歳)さん、その他に13名いるとのことだ。
   そうすると今の段階では16人で争うということになるが、実質は、宇都宮さんと小池さんの一騎討ということだ
   ろう。
   問題は争点は何かということだが、その前に有権者が考えなければならないことはこの4年間の小池都政は
   何だったのかということだろう。
    今日の新聞のコラムは小池さんについてこう評している。

       きょうの潮流

    彩られる自分語り、上書きされた過去。時の権力者にすり寄り、のし上がっていく姿がありありと。いま話題の
   『女帝 小池百合子』は、彼女の人生とともに政治家とは何かを投げかけます▼ニュースキャスターから政界に
   転身。国会議員として当選を重ね、環境相や防衛相を歴任。そして都政へ―。マスコミにもてはやされ、男社会
   のなかで要職にも就きながら、政治家として何を残してきたのだろうかと▼日本新党から始まり、次つぎと乗り換
   えていく政党遍歴。歴史的使命は終わったと自民党を散々たたきながら、平然とその党に収まる節操のなさ。政
   界渡り鳥の異名どおり、時々の風に乗って権力闘争を生きのびる一方、市井のことには無関心。そんな姿が浮
   かびます▼それは、都知事になってからも。4年前、東京大改革と称して掲げた七つのゼロ。残業や満員電車、
   待機児童や介護離職、多摩格差…。思いつきのような公約にくわえ、築地を守る、五輪の経費や施設を見直す
   ことも、すべて投げすててきました▼コロナ対応も五輪開催にこだわって出遅れ、横文字フレーズばかりの不十
   分さが際立ちます。都民ファーストをいいながら、人々の悩みや苦しみにむきあわず、みずからの野望を果たそ
   うとする。その姿はどこかの首相と重なります▼「ひたすら上だけを見て、虚と実の世界を行き来している」。著者
   でノンフィクション作家の石井妙子さんは彼女の人生をそう言い表しています。そこにあるのは、信念なき虚飾の
   政治家です。

     政界渡り鳥の異名を持つ小池さんに節操を求めるのは無理な話だが、2016年の都知事選の時には「緑の
    タヌキ」呼ばれていた。意味は、「嘘をつく人」である。その嘘の一つに「カイロ大学首席卒業」という学歴詐称が
    ある。ここまでは貧しい少女のピカレスク・ロマンと笑えないこともないが、しかし変節と虚言を生み続ける体質
    の根底にあるのは差別主義である。問題は、これだ。
     山口二郎さん(法政大学教授)が韓国の「ハンギョレ新聞」に寄稿した文章を転写する。

       [寄稿]差別との戦い

    アメリカ、ミネソタ州で警察官が黒人男性、ジョージ・フロイド氏の首を膝で押さえつけ、死なせた事件は予想外
   の反響を呼んでいる。事件から半月以上たった今でも、アメリカのみならずヨーロッパやオーストラリアなど多くの
   国で抗議行動が続いている。新型コロナウイルスによって人間の生命が脅かされる状況の中、黒人であるという
   だけで虫けら同然に扱われて命を落としたという不正義を見て、良識ある人々の怒りが沸き上がった。  日本の
   ニュースでもこの事件は取り上げられた。しかし、残念ながら、この事件は差別を許さないという決意を日本人が
   再確認する機会ではなく、日本社会が差別の放置していることを示すきっかけとなった。  たとえばNHKの国際
   問題に関する解説番組で、黒人の抗議行動の背景を説明すると称して作られたアニメーションが余りに問題の本
   質を理解せず、黒人に関する先入観を助長すると批判を浴びた。この番組に関する毎日新聞の記事を引用する。
   動画では、白いタンクトップ姿で筋肉質の黒人男性が登場。「俺たちが怒る背景には、俺たち黒人と白人の貧富の
   格差があるんだ」と話す。白人の資産平均が黒人の7倍であることや、新型コロナウイルスの影響による失業など
   で黒人が打撃を受けたことを挙げ、「こんな怒りがあちこちで噴き出した」としている。背景の路上で拳を振り上げる
   複数のキャラクターもすべて黒い肌の人として描かれている 毎日新聞6月9日  経済格差が存在することは事実だ
   が、今回の抗議運動が訴えているのは黒人の生命と尊厳を等しく尊重せよという主張である。それには多くの他人
   種の人々も賛同している。社会正義の問題が黒人の不満に置き換えられている点で、この番組は報道の名に値し
   ない。ジョセフ・M・ヤング駐日米臨時代理大使は「使われたアニメは侮辱的で無神経です」と抗議し、NHKも謝罪し
   た。日本のジャーナリズムの質が問われている。  人種差別は日本ではよそ事のように受け止められている。しかし、
   この機会に日本社会における差別について再認識し、差別を解消する努力を進めなければならない。最近気になる
   事例を紹介したい。それは、1923年9月1日に起こった関東大震災の際の朝鮮人虐殺の犠牲者を追悼する運動をめ
   ぐる小池百合子東京都知事の対応である。毎年この日に、有志団体が慰霊碑のある公園で犠牲者を追悼する式典
   を開いてきた。歴代の知事はこれに追悼文を寄せてきたが、小池知事は2017年以来送っていない。昨年は、犠牲者
   全体を追悼したので、特に朝鮮人について別のメッセージを出さないと述べた。また、今年の式典について、虐殺そ
   のものを否定する極右団体が近くで慰霊祭と称するヘイトスピーチ宣伝のイベントを予定していることから、追悼式典
   実行委員会と極右団体の両方に混乱を起こさないという誓約書の提出を求め、それがなければ公園の使用を許可し
   ないと通告してきた。  小池知事のこの論法は、アメリカにおけるBlack lives matterを嘲笑するためにAll lives matter
   (すべての人間の命が大事)と叫んだ白人の言い分を想起させる。すべての人間の生命を大事にするという理念を誠
   実に追求し、黒人のみならず差別されている少数者の権利尊重のために努力するなら、All lives matterというスローガ
   ンにも意味はある。しかし、実際には差別したい白人が、黒人の命が大事だという主張を否定するために、黒人が殺
   害されたという事実から目を背け、すべての命が大事だと、自ら信じてもいない一般論を唱えるのである。小池知事も、
   虐殺の犠牲者を追悼したいのではなく、それを避けるためにすべての犠牲者の追悼という理屈に逃げている。  差別
   を反省し、人間の尊厳を訴える主張と、他民族を差別するヘイトスピーチを同列に並べ、両者に言論のルールを守れ
   と要求することは、一見中立的に見えて、実は極めて不公平である。差別を許さないのはあらゆる言論の前提である。
   差別をまき散らす言論に対しては、民主主義の政治家は、絶対に支持しないという強いメッセージを送るべきである。  
   小池都知事は7月の選挙で再選される勢いである。しかし、人気政治家が差別についてあいまいな態度を取ることによ
   って、日本社会に差別の害毒が広がっていく。アメリカの事件は日本にとっても他人事ではない。

    こういう人物がついこの間まで平和の祭典であるオリンピックを東京で開催すると言っていたのだよ。
   では、宇都宮さんはどう言っているのか。今日の新聞のインタビュー記事から。

         毎日、地べたで苦しむ人に手を差し伸べるのが政治だ
               父の姿と弱者の声
   ―サラ金、反貧困、コロナ危機…。社会的に弱い立場にある人のための運動を続ける、その原動力は何ですか。

    うーん。私の出身地は愛媛の半農半漁の200戸くらいの貧しい漁村でしたが、小学校3年の時に大分県の国東(くに
   さき)半島に開拓農家として入植しました。戦争で足が不自由になった父が、足をかばいながら農地を切り開いていく姿
   を見て育ったことが、一つの背景としてあるかと思います。
    あと一つ、困っている人が私の背中を押したということがあります。弁護士としてサラ金問題に取り組むようになりました
   が、みんな事情があるんです。
   失業したり、病気になって収入がなくなって、高金利だとわかりながらお金を借りて、返せなくなって、暴力的脅迫的取り
   立てにあうわけです。そういう人が相談にくると「何とかしてあげないと」と思いますよね。私もサラ金業者から嫌がらせを
   受けますが、私が引っ込んだら、私より弱い立場の人をサラ金業者が襲っていきます。だから引っ込めないわけです。
   貧困問題がなくなれば終わりということかもしれませんが、これもなくなりませんから…。




      「西原扶美雄さんのFB」

         2020・6・13 

    西原扶美雄さんは福岡市在住の男性だ。この人について私が知っていることはこれだけだ。
   何時頃のことだったかはもう忘れたが、ある時から私は西原さんのフェイスブックを毎朝開くようになった。
   そこには色々な人の意見や、新聞・テレビが報道しない隠された事実が貼り付けられており、開く度に「目から
   鱗・・・」である。今日は、そんな西原さんの仕事を紹介する。

 
     嶋村伸夫     7時間前

   結局、電通に決まるからくり

   「ソリューション提供企業」をうたう電通 その実態は「経産省の別働隊」
    持続化給付金事業の委託の不透明さが指摘される一般社団法人サービスデザイン推進協議会が入札に負けた
   経済産業省の事業で、落札した別の一般社団法人が広告大手の電通にほぼ丸ごと再委託していた。元請けに隠れ、
   電通が経産省の事業の核...となる構図で、給付金と同じだ。広告不振で霞が関の仕事を増やしたい電通が、経産省
   の別働隊としての役割を果たす姿からは両者の蜜月ぶりが浮かぶ。 (皆川剛、大島宏一郎)
    入札で破れても…再委託先は結局電通

   「電通は広告会社ではない。(問題を解決する)ソリューション提供企業だ」
   電通副社長の榑谷(くれたに)典洋氏は八日の会見で強調した。
    電通が再委託を受けている事業は、今月末で終了するキャッシュレス決済のポイント還元事業。登録店舗でクレジット
   カードなどで買い物をすると、税込み価格の最大5%が還元される。2018年設立の一般社団法人キャッシュレス推進協
   議会が落札し、19、20年度に計339億円で事務を受託している。

   
   

   このフェイスブックは、「西原扶美雄」で検索すれば誰でも見ることが出来る。
  新聞がつまらない、テレビはくだらない、と思う人のためにあるようなスーパー・メディアだと私は思う。
  写真や画像も豊富で分かり易い。長い文章を読むのは苦手だという人や、超多忙な人にはお薦めだ。
  私は、このフェイスブックがより多くの人に読まれることを願う。この国の「今と此処」を知るために。





       「サイレント・ブレーカー 」

          2020・6・12 

   70歳になってから体のあっちこっちに異変が起きている。
  こうしたことは若い頃にはなかったことなので、やはり老化現象というものなのだろう。視力は元々良い方ではなかったが、
  ここにきて聴力の衰えが隠しようがなくなったことに気づく、特に右の耳だ。次は歯だ。何年か前に上下共に部分入歯に
  したが、多分、年内には総入れ歯となるだろう。そして、この2カ月のことだ。睡眠中、足がツルという現象に悩まされている。
  「こむらがえり」と言うそうだが。これが激痛だ。自分の足なのに、その感覚がなくなる。暫くは歩行困難となる。痛みが治ま
  った後でもその日一日は片方の足は義足のような違和感がつきまとう。
   それで昨日、 「芍薬甘草湯」という薬を買った。生まれて初めて服用する漢方薬だ。
  説明書には、「芍薬甘草湯」は、漢方の古典といわれる「傷寒論」に収載され、別名「去杖湯(キョジョウトウ)」ともいわれます、
  と書いてある。また、急激におこる筋肉のけいれんを伴う痛み、こむらがえりなどに効果があります、とも書いてある。
  説明書は健康アドバイスとして、「保温に心がけましょう」「カルシウムの摂取を」の2点を上げている。
   なんだか良く分からないが、要するに生活習慣を変えなければだめだと言うことか、耳が衰え、歯が滅びかかり、足に危険
  信号が点滅しだす、風狂無頼もさすがに老いたか、薄ら寒い「老人と海」である。
   愚か者の私事はこのくらいにして、今日の新聞のコラムを読む。
  赤旗を読まない人、また何かの事情で読めない人のために転写しておく。
  

     きょうの潮流     6・12  しんぶん・赤旗

   彼の名はジョージ・フロイド。テキサス州ヒューストンで生まれ育った46歳のアフリカ系アメリカ人。娘が2人いて
  コロナの影響で仕事を失っていたという▼彼の名はジョージ・フロイド。5月25日、白人警官に膝で首を抑えつけら
  れて死亡。8分46秒、息ができない、助けてくれ、ママと訴えながら。偽の20ドル札を使った疑いで拘束され、弟は
  「ジョージは誰も傷つけてなかった。黒人の命は20ドルの価値なのか」と問いかけた▼彼の名はジョージ・フロイド。
  その死は世界を変えた。警察の暴力や人種差別にたいする抗議のうねりは全米から各地へ。膝をどけろ、ブラック・
  ライブズ・マター(黒人の命は大切だ)と声を上げながら▼彼の名はジョージ・フロイド。その死は歴史をさかのぼらせた。
  根深い偏見のもとにある奴隷制度の見直し。これまで偉人とされてきた像は倒され、過去の映画の描写を問題視する
  動きも。肌の色で差別し、迫害することは悪だという流れがいっそう▼彼の名はジョージ・フロイド。葬儀のとき、めいは
  「もうヘイトクライム(憎悪犯罪)はやめて」と願い、「米国は一体いつ、偉大だったのか」と呼びかけた。怒りや不満の矛
  先は、分断と憎しみをあおってきたトランプ大統領に▼私たちはジョージ・フロイド。コロナ禍のなか、国境や人種のちが
  いをこえ、立ち上がる世界中の若者たち。悲しみをともにし、人権や命の尊厳を自分自身の問題としてとらえる。「正義
  なくして平和はない」。その姿は人類の希望。

 

    先日、「サイレント・ブレーカー」という耳慣れない言葉を目にしたので、その意味をネットで調べてみた。
   ① 登山、キャンプなどのアウトドアで着るナイロン製のウインド・ブレーカーのこと、②杭打ち、解体作業などで使う低騒音
   油圧式の掘削機、③沈黙を破って告発する人。
    渓流釣りは10年前に卒業したので①は必要としない、工具というものは幼少の頃から手に持ったことがないので②も私
   の生活には関係ない。問題は③だ。
    先ず、6月11日の「フライデー」の記事だ。

    「伊藤氏は元TBS記者の山口敬之氏から性行為を強要されたとして民事訴訟を起こし、一審で勝訴。山口氏側が東京高等
   裁判所に控訴し、審理が続いている。 その間、伊藤さんには第三者から「死ね」「売名女」などの批判が殺到。なかでも彼女
   が悪質だと捉えたのが、漫画家・はすみとしこ氏のSNS投稿だった。 同氏は‘17年6月から‘19年12月にかけて、自身のツイ
   ッターに「枕営業大失敗」と描かれた女性のイラストや「当時米国でキャバ嬢として働いてた詩織ちゃん」などと書いた5本のツ
   イートを投稿。イラストでは伊藤氏の名前を明示せず「この作品はフィクション」と補足したものもあるが、イラストに描かれた女
   性は伊藤氏を連想させる。 伊藤氏は6月8日に都内で記者会見を行い、はすみ氏を相手取り、計770万円の慰謝料、弁護士
   費用の支払いを求めて東京地裁に提訴したことを明かした(他にも同投稿をリツイートした二人も訴えている)。 「言葉は人を
   傷つけ、時に死に追いやってしまうこともあります。これ以上、言葉で人を傷つけることがないよう、何かアクションを起こさなけ
   ればいけないと思っていました」

    次に今日の「現代ビジネス」からこの件の関する記事を拾い読みする。

       伊藤詩織さんの提訴
    ジャーナリストの伊藤詩織さんが6月8日、自らを誹謗中傷するかのようなイラストをSNSなどに投稿した漫画家のはすみとしこ
   さんや、その投稿をリツイートした人々を名誉毀損で提訴した。はすみさんは、伊藤さんが性的暴行を受けたことを実名で公に
   したあと、「枕営業大失敗」「そうだデッチ上げよう!」などと揶揄する数点のイラストをSNSなどに掲載していた。  提訴を受けて
   はすみさんは、「これは風刺画であり、フィクションだ」と苦しい弁解をしている。確かにイラストでは伊藤さんを名指ししてはいない
   が、イラストの風貌は伊藤さんとよく似ているし、伊藤さんの著書らしき本のイラストなども描き込まれている。  どれだけ「フィク
   ションだ」と言い訳をしても、誰が見ても伊藤さんを連想し、彼女への中傷だとわかるようなものが「フィクション」であるという言い
   訳が通るわけがない。むしろ、「フィクション」を装うような体をしていることのほうが悪質だ。  また、風刺というのは、本来は権力
   者に対して行うものである。一個人をターゲットにして攻撃し、権力におもねるような態度は風刺とは言わない。  さらに、はすみ
   さんは提訴された後、自らのツイッターのトップ画像をわざわざ当のイラストに変更している。こちらはことさらに世間を挑発するか
   のような振る舞いである。

    はすみとしこ(蓮見都志子)をネットで検索すると、「日本の漫画家、前職看護師」とだけ出てきた。生年月日、出身地、学歴、
   職歴、家族関係といった私生活に関するものは一切不明。漫画家としてのこれまでの仕事に関するものは以下の通りだ。

    2015年9月10日]、はすみは、国際慈善団体セーブ・ザ・チルドレンUKの写真家ジョナサン・ハイアムが撮影した、シリア難民
   ある6歳の少女の写真を無断でトレースした上、少女に笑みを浮かべさせて「他人の金で、何の苦労もなく、生きたいように生
   きていきたい」「そうだ、難民しよう!」
と主張しているイラストを制作し、「シリア難民は、ほとんど移民である」とのコメントを添え
   て、自身のFacebook上に掲載した。その結果、イラストが差別的であると、多くの批判を受けた
    10月2日、ジャパンタイムズは、Facebookの「人種や民族、出身に対する差別発言を削除する」規約を根拠として、はすみのイラ
   ストをレイシズムであるとしてFacebook社に削除を求める電子署名が4000筆以上集まったことを報じた。その後、電子署名は1万
   筆を超え、最終的に14,144筆となった。フェイスブック社はイラストの削除に対しては消極的な姿勢をとった
    10月4日、イラストの元となった写真の撮影者ジョナサン・ハイアムは「このような偏見を表現するために、無垢な子供の写真が使
   われることに対して衝撃を受け、深く悲しんでいる。シリアの人々の苦境をゆがめて伝えており、恥を知るべきだ」と批判した
   
    はすみとしこという人についてはこれ以上のことは分からない。知りたくもないが。
   女性を貶める女性、そういう生き方を職業としている人だそうだ。その世界では杉田水脈、千葉麗子と並ぶセカンド・レイプ婆さん
   として有名人だということだ。早い話が、どこにでもいるネトウヨである。騒動師である。
    伊藤詩織さんはフェイスブックにこう書いている。

   カルバンクラインで私のステートメントキャンペーンがリリースされました。 (English follows below)
  カルバンクラインから連絡をいただいた時は、いくら女性をエンパワーしたいと言われても下着と聞いて、お断りする
  つもりでした。 被害後、自分の体が嫌で体を脱ぎ捨ててしまいたいと何度も思いました。
  しかし「レースの下着を履いていたから同意していた」と無罪判決になったアイルランドでのニュースを見て、これまで
  自分自身に向けられた服装への批判などがフラッシュバックしたと同時に、このCKオファーについて考え直し、参加
  させていただくことにしました。

  どんな格好をしていようが、どんな下着を身につけていようがそれは同意にはなりません。
  これまで多くの方々に支えられ勇気付けられ、前を向いて歩き続けることができました。身の危険を感じ日本に帰るた
  びに自分を隠していた変装もやめました。
  そして今まで「被害者」をはじめ色々なラベルが付けられましたが、今回は「サイレントブレーカー」という新しいラベル
  付けをされました。被害者より、ずっといい。
  撮影、インタビュー中に被害について一切触れなかった、このキャンペーンに関わってくださった方々の配慮に感謝で
  す。被害者でなく、一個人、人間として扱っていただいたそんな嬉しいものでした。ありがとうございます


    「I Love キューバ!!」というホームペイジがある。
   プロフィールには、「性別:女性、お住まいの地域:富山県、自己紹介:キューバ人になるのが夢の、心は女子高生です」とだけ書か
   れてある。その人がこんなことを書いている。


   「サイレントブレーカー」って沈黙をやぶった人って意味でしょうか。
   レイプ被害という誰にも言えない事実を隠したまま、人知れず自殺にまで追い込まれる多く
  の女性達の存在を知り、自らの被害を世に訴え、人権を主張することを決意した詩織さんは、
  もうただのかわいそうな被害者なんかじゃありません。

   女性を道具のようにしか考えないやつらを告発する戦士です。
    官邸前で声を上げ続ける市民や、辺野古を守ろうとして頑張り続けている人々、福島のふ
  るさとを奪われた県民と同じく、凶悪犯罪国家を相手に戦う勇者です。

   忘れてしまえば、無かったことにしてしまえば、もっと穏やかに暮らせるかもしれない。
   もう思い出したくもない事実を、あえて何度も繰り返し思い出し、真相を明らかにしようと戦っ
  ています。

   なぜならもう、同じ思いを誰にもさせたくないからです。
   男性には解り難いかもしれない女性の気持ちですが、セックスを強要される屈辱感は、どうし
  ても想像してみて欲しいのです。

   信頼していた相手が自分を、性欲を満たす為の獲物として見ていたというだけでもおぞましい
  ことです。

   ましてや薬を使って意識を失くさせ、他人の体をおもちゃのように傷つけた卑劣この上ないク
  ズ野郎だったとしたら?

   レイプ被害は「女性側にも問題があった」などとして、とかく男性有利にされやすい社会構造だ
  そうですが、いつまでこのままにしておくつもりなんですか。

   これは人権の問題で、女性だけが煮え湯を飲んで済まされない次元の話なのです。
   「女のくせに」って女の人も言う時があります。
   「くせに」って言うの、もうそろそろやめたらどう?
  
    男は人間として定義され、女は女性として定義される。女が人間として振る舞うと男のまねをしているといわれる。
                       シモーヌ・ボーヴォワールの言葉



      「カタカナ(外来語)について」

          2020・6・11

 

 バンクシー 新作
     「今日のアメリカ」

 全米各地でコロンブス像など破壊 反人種差別デモで
                      FNN    プライムオンライン
  奴隷制度の維持を主張した人物らの銅像が、全米各地で相次いで引き倒されている。
 黒人男性暴行死事件に端を発した反人種差別デモは各地で続き、バージニア州では10日、南北戦争
 当時、奴隷制度の存続を掲げた「南部連合」の初代大統領のジェファソン・デイビスの像が引き倒された。
  一方、ミネソタ州などでは、アメリカ先住民を奴隷とし、虐殺したと批判される探検家のコロンブスの像も
 破壊された。
  南軍の将軍の名前にちなんだアメリカ軍基地の名称を変えるべきだという声が上がっているが、トランプ
 大統領は「検討の余地もない。軍に敬意を払え!」と猛反対している。

   コロナの時代に入ってから耳慣れないカタカナ語が紙面や画面の見出しを飾ることが多くなった。
  ここで言う、カタカナ(片仮名)とは欧米の外来語のことだが、例えば、クラスターだとか、ロックダウンだとか、アラートだとか、
  ソーシャル=ディスタンスだとか、アホノマスクとかいった言葉だ。
   大辞泉(小学館)によれば、次のように解説されている。
   
      クラスター【cluster】 の解説
   《花やブドウなどの房の意。「クラスタ」とも》
     同種のものや人の集まり。群れ。集団。
     都市計画などで、個々の建物・道路・空き地などを相互に関連させて一つの集合体としてとらえ、配置すること。  
     原子分子の集まりの中で、特定の一部の原子や分子が結びついて一つのかたまりとなり、物理的に安定し、かつその
      集まりの中で一定の役割をになっている状態。
     コンピューターの磁気ディスクなど、円盤状の補助記憶装置を管理する単位。同心円状に分割した区画をトラック、それを
      放射状(扇形)に等分割した区画をセクターといい、複数のセクターをまとめたものをクラスターとする。
     あるテーマを中心にする大学・研究機関の集合体や、ある技術を中心とする企業の集合体のこと。
     ある疾患が、特定の集団内において、予測よりも多くみられること。また、その集団。  

        ロックダウン【lockdown】の解説
     中にいる人の安全のために、建物などの出入り口を封鎖すること。
     感染症拡大防止などのために、都市部において、人々の外出や移動を制限すること。
     不正アクセス防止のために、オペレーティングシステムやアプリケーションの機能や操作を制限すること。

        アラート【alert】の解説
      警報。
      警戒、待機の姿勢にあること。

        ソーシャル‐ディスタンス【social distance】 の解説
      社会的距離
      ソーシャルディスタンシング
      人から人へうつる感染症の拡大を防ぐために、人同士の距離を大きくとり、密集度を下げること。ソーシャルディスタンス
    アホノマスクについては色々と調べてみたがどの辞典にも載っていない。多分、一国だけで通用する流行語もしくは隠語なの
   だろう。国語に詳しい人に聞いてみたら、汚い贈り物とか、阿保の発明品とか、無意味な労働とかいった意味だと教えてくれた。
    それにしても日本人は昔からカタカナが好きである。日本語で表現できることでも外来語を使いたがる。これは明治以来の劣
   等感の裏返しか、福澤諭吉などという商売人は恥ずかしくもなく「脱亜入欧」と唱えた。
    最近では緑のタヌキこと小池百合子という厚化粧のオバサンがやたらと連発する。何年か前は「オルタナティブ」とか「アメリカン・
   ファースト」の類語のようなものをさかんに飛ばしていた。流行に敏感なのだと言えばそれまでのことだけれども、「二者択一」でも
   「米国第一」でも意味は通用する。外来語を多用する理由は二つ考えられる。一つは、本人の自己顕示欲である。外来語を使う
   と賢く見えるという奇妙な思い込みである。二つ目は、実は本人が日本語をあまり良く知らないという場合がそれである。
   このことは安倍晋三にも小泉進次郎にも当てはまる。
    国語辞典編集者の神永 暁(かみなが さとる)さんが「外来語とカタカナ語の違いについて?」次のように説明している。

    外来語」と「カタカナ語」の違いに関しては諸説あるのだが、辞書にかかわっている人間としては、一応使い分けをしている。
   ただそれはあくまでも各辞書独自の考えなので、一般のかたには確かにわかりにくいかもしれない。
   この2語の違いは、2語とも項目のある『デジタル大辞泉』の解説がわかりやすい。

    外来語:他の言語から借用し、自国語と同様に使用するようになった語。借用語。日本語では、広義には漢語も含まれるが、
   狭義には、主として欧米諸国から入ってきた語をいう。現在では一般に片仮名で表記される。[補説]外来語と外国語との区別
   は主観的なもので、個人によって異なることがある。

    カタカナ語:片仮名で表記される語。主に外来語を指すが、和製英語についてもいう。
   つまり、「外来語」と「カタカナ語」を比較して考えた場合、「外来語」は、主として欧米諸国から入ってきた語で、自国語と同様に使
   用するようになった語ということがポイントである。これに対して、「カタカナ語」は現在の日本で、カタカナで表記される語を指す。
   「外来語」は「自国語と同様」、すなわち日本語の中に取り込まれて使われることばであるのに対して、「カタカナ語」は普通カタカナ
   で表記される語で、それは必ずしも日本語の中に同化して使われている語ではないということになる。
    この違いはけっこう大きく、それによって「外来語」「カタカナ語」の意味の違いもかなり鮮明になるのではないだろうか。この考え
   方からすれば、例えば、「ゴールイン」「スキンシップ」「バックミラー」などの「和製英語(日本で英語の単語をもとに、英語らしく作っ
   た語)」はカタカナ語ではあっても厳密な意味で外来語とは言えないことになる。また、今回の文化庁の調査にもあった「ガイドライ
   ン」「コンソーシアム」「インバウンド」といった語は、確かに日本語に同化しているかと聞かれると疑問である。私もそうであるが、
   それぞれ「指針」「共同事業体」「訪日外国人旅行者」と日本語で言われた方が理解しやすいのではないだろうか。あくまでも辞書
   編集者としての私の個人的な意見だが、これらの語は外来語ではなく、カタカナ語と考えられるのである。

    私は物を書く時には、出来るだけカタカナ語や外来語を使わないようにしている。特に、意味が定着していない言葉は避ける。
   それに能力の問題もある。私自身が日本語を使いこなせているのかという疑問だ。その程度の人間にカタカナ語や外来語の使用
   を自由に許すことは非常に危険なことだと考えるからだ。
    とは言え、カタカナ語や外来語の全面的な使用禁止となると国が亡ぶというのは歴史の教えるところでもある。
   言語操作についての問題は、言葉についての知識ではなく、言葉に接する態度、すなわちその人間の品性である。

     ※ 「アホノマスク」の現在(HBC・北海道放送)から
    「もんすけ調査隊」に寄せられた質問をきっかけに、先月26日、アベノマスクの道内の配布状況を日本郵便に取材。その結果、
   道内はマスクの到着が遅れ、配布は全世帯のおよそ1割、29万3000世帯にとどまっていることがわかりました。放送後もたくさん
   の意見が寄せられました。  「政府からの布マスクは未だに届かず。もうマスクが手に入るので必要ないです」(もんすけ調査隊に
   届いた視聴者の声)  その後、布マスクの配布は進んだのか…。再び日本郵便に問い合わせると「配布の状況は厚生労働省が
   答えることになったため、取材に応じることができない」との回答でした。厚生労働省は、あくまでも推定の数値と前置きしたうえで、
   これまでに「5割から6割」で配布を終えたと回答。遅れている理由については、「不良品が見つかり、検品に時間がかかっている」
   と説明しました。  一方、マスクの配布とともに始まった使わないマスクを寄付する動き。  「かなり政府のマスクが多い印象を受け
   ます」(記者リポート)  札幌に設置された回収ボックスには、大量のマスクが入っていました。  政府が国民に配布している、通称
   「アベノマスク」。札幌に設置された回収ボックスには、3日朝も続々とマスクを寄付する人が訪れました。  「地下鉄大通駅改札に
   ある、こちらのボックス。余ったマスクを投函するボックスなのですが、政府からのマスクが多いですね…」





       「システム崩壊」

          2020・6・10 

    此の頃思うのだが、新型コロナウイルスは、私たちの世界が決定的に間違っていることへの警鐘ではないのかと、今、
   コロナ後の世界について想像するに、復興は単なる復元であってはならない、そうであればまた同じ悲劇を繰り返すこと
   になるだろう。しかも、何度も何度もだ。
    パオロ・ジョルダーノが『コロナの時代の僕ら』の中で、こんなことを言っている。

    たとえばこんな問いだ。すべてが終わった時、本当に僕たちは以前とまったく同じ世界を再現したいのだろうか。
    

    アメリカのコロナ感染状況は10日現在で、感染者数は1,979、089人、死者は111,876人、世界一裕福な国でこう
   した信じられないような事態が発生する。その原因はどこにあるのか、世界一裕福な国は、また同時に世界一貧富の格差
   が大きい国でもある。そして、死者のほとんどが貧困層の人間である。そうした中、白人警官による丸腰の黒人男性殺害
   という事件が起きた。この事件に抗議するデモに対して大統領は軍隊投入を口にした。こうした一連の流れを受けて、今、
   アメリカは変わりつつあるように見える。変化を求めているのは草の根の民主主義であるが、今回はこれまでになくもっと
   広い層に拡大している。たとえば現役・退役を問わずの軍人たちや政治家だ。さらに多くのスポーツ関係者や芸能界の人
   たちだ。
    彼らは言う。アメリカは変わらなければならないと、これまでのシステムは人を幸福にはしないと。
    今日の新聞をコラムを転写する。


        きょうの潮流    2020・6・10 しんぶん・赤旗

    「(米国民は)終わりなき戦争と海外への介入に我慢できなくなった」。そう語るのはゲーツ元米国防長官。米有力外交
   誌『フォーリン・アフェアーズ』(7・8月号電子版)に寄せた論文の一節です▼米外交の「根本的欠陥」に「軍事的手段への
   過度な依存」を挙げたゲーツ氏。国民の支持を得るには、海外の戦闘に軍を送り込むことを「より強く自制しなければなら
   ない」と説きます▼アフガニスタン、イラク、シリア…。繰り返される戦争に米国民も傷ついてきました。退役軍人対象の世
   論調査(4月)で、海外の紛争への軍事的関与に57%が「減らすべき」と答えました▼新型コロナウイルスによる死者数は
   米国では10万人を超えました。「ベトナム戦争での死者数をはるかに超えた」と指摘するのは米下院の進歩派議員29人
   による連名書簡(5月19日)。「コロナウイルスはわが国最大の敵」「爆弾より検査が必要だ」とし、国防予算を削りコロナ対
   策に回すよう下院軍事委員長に求めました▼米紙ワシントン・ポストは「コロナ危機で国防予算削減の可能性が出てきた」
   と報道。記事は米軍準機関紙「星条旗」に転載されました。軍事費削減が米国政治の焦点に浮上しています▼日本では、
   沖縄県議選で再び米軍新基地ノーの民意が示されました。それでも2兆5500億円もの税金をつぎ込み、米軍のための殴
   り込み拠点建設を急ぐ安倍政権。しかし、軍事力に過度に依存し、民意を踏みつける政治を続けられけられる時代は終わ
   りつつあります。



        「奇妙な果実」

         2020・6・9

    「奇妙な果実」(きみょうなかじつ、原題:Strange Fruit)は、ビリー・ホリディが歌った人種差別を告発する歌である。
   私の世代でジャズが好きな人であれば誰もが何処かで聴いたことのある有名な楽曲(ブルース)である。
   録音されたのは1939年(昭和14年)、この年、第二次世界大戦が勃発している。
    今日は何も書くことはない。
   この歌と、それを歌ったビリー・ホリデイについて少しばかり調べてみる。
    この歌が生まれる歴史的な背景をウイキペディア(フリー百科事典)は次のように解説している。

    題名や歌詞の「奇妙な果実」とは、リンチにあって虐殺され、木に吊りさげられた黒人死体のことである。歌詞は「南
   部の木には、変わった実がなる・・」と歌い出し、木に吊るされた黒人の死体が腐敗して崩れていく情景を描写する。
    「奇妙な果実」は、ニューヨークブロンクス地区のユダヤ人教師エイベル・ミーアポル英語版によって作詞・作曲された。
   1930年
8月、彼は新聞で二人の黒人が吊るされて死んでいる場面の写真閲覧注意)を見て衝撃を受け、これを題材とし
   て一編の詩「苦い果実(Bitter Fruit)」を書き、「ルイス・アレン」のペンネームで共産党系の機関紙などに発表した。ミーア
   ポルはアメリカ共産党党員であり、フランク・シナトラヒット曲を生みだすなど作詞・作曲家ルイス・アレンとして活躍する
   一方で、ソ連スパイで死刑になったローゼンバーグ夫妻の遺児を養子として引き取るなど、社会活動も行った。のちに
   自身も作曲や共産党や教職者組合の集会で彼の妻が唄うようになったことで徐々に知られるようになった。
        「ビリー・ホリデイとの邂逅
    やがてこの歌はグリニッジ・ヴィレッジのナイトクラブ「カフェ・ソサエティ英語版」の支配人バーニー・ジョセフソン英語版
   聞き知るところとなり、当時そのクラブで専属歌手として働いていたビリー・ホリデイに紹介されることとなる。あまりにも陰惨
   な詩なので、ビリーも最初に唄った時は失敗したと思ったという。唄い終わっても初めは拍手一つ無かったが、やがて一人の
   客が拍手をし始めると、突如として客席全体が割れんばかりの拍手に包まれた。クラブの支配人バーニー・ジョセフソンはす
   ぐにこの歌のもつ力を認め、ビリーに対してステージは必ずこの曲で締めるよう説得した。彼女が唄い出すまさにその瞬間、
   ウェイターは仕事を一時中断し、クラブの照明はすべて落とされる。そして、ピンスポットライトが1本、ステージ上の彼女を照ら
   し出す。イントロの間、彼女は祈りを捧げるように瞳を閉じて佇立するのである。
    黒人の虐殺が日常茶飯事であったこの当時、それを告発する歌を黒人女性が唄うのはあまりにも危険なことであったが、
   ビリーは1939年からこの歌をレパートリーに加え、ステージの最後には必ずこの曲を唄うようにさえなる。この歌はやはり黒人
   であったために非業の死を遂げた父のこと(肺炎を患ったが病院へ入れてもらえなかった。しかも其処は南部の都市の中でも
   とりわけ差別の激しいダラスであった)を彼女に思い出させ、それ故にこそこの曲を唄い続けなければならないと彼女に決心さ
   せたとビリーは後に語っている。ビリーと「奇妙な果実」の名はますます広く知れ渡るようになり、ついには『タイム』誌の取材ま
   でやって来るようになり、ビリーは同誌に初めて写真が掲載された黒人となる。
         影響」
    1939年10月ニューヨークポスト紙のサミュエル・グラフトンは「奇妙な果実」を『南部で虐げられる者の怒りが溢れかえるとき、
   そこで鳴るラ・マルセイエーズこそこの歌だ』と書いた。
    この歌は後にダイアナ・ロスジョシュ・ホワイト英語版スティングロバート・ワイアットUB40トーリ・エイモスピート・シー
   ガー
スージー・アンド・ザ・バンシーズカサンドラ・ウィルソンニーナ・シモンジェフ・バックリィコクトー・ツインズサウンズ・
   オブ・ブラックネス
トワイライト・シンガーズインディア・アリー、あるいはトリッキーによるリミックスなど、多くのミュージシャンが
   この曲を演奏するようになった。

 

  1930年8月7日米インディアナ州: まだ人種差別が色濃い時代の出来事。
 アフリカ系アメリカ人のトーマス・シッピーとエイブラハム・スミスは、白人に対して
 強盗殺人、及び婦女暴行を働いた疑いで、インディアナ州の警察に拘束されていた。
 その事件を聞きつけた白人の群集が、ハンマーや斧を手に留置所に押しかけ、容疑
 者2人を拉致。集団リンチを加えた後に、2人の黒人を木につるし上げた。
  群衆は、縄から首を外そうともがいていたエイブラハム・スミスをいったん地面に下ろ
 し、両腕をへし折った上で再び首吊りにしたという。恐ろしいことに、同州の警察官もこ
 の集団リンチに参加していたことに加え、被害者の女性が、後日になって「レイプはされ
 ていない」と証言している。
  この残酷な写真は、作詞家ルイス・アレンに大きな衝撃を与え、人種差別を訴える有
 名な歌『奇妙な果実』が生まれるきっかけとなった。歌は、ビリー・ホリデイによって広く
 知れ渡ることになり、やがて黒人差別反対運動を代表する歌となった。

   世界を変えた衝撃の写真10枚   eーStoryPostから

 

    奇妙な果実   訳=1



  南部の木は、奇妙な実を付ける
  葉は血を流れ、根には血が滴る
  黒い体は南部の風に揺れる
  奇妙な果実がポプラの木々に垂れている

  勇敢な南部(the gallant south)ののどかな風景、
  膨らんだ眼と歪んだ口、
  マグノリア(モクレン)の香りは甘くて新鮮
  すると、突然に肉の焼ける臭い

  カラスに啄ばまれる果実がここにある
  雨に曝され、風に煽られ
  日差しに腐り、木々に落ちる
  奇妙で惨めな作物がここにある。
 
 

      奇妙な果実  訳=2

         Southern trees bear strange fruit 
        (南部の木には奇妙な果実がなる)

        Blood on the leaves and blood at the root 
        (葉には血が、根にも血を滴たらせ)

        Black bodies swinging in the southern breeze 
        (南部の風に揺らいでいる黒い死体)

        Strange fruit hanging from the poplar trees. 
        (ポプラの木に吊るされている奇妙な果実)

        Pastoral scene of the gallant south 
        (美しい南部の田園に)

        The bulging eyes and the twisted mouth 
        (飛び出した眼、苦痛に歪む口)

        Scent of magnolias sweet and fresh 
        (マグノリアの甘く新鮮な香りが)

        Then the sudden smell of burning flesh. 
        (突然肉の焼け焦げている臭いに変わる)

        Here is a fruit for the crows to pluck 
        (カラスに突つかれ)

        For the rain to gather for the wind to suck 
        (雨に打たれ 風に弄ばれ)

        For the sun to rot for the trees to drop 
        (太陽に朽ちて 落ちていく果実)

        Here is a strange and bitter crop. 
        (奇妙で悲惨な果実)


   『奇妙な果実』。これは彼女の自作ブルースの曲名で、かつての黒人奴隷が私刑の挙げ句、木に吊され死んでいる様を
  唄ったもの
     出典映画 ビリー・ホリディ物語/奇妙な果実 - allcinem

    アメリカ南部の黒人差別が露骨だった時代、朝になると、昨晩殺された黒人の死体が木に吊るされていて、その姿がまるで、
  「ストレンジ・フルーツ(奇妙な果実)」に見えるという実話で、ビリー・ホリディの歌で有名。

              出典心の風景: 偏見という病理
   ビリーが歌った20世紀まで蛮行は続いた。信じがたいことに、予告されて見せ物になり、女性や子どもまで集まったという。
  撮影した写真は絵はがきに使われた

             出典天声人語(OCN 朝日新聞デジタル

    1958年、ビリーは二度目のヨーロッパ・ツアーに参加している。パリのマース・クラブでビリーが歌った時、聴衆の中には
   ジュリエット・グレコ、セルジュ・ゲンスブールといった当時の有名人たちの顔もあった。
    当時の記憶を『悲しみよこんにちわ』を書いた小説家フランソワーズ・サガンはこう綴っている。

    「それはビリー・ホリデイだった。だが、彼女ではなかった。痩せ細り、年老い、腕は注射針の痕で覆われていた。……眼を伏
   せて歌い、歌詞を飛ばした。まるで嵐に揉まれる船上で手すりにでも掴まるかのようにピアノにもたれた。集まった人々が拍手
   を送ると、彼女は聴衆に向って皮肉とも哀れみともとれる眼差しを投げかけるのだった。それは自分自身に対する容赦ない眼
   差しでもあったのだろう」

    ビりー・ホリデイ、本名エレオノーラ・フェイガン、1915年4月7日生まれ、没年日は1959年7月17日、44年の生涯だった。
   「レディ・デイ」の呼称で知られ、サラ・・ヴォーンやエラ・フィッツジェラルドと並んで、女性ジャズ・ヴォーカリスト御三家の1人に
   数えられる。彼女はその生涯を通して、人種差別や薬物依存症、アルコール依存症との闘いなどの壮絶な生涯を送った。
   ジャニス・ジョプリンをはじめとする多くのミュージシャンに影響を与えた。



       「記憶力について」

              2020・6・8

    堀田善衛の『定家明月記私抄』上巻を読み終えた。何十年か振りのこの再読は色々な事を教えてくれた。
   今回、読み直してみて我ながら一番驚いたことは、堀田の文章の学識と文藻に裏打ちされた魔術的な魅力というか、
   何とも言いようのない味わいである。思想や内容のことは別として、私の好きな文章と言えば、石川淳、花田清輝、加
   藤周一の3人だが、堀田はどうやら4人目の人になりそうだ。
    それにしても不思議なのは、私が堀田の作品を読んだのは20代の中頃で、『橋上幻像』(1970年、新潮社) という
   小説だったが、その時は堀田の文章に反応することが出来なかった。その後、もう一冊『若き日の詩人たちの肖像』
   (新潮社・1968年)も読んだのだけれども、三冊とも二階の書棚にあるが、この三冊の本があることも長い間忘れて
   いた。18歳の時に買った石川淳の『夷斎虚実』はもうボロボロである。何十年間に渡って何度も何度も読み返してき
   た愛読書だから無理もないのだけれども、それに比べて堀田の三冊は今も新刊書のままである。
    恥ずかしい話だが、私の読書力とはこの程度のものだ。とすると二階の部屋の書架には堀田以外にももっと多くの
   忘れられた本が眠っているのではないかという思いにかられる。多分、そういうことだろう。
   今更悔やんでも仕方がないか、能力というものは本人が信じているレベルよりも実際はかなり低いものだ。ましてや愚
   か者の読解力と記憶力のことだ。こんなものは信用する方が間違っている。だから本は身銭を切って手許に置いてお
   かなければならない。運がよければ、いくらか成長したあかつきには再会の幸運に恵まれる奇跡も起こるだろう。
   『定家明月記私抄』は、第一章「明月蒼然、定家19歳」から始まって、47歳時の「明月記欠」を最終章とする。
    今日から読むのは『定家明月記私抄・続篇』である。
   その第一章「公卿補任(くぎょうぶにん)」の書き出しはこうである。

    さて、明月記は承元3年と4年を欠いていて、承元5年(1211年)は7月から再開される。そうしてこの承元5年は
   すでに3月9日に改元されていて、建暦元年ということになっている。
    この改元は、その前年の秋から冬にかけて、夜空に皓々たる彗星が光芒を東へ揺曳させて二度も現れ、天変を思
   わせたことと、土御門天皇(16歳)に譲位を強いて、2歳年下の順徳天皇を即位させたこととの、この2件によるもの
   と思われる。
    後鳥羽院は、第三皇子である順徳を偏愛していたが、長男である土御門に何の咎があったわけでもなく、不吉な彗
   星などはもとより土御門の知ったことではなかった。

    この第一章は、天皇の交代と、50歳になった定家の遅すぎた従三位叙任の宮廷人事について書いた後に、「この
   年10月13日、自由人としての長明は鎌倉で実朝に会っている」とさらりと書いている。
   ここが堀田善衛さんの文章の魅力である。イロニーというか、堀田さんは対象にのめり込むことが無い。この距離感覚
   が抜群なのである。複眼の思想というべきか。
    公卿とは、ウイキペデア(フリー百科事典)を開くと次のように解説されている。

   公卿(くぎょう)は、公家の中でも日本律令の規定に基づく太政官の最高幹部として国政を担う職位、すなわち
   太政大臣
左大臣右大臣大納言中納言参議ら(もしくは従三位以上(非参議))の高官(総称して議政官という)
   を指す用語である。平安時代に公卿と呼ばれるようになった。
   「公」は大臣、「卿」は参事または三位以上の廷臣を意味し、京都御所に仕える上・中級廷臣を指した

    堀田さんの文章は、私の読書の速度とぴったり一致するから、この上下二巻は3日もあれば読了できたはずなのだが、
   この数日、いろんなことが起きて、そのことに時間を取られてしまった。そうした出来事の中で二つほど引っ掛かるものが
   あったので、それをメモしておく。記憶力が桁外れに弱いので。

     「奴隷制の象徴」撤去へ
         米バージニア州知事  【ワシントン=時事】    しんぶん・赤旗(6月8日)
    
米国で黒人差別への抗議デモが広がる中、南部バージニア州のノーサム知事(民主党)は4日、州都リッチモンドにある
    南北戦争(1861~65)の南軍司令官リー将軍の像を撤去する方針を表明しました。
     ノーサム知事ハ、白人警官による黒人男性暴行死を受けて拡大する抗議デモに触れ、「今こそバージニアが歴史から
    正しく学び、範を示すべき時だ」と強調。「南北戦争が邪悪な奴隷制のためでなく、州の権利のための戦いであったかのよ
    うなうその歴史を教えてはならない」と訴えました。
    
       種差別抗議デモ、奴隷商人の銅像を港に投げ込む「私たちはこうなることを待ち望んでいた」
                            配信  ハフポスト日本版
      イギリス西部の都市ブリストルで、ジョージ・フロイドさんの死と人種差別に抗議していた一部のデモ参加者が、街に長年
     建っていたエドワード・コルストンの銅像をエイボン川に投げ込んだ。コルストンは1600年代に奴隷貿易で富を築いた人物だ。
     彼を記念するための銅像は1895年に建てられていたが、近年は銅像に対する批判もあり、撤去の署名活動も行われていた。
     銅像は6月7日、「Black Lives Matter(黒人の命は大切だ)」デモ参加者たちによって頭にロープをくくりつけられ、地面に引き
     下ろされた。 デモ参加者たちは銅像を転がして街の中心から運び出し、ブリストルの港に投げ入れた。そこはコルストンの船
     が、奴隷貿易のために西アフリカに向けて出立したのとほぼ同じ場所だった。 地元警察は銅像を投げ込んだ少数のグループ
     について捜査している。
           奴隷貿易と関係の深い街
      ブリストルは、奴隷貿易と深い関係があった街だ。18世紀、この街の港はイギリスで最大の奴隷貿易港の一つだった。 また、
     銅像が投げ込まれた場所のすぐ横には、ブリストルに奴隷として連れてこられたペロ・ジョーンズに敬意を表して名付けられた
     「ペロの橋」がかかっている。 コルストンの銅像を港に投げ込んだデモ参加者のひとりは、「投げ込まれて然るべき人物です。私
     はこれまでずっと、こうなることを待ち望んでいた」とハフポストUK版に話した。 「本当に素晴らしい気持ちです。一つの章が終わ
     った気がします。私たちがこれを待ち望んでいたのです」 その人物は、「銅像を引きずり下ろしたことがあなたにとってどういう意
     味があるか」という質問に対して、不平等に対して立ち上がらなければいけないと答えた。 「人種差別がなくなることはないと思い
     ます。しかし未来のために必要なのは、悪い行いが然るべき報いを受けること、そしてお互いに助け合うために人々が立ち上がる
     ことです」 「どんな人種やセクシュアリティ、宗教も、不平等な扱いを受けているのであれば、一緒になって抗議しないといけません」

     法律においてと同じく歴史においては、人はその歴史的な行為の結果について、そのような結果を意図していたかどう
    かにかかわりなく、きっぱりと責任をとらなければならない。
                     リチャード・ライト   『白人よ聞け』(小川出版・昭和44年)

 



      「良く似た国内事情」 

              2020・6・7

     昨日の新聞を読んで思ったことは、アメリカと中国は本当によく似ている国だということだ。
    ただし、一つだけ違うところがあって、この違いはアメリカと中国の民主主義の成熟度を測る上で決定的な差となって
    いるように思える。それは、アメリカでは王様の周辺にいる人たちが、「王様は裸だ」と笑い、あるいは「王様はお馬鹿」
    と批判するのに対して、中国では王様の周辺の人たちは全員沈黙するということだ。その理由は、簡単に云えば、アメ
    リカは二大政党制で、王様は選挙によって選ばれるが、中国は一党独裁の利益共同体の中から選ばれるというところ
    か。
     ではこの二つの超大国の間で両方の顔色を伺いながらウロウロする日本はどうなのかというと、法律関係者たちから、
    フランスの絶対王制を確立し君臨したルイ14世の言葉として伝えられる「朕(ちん)は国家である」との中世の亡霊のよ
    うな言葉を彷彿(ほうふつ)とさせるような姿勢だと批判されると、この国の王様は色をなして「
私がここに立っているのも、
    民主的な選挙を経て選ばれた国会議員によって選出された」と叫んだ。
     この王様は何か勘違いしている。代表の選出の方法が選挙によるものであるからといって、その政体もしくは政党が
    民主主義の正当性を持つというものではない。問題は、民主主義は多数者の総意によって独裁を生む可能性を持つと
    いう、民主主義の逆説である。そして、多数者の意見が正しいとされた時、それは同時に少数者の意見は誤りとされ、
    否定されるだけでなく、時には攻撃・弾圧の対象になる危険を孕んでいるということである。
    暴言大王の麻生太郎が「ナチスに学べ」と言ったのはこの意味である。二つの超大国の現在の国内状況を見るならば、
    トランプの師匠はリンカーンではなく、習近平の師匠はマルクスではなく、二人の仲はあまり良くはないようだが、二人
    揃って名門校であるヒトラー・スクールの卒業生であることは誰にでも分かる。
     2017年の都議選の最中、最終日、秋葉原の街頭に立った安倍晋三は、政権を批判する人たちに対して「こんな人たち
    に、私たちは負けるわけにはいかない」と言い放った。ヒトラー・スクールの低学年である。
     で、昨日の新聞から二つの超大国と、その中間に位置する属国(どちらのかは分からないが)の最新情報を取り上げる。

    NO 1  「アメリカ」から
         “膝をどけろと声あげるとき”
             米各地 フロイドさんを追悼

    【ワシントン=池田晋】米ミネソタ州で白人警官に暴行死されたジョージ・フロイドさん(46)の追悼式が同州ミネアポリス
   で開かれ、各地でも呼応して追悼の抗議集会やデモ行進が行われました。公民権運動の黒人活動家シャープトン牧師は
   ミネアポリスの式で、「今こそ立ち上がり、膝をどけろと声をあげる時だ」と人種差別の撲滅を訴えました。
    首都ワシントンではキング牧師記念碑の前で、高校生や大学生らが抗議集会を開催。白人警官がフロイドさんの首を膝
   で押さえつけた8分46秒間、参加者全員で片膝をついて死を悼みました。
    参加した黒人女子高校生のアリー・コンヤーズさん(17)は、「フロイドさんの死は、制度的な人種差別の氷山の一角にす
   ぎず、警察の暴力を受けるすべての人の問題だ。人権を勝ち取るたたかいのために参加している」と語りました。
   平和的なデモに便乗した略奪や破壊行為、警官隊との衝突はこの数日、各地で減少傾向にあります。首都でも3日は逮捕
   者が一人も出なかったことを受け、バウザー市長は4日夜間の外出制限は発令しないと発表。暴徒化をくい止めるデモ参加
   者や市民の取り組みも報じられています。
    フロイドさんの追悼式は6日に出生地ノースカロライナ州で、8日に育ったテキサス州で続き、9日に葬儀が行われる予定。
   各地で呼応したデモも続くとみられています。

      NO 2  「中国」から
            国歌条例 “侮辱行為に罰則”
                       香港市民が抗議

    【北京=釘丸晶】香港立法会(議会)で4日、中国国歌への侮辱行為に罰則を科す「国歌条例案」が親中派の賛成多数で
   可決されたことに対し、天安門事件の犠牲者追悼に集まった市民も抗議の声を上げました。
    同条例は中国国歌の意図的な侮辱行為を禁じるもので、ブーイングやジェスチャーでの侮辱、インターネット上での替え歌
   なども罪に問われる可能性があります。違反者には最高で禁錮3年と罰金5万香港ドル(約70万円)が科されるほか、国歌
   を学校教育に組み入れることも規定されました。12日に施行されます。民主派は「表現の自由を制限するものだ」と反対して
   いました。
    香港メディアによると、同日の審議では、民主派が提出した罰金の金額を下げるなど21項目の修正案を否決しました。民
   主派議員は議場で悪臭のする液体をまくなどして、「悪臭は1万年も残る」と抗議し、抵抗。梁君彦(りょう・くんげん)議長は約
   3時間の休会後、議場を変更して審議を再開しました。民主派議員が抗議の声をあげるなか、採決を強行し、賛成41票で条
   例案を可決しました。反対は1票でほとんどの民主派議員は投票しませんでした。
    香港ではサッカーの国際試合などで中国国歌演奏中にしばしばブーイングが起こり、当局が問題視。中国本土で2017年
   に国歌法が施行され、香港でも条例制定が求められていました。昨年の立法会で条例案が提出されましたが、反政府運動に
   よって審議が中断していました。

      NO 3  「日本」から
                きょうの潮流

    このごろ、何をやっても裏目に出る晋三くん。みんながコロナで大変なときに打つ手はことごとく失敗。反感を買ってひっこめ
   たり、やめたり。そろそろ、いやにならないのかな▼私たちの要望で支援をひろげたのは良かったけれど、これまたお金の使
   い道が問題に。訳のわからないところに計上したり、幽霊みたいな会社を通して親しい企業に託したり。みんなのお金なんだか
   ら、勝手に使わないでよ▼収入がなくなって困っている人たちにお金が届かない、命綱としてがんばっている医療や福祉の現
   場を支えない。いままでも散々いわれてきたのにね。そのくせ自分の地位を守ることには一生懸命で、すごく批判された▼世界
   からも浮いているよ。トランプ米大統領が呼びかけた今月下旬の首脳会議にまっ先に手をあげたけれど、延期。ドイツの首相ら
   は今の感染状況をみれば賛成できないといっていた。どちらが賢い判断かな▼そうそう、お友だちの太郎くんもまたひどいことを
   口にしたね。他国の人から日本の死亡率が低いことを問われ、「お宅とうちの国とは国民の民度のレベルが違うんだ」と答えたん
   だって。「みんな絶句して黙る」といばりながら▼何様のつもり。共産党の志位さんは「世界中で差別や分断でなく、連帯が大切と
   いううねりが起こっているときに平気でこういう発言をするとは。そりゃ『みんな絶句して黙る』でしょうね」と。こんな態度だと、いくら
   サイコロをふっても、ふりだしに戻るだけだよ。ねえ、晋三くん。



     
 
    「ハック・フィン」

          2020・6・6 

  やったことは、例え失敗しても、
 20年後には、笑い話にできる。
 しかし、やらなかったことは、20年後には、
 後悔するだけだ。


            マーク・トウイン
                   

    マーク・トウイン(1835年11月30日~1910年4月21日)、本名サミュエル・ラングホーン・クレメンズ。
   この人が『ハックルベリー・フィンの冒険』を書いたのは1885年のことである。時にトウインは50歳。
   1986年は刊行後100年となる。今は2020年だから135年前ということになる。マーク・トウインは最も有名な
   アメリカ人の一人であるし、『ハックルベリー・フィンの冒険』はアメリカ文学の古典と呼ばれている大傑作だから、作
   者と物語についての説明や解説は一行も必要としないだろう。ただ、私自身の確認作業として少しばかり書いておく。
    物語は浮浪児の少年と、その相棒である逃亡奴隷の黒人ジムとの筏を漕いでの栄光への脱出を描いたもので
   ある。物語の舞台は南北戦争以前のアメリカ中西部、1830年代か1840年代頃のミズリー州のミシシッピー川の
   周辺である。つまりジャクソニアン・デモクラシーの時代ということになるが、それは差別と暴力が宿命論として肯定
   される白人の建国神話が無条件で受け入れられていた時代のことである。
    この物語についてウリアム・フォークナーは、トウインが「最初の真のアメリカ人作家であり、我々の全ては彼
   の相続人である」と言い、アーネスト・ヘミングウイは「あらゆる現代文学は、マーク・トウインの『ハックルベリー・
   フィン』と呼ばれる一冊に由来する」と述べたことは有名である。
    また詩人のT・S・エリオットは、『ユリシーズ』『ファウスト』『ドン・キホーテ』『ドン・ジュアン』『ハムレット』に比肩でき
   る偉大な作品だと絶賛し、少年ハックは川の精霊であると言った。
   トウインは、この物語を子どもの読み物として書いたのではなかった。「大人に、大人のみに、読まれるものだ」と
   考えていた。しかし、その当時の大人には、と言うより、アメリカ社会にはこの物語の持つ真の意味を理解すること
   は出来なかった。出版された後、マサチューセッツ州コンコード図書館は、「下品な主題による手法」と「物語を綴る、
   粗野で無教養な言葉」を理由として、本書を禁書に指定した。これに対して、サンフランシスコ・クロニクル紙は、18
   85年の3月29日号で、「本作を通じて描かれるのは、南北戦争以前の奴隷の評価に対する鋭い風刺である。無一
   文でアル中の貧困白人の息子ハックルベリー・フィンは、黒人奴隷が自由を得ようとするのを手助けするのに彼が負
   っている役割のため、数多くの良心の呵責に悩まされる。幾人かの批評家はこの感情が大袈裟であると主張してい
   るが、本作以上に真実を描いた作品はない」とすばやく擁護したということだ。
   私の持っている『ハック・フィン』は村岡花子訳(新潮文庫)と西田実訳(岩波文庫)の2種だが、岩波の方のあとがきの
   訳者解説には次のように書かれている。

    『ハック』は発行以来いつも傑作としてすべての読者から認められていたわけではない。それどころか、出版直後から
   アメリカ各地の図書館や学校で、好ましくない本のブラック・リストにのせられて追放されたという。つまり、教会や教育
   委員会推薦の優良図書というわけではなくて、むしろいかがわしい書物と見なされていた。

    この辺りの消息については文化人類学者の山口昌男が刊行100年に際して、「神話的世界としての『ハックルベリー・
   フィンの冒険』」と題して1986年に雑誌「へるめす」(岩波書店)にハック・フィン=トリック・スター論を書いている。

    こういう飲んだくれのならず者を父親にもっている、しかも放浪癖のある少年を主人公にして据えるというのは、19世
   紀の清教徒的アメリカでは大変な決断であったと、いろいろな研究に書かれています。そのころのアメリカ文学はイギリ
   スの小説のスタイルを模範として、何とかそれをアメリカに定着しようという劣等感に基づいて書かれた作品が圧倒的に
   多かった。そういったときに、このマーク・トウインの作品は、傍若無人に振舞う若者を主人公に据えたために、それま
   でのアメリカでは標準的な書物に入ってきたことのないような表現がどんどん入ってきた。それはハックという主人公の行
   動のスタイルが特異な文章体を呼び込んだと言ってもいいわけですね。

    以上のことから分かることは、当初、『ハック・フィン』が否定された理由は倫理上の問題と、その破壊的な文体にあった
   ということだろうか。倫理上の問題とは、白人社会に対してのルール違反と言うことであり、文体の問題とは、アメリカに
   絶望的な下層社会が存在することを明らかにし、その社会で使われている言葉によって、差別と暴力が日常的なシステム
   となっている現実を告発したということだ。
    ハックルベリーとは、アメリカの野生植物の名前である。これは食用になり、多様な料理に利用されている。ジュース、茶、
   スープ、ジャム、キャンディー、パンケーキ、サラダドレッシングなど。熊、鹿、鳥もこれを好む。
    アメリカ先住民は食用や伝統医薬(薬用植物)として利用していた。心臓病、関節炎、リウマチなどに適用されるとのことだ。
   俗語(スラング)としては、「取るに足らない人物」、少しばかりの軽蔑または親しみをこめた意味で「馬鹿な奴」という使い方も
   あるそうだ。
    今日のニュース。
   
    アメリカのミリー統合参謀本部議長は米軍司令官あてのメモで、「米国民は言論の自由と平和的な集会が憲法で保障されて
   いる」「われわれ制服をまとっている者はみな、憲法に根付く国家の価値と原則を順守し続ける」と断言しました。
   大統領に「反旗」を翻したのです。

    マーク・ミリー統合参謀本部議長はアメリカ軍を統率する軍人(制服組)のトップであり、大統領および国防長官の主たる軍事
   顧問だそうだ。軍人が国家に忠誠を誓うということは、大統領個人に従うというような意味ではないということか。
    聖域である筏の上から向う岸の街の乱痴気騒ぎを見ると、その馬鹿馬鹿しさがよく見えるということか。
   『ハック・フィン』にも王様と公爵が出てくる。この二人は本物ではない。ドサ回りの詐欺師である。こういう連中はいつの世にも、
   どこの世界にもいる。人を集めて、人を誑かして、言葉巧みに金品を巻き上げるイカサマ師。
   粗野で、無教養で、強欲で、傲慢で、破廉恥で、そういう生き物を1930年代のアメリカではアンドリュー・ジャクソンと言った、
   2020年の今は、ドナルド・トランプと呼ぶそうだ。日本では、アベシンゾウと呼ぶそうだ。



      「アメリカの民主主義」

          2020・6・5 

    リンカーンの「ゲティスバーグ演説」が行われたのは1863年11月のことである。これより32年前の1831年5月、
   一人の若いフランス人男性がアメリカを訪れている。男の名前はアレクシ・ド・トクヴィル、当時25歳、ノルマンディーの
   貴族である。訪米の目的は、フランス政府によってアメリカの刑務所制度を研究させるために派遣されたものであり、
   トクヴィルはニューヨーク市に到着後、9か月間アメリカを旅して過ごした。その後カナダでも数日間過ごした。
   その間、トクヴィルは刑務所についてだけでなく、アメリカの経済・政治体制を含む同国社会のあらゆる側面について
   ノートを取った。そのレポートが後に『アメリカの民主主義(アメリカのデモクラシー)』と名づけられるものであるが、第1
   巻は1835年、第2巻は1840年に刊行された。
    アレクシ・ド・トクヴィル(1805年~1859年)は、フランスの政治思想家、法律家、政治家、裁判官からキャリアを
   スタートさせ、国会議員から外務大臣まで務め、3つの国権(司法・行政・立法)全てに携わった。
    1851年、ルイ・ナポレオン(後のナポレオン三世)のクーデターに巻き込まれて逮捕され、政界を退くことになる。
   その後は著述及び研究に没頭する日々を送り、二月革命を描いた『回想録』と『旧体制と大革命』を残し、1859年に
   母国フランスで肺結核のため54歳の生涯を終えた。フランスが誇る歴史家・知識人だ。
    トクヴィルの観た1830年代のアメリカとは何だったのか、それが今日の問題だ。
   当時のアメリカの大統領はアンドリュー・ジャクソンであった。この7代目は初期の歴代大統領がいずれも東部のエリ
   ートの出身であったのに対して、南部に生まれ、西部の開拓地で頭角を現したジャクソンは、まさに「ジャクソニアン・
   デモクラシー」を体現する存在であった。名門に生まれたわけでも、特別な教養があるわけでもない。頼みとするのは
   自己の才覚だけだ。ジャクソニアン・デモクラシーとは、ポピュリズム(人民主義)的政治を意味する。
   「文字も満足に書けない」と揶揄される粗野さと無教養で既成エリート層からは嫌われたが、特権層に対する庶民の
   味方を標榜して支持を集めた、そういう政治家だった。何だかトランプによく似ているね。
    トクヴィルのジャクソン評は、「「ジャクソン将軍は、性格こそ激しいが能力は凡庸な男である。自由な人民の統治に
   要する資質を示すものは、彼の経歴を通じて何一つなかった。だからこそ、連邦の知識階級の多数はつねに彼に敵
   対した」と云うものだ。
    『アメリカ大統領の履歴書』(笠倉出版社・平成20年)でこの人物を見ると、次のように解説している。

    サウスカロライナの貧しい開拓民の息子として生まれたジャクソンは、13歳で独立戦争に参加し、米英戦争ではイギ
   リス相手にその勇名をとどろかせた、当時の国民的ヒーローである。南部出身者として初の大統領に当選すると、
   「アンドリュー一世」と揶揄されるほどの強権ぶりを発揮した軍人型大統領である。
    民衆の味方を自認するジャクソンは「人民の機会平等」を旗印に改革に着手。ただし「人民」とは白人のことである。
   アメリカ先住民は「先住民強制移住法」によって追いやられ、奴隷は、他ならぬジャクソンがテネシー州のプランテー
   ションで100人以上を使役していた。
    米英戦争中には、イギリスに味方する先住民クリーク族を大量に殺戮し、次いで彼らの持つ広大な土地を譲渡させ
   ている。1817年になると、全くの独断でスペイン領フロリダに侵入し、先住民セミノール族の村を破壊して回るという
   事件を起こす。

    先の大統領選挙での「トランプ旋風」とは何だったのかを思い出してみる。
   人種差別的な発言、ムスリムの入国規制の提案、メキシコとの国境に壁を建設する提案、そして「アメリカを再び偉大
   な国にする」という絶叫。ここで言うアメリカとは、白人のアメリカである。確かに、トランプはジャクソンに良く似ている。
    トクヴィルは、アメリカの民主制の将来について推測し、民主制には「ソフトな専制政治」へと悪化する傾向があるだけ
   ではなく、多数派の専制を生み出す危険性もある、と指摘した。
    また、奴隷制度廃止をめぐる論争がアメリカを分裂させる可能性を予測した。さらに、アメリカとロシアがライバルの
   超大国として台頭することも予測した。
    今日の新聞を読む。
   フランシスコ・ローマ教皇は3日、「人種差別は容認できず、見て見ぬふりはできない」と発言した。
   アメリカ本土では、マティス前国防長官が3日、トランプ大統領について、「米国民を分断しようとしている」と痛烈な批判
   を展開し、「憲法をないがしろにする権力者を拒絶し、責任を取らせなければならない」と「反トランプ」の旗幟を鮮明にし
   たということだ。
    そして、エスパー国防長官は3日、国防総省で記者団に対し、「今回のような状況下で、地方の法執行機関と行政当局
   を支援するのは州兵が最適だ」と述べ、「反乱法の適用は支持しない」と断言した。
    民主党のオバマ前大統領(58)は、「この国が抗議行動によって築かれたことを忘れてはならない」と述べ、デモの支持
   を表明した。共和党のブッシュ元大統領(73・息子の方)も、2日に声明を発表。「傷つき、嘆き悲しむ人々の声を封じよう
   とする者は、米国の意味と、それがどのようにより良き場所になるかを知らない」と訴え、デモを抑圧するトランプ大統領を
   暗に批判したということだ。
    民主党のクリントン元大統領(73)は「誰も(被害者の)ジョージ・フロイド氏のような死を迎えてはならない」と語り、人種
   差別解消へ行動を起こすべきだと主張した。
   また同じ民主党のカーター元大統領(95)も「沈黙は暴力と同じぐらい命取りだ」と訴えた。

     平等と専制が結合することになれば、心情と知性の一般的水準は低下の一途をたどるだろう
                      アレクシ・トクヴィル

   ※
   『アメリカのデモクラシー』岩波文庫全4巻・松本礼二訳。

 


 
       「帝国の落日」

           2020・6・4

    事件が起きたのは5月25日・月曜日、ミネアポリス近郊でアフリカ系アメリカ人の黒人男性が白人の警察官によって
   白昼、衆人環視の中で殺害された。被害者の名前はジョージ・フロイド、加害者の名前はデレク・ショービン、他に3人の
   警察官が共犯者である。
    手錠をかけられたフロイドが、呼吸ができない、助けてくれ、と懇願していたにも関わらず、ショービンは8分46秒間フ
   ロイドの頸部を膝で強く押さえつけ、死亡させた。
   警察官が一般人を公然と殺害するというようなことは、その国の体制を問わず世界のどの国でも起こることはまずない。
   昔は、秘密警察とか政治警察と呼ばれる組織を持つ国もあって、この種の事件はよくあったが、今時はあまり聞くことが
   無い。しかし、アメリカでは2020年の今も特別な出来事ではないし、異常な出来事でもない。
   これは政治的な弾圧ではない。根底にあるのは人種差別だ。
    1863年11月19日、エイブラハム・リンカーン大統領は、「人民の、人民による人民のための政治」というフレーズで
   有名な「ゲティスバーグ演説」を行ったが、この人民の中に黒人が入っているのかどうかということだが、今日のアメリカ
   においてもまだ否定する人がいるということは確かな現実である。
    1963年8月28日、職と自由を求めた「ワシントン大行進」の一環として25万人近い人々がワシントンDCに集結した。
   この日の最後の演説者はマーティン・ルーサー・キング牧師だ。彼は「私には夢がある」と語った。

     私には夢がある。それは、いつの日か、ジョージア州の赤土の丘で、かつての奴隷の息子たちとかつての奴隷所有者
    の息子たちが、兄弟として同じテーブルにつくという夢である。
    私には夢がある。それは、いつの日か、不正と抑圧の炎熱で焼けつかんばかりのミシシッピ州でさえ、自由と正義のオア
    シスに変身するという夢である。
    私には夢がある。それは、いつの日か、私の4人の幼い子どもたちが、肌の色によってではなく、人格そのものによって
    評価される国に住むという夢である。
    今日、私には夢がある。
    私には夢がある。それは、邪悪な人種差別主義者たちのいる、州権優位や連邦法実施拒否を主張する州知事のいる
    アラバマ州でさえも、いつの日か、そのアラバマでさえ、黒人の少年少女が白人の少年少女と兄弟姉妹として手をつな
    げるようになるという夢である。
    今日、私には夢がある。

     フロイドさんが白人警察官に殺害されてから一週間が経った6月の1日、抗議デモが全米140都市で平和的に行われた。
    中には警察官も参加したところがあるということだ。
     国連のドジャリク事務総長報道官は、警察の暴力に関する国連の立場を問われ、「世界のすべての警察官に、適切な
    人権教育がなされる必要がある」と指摘した。
     月末の29日、トランプはツイッターでデモ隊を「悪党」と断じたうえで「略奪が始れば銃撃も始まる」と投稿し、軍隊投入を
    ちらつかせて市民を威嚇した。お得意の「憎悪と分断」である。
     6月の1日、トランプ大統領はホワイトハウスで演説した。抗議デモについて大統領はこう断言した。
    「平和的な抗議ではなく国内テロだ」「都市や州が住民の命や財産を守る必要な行動を取ることを拒否するなら、私は米軍
    を動員しこの問題を早急に解決させる」と強権発動の構えを見せ、さらに各州知事らを「弱腰」と批判し、「これはある意味
    で戦争だ。これを早く終わらせなければならない」とげきを飛ばした。
    この発言に対してマーキー民主党上院議員は「人種差別の憎悪と暴力に油を注いでいる人間のくず」だと批判した。
     デンプシー元統合参謀本部議長はツイッター上で、「米国は戦場ではない。同胞市民は敵ではない」と懸念を示したという
    ことだ。また、バイデン前副大統領は2日、ペンシルベニア州で演説し、「この国を、古くからの恨みと新しい恐怖で分断され
    た戦場にしようとしている」と厳しく批判したということだ。
     昨日、私は「大秦帝国」について書いた。
    今、アメリカと中国は対立しているという。しかし、私には対立の原因が分からない。というのはこの二つの大国はあまりにも
    よく似ているからだ。内政においての人権弾圧、外政においての膨張主義。違いをどこに見つけ出せばよいのか、私にはそ
    れが分らない。
     アメリカの黒人作家であるジェームス・ボールドウン(1924年~1987年)に『アメリカの息子のノート』と題するエッセイー
    集がある。これは1972年に佐藤秀樹訳でせりか書房から刊行されたものだ。その中でボールドウンはこう語っている。

     私には、この国に生まれたニグロで、思春期までの間に生活状況によって一生消えないような傷を受けなかった者は考え
    られない。ハーレム中のニグロの少年少女たちが、今、必死になって自分の足場をさがそうとしながら、発育不全の大人へ
    と成長していきつつある。驚くべきことは、これほど多勢の者が落伍するということではなく、これほど多勢の者が持ちこたえ
    ているということだ。

     ボールドウンには『ジョヴァンニの部屋』(白水社・1964年)という小説がある。私がそれを読んだのは18歳の時だった。
    ノーマン・メイラーに夢中だったその頃、私はいつもマイルス・デイビスやジョン・コルトレーンやリー・モーガンを聴いて暮らし
    ていた。そして、メーラーを読まない日はリチャード・ライトかボールドウンを開いていた。街に出れば路上ではリー・アイアコ
    ッカが作ったフォードのマスタングやマーキュリー・クーガが輝いていた。その頃はトヨタや日産の車はまだサンフランシスコの
    坂道を上ることができなかった。それは石津謙介を教祖とするVANジャケットの季節だった。
    正直に言うと、あまり賢くなかった私はショーウインドウに映るそういうアメリカに憧れていた。
    遠い昔の想い出だ。50年も前の事だ。
    私の中のアメリカは少しも進化していない、絶望的にまで後退している。



        「大秦帝国」

             2020・6・3 

     アメリカと中国の関係は今、新たな冷戦時代に入りつつあるという見方を最近よく耳にし、目にもする。
    中国に対するトランプのこの数か月の発言はかなりヒステリックであるが、その狙いは自国でのコロナ感染拡大阻止
    に失敗したことを国民の目からそらすための責任転嫁であり、いま一つは大統領選挙を意識した強力なリーダーと
    してのイメージ戦略である。しかし、この大局観のない暴走は軍部の支持を得ることができるかどうかは疑問である。
    また、中国と断交することにアメリカの農業が耐えるかどうか、いや、農業ばかりでなく、商業、製造業をも含むアメリカ
    の経済そのものが成り立つのかどうか、この点については何の保証もない。
     先の冷戦のときは、競争相手であったソ連に対してアメリカは資本力、生産力、援助力において圧倒的に優位な立場
    にあったけれども、今回の挑戦者・中国に対しては必ずしもそうであるとは言い切れない。
    そしてまた世界帝国という意味においては、中国はアメリカという国が生まれる前からそうであったのであり、そういう面
    では帝国運営の知識と技術は歴史的にも経験豊富な国であり、トランプの貧弱な想像力では中華思想を正確に捉える
    ことはできないだろう。それが証拠にこの数か月、習近平の外交に関する発言はほとんどない。ここがソ連の指導者た
    ちとの違いだ。
     沈黙はこの新たな中華帝国の皇帝の自信と余裕を示すものである。皇帝が対米関係を本格的に検討するのはアメ
    リカの大統領選挙の結果が出てからだろう。それがトランプ後となるのか、続トランプとなるのかの予測はつかないけれ
    ども、いずれにしても、そこからは中華帝国の時代だと考えているのだろう。そして、この世界観はある程度、アメリカの
    経済界や農業界は受け入れるだろう。と言うより、そうしなければアメリカの経済は立ち行くことができない。皮肉なこと
    であるが、グローバル化を推進したのはアメリカであるが、そのグローバル化によってアメリカは身動きが取れなくなっ
    ている。
     その中国だが、先月の末に開かれた全国人民代表大会で、反政府活動を禁止する「国家安全法」を香港に整備する
    決定案を賛成多数で可決したということだ、これによって中国政府が香港で直接、立法・取り締まりを行うことが出来る
    ようになるということだが、そろそろ人民解放軍という名称も人権弾圧軍と変えるべき時なのではないか。
     1989年6月4日・日曜日、中国共産党・政府は民主化を求めて天安門広場に集まったデモ隊に対し、軍隊が武力行使
    し、多数の死傷者を出した。これを六四天安門事件と呼ぶ。時の最高権力者は鄧小平である。明日4日は事件から31年
    を迎える。この時、共産党革命は崩壊した。
     確かに、中国は経済的にも軍事的にも大国になった。しかし、その道義性はどうなのだ。中国共産党と言うけれども、
    そのどこが共産主義なのか、これは進化ではなく後退である、一党独裁と個人崇拝、遥か昔の大秦帝国と始皇帝の復
    活である。
     マルクス・エンゲルスは破り捨てられ、レーニンは踏みつけられ、毛沢東・周恩来は観光名所の飾り物となった。
    革命を弾圧する革命国家、この国のどこに共産主義があるというのだ。
    香港弾圧は、現代の焚書坑儒である。



      「オウ・マイ・パパ」

             2020・6・2 

    紅茶に浸った一片のプチット・マドレーヌの味覚から不意に蘇った幼少時代のあざやかな記憶、というのはプルースト
   の小説『失われた時を求めて』の有名な一場面だが、これは無意識的記憶または心情の間歇とも呼ばれている。
   プルーストの小説では、この体験が何度も繰り返される。
    お菓子の味覚が過ぎ去ったある過去の全体を蘇えさせるというのは誰にでもあることなのかもしれないが、しかしこの
   無意識の間歇的記憶を発見したのはプルーストであり、ここにプルーストの偉大さがある。
   彼は知識人ではなかったし、文学者でもなかった。小説を発表する前も、その後も、世間の人はこの人物を社交界に入
   り浸る好奇心の強い俗物(スノッブ)として見ていた。その作品もディレタッント(素人、好事家)の手すさびといった評価
   を出るものではなかった。彼が発見されるまでには若干の時間が掛かった。同時代人の大知識人アンドレ・ジッドには
   最初の30頁が理解できなかった。
    今朝のことだ。
   広大な菜園の植物群に水を掛けている時、何処からともなく歌声が聴こえてきた。それとともに懐かしい風景が蘇ってきた。
   歌声の主は雪村いづみ、歌は「オウ・マイ・パパ」。
   この歌は私が幼少の頃、姉がよく口ずさんでいたものだ。姉は、父親大好き人間だった。世界で一番優しいのはパパ、世
   界で一番恰好いいのはパパ、世界で一番賢いのはパパ、何でもかんでもパパが第一であった。私はそうは思わなかったが、
   私と父との間には距離があった。まあ、私の少年時代の家族の肖像などここに書いても何の意味もないが、ただ、今朝の
   不思議について、あれやこれやと考えるだけである。
    雪村いづみさんの「オウマイパパ」の歌詞をこんなものだ。

     オウ・マイ・パパ 帽子を横ちょにかぶり おどけていた
     やさしい わたしのあのパパ
     
     大きな あの手に抱かれて
     夢見た 遠いあの日よ

     オウ・マイ・パパ 破れた洋服
     着ていたパパ 街のピエロ
     
     形見の帽子を抱きしめ
     今日もまた 泣いているよ

      この歌はドイツ由来のナンバーで、それをアメリカの若きスター、エディ・フィッシャーが歌ってヒットしたものだ。エディは
     もう忘れられた人だが、この男の女性遍歴だけは色事師の伝説となった。
     エディは幼馴染のデビー・レイノルズを捨ててリズ(エリザベス・テイラー)の元に走り、まもなくリズとも別れ、今度はコニー・
     スティーヴァンスと結ばれた。つまらない男だが、女を口説く術だけは天才的であったようだ。そういう男に『オウ・マイ・パパ』
     が似合うとも思わないが、やっぱり後でひんしゅくを買ったそうだ。
      海の向こうのことはこれくらいにして、倭国の昭和に話しを戻す。
     雪村いづみ(本名・朝比奈知子)、1937年(昭和12年)生まれ、歌手にして女優にして画家。現在は83歳、まだ現役で
     ある。1953年(昭和28年)、テレサ・ブリワーのカバー曲『想い出のワルツ』でレコードデビュー。
     元祖「三人娘」の一人。他の二人は江利チエミと美空ひばり。江利は45歳で亡くなり、美空は52歳で亡くなっている。
     幼くしてスターになった人というのは何故か私生活では悲劇的な人生を送る。雪村さんも例外ではない、83歳でまだ現役
     の歌手であるから心身共に健康なのだろうが、その人生は波乱万丈である。
     3人とも大スターであったから彼女たちの歌声はテレビのない時代からよく耳に入って来た。しかし、私は幼少の頃から生意
     気にも「ハイカラ趣味」であったから流行歌の歌い手を好きになることはなかった。だから、雪村さんについても姉が「オウ・マ
     イ・パパ」を歌っていたということくらいの想い出しかなく、それは雪村さんの歌声そのものが記憶に残ったということではなく、
     姉の父親に対する恋心にも似た愛の在り方が、今もって不思議で、その事が、私という人間の欠陥を証明しているような気が
     してならないのだ。それは、姉には父親であった男が理解できて、私にはそれを理解することが出来なかったということだ。
     娘と息子では父親に対する距離というか角度というか、そういうものが本質的にもしくは先天的に異なるのかもしれないとも
     考えるが、何となく弁解じみているような気もしないわけではない。
      明日になれば雪村さんのことも「オウ・マイ・パパ」という歌も忘れてしまっているだろうが、なぜ思い出したのかという謎は
     残る。それが何の前触れもなく突然蘇ってくる理由は何処にあるのかという謎だ。
     過去のある出来事は、現在のある出来事に赤い糸で繋がっている。呼び起こしたものが歓喜であるか不安であるかは分か
     らないが、いずれにしても今の私にとっては「オイ・マイ・パパ」という言葉は、迷宮に響く木霊(こだま)である。
     パパとは亡くなった父親のことか、それともこの愚かな私のことか。
     「聡明になるまで老いるべきではなかった」とシェイクスピアは言ったが、まだ間にあうのか。
     何だか訳の分からないことを書いてしまった。
     愚か者の夏の朝の間歇的記憶である。意識的なものではないから止めることも否定することも出来ない。
     未だ意味不明であるとしても、呼び起こされた過去は現在の私の無意識の中にある何事かを照射しているのであろう。

       病人というものは、正常な人よりも己の魂により近く迫るものだ。

                         マルセル・プルースト

      雪村いづみには『約束』(1964年)という歌がある。藤田敏雄作詞、前田憲男作曲の反戦歌である。
     雪村いづみはこういう歌も歌える人である。愛を歌う青いカナリヤ。


 
   
   「ベニスに死す」

      2020・6・1

  政治を軽蔑する者は、軽蔑すべき政治しか持つことが出来ない

  時間こそ、我々がその中でいっそう賢くなり、いっそう良くなり、いっそう成熟し、
 いっそう完全なものとなるために、我々に与えられた貴重な贈り物である


                     トーマス・マン

   遠い昔のことだ。ルキノ・ヴィスコンティ監督の『ベニスに死す』という映画を観たことがある。
  1971年(昭和46年)に公開された映画だから、その時、私は22歳だった。本当に遠い昔のことだ。
  これはトーマス・マンの同名小説を映画化したもので、テーマ曲はグスタフ・マーラーの交響曲第5番・第4楽章アダージェット
  で、マーラー人気復興の契機となったことでも名高いと何かの本に書いてあった。
   原作は『地獄に堕ちた勇者ども』『ルートヴィヒ』と並ぶ「ドイツ三部作」の第2作であるが、他の2作の主舞台はドイツである
  が、本作の舞台は夏のベニスだ。主人公の老作曲家アッシエンバッハのモデルはマーラーその人であり、演じたのは英国の
  名優ダーク・ボガードだ。この人は女流監督リリアーナ・カヴァーの『愛の嵐』でも強烈な存在感を見せた。
   『ベニスに死す』の内容は次のように解説されている。

   静養のためベニスを訪れた老作曲家は、ふと出会ったポーランド貴族の美少年タージオに理想の美を見出す。以来、彼は
  浜に続く回廊をタージオを求めて彷徨うようになる。
   ある日、ベニスの街中で消毒が始る。誰も真実を語らない中、疫病が流行していることをようやく聞きつける。それでも彼は
  ベニスを去らない。
   白粉と口紅、白髪染めを施して若作りをし、死臭漂うベニスを彼はタージオの姿を追い求め続ける。ついに彼は倒れ込み、
  ひとり力なく笑い声をあげる。翌日、疲れ切った体を海辺のデッキチアに横たえ、波光がきらめく中、彼方を指さすタージオ
  の姿を見つめながら彼は死んでゆく。

    テーマ曲アダージェットは当時恋愛関係にあったアルマにあてた、音楽によるラブレターであるということだ。
   後にマーラー夫人となるアルマは「ミューズにしてファム・ファダル」と称される恋多き女であった。
   「ファム・ファタール」とは、男にとって「運命の女」という意味を持つ。男を破滅させる魔性の女ということだ。
   例えば、カルメン、サロメ、クレオパトラ。
    しかし、ヴィスコンティが追求した美は、そういう恋愛関係の中にはなかった。この恋愛感情は同性愛であり、稲垣足穂では
   ないが、「少年愛の美学」である。
    「踊る大香港」というブログに面白いことが書いてあった。この人の名前は分からないが、酒と映画の日々を送っている香港
   在住の人だ。少し転写する。
    
    ベニスでは14世紀にはペストが大流行し、隔離するための収容所も作られた。その後も17世紀まで度々ペストが流行した。
   市内に巨大な教会が多いのもそのためである。1918年にはスペインかぜがありと、数々の感染症を経験してきた歴史がある。
    グスタフは銀行で両替をした際、行員の一人に意を決して尋ねてみたところ、別室に通され恐ろしい事実を聞かされる。
   「実は数年前からガンジス川起源のアジア・コレラが各地で発生しています。ペルシャから隊商ルートでモスクワ、ヨーロッパを
   横切り、海づたいにシリア、パレルモ、ナポリに来て、カリビア海に根を下ろしました。北イタリアはまだ安全ですが、このベニス
   は無防備状態です。この地は季節風が吹きあれ沼も多く、先ごろ2人の病死者からコレラ菌が発見されました。この事実は秘
   密にされています。今では死亡者が増えすぎて病院のベッドは空き1つありません。住民が口を閉ざすのは、ベニスの住民は
   観光客で生活
しているからです。観光客のいないベニスは寒々とした冬よりも惨めです。すぐにお発ちになるのが賢明です。
   2、3日中に交通手段が途絶えます」(シネフィルWOWOW放映版より抜粋)
    その夜、グスタフは美少年が一家で外出するのをつけてストーカーのように町を歩く。人はおらずいたるところで焚き火を見る。
   感染者の洋服などを焼いているのだ。医者へ行ったであろう一家を見ながら、グスタフも自分の身体に異変があるのを知る。
   時代設定が1911年だから、情報は新聞しかない。観光地であるベニスが感染事実を隠蔽するのは地元の経済のため。
   100年経った今でも、人間は同じ過ちを犯している。どこかの国では新型コロナウィルスがわかった後でも、中国の国家主席を
   迎えるため、オリンピックを開催するため初動が遅れてしまった。国民の命より政治家の面子や経済が大事なのだろう。

    ところで、石狩の浜辺には人が出ているのだろうか。コロナのために海水浴が出来ないということになれば、若い人たちにとっ
   ては淋しい夏となるだろう。それは2020年の夏の想い出が作れないということだ。
    いや、若い人たちばかりでなく、私のような老骨にも、一人静かに失われた時を求めての追憶の場がなくなる。
   老人と海、と言うではないか。今年の夏はジンライムを何処で呑めばよいのか。これだけは太陽の下の砂の上で呑みたいのだよ。
   どんな酒にも、それを呑むのに相応しい場所と時刻がある。
    トーマス・マンはこんな言葉も遺している。

          役に立つ嘘よりも害を及ぼす真実の方がいい


 
       「堀田善衛を読む」

        2020・5・31 

    今日で2020年の5月が終わる。
   雪の降る頃に立てた計画では、今頃はシェイクスピアの全作品の半分くらいは読み終わっているはずだったの
  だが、思いもよらぬことに5月の6日の朝、鴨長明という見知らぬ人に肩を掴まれた。
   その日の夜、私はこの日記にこんなことを書いていた。

    この朝、なぜか突然、ビートルズに『アンド・アイ・ラブ・ハー(そして彼女を愛している)』という楽曲があることを
   思い出した。あれは17歳の夏だった。懐かしい曲だ。そして懐かしい季節だ。もう半世紀も昔のことだ。
   珈琲を入れて、パソコンの前に座り、ユーチューブでポール・マッカートニーの歌声を久しぶりに聴いた。すると訳
   もなく涙が流れた。午前3時のことだ。それから夜が明けるまで何度も聴き返した。
    そうした時間のなかで、堀田善衛(1918~1998)に『ミシェル城館の人』全3巻があることを思い出した。
   モンテーニュについて書かれた評伝だ。モンテーニュについて書かれてあるものならば落ちている紙屑でも拾い上
   げる私なのに何故か堀田さんのこの本は持っていない。いつものことだが、私という人間はつまらぬお買い物が多
   すぎる。本当に大事なもの、必要なものをを買い忘れる。さらに、その事さえも忘れる。
   そんなこんなで自身の愚かさを笑っている時、堀田さんに『方丈記私記』という本があったことも思い出した。なんと、
   これも持っていない。幸いにして鴨長明の『方丈記』(川瀬一馬校注、講談社文庫・昭和46年刊行)は手許にある。
   ポール・マッカートニーを聴きながらその本を開いてみた。

    行く河のながれは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、ひさし
   くとどまりたる例(ためし)なし。世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。

     それで『方丈記』を何十年か振りに読み返してみたのだが、恥ずかしいことに、若い時には分からなかったことだが、
    これが大変な書物であることを発見した。その日から私はシェイクスピア・ガーデンの庭園作業を一時中断して、急ぎ
    東海の孤島に舞い戻り、平安、鎌倉、室町、元禄と懐かしい土地を歩き回り、色々な人を訪ねて鴨長明さんについて
    の噂話を聞いて廻った。訪ねた先は、西行、定家、兼好、法然、親鸞、一篇、道元、世阿弥、一休、利休、芭蕉、良寛
    といった超有名な人たちである。
     私にとっての問題は、「古京はすでに荒れて、新都はいまだならず、ありとしある人は皆浮雲の思いをなせる」の状況
    認識の今日性である。
     国内のコロナ感染状況は感染者数16,884人、死者数892人。収束の見通しは全く見えない。
    政府は無為無策であり、政治家は私利私欲に走り、文化人は蛇足・余談の饒舌に酔い、富裕の人は株の下落を心配
    して夜も眠られず、立身出世を願う俗物は深夜の麻雀放浪記である。乱世末法という言葉を思い出す。
     2日ほど前から堀田善衛さんの『定家明月記私抄』上巻(新潮社・1986年発行)を読んでいる。
    これも若い頃は一読して素通りした本なのだが、70歳にして読み返してみると、堀田さんの文章には独特の味わいが
    ある。このことに何故気づかなかったのか不思議でならない。古典を語っているのだが、その視点と文章は極めてモダ
    ンである。文学の香気を感じるね。
     『明月記』は歌人藤原定家(1180年~1235年)の日記である。定家が19歳の時、長明は26歳であった。年齢が
    違う、身分が違う、美学が違う。定家は二流貴族といえども気位の高い強情な宮廷歌人であり、長明は俗世を離れた
    不運の孤児であり、方丈の人である。
     『明月記』は「世上乱逆追討耳ニ満ツト雖モ、之ヲ注セズ。紅旗征戎吾ガ事ニ非ズ」の一文で有名だが、これは定家の
    詩人としての耽美主義の表明であり、どこかボードレールを思わせる。
    こういう定家を三島由紀夫、塚本邦雄、小西甚一、辻邦生、ドナルド・キーンらは積極的に評価した。

     見渡せば花も紅葉もなかりけり 浦の苫屋の秋の夕暮

     来ぬ人をまつほの浦の夕なぎに焼くや藻塩の身もこがれつつ

     玉ゆらの露も涙もとどまらずなき人恋ふる宿の秋風
                                  『新古今和歌集』  権中納言  定家

   藤原定家の和歌の性格については風巻景次郎という人はこう言っている。

   定家は平安朝生活の伝統を多分に承け、それにふさわしく繊細な神経で夢の世界を馳せ、その天性によって唯美的な
  夢の文学を完成した。しかし表現せんとするものが縹渺(ひょうびょう)として遥かであるほど、それを生かすには辞句の選
  択、着想の考案のために心を用いることは大でなければならぬ。そして定家はそれに耐えるほどの俊敏な頭脳をもってい
  た。かれの歌の成功はこの頭脳の力にある。しかしまた、その失敗も頭脳のためであった。かれの歌の大半は、優艶なる
  夢をいかにして表現しようかと努力した理知の影を留め、その表現のために尽くした努力はその措辞(そじ)の上に歴々とし
  て現れた。かれはじつに夢の詩人で、理知の詩人で、そして言葉の詩人であった。

   また石田吉貞という人はこう言っている。

  定家美(妖艶)のなかには、多くの非正常的・怪奇的なものがある。あまりに華麗幻燿にすぎて、人を誑(たぶら)かさずには
 おかないこと、つよい阿片性・麻薬性があって、人を麻痺、昏酔させる毒性をもつこと、あまりにつよい性欲性・獣性があって、
 人を頽廃・好婬に誘わずにおかないこと、つよい幽鬼性・悪魔性があって、人を悪魔的世界に誘おうとすること、死や亡びのも
 つ非生命性・空無性・滅亡性等に美を感じさせ、死や亡びのなかに投身させようとする性質をもつこと等々がそれである。

  定家の「紅旗征戎吾ガ事ニ非ズ」とは頼朝挙兵のことであるが、この時、定家は18歳であった。では定家の吾事とは何であ
 ったのか。「幽玄」の追求、歌道の確立ということか。定家は世上の出来事には関心はなかった。社会というものを意識するこ
 とはなかった。しかし、そういう芸術至上の生活を可能にしたのは荘園の安定した収入があったからである。この事を見落とす
 と時代全体を見誤ることになる。
  堀田さんは言う。

 「また長明との対比においてもう一つ鮮明なのは、官僚体制内の人としての定家には、歴史意識というものが、別に皆無とまで
 は言わぬにしても甚だしく欠けていることである。それは歌人として無用の長物であるかもしれない」と。

  定家の父俊成には、男女合わせて約27人の子供があった。定家自身も生涯に27人の子女を生ませている。兄弟27人に
 子供27人、歌聖定家の生活はそういうものだった。もちろん両者とも一穴主義者ではない。妻妾の数は正確には分からない。
 「幽玄」とは、元々は物事の趣が奥深く、はかりしれないことという意味を持つが、もう一つの顔は「色ごのみ」、もしくは「風流
 (みやび)」ということか。
  堀田さんは言う。

  ここで注目しておいてよいことの一つは、和歌というものの実用性、その実際的効用について、である。
 和歌とは何か。それは、和する歌、要するに、こたえる歌、の意なのであり、それが原意である。つまり近・現代的な独立した
 一首の詩歌という意は。原意には添っていないのである。それはつねに応答、交換を期しているもので、場合によっては会話、
 対話の一種でさえある。従ってその実用のなかには政治的応用さえが入りうるのである。父俊成のそれに見られるように、
 人間関係の取りなしの用をも果たす。そうしてこれを綜合するとすれば、挨拶、ということばが適当であろう。そのことを覚えて
 おく必要がそのうちに出て来るであろう。

  今回、『定家明月記私抄』を再読してつくづく感じ入ったことは、愚者であることの幸福ということである。
 頭が悪い、記憶力が弱いということは必ずしも否定的に捉える必要はない。私に限って言えば、それがために読み返す本は
 どれもこれも新鮮である。まったくの新しい体験である。


       「大本営発表」

        2020・5・30 

    ジャーナリストでドキュメンタリー映画監督、カルフォルニア大学バークレー校客員研究員でもある大山英代(おお
   やま はなよ)さんが昨日の新聞の「文化の話題」欄に「コロナ禍に学び合う世界の記者たち」と題する一文を載せてい
   た。それを読んで、「フロントラインプレス」という独立系調査報道メディアがあることを知った。
   そのホームペイジを開くと、次のような宣言が目に入った。

       Frontline Pressについて

    調査報道グループ「Frontline Press(フロントラインプレス)」は2019年5月、上に掲げた三つを掲げて正式にスタート
   しました。
   「日本の報道はダメだ」「もう終わっている」――。メディアやマスコミに対しては近年、そんな言葉が当たり前に向けら
   れています。特に「調査報道はほとんどない」と言われます。
   Frontline Pressは新しい調査報道のかたちを目指します。「まず自分たちで道をつくろう」という取材記者たちが集まり、
   新たな組織で「良質なニュース・報道」をつくりだすことにしました。
   何よりも「論より事実」を重視します。新しい調査報道のかたち・取材手法・記事の見せ方を研究し、実践して、社会に
   広がるアンフェア(不公正)な構造を明らかにしていきます。読者や専門家と縦横に交流し、課題解決に向けた糸口も
   探ります。
    集っているのは年齢も経験も異なる、多種多様なメンバーです。立場や経歴とは無関係に「良質な報道を続ける」の
   一点で集いました。組織内ではお互いが相手を尊重し、敬意を払います。メディア環境が激変するなか、「取材と報道」
   という営みの新たなモデルづくりも目指します。

       メディアベンチャー「フロントラインプレス合同会社」

    フリーランスのジャーナリストらが「チーム」として調査報道に取り組むため、設立された。新しいかたちの調査報道を
   目指す。元北海道新聞記者で北海道警察や北海道庁の裏金問題で新聞協会賞、菊池寛賞などを受賞した高田昌幸
   氏( 現・東京都市大学メディア情報学部教授)を中心に、約30名のジャーナリスト、カメラマン、編集者らが所属する。
   (代表 高田昌幸)。

     ここから話を大山さんに戻す。大山さんはこう言っている。

      政府のいいなり「あきれる実態」
    果たして日本のメディアはどこまでできているだろうか。4月27日、日本の独立系調査報道メディア「フロントラインプ
   レス」は「新聞・テレビ『政府の言いなり』の何ともあきれる実態と題して、日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)が実施
   したアンケートをもとに、日本国内の記者たちの声を伝えた。「政府から『医療崩壊と書かないでほしい』という要請が行
   われている」など驚くべき実態が露呈した。大本営発表と化す日本のメディアと、企業の枠を超えてつながり学び合う世
   界の調査報道ジャーナリストたち。米国から見つめるその差は絶望的なほど大きい。
 
    この1月からオリンピック開催中止が決まるまで日本のメディアは安倍首相と小池知事のどういう発言を報道してきた
   のか、そして中止決定後からは安倍首相と小池知事の発言をどのように伝えているのか。両者とも前期と後期では全く
   違う発言をしているにも関わらず、その矛盾を問うメディアは新聞・テレビに限って言えば、一社もない。
    そして、オリンピック開催中止の決定後の翌日から感染者の数は急に増えだしたのだけれども、この理由は何かと問
   うメディアも一社もない。それどころか次期検事総長決定と思われていた黒川弘務さんとの深夜の賭け麻雀のお相手に
   二社の新聞社の記者が入っていたことが発覚する始末である。
    フロントラインプレスの報道は、日本では既に医療崩壊が起きているということだろう。この事実を伏せる理由はただ一
   つしかない。それは何人死者が出ようとも経済再開を優先させるということである。とすれば、コロナの第二波・第三波は
   必ずやって来る。その時は誰が責任を取るのか。
    文芸評論家の斎藤美奈子さんが、東京新聞の「本音のコラム」(20日付け)に「TD五つの効用」と題する文章を載せた
   そうだ。ツイッターデモ(TD)が①野党に力を与える②メディアに勇気を与え③与党内にプレッシャーをかけ④当事者(法
   曹人)を奮い立たせ⑤御用言論人の欺瞞をあぶり出した、と述べているということだ。
    
     フロントラインプレス(2020年4月27日)

     お上のお墨付きがないと、今がどういう状態なのか、判断できない」「感染が確認された事業者自身がサイトで発表して
    いるのに、行政が発表していないと掲載しない」――。
     新型コロナウイルス感染拡大に関するニュースが大量に飛び交うなか、報道機関の働き手からこんな声が続出している。
    日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)が実施したアンケートで判明した実態だが、まるで第2次世界大戦の時代を彷彿と
    させる“令和の大本営発表”とも呼べる事態ではないか。研究者らの厳しい見方も交えつつ、大メディアがほとんど報じな
    かったMICアンケートの内容を伝える。

     ・国会論戦を放送しなかったり、あるいはやっても短い。官邸記者が政権に都合の悪いニュースを潰したり、番組
     にクレームをつける。これは日常茶飯事。官邸記者が政権のインナーになっている

     ・ニュースソースが官邸や政権であること。その結果、番組内容が官邸や政権寄りにしかならない。彼らを批判し
      正していく姿勢がまったくない。というか、たとえあったとしても幹部が握られているので放送されない

     ・上から下まで、忖度と自主規制。事なかれ主義。サラリーマンばかりで、ジャーナリストはいない
     ・「過剰な忖度」であると現場の制作者も中間管理職もわかっていながら、面倒に巻き込まれたくないとの「事なか
      れ主義」が蔓延している


      大本営発表とは、1937年11月から1945年8月までの期間、支那事変(日中戦争)および太平洋戦争(大東亜戦争)
     において、日本の大本営が行った戦況の公式発表である。
      その特徴は戦果の過大と被害の過小をセットとする捏造の自己陶酔である。従って、戦果が上がれば上がるほど敵軍
     はより強大化し、より拡散し、より本土に近ずくという不思議な現象を引き起こした。
      汚れたマスクでもってコロナ感染拡大を阻止するというのは、竹ヤリでもってB29を打ち落とすという漫画の焼き直しで
     ある。しかし、竹ヤリは全国の家庭に届けられたわけではない。またアホノマスクもいまだ完全配布には程遠い状態であ
     る。勿論、一律給付金という新兵器もいつ届くのかわからない。けれども、事態は深刻である。今はコロナの全土空襲の
     真っ只中である。それでも政府は「医療崩壊と書かないでほしい」と大本営発表を今日も続ける。
     結論、こんな新聞も、こんなテレビも、こんな政府も、もういらない。



       「幸福度ランキング」

            2020・5・29

    今日の新聞の「新型コロナが問う 日本と世界」には堀内都喜子さん という女性が登場して、フィンランドの現在
   について語っている。
    初めて聞く名前なので、先ず記事が紹介する堀内さんのプロフィルを転写しておこう。

    ほりうち・ときこ 長野県出身。フィンランドのユバスキュラ大学大学院でコミュニケーションを専攻し修士号取得。
   帰国後は都内のフィンランド系機械メーカーに勤務する一方、ライター、通訳としても活動。2013年からフィンランド
   大使館広報部でプロジェクトコーディネーターとして勤務。
   その他の著書に『フィンランド 豊かさのメソッド』(集英社新書)。

    この記事を読んで今更ながらに思い知らされたのは私という人間の救いようのない無知である。今まで何処を観て
   いたのか、確かに現在は鷲(米国)、熊(露国)、龍(中国)の三国志の世界であるが、この三国の動向だけを見てい
   れば世界が分かるというようなことはない。この三国は大国ではあるが、道徳的には後進国である。その内政は貧富
   の拡大を助長する経済至上主義であり、その外交は古典的とも言える弱肉強食の膨張主義であり、世界のリーダー
   を名乗る資格はない。この三国が信仰する政治理念は信じられないことに21世紀の今なお「富国強兵」であり、その
   ためには国家の体制維持が優先され、国民の権利は抑圧される。強兵とは軍事力を背景にした砲艦外交のことであ
   り、これは自国第一の世界観を盲目的に信仰する時代錯誤にしか過ぎない。
     そんな中、今日、フィンランドのことを始めて知った。少し読んでみる。
   
       「新型コロナが問う日本と世界」
     「幸福度」世界一 フィンランドから何学ぶ 個人尊重 ゆとりある社会に
                 『フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか』の著者 堀内都喜子さん

    国連が毎年発表している「幸福度ランキング」で3年連続世界一になったフィンランド。新型コロナウイルスの感染対策
   の現状とコロナ問題が問う社会のあり方について、『フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか』(ポプラ新書)の
   著者、堀内都喜子さんに聞きました。(伊藤紀夫)


    5月20日時点での感染者は6443人、そのうち死者は304人です。人口は約550万人ですが、いま、感染者は1日40
   人前後で、減少傾向にあります。3月16日に非常事態宣言を出し、3月19日から国境を封鎖しましたが、制限は少しずつ
   解除されてきています。
    PCR検査は当初は検査体制が整わず、一時は韓国の協力を得て難局をしのぐ状況でしたが、検査体制を強化して、疑
   いのある人は本人が希望すれば検査を受けられるようになりました。これまでに15万6200人が検査を受けています。
     【中略】
    フィンランドでは、男女平等で、ともに働き、ともに子どもを育て、仕事と家庭を両立させる、さらに森と湖の自然に親しみ、
   スポーツや趣味、学習を楽しむなど、「ワークライフバランス」を大切にしています。在宅勤務も、そのための柔軟な働き方
   の一つです。午後4時には仕事が終わる、残業はほとんどしない、夏には1カ月以上の休みを取る。環境や地域に違いは
   あっても、教育や福祉サービスの機会が平等で、最低限の生活が保障されている。その安心感、ゆとりある生き方が「幸福
   度ランキング」世界一の背景にあると思います。
    労働組合の組織率は65%で、その力は強く、賃金や働く時間など労働条件の交渉は毎年しています。ストライキもしょっち
   ゅうで、公務員である保育士のストライキもあり、交通機関のストライキで電車が止まるのは日常的です。昨年は郵便関係の
   労働組合がストライキを行い、郵便が16日間届きませんでした。こうした運動が賃金アップや労働条件の改善につながってい
   ます。
         休養とってこそ

    フィンランドの仕事文化を語る上で欠かせないキーワードは「ウェルビーイング」です。身体的、精神的、社会的に良好な状
   態にあることを意味する言葉で、休みをきちんと取って労働環境を改善して心身とも健やかな状態でこそ、仕事の効率も上が
   るという考え方です。
    AI(人工知能)、デジタルを活用した働き方が広まる時代には、個々に違ったアイデア、自由な発想が求められます。時間を
   短縮して仕事をし、自由な時間にリフレッシュして学び直し、より良いものを生みだしていく「個人を重視した働き方」が必要に
   なってきます。
     【中略】
    コロナ対策では、ジェンダー平等社会の大切さを実感しています。昨年12月に首相に就任したサンナ・マリンさんは34歳の
   女性で、五つの政党の連立政権です。この五つの政党のリーダーは、すべてが女性です。閣僚は女性が12人、男性が7人、
   平均年齢は47歳です。女性の国会議員は46%で、ほぼ半数を占めています。
    今回の危機的な状況の中で、政府は試行錯誤はありますが、着実にコロナ対策を進めています。新聞の世論調査ではマリン
   首相のコロナ問題への手腕について、83%が「満足」「非常に満足」と答えています。
     【中略】
    彼女は経済的に恵まれない家庭に生まれ、幼い頃、母親はアルコール依存症の夫と離婚し、その後のパートナーは女性とい
   う環境で育ちました。社会福祉と平等社会の大切さを身をもって体験している人です。こういう女性が首相になれることを国民
   の多くは誇りに思っています。今回のコロナ禍でも、女性と男性が平等で公平に能力を発揮してこそ、バランスが取れた政治が
   できることを実感しています。
    日本でもコロナ禍は、いろいろなことを考え直し、変えていくチャンスではないでしょうか。一人ひとりが人間らしいゆとりを持っ
   た働き方、生き方ができる、ジェンダー平等で女性が差別なく活躍できる、いざとなったら最低限の生活が保障される…。
   そういう社会に変えていくことが、政治に信頼感を高めることにつながるのではないでしょうか。

     フィンランドについてウイキペディア(フリー百科事典)に当たってみると、次のように解説されている。

    フィンランドは、「フィン人の国」という意味で、スオミはフィン人の自称である。「スオミ」の語源については多くの説が提唱され
   ており定説はないが、同じウラル系の「サーミ」や「サーミッド」(サモエード)と同源とする見方がある。「フィン」についてはタキト
   ゥス
が残した「北方に住む貧しいフェンニ人」の記述が最古のものである。「スオミ」については古くはフィンランド南西端、バルト
   海沿岸にある都市トゥルクを中心とする限られた地域を指す単語であったのが、のちに国土全体を指す単語に変容し、そこに住
   んでいたスオミ族の名がフィンランド語の名称になった。トゥルク周辺は現在では「本来のスオミ(Varsinais-Suomi)」と呼ばれてい
   る。「スオミ」は、フィンランド語で「湖沼沼地」を表す単語「スオ」(suo)に由来すると言われる

     私は今朝までフィンランドについては何も知らなかった。
    知っているのは首都がヘルシンキであること、知っているフィンランド人と言えば、作曲家のジャン・シベリウスと元F1ドライバー
    で1998年、1999年のワールド・チャンピオンだったミカ・ハッキネンと『ムーミン』の原作者トーベ・ヤンソンだけだった。
    国連が発行した2020年度の「世界幸福度報告書」での幸福度ランキングはフィンランドが3年連続で首位だということだ。
    2位はデンマーク、3位はスイス、4位はアイスランド、5位はノルウー、日本はなんと62位だ。
     国境なき記者団が毎年発表している「世界報道の自由度ランキング」も確認しておく。   
    1位ノルウー、2位フィンランド、3位デンマーク、4位スウーデン、5位オランダ、日本はなんと66位だ。
     もう一つ、今度は世界経済フォーラム(WEF)が毎年発表している各国のジェンダー不平等状況を分析した「世界ジェンダー・
    ギャップ指数」を確認する。対象は世界153カ国。
    1位は11年連続でアイスランド、2位ノルウー、3位フィンランド、4位スウーデン、5位ニカラグア、日本はなんと121位だ。
     「幸福度」「報道の自由度」「ジェンダー・ギャップ」、どれを見ても上位5カ国の中に鷲と熊と龍の姿は影も見えない。そして日本
    はと言えば、世界周知の堂々たる後進国である。何が問題なのか。政治の劣化か、大企業の横暴か、正義と品性を失ったジャ
    ーナリズムか、それとも国民の成熟度か、おそらくその全てなのだろう。
     暉峻淑子著『豊かさとは何か』(岩波新書・1989年発行)の7頁を開く。

     たとえば、「あなたの国で誇りに思うことは?」ときかれたときスウーデンの若者の62%が「福祉」と答えている(日本で福祉と
    答えたのは6%)。西ドイツでは、経済の発展と同時に、国民の住宅や都市環境が美しく整備され、社会資本や社会保障制度の
    充実とともに、文化的事業に対してもゆきとどいた公的補助が行われている。

    32頁では、暉峻さんはこう語っている。

     日本人は「活力ある社会」という言葉が好きであるが、企業の競争、という意味の活力と、人間が自主的に創造的な活力を発揮
    する、ということとは、質的に違う。人間が、差別なく、自由に、のびのびとした活動を展開するためには、社会的共通資本、つまり
    社会資本や社会保障制度が、個人の日常生活を、下から、しっかりと支えていなければならない。そしてその土台の上に多様な
    個性が花開き、認め合われていなければならない。

     



       「私たちの今と此処」

          2020・5・28 
 

    1348年、イタリア・フィレンツェで流行したペストの様子。ボッカッチョ『デカメロン』の挿絵=英ウェルカム・コレクションから


     久しぶりに、と言うより、数年振りに現代文学というものを読んだ。
    アルベール・カミが小説『ペスト』を書いたのは1947年のことで、今から70年以上も前のことである。
    小説は、不条理が集団を襲うと人々はどういう反応を示すのかという記録である。より正確に言うならば、感染拡大
    阻止を口実に設けられた監禁状態の中で人々は人間として何を証明するのか、あるいは証明しなければならないの
    かという問いかけである。カミこの小説のエピグラフに引用したのはダニエル・デフォーの次の言葉である。

    「ある種の監禁状態を他のある種のそれによって表現することは、何であれ実際に存在するものを、存在しないあるも
   のによって表現することと同じくらいに、理にかなったことである」。

    ペストは194?年にアルジェリアのオランという町で起きた事件である。ペストによって引き起こされた監禁状態は架空
   的現実である。ではその裏にある現実的架空とは何か、ペストと同じような性質を持ち、同じような結果に導くもの、恐怖
   と沈黙で世界を破滅に追い込むもの、それは何かと言うことだ。この寓意小説のもう一つの主題はファシズムである。
   権力が統計学を「正義」とするとき、人間の日常は破壊され、権利は否定され、自由は消滅し、自発的隷従の奴隷社会
   となる。新潮社から1972年に刊行されたカミ全集全10巻の第4巻が『ペスト』であり、第5巻には『戒厳令』『正義の
   人々』が収録されている。
    私が『ペスト』を読んだのは1977年(昭和52年)の3月のことで、私は28歳だった。42年前の昔だ。
   私が昨日、読んだ現代文学というのはパオロ・ジョルダーノの『コロナの時代の僕ら』(早川書房)である。これは小説では
   なく、感染症(COVID・19)にまつわるエッセイ27本をまとめたものだ。この日本語版には「コロナウイルスが過ぎたあと
   も、僕が忘れたくないこと」という文章があとがきとして追加されている。これは訳者の飯田亮介さんが「宝石のようなこの
   文章」と絶賛するもので、「日本版に特別掲載されたこの最後の一章がいちばん魅力的だと思う読者さえ出てきても不思
   議ではないくらい、力強い文章だ」と解説している。
    訳者のあとがきによれば、イタリアでの状況は次の通りだ。

    国内で初の感染者が確認されたのは2020年1月31日のことだ。ただし患者はローマを観光で訪れていた外国人夫婦
   で、ただちに隔離され、感染は広がらなかった。同じ日に世界保健機構(WHO)が武漢市の状況を「国際的に懸念される
   公衆衛生上の緊急事態」であると発表しているが、このころ多くのイタリア国民にとって、COVID・19はまだまだ対岸の火
   事だった。
    ところが2月21日に北部のロンバルディア州とヴェネト州で新型コロナによる2件の集団感染が確認されて以来、みるみ
   るうちに感染の規模は拡大していく。

    ここで海外の感染状況を確認しておく。米ジョンズ・ホプキンス大学の集計で日本時間28日現在。
感染者数 死亡者数
米国 1,699,073 100,396
(うちニューヨーク州) (364,965) (23,643)
ブラジル 411,821 25,598
ロシア 370,171 3,962
英国 267,240 37,460
スペイン 236,769 27,118
イタリア 231,139 33,072
ドイツ 181,524 8,428
トルコ 159,797 4,431
フランス 145,746 28,595
インド 151,767 4,337
イラン 141,591 7,564
ペルー 135,905 3,983
カナダ 87,508 6,765
中国 82,993 4,634
チリ 82,289 841
サウジアラビア 78,541 425
メキシコ 74,560 8,134
パキスタン 59,151 1,225
日本 16,683 867
韓国 11,344 269

      米国の感染死者10万人を突破(5月28日)

     米ジョンズ・ホプキンス大学の集計で日本時間28日朝、米国の感染死者が10万人を超えた。感染者は170万人。米国
    ではこのところ感染拡大のペースがやや落ち着いてきているが、経済・社会活動の再開によって再び感染が拡大してい
    る地域もあり、ウイルスとの闘いの終わりが見えない状態だ。世界全体の感染者は569万人、死者は35万人を超えた。

      ブラジル、ロシアの感染者急増続く(5月26日)

     米ジョンズ・ホプキンス大学の集計で日本時間26日朝、世界の感染者数は547万人、感染死者は34万人を超えた。欧州
    や米国の増加ペースがやや緩んだ一方で、新たなけん引役となっているのはブラジルとロシアで、いずれも35万人超。
    ペルー、チリ、エクアドルでも感染者はハイペースで増加しており、冬を前にした南米全体でウイルスが猛威を振るっている。

    本を開く。第一章「地に足を着けたままで」の書き出しはこうだ。

     今、コロナウイルスの流行が、僕らの時代最大の公衆衛生上の緊急事態となりつつある。この手の危機は初めてではない。
    これが最後ということもなければ、もっと恐ろしい危機となることもないかもしれない。
    【中略】もはやどんな国境も存在せず、州や町の区分も意味をなさない。今、僕たちが体験している現実の前では、どんなアイ
    デンティティも文化も意味をなさない。今回の新型ウイルス流行は、この世界が今やどれほどグローバル化され、相互につな
    がり、からみ合っているかを示すものさしなのだ。

     結論から言うと、この27本のエッセイと「あとがき」は1947年の『ペスト』がそうであったようにどれもこれも最高の文学だ。
    もう少し書き写そう。第三章「感染症の数学」を開く。

      さらに、Cov・2は僕らの個性に対してほとんどなんの関心も持っていないという事実を覚えておく必要がある。僕らの年齢
     も、性別も、国籍も、好みも、Cov・2にとって無意味だ。ウイルスの前では人類全体がたった三つのグループに分類される。
     まずは感受性人口、つまりウイルスがまだこれから感染させることのできる人々で、感受性保持者とも呼ばれる。次が感染
     人口、ウイルスにすでに感染した感染者たち。そして最後に隔離人口、ウイルスにはもう感染させることのできない人々だ。

     第14章「誰もひとつの島ではない」。

      詩人ジョン・ダンの瞑想録に由来する「誰もひとつの島ではない」という使い古された文句があるが、感染症においてはその
     言葉が、これまでにない、暗い意味を獲得する。

     第19章「引っ越し」。

      環境に対する人間の攻撃的な態度のせいで、今度のような新しい病原体と接触する可能性は高まる一方となっている。
     病原体にしてみれば、ほんの少し前まで本来の生息地でのんびりやっていただけなのだが、森林破壊は、元々人間なんて
     いなかった環境に僕らを近づけた。とどまることを知らない都市化も同じだ。
      多くの動物がどんどん絶滅していくため、その腸に生息していた細菌は別のどこかへの引っ越しを余儀なくされている。
     【中略】こんなにも病原体に感染しやすく、多くの仲間と結ばれ、どこまでも移動する人間。これほど理想的な引っ越し先は
     ないはずだ。
  
     第20章「あまりにたやすい予言」。

      ウイルスは、細菌に菌類、原生動物と並び、環境破壊が生んだ多くの難民の一部だ。自己中心的な世界観を少しでも
     脇に置くことができれば、新しい微生物が人間を探すのではなく、僕らのほうが彼らを巣から引っ張り出しているのがわか
     るはずだ。

     第26章「パン神」。

      そもそもパニックとは、ギリシア神話のパン神のいわば自己循環的発明だ。この神には時おり物凄い声を上げる癖が
     あり、その凄まじさときたら、本人まで自分の声に驚き、震え上がって逃げ出すほどだったという。そんな神話に由来する
     言葉なのだ。

      翻訳者の飯田亮介さんが「宝石のようなこの文章」という、あとがきとして追加された「コロナウイルスが過ぎたあとも、
     僕が忘れたくないこと」にはこんなことが書いてある。

      コロナウイルスの「過ぎたあと」、そのうち復興が始まるだろう。だから僕らは、今からもう、よく考えておくべきだ。いった
     い何に元どおりになってほしくないのかを。

      僕は忘れたくない。今回のパンデミックのそもそもの原因が秘密の軍事実験などではなく、自然と環境に対する人間の
     危うい接し方、森林破壊、僕らの軽率な消費行動にこそあることを。

      僕には、どうしたらこの非人道的な資本主義をもう少し人間に優しいシステムにできるのかも、経済システムがどうすれ
     ば変化するのかをするのかも、人間が環境とのつきあい方をどう変えるべきなのかもわからない。実のところ、自分の行
     動を変える自信すらない。でも、これだけは断言できる。まずは進んで考えてみなければ、そうした物事はひとつとして実
     現できない。

       読み終えた後、改めてコロナウイルス感染拡大について考えてみる。
      第一は、コロナウイルスは何処から来たのかということである。第二は、地球規模での感染拡大の原因は何かということ。
      第三は、世界一豊かな国であるアメリカの死者数の異常な多さは何を教えるものなのかということ。
      以上三つの問に対する答えは時間的な余裕もないので簡単に云うと、こういうことではないのか。
       このウイルスは人間が足を踏み入れたことのない地帯から、人間が呼び寄せたものだ。森林破壊だけでなく、人間の
      自然への攻撃はなぜ続くのか、それは豊かさを求めての欲望であるが、しかし、それは誰のための豊かさか、また何の
      ための豊かさか。
       地球規模での感染拡大の条件を作ったものは何かということ。グロバーリズム(新自由主義)は、商品製造の原価を抑
      えるためにより安価な労働力を求めて後進の国・地域を制圧した。これは装いを新たにした植民地主義である。そして、
      この事が物流の時間を短縮し、人間の移動を拡大化した。ウイルスに羽根があったわけではない、人間の愚かさが感染
      拡大を招いたのだ。
       10万人を超えるアメリカの死者数は、3年9カ月に及ぶ太平洋戦争のアメリカ軍の死者数9万3千人をわずか4・5か月
      で塗り替えてしまった。しかし、これは戦争ではない。死者は平和な都市の中で日々確認されたもので、戦場での運・不運
      での話ではない。死者の多くは貧困層である。つまり、生死を分けたのは運・不運の偶然事ではなく、貧富の格差による
      必然事であるということだ。そういう社会をどうして豊な社会と呼べるのか。
       状況は1947年と何も変わってはいない。
      小説『ペスト』の語り手は、「ペスト菌は決して消滅することはなく生き延び、いつか人間に不幸と教訓をもたらすために、
      どこかの幸福な都市に彼らを死なせに現れるだろう、自分はそのことを知っている」と述べて物語を締めくくる。


 
       「今日の新聞から」

          2020・5・27

    今日の新聞から日本と世界を見る。コロナの時代の中で何が起きているのか。

  「1」     海兵隊F35調達54機 削減
              それでも安倍政権“爆買い”か
                    コロナ危機 韓国も先送り

     米海兵隊が主力戦闘機として位置付けているF35Bステルス戦闘機の調達計画を大幅に見直し、54機削減を
    提案していることが分かりました。新型コロナウイルスによる戦後最大級の経済危機の中、安倍政権による米国
    からのF35戦闘機105機の“爆買い”も問われます。
     米海兵隊が3月23日に発表した部隊計画案「フォース・デザイン2030」によれば、中国などを念頭に、「沿岸」
    での戦闘能力を強化。長距離砲撃能力や無人機などを強化する一方、F35については、「将来の部隊にとっての、
    F35の性能要求の明確な理解をいまだ持てていない」と述べた上で、乗組員の不足を直接的な理由として、1飛行
    隊あたりの機数を16から10に削減することを提案しています。F35Bが16機配備される飛行隊は9あるため、54
    機削減となります。岩国基地(山口県岩国市)に配備されている第121戦闘攻撃中隊にも16機配備されています。
 
   「2」         首相 「訓告」理由語れず
             黒川氏処分 藤野・山添・倉林氏追及

      国会では26日、違法な賭けマージャンで辞職した黒川弘務前東京高検検事長を首相官邸主導で「訓告」の軽い
     処分にしたのではとの疑惑について質疑が交わされました。日本共産党から、衆院法務委員会で藤野保史議員、
     参院法務委員会で山添拓議員、参院厚生労働委員会で倉林明子議員がそれぞれ質問にたちました。
      倉林氏は安倍晋三首相に、懲戒にあたらない「訓告」とした理由を追及し、5月よりさかのぼって賭けマージャンに
     ついて調査するよう要求。「抗議の声が国民の中に広がっている。総理は、任命責任は繰り返し認めるが、国民が
     注目しているのは『どう責任を果たすか』だ」と強調し、懲戒は不要と判断した理由と根拠、5月以前の調査は必要と
     判断しない理由をただしました。

    「3」      米国民困窮も億万長者富む
                         資産47兆円増
                             4000万人が失業

       【ワシントン=遠藤誠二】新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない米国では、4000万人近い国民が失業す
      る深刻な状況が続く一方、ネット通販大手アマゾンやIT大手フェイスブックの創業者ら億万長者は、資産を4300
      億ドル(約47兆円)以上増やし、コロナ禍で貧富の格差がさらに拡大している実態が、米シンクタンクの調査で明ら
      かになりました。
       米政策研究所(IPS)と税の公平性を求める米国民(ATF)が21日に発表した共同調査結果によると、3月18日
      ~5月19日に、3860万人が失業保険を申請する一方で、資産10億ドル以上の億万長者600人以上の資産は、
      総額2兆9480億ドル(約318兆円)から3兆3820億ドル(約365兆円)に4340億ドル、14・7%増えました。これ
      はノルウェーの国内総生産(GDP、2018年)と同じ規模です。

    「4」     黒川氏訓告「法務省から言われた」
                      検事総長 首相発言否定

       稲田伸夫検事総長は26日、JNNのニュース番組「Nスタ」の取材に応じ、賭けマージャン問題で辞任した黒川弘務
      前東京高検検事長に対する処分について、「法務省側から『訓告』と言われた」と答えました。
      番組では「懲戒処分ではないんだなと思った。法務省の見解を踏まえ、訓告と判断した」という稲田氏のコメントが読み
      上げられました。稲田氏は「森(雅子)法務大臣とは直接やりとりはしていない」とし、懲戒処分が検討されたかどうかに
      ついては「法務省と内閣の間で、どのようなやりとりがなされたかはわからない」としました。
       安倍晋三首相は22日の衆院厚生労働委員会で、「稲田伸夫検事総長が事案の内容、諸般の事情を考慮し処分を
      行った」とのべ、処分は検察当局の判断だと強調していました。
      稲田氏の発言は、安倍首相のこの発言を否定したものです。

    「5」       「新基地断念させる」
                沖縄県議選 しまぶく氏が宣伝


        29日の告示が目前の沖縄県議選(6月7日投票)での必勝に向けて、日本共産党の、しまぶく恵祐予定候補(沖縄
      市区)は26日、市内で街頭演説し、「『オール沖縄』の玉城デニー知事を支える議員を選ぶのか、暮らしを脅かす安倍
      政権いいなりの議員を選ぶのかが問われる」と訴えました。
       デニー知事が阻止をめざす同県名護市辺野古の米軍新基地建設について、しまぶく予定候補は県民の建設反対の
      民意を一顧だにしない安倍政権や自民党候補などを批判。「新基地建設を断念させるまで、県民とともに頑張る」と決意
      を語りました。

    「6」         民青が文科・厚労省に要請
                        “学費半額に・雇用守れ”

       民青は25日、「新型コロナウイルスに関する緊急生活実態調査」(現在2605人分)を第2次補正予算案に反映させ
      るため文部科学と厚生労働両省に要請行動を参院議員会館で行いました。
       すべての学生を対象に学費を半額免除にする財政措置をとる▽雇用調整助成金が申請後すみやかに支給されるよ
      うにし、手続きを簡素化する▽無収入者等を対象にした緊急の生活支援制度を実施する―などを求めました。

    「7」         新型コロナ 仏の医療従事者
                       待遇改善へ政策協議
                          報酬増額・病床確保 要求高まる

       フランスのフィリップ首相とベラン保健相は25日、新型コロナウイルス対応の教訓を生かすとして、医療従事者の待遇
      改善など医療政策協議の開始を宣言しました。今後7週間協議を進め、7月に結論を出す予定です。
       協議は、保健省のある通り名にちなんで「保健衛生のセギュール」と名付けられ、フランス民主労働同盟(CFDT)のニ
      コル・ノタ元書記長が座長を務めます。初日は医療従事者の代表ら300人がオンラインで集いました。
       4月17日付の仏誌『マリアンヌ』(電子版)によると、同国では医療保険支出に上限目標を定める制度により、2010~
      19年の10年間に117億ユーロ(約1兆3740億円)、マクロン政権下の18~19年の2年間では26億ユーロ(約3040
      億円)の支出抑制が行われました。その結果、新型コロナ感染の発生前から、医療従事者の労働条件の悪化と病床不足
      が深刻な社会問題となってきました。

    「8」         「宣言解除」段階的に活動緩和
                           政府 目安・指針示す
                                  各都道府県に通知

        政府は25日、緊急事態宣言の全面解除に伴い、社会経済の活動レベルを段階的に引き上げる目安を示し、各都道府
      県に通知しました。7月31日までを移行期間とし、地域の感染状況を確認しつつ、住民や事業者に要請してきた外出自粛や
      イベント・施設使用の制限を段階的に緩和します。
       外出自粛については、5月末まで引き続き不要不急の県外への移動を避け、6月1日から18日までは北海道、東京、神奈
      川、埼玉、千葉の5都道県との不要不急の往来を慎重にするよう促します。観光は6月18日までそれぞれの県内で徐々に再
      開し、19日からは県外を含め観光振興に取り組むとしています。
      コンサートや展示会などは6月18日まで100人(屋外200人)以下か定員の50%以内の参加を目安とし、19日以降段階的
      に人数を緩和します。全国的な人の移動を伴うプロスポーツなどは6月18日まで認めず、19日から7月9日まで無観客で行い
      ます。

       今日の新聞には小松泰信さん(岡山大学名誉教授)が登場している。
      題して「百聞は一読にしかず」。赤旗の購読をお勧めしますという内容だ。少し書き写す。

       5月23日に毎日新聞が行った世論調査の結果には頬が緩みました。
      内閣支持率27%へ急落、日本共産党支持率7%に上昇、そして女性の支持率が9%だったからです。コロナ禍において、ネット
      などを通じて国会の動きを見聞し、多くの人が共産党の価値を評価したからでしょう。
      【中略】誤解を恐れずに言えば、政党機関紙という枠には収まらない品質。
      1人でも多くの人にご一読いただきたい。

       小松さんの意見には大賛成だ。公認ネトウヨの産経と自称リベラルの朝日の記者が時の検事長を囲んで仲良く麻雀放浪記に
      酔いしれるこの国では、権力の番犬(ウオッチドッグ)といえばもはや赤旗一紙しかない。
      読んでみれば分かることだが、赤旗は一政党の勢力拡大のための機関紙ではなく、その性格と役割は、市民と野党の共闘の
      発展を支え、また導くための唯一のジャーナリズムである。何故それが可能なのか、答えは簡単にして明快である。
      日本共産党は政党助成金を受け取らない唯一の政党であり、企業献金を受け取らないこれまた唯一の政党だからである。
      政党及び政治家に求められるものは清潔ということである。
      ここで言う清潔とは、第一は、嘘をつかない。第二は、袖の下を受け取らない。第三は、公の私物化をしないということである。
       話は変わるが、アメリカのコロナ感染状況を確認しておく。5月27日現在。
      感染者数166万9040人、死者数9万8426人。
      1941年(昭和16年)に始まった太平洋戦争は3年9カ月に渡って戦われた。アメリカの太平洋戦争での死者数は9万3千人
      である。コロナ感染による死者はそれを上回った。わずか5か月でだよ。そして4000万人近くの人が失業する。
      アメリカの時代は終わった。
       



      「種を蒔く人」

         2020・5・25 

   朝の9時、妻と次女・胡桃のお買い物ブギの運転手役を仰せつかり清田区美しが丘にあるアメリカ資本のスーパー
  マーケット「コストコ」へ向かった。カーナビの案内音声は1時間5分の距離だと教えてくれる。何だか食料品調達という
  よりピクニック気分だ。
   妻が言うには、コストコは来年の4月30日に石狩市の国道337号線沿いに道内2店舗目となる倉庫店をオープンさ
  せる予定だという。それで今日はその下調べということだそうだ。
   コストコで買い物をするには会員にならなければならないということなので、入店後、その手続きをした。氏名・住所・
  電話番号を契約書に書き込み、顔写真を撮られた後、メンバーズカードを受け取った。この時点で倉庫店内の雰囲気
  が日本のスーパーとは全く異質な空間であることが分かった。どこか博物館を思わせる背の高い大型の陳列棚と群れ
  を誘い込むような開放的な誘導コース、これがアメリカン・スタイルというものなのだろうか。
   ここでは夕食の惣菜として豆腐や野菜や魚肉の切り身を籠に入れながら店内を見て回るというような呑気な風景は見
  られない。その強制的な品揃えは決して豊富とは言えず、また日本の食文化(五色・五味・五法)の理解に努めたという
  跡もない。陳列棚にある商品は食料品に限らず家庭用品、化粧品、レジャー用品とすべてが大型パックなのである。
  例えば食料品だが、包装の単位には個食や二人家族といった想定はなく、大家族の1週間、ものによっては1カ月分で
  ある。買い物客は帰宅後それを小分けして冷凍保存するというスタイルだ。
  しかし、同じものを1か月に渡って食べ続けるというのは料理というよりは飼料の世界の感覚だ。確かにアメリカンだ。
  ここでは鮮度というものはあまり重要視されてはいない、追求されているのは物流の量目とその時間の短縮である。
   ネットを覗いて見ると、「コストコのストアコンセプトは、入荷したままのパレットに乗っている商品を大型の倉庫に並べて
  販売することにより、管理や陳列にかかるコスト(費用)などを徹底的に抑える倉庫店スタイルである。入荷した商品は
  閉店後の深夜に、フォークリフトで店内に運び、パレットに載せたままの状態で販売することが特徴である」と解説されて
  いる。
  消費者の家族構成というものは始めから問題外とするこの販売方法は、大雑把にして合理的、情緒的なものは一切無い。
  レジを済ませて商品売り場の外側に出るとそこにはフードコートがあって、やはりホットドックとピザとコカコーラが待ち受け
  ていた。どこまでもアメリカン・ライフである。大衆文化の国、大量消費の国、ヘンリー・フォードとウオルト・デズニーの国、
  個人が存在しにくい民主主義の国。
   『長田弘詩集』(思潮社・1968年発行)の中に「スーパーマーケットのなかのわれわれのオデッセイ」という言葉があった。
  これは1950年代のビートニクの詩人アレン・ギンズバーグ(1926~1997)の代表作『吠える』のなかの詩「カルフォル
  ニアのマーケット」について触れた一節だが、その詩はこんな雰囲気だ。

   「ぼくは見かけた、ウォルト・ホイットマン──子どももいない寂しい年寄りの漁り屋のあなたが、冷蔵ケースの肉をあちこ
   ち突っつきながら、店員たちに色目を使っているのを。ぼくには聞こえた、店員のひとりひとりにあなたが訊ねているのが
   ──ポークチョップを殺したのは誰か。バナナの代金は。君はぼくの天使かい。」
                        (川本皓嗣訳『アメリカ名詩選』岩波文庫)

    家族連れで賑わう店内では全員がマスクを着けている。互いに見えるのは二つの目だけだ。感情は隠されている。
   それでも店内の空気はどこまでもデズニーランドのように祝祭的だ。その理由は分からない。本当に楽しいのだろうか。
    ギンズバーグはこう言っている。

   「きみ自身の内なる月の光が照らすところにしたがいたまえ。狂気を隠してはいけない」 。

    星置に帰って来たのは正午。ファミリーレストラン「ガスト」でヒレカツ定食を食べた後、家の近くのホームセンターで苗
   を買った。青紫蘇、ミニトマト、スイートバジル、南蛮、他にも育ててみたいものがあったが、なにぶんにも農地が広大な
   ので、今日のところはこれまでとした。先日、ある友人に貰ったスイートコーンの種もあるので、取りあえずはこの数種で
   農業開始だ。コストコとは全く正反対の生活様式、笑うなかれ、私もまた一個の農本主義者である。血と汗と涙の自給自
   足、すなわち、清く、貧しく、美しくである。
    農作業で一汗かいた後、部屋に戻って缶ビールを開け、またビートルズの『アンド・アイ・ラブ・ハー』を聴く。

    今日の核心
     ◆黒川検事長が不問なら自らの閣議決定と矛盾
     第一次安倍政権は2006年12月19日、鈴木宗男衆議院議員(当時)の質問主意書への答弁で賭け麻雀が賭博罪(刑法
    185条、最高で50万円の罰金)に当たると閣議決定しました。
    これは2006年12月8日に提出された「外務省職員による賭博に関する質問主意書」に答えたもの。

    「しんぶん・赤旗」の日曜版(24日付)に演出家の宮本亜門さんが、コロナで不安を抱える人応援の「上を向いてプロジェ
   クト」を立ち上げたと書いてあった。

    「上を向いてプロジェクト」では、大竹しのぶさんや市村正親さんらアーティストや一般公募の人たちの映像を編集。ネット
   上で坂本九さんの名曲をリレーで歌い、大きな感動を呼びました。


    『上を向いて歩こう』は中村八大作曲、永六輔作詞、私の好きな『黄昏のビギン』のコンビである。
   この歌が爆発的にヒットした時(1961年)、私は道東の斜里にいた。ビートルズに出会う前のことであったから小学校の高
   学年の頃か。45回転のシングル盤(ドーナツ盤と呼んでいた)をレコードプレイヤーに載せて聴いていた。
   坂本九さんは1941年生まれだから、この歌は九さんにとっては二十歳の勲章である。
    あれから何年経ったのか、亜門さんはこう言う。

    日本では、「エンターティンメントの世界に政治を入れるな」といわれます。それはおかしいんですね。ドイツは政治が入って
   こその演劇です。プロパガンダではなく、いろんな考え、思想、多様性を認めていくことが演劇の仕事です。
    ナチス支配下のオーストリアを舞台にした「サウンド・オブ・ミュージック」など、名作には全部政治的なものが入っています。
   僕も、われわれはどう生きていくのかという問いに答えるべく、一歩ずつ前に進んでいきたいと思います。

    このプロジェクトでは歌とダンスを動画配信している。歌の方は大竹しのぶさんがトップを務めている。ダンスはダ・パンプ
   のISSA(イッサ)さんが公式ボーカリストを務めている。

    「上を向いて歩こう」(英題はスキヤキ)。


    上を向いて歩こう
    涙がこぼれないように
    思い出す 春の日
    一人ぽっちの夜

    上を向いて歩こう
    にじんだ星をかぞえて
    思い出す 夏の日
    一人ぽっちの夜

    幸せは雲の上に
    幸せは空の上に

    上を向いて歩こう
    涙がこぼれないように
    泣きながら歩く
    一人ぽっちの夜

    思い出す 秋の日
    一人ぽっちの夜

    悲しみは星のかげに
    悲しみは月のかげに

    上を向いて歩こう
    涙がこぼれないように
    泣きながら歩く
    一人ぽっちの夜
    一人ぽっちの夜
    上を向いて歩こう……

     最後は22日の「スポーツ・ニッポン」の記事だ。

       大竹しのぶ 記者らと賭け麻雀の黒川氏に「怒りを通り越して、恐ろしい」

女優の大竹しのぶ(62)が22日、自身のインスタグラムを更新。緊急事態宣言のさなか、5月1日と同13日に産経新聞記者
    や朝日新聞社員と賭け麻雀をしていたことを認め、辞表を提出した東京高検の黒川弘務検事長(63)について「なぜ麻雀が
    できるのだろう。わからない」などと批判の投稿をした。  大竹は「信じられない事が昨日の夜ありましたね」と切り出し、「検察
    官というのは法を犯した人を起訴できる唯一の仕事であるはずなのに、その人が、かけ麻雀をしていたなんて、しかも事実を伝
    えるべき仕事の新聞記者と」とあきれ。  「自粛を守り、沢山の人が苦しい思いをしています。長い間守ってきたお店を閉めた人、
    面会することも許されず、病院で亡くなった方もいることでしょう。先が見えずに命を絶ってしまった方もいました。犯罪に走った人
    も。そして命をかけて働いている医療従事者の方たち、明日からどうやって生きていけばいいのか、途方に暮れている人たち」と
    記し、「そんな人がいる中で、なぜ麻雀ができるのだろう。わからない。怒りを通り越して、恐ろしいと思いました」と怒りをつづった。
    「本当の言葉で本当の事を教えてくれる人に早く会いたい」とし、「私達一人一人しっかりと生きてゆきましょうね。もう少しです。とに
    かくもう少しです。そこからまたスタートです。希望が持てる様になる日まで、頑張りましょうね」と呼びかけた。

    坂本九さんも宮本亜門さんも大竹しのぶさんも「種まく人」だ。

       思い出す 夏の日
            一人ぽっちの夜




       「内閣支持率」

          2020・5・24 

    雀聖・黒川弘務主演の『麻雀放浪記』に共演者を出したのはネトウヨの産経と偽紳士の朝日である。
   今のところ毎日の共演は確認されていない。その毎日が23日に実施した世論調査の結果を発表した。
   それによると安倍内閣の支持率が27%に急落したということだ。前回調査(6日)の支持率は40%で、一気に13
   ポイントの下落、不支持率は19ポイント増の64%だということだ。
    法務省も調査結果を公表した。これは東京高検検事長を辞職した黒川弘務についてのものだ。
   新聞記者らとの賭けマージャンは5月1、13両日だけではなく、約3年前から月に1,2回程度、金銭を賭けたマー
   ジャンを行っていたということだ。病みつきというのか確信的常習犯である。昔の東映映画に鶴田浩二主演の『総長
   賭博』という任侠物があった。黒川は総長の一歩手前で躓いて、今では水に落ちた犬だが、洒落にもならない恐怖コ
   ントである。
    この件で追い詰められた胴元の靖国小僧は、「人事案を最終的に内閣として認めた責任は私にある」と吐いたが、
   例によって、どう責任を取るのかについては一言も口にしない。
   それどころか定年延長の責任は「法相からの閣議請議(要請)により閣議決定されるといった適正なプロセスを経た」と、
   森雅子法相に責任を擦り付けた。答弁不能の森のマサコにだよ。これはあんまりではないか。ついこの間まで「余人を
   もって代えがたい」と定年延長して頭を撫ぜていた黒川も辞表を出させると慰留の言葉もなくすんなりと受理する。
   忠義一筋だった茶坊主筆頭の菅義偉も謀反の疑いがあるとして座敷牢に閉じ込めてしまった。
    追い詰められれば部下をも切り捨てる冷酷はいつものことだが、他人を切る前に神憑りの女房を切るべきではない
   のか、これこそが諸悪の根源であると思うのだが、「それが出来たら苦労はしない」とでも言うのか、何とも憐れな男
   である。
    そう言えば1カ月前、イタリア人記者からコロナ感染について「対策が失敗だったらどう責任をとるのか」と質問された
   時、靖国小僧は「私が責任を取ればいいというものではない。他の国々と比べても感染者や死者の数も桁が違う」 と
   意味不明なことをほざいていた。
   問題が発覚するたびに問われる任命責任、説明責任、製造者責任、興行責任、亭主としての監督責任、その他にも
   色々とあったが靖国小僧が責任を取ったことは一度もない。従って、それらの問題は全て未解決のままである。そして
   靖国小僧のアリバイ作りに汗を流した部下たちはみんな出世して我が世の春ということになる。
   だから検察OB諸氏から「フランスの絶対王制を確立し君臨したルイ14世の言葉として伝えられる『朕(ちん)は国家で
   ある』との中世の亡霊のような言葉を彷彿(ほうふつ)とさせるような姿勢であり、近代国家の基本理念である三権分立
   主義の否定にもつながりかねない危険性を含んでいる」と、意見書を出されるという前代未聞の醜態を曝すことになる。
    内閣支持率というのは、国民が時の政権をどのように評価しているのかを知るバロメーターであるが、ただし、世論調査
   というのは設問によって数字を誘導操作する場合もあるので、一社の調査結果だけで判断することは避けた方が良い。
    ただ一般論として言えることは、過去の例から見て、20%台というのは政権維持の危険水域だと言われる。
   20%台に落ち込むと内閣解散や総選挙が日程に上ってくる。10%台まで落ちると首相退陣論が本格化する。
   支持率が2、3カ月連続で30%を下回れば、その政権はおおむね半年以内に退陣していることが多い。
   永田町には「青木の法則」なるものがあるそうで、これは
青木幹雄元官房長官が唱えたとされるもので、内閣支持率と
   自民党支持率を足した数字が50%を下回れば政権は倒れるというものである。
    
        1月の支持率は歴代政権の「鬼門」?   withnews(ウイズニュース)から

       【福田内閣】
       2007年12月=支持(31%)/不支持(48%)
       2008年1月=支持(34%)/不支持(45%)→9月に退陣
       【菅内閣】
       2010年12月=支持(21%)/不支持(60%)
       2011年1月=支持(26%)/不支持(54%)→8月に退陣
       【安倍内閣(第1次)】
       2006年12月=支持(47%)→07年1月=支持(39%)→9月に退陣
       【麻生内閣】
       2008年12月=支持(22%)→09年1月=支持(19%)→8月に退陣
       【鳩山内閣】
       2009年12月=支持(48%)→10年1月=支持(42%)→6月に退陣
       【野田内閣】
       2011年12月=支持(31%)→12年1月=支持(29%)→12月に退陣

    ※ withnews(ウィズニュース)は、朝日新聞社が2014年から運営しているニュースサイトである。



      「麻雀放浪記」

         2020・5・23 

   『週刊文春』のスクープによって一夜にして日本を代表するギャンブラーとなった雀聖・黒川弘務さんについて
  日本共産党の二人の議員が国会で胴元(雇い主)の責任を追及した。


        「黒川氏辞職 安倍政権の責任追及」
               宮本・藤野氏 法解釈変更撤回求める
                             衆院委員会

   日本共産党の宮本徹議員は22日の衆院厚生労働委員会で、黒川弘務東京高検検事長が賭けマージャンをして
  辞職した問題を取り上げ、違法・違憲の閣議決定で黒川氏の定年延長をした安倍政権の責任を追及しました。宮本
  氏は「三権分立を損なう閣議決定、法解釈変更をしたことに国民の怒りが沸騰している。ここを正さない限り国民の信
  頼回復はできない」と述べ、閣議決定の撤回を要求。安倍晋三首相は「黒川氏の勤務延長は適切なプロセスを経たも
  の」などと開き直りました。
   宮本氏は「黒川氏を『余人をもって代えがたい』として定年延長し、法解釈を百八十度変えて、この結果だ。その責任
  をどう考えているのか」と述べ、安倍首相の任命責任を追及。安倍首相は「法務省、検察庁の人事案を最終的に内閣
  として認めたもの」「解釈変更は、検察庁法を所管する法務省において適切に行った」というだけでまともに答えません
  でした。
   宮本氏は、進退伺を出した森雅子法相を安倍首相が慰留したことについて「森法相のもとで検察・法務省への信頼回
  復が図れるとは誰もが思っていない。なぜ検察・法務省への信頼が失われているのか理解しているのか」と批判。首相
  は「森法相にはさまざまな批判も受けとめながら、指揮を高め、信頼回復に全力をつくしてもらいたい」としか答えません
  でした。
   一方、同日の衆院法務委員会では、日本共産党の藤野保史議員が黒川氏の定年延長を決めた安倍内閣の責任を
  追及。現行法ではできない定年延長を法改正ではなく内閣の解釈で行った立法権の侵害、「準司法官」である検察官の
  退官人事に内閣が介入できる仕組みをつくり司法権を脅かしたことが問題だと批判しました。
   森法相は「解釈変更は適正に行われた」などと答弁。藤野氏は「三権分立に反する違憲・違法状態をつくりだしたこと
  を全く理解していない」として、森法相の辞任を求めました。

   私の記憶では、麻雀と言えば昔は阿佐田哲也(1929~1989)という名人がいた。
  阿佐田哲也というペンネームの由来は、朝まで徹夜をして麻雀を繰り返し、「朝だ!徹夜だ!」といった言葉を取ったもの。
  本名は色川武大(いろかわ たけひろ)、職業は博徒、余技として小説家、エッセイスト。
  その人生哲学は、「ツキの流れを読んでそれに従う」「欲張りすぎず、(相撲でいえば)九勝六敗を狙う」といったものだ。
   阿佐田の自伝的小説『麻雀放浪記』の中で、主人公の「坊や哲」に師匠であるオックスクラブのママ「八代ゆき」が「博打
  の世界での主従関係はボスと奴隷と敵の三つしかない」と教えている。
   ボスと奴隷と敵か、なるほどね。
  現代の雀聖・黒川弘務にとって、ボスとは安倍晋三のことであり、奴隷とは己自身のことであり、敵とは『週刊文春』のこ
  とか。ボスが「余人をもって代えがたい」と将来の身分を保証してくれたのはほんの何か月か前のことである。黒川も「ツキ
  の流れを読んでそれに従う」と博徒の勘の冴えを見せて居座った。
  しかし、いつの時代でも博徒は正業ではなく、博打は闇営業である。黒川さん、ついつい調子に乗り過ぎたのか、この無頼
  の掟を忘れてしまった。陽が暮れて辺りが暗くなると博徒の血が騒ぐ、こうなるともう抑えることが出来ない。63歳にして深
  夜の麻雀放浪記である。本人にしてみればピカレスク・ロマンの最終章といったところなのかもしれないが、世間の人はそう
  は見てくれない。
   共産党のスナイパー(狙撃手)田村智子さんは22日、国会内で記者会見し、質疑で安倍首相が自身に責任があると述べ
  ながら具体的な責任の取り方について何も答えなかったとして、「行動で示すべきだ」と胴元の長州屋晋三に先ず照明弾を
  撃ち込んだ。この一発で標的の位置を確認すると、本日の獲物であるチロリン博徒の右足に「安倍首相は、定年延長は法
  務省が決めたことを承認したと述べていた。不適切だった人物について前例のない定年延長をした法務大臣はやめさせな
  ければおかしい」と答弁不能の森のマサコ姉御と忖度のヒロム小僧に逃亡阻止の2発を打ち込んだ。
   何処で何が狂ったのか、三代の歴史を誇る名門博徒・長州屋は今や崩壊寸前である。
  長州屋一家28人衆、これまた放浪の旅に出るか。昔懐かしい東映時代劇の世界だね。

      国定忠治   「名月赤城山」

           「赤城の山も今宵限り、
           生まれ故郷の国定村や、
           縄張りを捨て、国を捨て、
           可愛い乾分(こぶん)の手前(てめぇ)たちとも、
           別れ別れになる首途(かどで)だ。・・・」

    
お疲れ様でした。
      さっさと辞めやがれ。
             全員悪党だ。



        「アホノマスクが届いた」

        2020・5・22

     昨日、貧しい我が家にアホノマスクが届いた。何処で誰が作ったのか分からない世界一有名なあの不潔
    な贈り物だ。
     安倍首相が、国の新型コロナウイルス感染症対策として、再利用可能な布マスク2枚を各世帯に配布する
    と発表したのは4月1日(エイプリルフール)のことだ。なんだか随分と昔のことのように思える。
     発案者の佐伯耕三内閣総理大臣秘書官は首相に対して「全国民に布マスクを配れば不安はパッと消え
    ますよ」と進言したということだったが、怖ろしく優秀な部下を持っているんだね。
    しかし、今日現在の国内の感染状況は感染者数16513人、死者は796人だ。
     安倍首相は事あるごとに「世界最大の」とか「世界最高の」とか「スピード感を持って」とかいった言葉を飾り
    つけるが、届いた2枚のマスクを見て改めて思い知ることは、この国の政治の救いようのない劣化と貧困で
    ある。
     第一に我が家は4人家族である、マスクは2枚足りない。2人は助かるとしても残りの2人の死は避けようも
    なく、致し方ないということか。これが「社会的ダーウィニズム」というやつか、経済的優生思想である。
     2枚のマスクは厚生労働省の2つ折りのチラシと一緒に透明なビニール袋に入っている。チラシには「3つ
    の密を避けましょう」と書かれてある。3密とは「密閉空間」「密集場所」「密接場面」ことだが、それを守りたく
    ても守ればその日から生活が成り立たないという人たちもいる。誰もが部屋の中で愛犬とじゃれあってテレビ
    を楽しむことが出来る訳ではないのだ。
     そして、忘れた頃に届いたこのマスクだが、安倍首相が着用していたものと同じ会社のものなのか、見た目
    にも小さすぎる。サイズのことばかりでなく、これまでの報道によってこのマスクが衛生上信頼できない代物で
    あることを私たちは既に知っている。だから、届いたとしても気持ち悪くて着用する人はいないだろう。
    では、なんの為の全国配布だったのか。本当に感染予防が目的だったのか。
     5月20日の「しんぶん・赤旗」はこのアベノマスクの奇奇怪怪について次のように報じている。

          「アベノマスク」
            実績ない企業に30億円
                      「信頼して発注」と政府

     新型コロナウイルス対策として安倍晋三首相の肝いりで政府が配布し、「アベノマスク」とも呼ばれている布マスク。
    受注企業6社すべてが入札を経ない随意契約ですが、マスク事業の実績がない企業にも30億円超の発注をしてい
    ます。その理由を追うと―。(丹田智之)

     厚生労働省のマスク等物資対策班(マスク班)によると、11日までの6社の契約額は、興和=約76・3億円、ユース
    ビオ=約31・8億円、伊藤忠商事=約31・1億円、マツオカコーポレーション=約9・6億円、シマトレーディング=約3
    ・1億円、横井定=約0・1億円です。
    政府は計466億円をかけて、福祉施設や幼児施設、約5000万の全世帯に布マスクを配布する計画です。
           契約額2位には

     マスク班によると、契約額2位のユースビオ(福島市)はシマトレーディング(千葉県富里市)と共同で受注。ユースビオ
    が原料となる布の調達、シマトレーディングが製造・輸入という形で3月16日に契約したといいます。両社とも、政府がな
    かなか社名を公表しなかった企業です。
    ユースビオ代表取締役の樋山茂氏は本紙の取材に、「価格は1枚135円で受注した。ベトナムから輸入した」といいます。
    ユースビオは2017年に創業した再生可能エネルギー原料の販売会社。資本金は1千万円で、NTTの電話番号案内に
    は未登録です。シマトレーディングは植物の輸入商社。両社とも法人登記にマスク関連の事業は書かれていません。
    なぜ実績もない企業が突然、政府と30億円超の随意契約をすることができたのか―。
    マスク班の担当者は「社長さんからマスクの確保が可能だという話を聞いたので、サンプルを提供してもらいました。それ
    以前のやりとりはなかった。海外にネットワークを持ち、実績がなくとも信頼をして発注した」といいます。
    随意契約とした理由については、「迅速性を優先して緊急随意契約という形になった」(マスク班)としています。
    ユースビオはどうやって政府につながったのか―。
            公明議員と親交

     樋山氏は、政府と契約する前から山形県に調達する予定で話が進んでいたとして、こう説明します。
    「山形県の職員から『国が一括して発注することになったので、経産省に連絡してください』と言われた」
    ところが、山形県の担当課長は、「県としてマスクの確保に動いていたのは事実ですが、ユースビオの社名が出たことはあ
    りません。もちろん国に同社を紹介した事実もない」と否定します。
    ユースビオの事務所には公明党のポスターがはってあります。15年には樋山氏が、同党の若松謙維参院議員の政治団体
    に12万円を献金していました。
    樋山氏は、若松議員と親交や献金があったことを認めたうえで、「3年前に国税庁に脱税を指摘されたことを契機に若松議員
    の後援会を辞めた。癒着など疑われるような関係は一切ない。口利きもない」と語りました。

     以上のことから分かる通り、アホノマスクは今もって謎だらけなのだ。
    発注先は誰が決めたのか、その選定の根拠は何だったのか、不良品を出荷した会社はどこなのか、計上された予算と実際
    に支払われた金額は同じなのか。先ず、これらのことを明らかにすべきである。
     アホノマスクが批判を浴びると、今度は国民一人当たり一律10万円給付「特別定額給付金」概要が総務省から発表された。
    これは4月20日のことだ。
     元々は、4月7日の政府の閣議決定で減収世帯に30万円を支給するという措置だったのだが、これも批判を受けて撤回し、
    1週間後の14日に、それに代わる緊急措置として出されたものだが、ここでもまた公明党の斉藤鉄夫幹事長が 「遅くとも6月
    初旬。5月下旬から6月初旬にはお手元に届くようなスピード感を持って行うことが大切だ」と第三者委員会の代表のようなこと
    を言っている。
     何日か前には検察庁法改定案について公明党の代表である下駄屋のナッチャンが「政府は説明責任を尽くしてもらいたい」
    と評論家のようなことを吐いて猛批判を浴びた。公明党の議員さんたちは何時からこんな浮世離れの貴族に成り上がったのだ
    ろうか。
     4月16日の「しんぶん・赤旗」はこの間の事情を次のように報じていた。

          「政府一転」
                 1人10万円給付検討へ
                      野党の要求と世論の批判受け 首相が表明

      政府は15日、新型コロナウイルス感染拡大を受けた追加経済対策として、国民1人あたり10万円の現金給付を実施する
     検討に入りました。全ての国民を対象とする現金給付と自粛に対する継続的な補償を求める日本共産党や立憲民主党など
     野党の要求と、政府が先に発表した「30万円給付」は不十分だとの世論の批判を受けて、方針転換を余儀なくされたものです。
      安倍晋三首相は15日、公明党の山口那津男代表と首相官邸で会い、所得制限なしで国民1人当たり10万円の給付につい
     て「2020年度補正予算案を速やかに成立させた上で、その後、方向性を持ってよく検討したい」と述べました。
      日本共産党は6日の「緊急要望」でも、自粛要請と一体に補償を行うこととともに、緊急にすべての国民を対象に1人10万円
     の給付金を支給することなどを求めていました。
     しかし、安倍首相は日本共産党や野党の要求をかたくなに拒否。7日発表の政府の「緊急経済対策」も、収入が急減した世帯
     への30万円の給付を盛り込んだものの、少額で支給の対象範囲が狭く、手続きが複雑であるうえ、継続的な補償を否定してい
     ました。これに対して、国民から不十分だとの声が強まっていました。自民党内からも、二階俊博幹事長が14日に所得制限付き
     の一律の10万円の現金給付を政府に求める考えを示したほか、有志議員グループが一律10万円以上の給付を行うよう要請文
     を政府に提出(8日)していました。
           いまの補正、組みなおせ
                       志位委員長

      日本共産党の志位和夫委員長は、安倍晋三首相の10万円給付検討を受けてツイッターで、「『まず補正予算案を通してから』
     などと言わずに、いまの補正予算案を急いで組みなおして、その中に『すべての日本在住者に1人10万円給付』を書き込むべき
     だ」と表明しました。

       私の知る限り、自粛要請は補償と一体で行うべきだと最初に言ったのは共産党である。
      昨日、貧しい我が家にも給付金の申請書が届いた。これは私がこれまでに納めて来た税金である。税は、この日のために納め
      てきたのであり、欠陥兵器を爆買いしてもらうために納めたのではない。給付金を受け取るのは国民の権利である。
      もしも政府の初動が科学的にも倫理的にも正しいものであったならば796人という死者は出なかったであろう。死者の中には助
      かる命もあったはずだ。


 
          「消え去る犬」

             2020・5・21

     苫小牧在住の津田 孝さんからメールを頂いた。津田さんがこの20日(水)の道新の「読者の声」に投稿した一文が
    添付されていた。津田さんとはお会いしたことはないけれども、これまでに多くの情報を受け取り、多くのことを教えられ
    てきた。今回もそうだ。津田さんの意見に同意する者として、私はこれを拡散しなければならないと思った。
    よって先ずその記事を以下に転写する。



    頂いたメールへの返信は、次のように書いた。

    メールありがとうございます。
    20日の道新の「読者の声」、読みました。
    今は、ありとあらゆる処で、ありとあらゆる方法で、声を上げなければなりませんね。
    この怒りの声はコピーをとって星置の友人に配ります。
    また私のHP「ハックフィン狂騒曲」にも転写して北海道外の友人達にも発信します。
    怒りの輪を広げ、そしてもっと大きくすること。
    悪政を撃つから悪政を倒すの段階に進めること。それも年内に、雪が降る前に決着をつけること。
   そして新しい年を新しい政権で迎えること。
    簡単なことではありませんが、絶対にそうしなければなりません。
    共に頑張りましょう。
    いつも感謝。
                     星置九条の会 事務局長・中本雪人

     時刻は午前3時30分、後1時間もすれば夜が明けるだろう。その1時間後には朝刊が届くはずだ。
    珈琲でも入れて一息つくか。これからの20時間30分の間に何が起きるのか。
     パソコンを開くといくつかの最新情報の見出しが並んでいる。驚くことばかりだ。
    私は何日か前のこの日記に黒川弘務検事長(63歳)について、「政権の守護神」から「水に落ちた犬」に転落と
    書いたが、それでも向う岸に這い上がって水を払い落としたところで、こちらを振り返ってニヤリと舌を出すので
    はないかと思わぬこともなかった。その人生を見るに、この人の遊泳術は半端なものではない。そのくらいの事
    はやりかねない。羞恥心なんてものは生まれる前から持っていない男なのだから。ところがだ、運が悪かったの
    か落ちたところが浅瀬ではなく、どうやら濁流に呑み込まれてしまったようだ。
    黒川さんについての超最新情報は次のようなものだ。
     
     5月21日(木)発売の「週刊文春」では、2度のマージャンの詳細、もう一つの「不適切行為」、愛犬家でカジノで
    のギャンブルも好む黒川氏の素顔、昔から続く接待マージャンの詳細を知る元ハイヤー運転手の証言、安倍晋
    三首相が“黒川検事総長”にこだわる理由など、グラビアとあわせて9ページにわたって詳報している。
                    「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年5月28日号

     黒川さんの麻雀のお相手は新聞社の記者だと言う。産経新聞社会部記者や朝日新聞の元検察担当記者らと
    賭け麻雀を楽しんでいたということだそうだ。本業は高学歴博徒だったということか。昔懐かしいインテリ・ヤクザ
    という奴か。顔を見る限りは修羅場を生き抜いてきた極道というよりはお座敷ではしゃぎまくる幇間そのものだが、
    いずれにしても博打が終わった後は新聞社が用意したハイヤーでご帰宅の身分だったということだ。近頃の太鼓
    持ちは優雅だね。
     文春オンラインは駄目押しの解説も付け加えている。

     さらに、国家公務員倫理規程上も問題がある。人事院の見解は以下の通りだ。
    「国家公務員が、会社の利益を目的とする人物(記者)から、社会通念上相当と認められる程度をこえて、接待
    や財産上の利益供与を受けている場合、国家公務員倫理規程に抵触するおそれがあります。そもそも賭けマー
    ジャンは刑法犯なので、そういう人物がいれば倫理法以前の問題。国家公務員法の98条(法令遵守)や99条(信
    用を傷つけてはいけない)といった一般服務義務に違反する可能性があり、懲戒免職といった事態も想定されます」
     産経新聞広報部は、「取材に関することにはお答えしません」
    朝日新聞広報部は「社員の業務時間外の個人的行動について詳細はお答えいたしかねますが、お尋ねのような
    行為があったとすれば、不要不急の外出を控えるよう呼びかけられている状況下でもあり、不適切だったと考えま
    す。弊社として適切に対応いたします」

     産経は世間周知の「ネトウヨ新聞」だから、こうした接待業務を営業政策としているのは不思議ではないが、日頃
    リベラルを自称する朝日は「社員の業務時間外の個人的行動」では済まされないだろう。接待は業務の一環として
    位置付けていたから黒川さんに会社が送迎のハイヤーを用意したのだろう。
    全国の皆さん、もう朝日新聞を読むのは止めよう。週に一度は知的な週刊誌『女性自身』を読もうではないか。その
    方が精神衛生にとって有効である、と私は思う。
     テレビ局の情報では、「検察庁のナンバー2、東京高等検察庁の黒川弘務検事長が緊急事態宣言中に新聞社の
    社員らとマージャンをしていた問題で、21日夕方までには進退を決断する可能性が高いことがわかりました」と報じ
    ている。とすると今日の夕方には黒川さんは「水に落ちた犬」からさらに進化して「消え去る犬」という存在になるの
    か、何だか文学的だね。
     レイモンド・チャンドラーの『ロング・グットバイ(長いお別れ)』の世界か。しかし、お世辞にもハードボイルド(固ゆで
    の卵)とは言えまい。黒川弘務とは、とっくの昔に賞味期限の切れた腐った卵である。それ以上でもそれ以下でもない。
     古いイタリア映画に『誘惑されて棄てられて』というものがあった。
    ふと思う。黒川さんも憐れな男だ。サヨウナラ、お元気で。

     ※ 「幇間」とは、宴席などで遊客機嫌をとり、滑稽動作言葉によって座をにぎやかにすることを職業とする男。
        たいこもち男芸者。(三省堂大辞林)。


 
        「だから相手にされない」

           2020・5・20

     パオロ・ジョルダーノの『コロナの時代の僕ら』を早く読みたくてアマゾンのショッピングページを開いてみた
    が、一時的に在庫切れ、入荷時期は未定と出た。売れているんだね。次の休日にコーチャンフォーにでも
    出かけてみるか。
     読みたい本がある、読まなければならない本がある、これはとても幸せなことだ。本を必要とする間は「老い」
    を知ることはないだろう。
     そして、いつものようにビートルズの『アンド・アイ・ラブ・ハー』を聴くことから一日を始める。

     この18日、お隣の韓国では「5・18民主化運動40周年記念式典」が開かれた。場所は実際の抗争の
    中心地だった旧全羅南道庁広場だ。文在寅大統領および与野党の指導部がそろって出席し、40年前に
    ここで血を流して倒れていった犠牲者の魂をたたえ、「5月民主精神」を反すうした。
     文大統領は、「光州の真実を知らせることが民主化運動になり、5・18は韓国の民主主義の偉大な歴史
    になった」と語り、2018年に改憲案を発議したことに言及しつつ「憲法の前文に5・18民主化運動を刻むこと
    は、5・18を誰も損なったり否定したりできない韓国の偉大な歴史として位置付けること」と主張した。
     また文大統領は「発砲命令者の究明や、戒厳軍がほしいままに行った民間人虐殺、ヘリ射撃の真実と隠
    蔽(いんぺい)、捏造(ねつぞう)疑惑といった国家暴力の真相は、必ず明らかにしなければならないこと」「政
    府も5・18真相究明に最善を尽くしたい」とし、続いて「処罰が目的ではなく、歴史を正しく記録すること」「(虐殺
    の責任者は)今からでも勇気を出して真実を告白すれば、むしろ容赦と和解の道が開かれるだろう」と演説した。
     韓国ギャラップが8日公表した世論調査によると、文在寅大統領の支持率は71%と2018年7月以来の高水
    準となった。民主化後の韓国大統領が任期満了まで2年を残した時点で記録した支持率としては過去最高。
    新型コロナウイルス感染拡大への政府の対応が評価されていることを示したと報じている。
     40年前の1979年、光州で何が起たのかということだが、時の国軍保安司令官は全斗換(チョン・ドファン)
    である。フリー百科事典を開くと次のような解説が出てくる。

      全斗換は特殊戦略司令部を経て1979年に国軍保安司令官になる。
     朴正煕暗殺事件が起きると、暗殺を実行した金載圭を逮捕・処刑するなど暗殺事件の捜査を指揮する。
     12月12日に戒厳司令官鄭昇和大将を逮捕し、実権を掌握(粛軍クーデター)。1980年5月17日5・17非常
     戒厳令拡大措置
を実施。クーデター後に金大中軍法会議で死刑判決を受けて後に無期懲役に減刑される
     ものの、アメリカに出国)を含む野党側の政治家を逮捕また軟禁し、非常戒厳令を全国に拡大させ、これに
     反発していた光州での民主化要求デモを鎮圧するため陸軍の特殊部隊を送り、市民が多数虐殺された(
     州事件
)。
      盧泰愚らと同じく陸士十一期生グループ。1979年の朴正煕大統領射殺事件を機に軍の実権を握り、5月
     17日クーデターで軍政を開始する。全羅南道で起こった民衆反乱の光州事件を軍を動員して弾圧、大統領
      に就任した。その政治は新軍部政権といわれ、朴政権と同じように経済開発とアメリカ合衆国との同盟関係
      を優先し、NIEsの一つとしての経済発展を継続したが、一方で国内の民主化運動、反政府活動を厳しく取り
      締まり、言論を統制した。1984年には韓国大統領として初めて来日、昭和天皇は挨拶で「不幸な過去」に遺憾
      の意を表明した。

        韓国の「ハンギヨレ新聞」は当時の韓米関係を次のように伝えている。

      12・12軍事反乱と5・17非常戒厳拡大措置当時、ウィリアム・グライスティーン駐韓米国大使が全斗煥(チョン・
     ドゥファン)やイ・ヒソンら新軍部要人と交わした対話内容を本国政府に報告した機密文書が、15日に公開された。
      同日公開された文書には、グライスティーン大使が新軍部反乱首長の全斗換保安司令官(当時)をどのように
     見ていたかがよく表れている。グライスティーン大使は全氏が12・12反乱を「クーデターや革命ではなく、朴正煕
     
(パク・チョンヒ)大統領暗殺事件を調査するための目的」だと主張したことについて、「長々しく、事細かに、疑い
     の余地なく自分の利益ばかり求める説明をした」と記した。文書には、全氏が当時、チョン・スンファ陸軍参謀総
     長勢力の反撃を阻止するため、米国に協力を要請した記録も残っている。グライスティーン大使は公電に「全斗
     煥は現在の状況について、表向きには安定しているが、軍部内の多数のチョン・スンファ支持者が今後数週間、
     状況を正すために行動する可能性を懸念していた。全斗煥とその同僚らは(反対勢力の)軍事的反撃を阻止する
     ために我々の支援を望んでいる」と書いた。

       以上は韓国の現代史だが、真相の究明はこれからのことだとして、私が注目するのは文在寅さんの演説の
      内容だ。その中で大統領は「五月の精神」という言葉を何度も言っている。たとえば次のような一節だ。

       人と人が互いに共感し痛みを分け合い希望を作り上げたように、私たちは真実の歴史と共感し、より強い勇気
      を得て、より大きい希望を作り出しました。それが今日の私たち国民です。
      五月の精神'はより広く共感されなければならず世代と世代をつなぎ、何度も新しく生まれなければなりません。

       文在寅さんの歴史に向き合う姿勢はドイツのメルケル首相とどこか共通するものが感じられる。
      この二人には「国粋」というものがない。また「私」というものがない。だから物事の捉え方が常に相対的であり、
      論理的であり、極めて倫理的である。政策の正当性を普遍的なるものに求めている。
       こうした哲学は、トランプにもプーチンにも習近平にもない。安倍晋三は論外である。
      私が政治家という言葉で思い浮かべる人物は、文在寅さんとメルケルさんと、もう一人いる。ウルグアイのホセ・
      ムヒカさんである。「世界一貧しい大統領」と呼ばれたこの人は、2012年のリオ会議(地球サミット)で、こう語った。
       私たちがグローバリゼーションをコントロールしていますか? あるいは、グローバリゼーションが私たちをコント
      ロールしているのではないでしょうか?
       このような残酷な競争で成り立つ消費主義社会で、「みんなの世界を良くしていこう」というような共存共栄な議論
      はできるのでしょうか? どこまでが仲間で、どこからがライバルなのですか?
       このようなことを言うのはこのイベントの重要性を批判するためのものではありません。その逆です。我々の前に
      立つ巨大な危機問題は環境危機ではありません、政治的な危機問題なのです。

       ここから国内の問題に移る。昨日の山陽新聞の記事だ。
      外務省が発表した2020年版「外交青書」が何とも面白い。外交青書というのは、外交の実態を明かににし、国民の
      理解と関心を深めるために外務省が毎年発行する文書のことで、表題は「わが外交の近況」というものだそうだ。
       山陽新聞の見出しはこうだ。

          北方領土「日本に主権」が復活 外交青書「韓国は重要な隣国」も

                  2020年05月19日 12時10分 更新   山陽新聞

 
 4つのポイントが面白い。

     「だから相手にされない」

★ 対露政策  一度削除した理由が分からない。
          復活した理由も見当たらない。意志薄弱にして支離滅           裂。だから相手にされない。

★ 対韓関係  どんなことがあっても謝罪する気はないし、反省もしな           い。けれども重要な隣国でいて欲しい。何とも身勝手な
          大日本帝国である。だから相手にされない。
★ 対北朝鮮関係  本人は国際社会の一員だと思っているが、世界の
          常識は日本はアメリカの属国である。実態は全土米軍          基地国家である。だから相手にされない。
★対中関係   中国の脅威を煽って軍拡路線を走るが、習近平の前で          は何も言えない。トランプの番犬なのか、それとも習皇           帝の愛玩犬なのかよく分からない。だから相手にされな          い。

  以上の4点のどこに外交と呼べるものがあるのだろうか。
 現在の外務大臣は茂木敏充さん(64歳)、竹下派所属。
 「自由で開かれたインド太平洋」構想を推進しているが、その前にやる ことがあるのではないか、先の戦争についての反省と、アジア諸国に
 対する謝罪である。だから相手にされない。
  結論、 無意味な外交青書を書く前に真の独立国家となることだ。

   検察庁法改定案断念の後を受けて、小泉今日子さんがまた投稿した。

       小泉今日子「浮き足立っては…」改正案成立見送りも

    女優の小泉今日子(54)が、自身も抗議していた検察庁法改正案の今国会での成立が見送られたことについて「浮き足立っ
   てはいけない」と気を引き締めた。
    小泉は19日、自身が設立し代表を務める制作会社「明後日」のツイッターを更新。検察庁法改正案に対する反対運動がSNS
   上で盛り上がり、安倍晋三首相は今国会成立を断念したことに「小さな石をたくさん投げたら山が少し動いた」としたが、「が、浮
   き足立ってはいけない。冷静に誰が何を言い、どんな行動を取るのか見守りたい」とつづった。
   小泉は、かねて法案に反対する意向を示しており、10日には「#検察庁法改正案に抗議します」を連続して投稿。著名人らに拡
   大する反対行動を象徴するような動きをみせていた。

    18日、韓国では文在寅大統領が「五月の精神」について演説していた。同じ日、日本ではこういうことがあった。(朝日新聞から)。

          【意見書全文】特捜OB「法改正、失礼ながら不要不急」

     検察庁法改正をめぐり、元東京地検特捜部長ら検察OB38人が18日に公表した意見書の全文は次の通り。
         ◇
     私たちは、贈収賄事件などの捜査・訴追を重要な任務の一つとする東京地検特捜部で仕事をした検事として、このたびの
    検察庁法改正案の性急な審議により、検察の独立性・政治的中立性と検察に対する国民の信頼が損なわれかねないと、深く
    憂慮しています。

     独立検察官などの制度がない我が国において、準司法機関である検察がよく機能するためには、民主的統制の下で独立性・
    政治的中立性を確保し、厳正公平・不偏不党の検察権行使によって、国民の信頼を維持することが極めて重要です。
     検察官は、内閣または法務大臣により任命されますが、任命に当たって検察の意見を尊重する人事慣行と任命後の法的な身
    分保障により、これまで長年にわたって民主的統制の下で、その独立性・政治的中立性が確保されてきました。国民や政治から
    のご批判に対して謙虚に耳を傾けることは当然ですが、厳正公平・不偏不党の検察権行使に対しては、これまで皆様方からご理
    解とご支持をいただいてきたものと受けとめています。
     ところが、現在国会で審議中の検察庁法改正案のうち、幹部検察官の定年および役職定年の延長規定は、これまで任命時に
    限られていた政治の関与を任期終了時にまで拡大するものです。その程度も、検事総長を例にとると、1年以内のサイクルで定年
    延長の要否を判断し、最長3年までの延長を可能とするもので、通例2年程度の任期が5年程度になり得る大幅な制度変更といえ
    ます。これは、民主的統制と検察の独立性・政治的中立性確保のバランスを大きく変動させかねないものであり、検察権行使に
    政治的な影響が及ぶことが強く懸念されます。
     もっとも、検察官にも定年延長に関する国家公務員法の現行規定が適用されるとの政府の新解釈によれば、検察庁法改正を
    待たずにそのような問題が生ずることになりますが、この解釈の正当性には議論があります。検察庁法の改正に当たっては、慎
    重かつ十分な吟味が不可欠であり、再考していただきたく存じます。
     そもそも、これまで多種多様な事件処理などの過程で、幹部検察官の定年延長の具体的必要性が顕在化した例は一度もありま
    せん。先週の衆院内閣委員会でのご審議も含め、これまで国会でも具体的な法改正の必要性は明らかにされていません。今、こ
    れを性急に法制化する必要は全く見当たらず、今回の法改正は、失礼ながら、不要不急のものと言わざるを得ないのではないで
    しょうか。法制化は、何とぞ考え直していただきたく存じます。
     さらに、先般の東京高検検事長の定年延長によって、幹部検察官任命に当たり、政府が検察の意向を尊重してきた人事慣行
    が今後どうなっていくのか、検察現場に無用な萎縮を招き、検察権行使に政治的影響が及ぶのではないかなど、検察の独立性・
    政治的中立性に係る国民の疑念が高まっています。
     このような中、今回の法改正を急ぐことは、検察に対する国民の信頼をも損ないかねないと案じています。
    検察は、現場を中心とする組織であり、法と証拠に基づき堅実に職務を遂行する有為の人材に支えられています。万一、幹部検
    察官人事に政治的関与が強まったとしても、少々のことで検察権行使に大きく影響することはないと、私たちは後輩を信じています。
    しかしながら、事柄の重要性に思いをいたすとき、将来に禍根を残しかねない今回の改正を看過できないと考え、私たち有志は、
    あえて声を上げることとしました。
     私たちの心中を何とぞご理解いただければ幸甚です。
    縷々(るる)申し述べましたように、このたびの検察庁法改正案は、その内容においても審議のタイミングにおいても、検察の独立
    性・政治的中立性と検察に対する国民の信頼を損ないかねないものです。
     法務大臣はじめ関係諸賢におかれては、私たちの意見をお聴きとどけいただき、周辺諸状況が沈静化し落ち着いた環境の下、
    国民主権
に基づく民主的統制と検察の独立性・政治的中立性確保との適切な均衡という視座から、改めて吟味、再考いただくこと
    を切に要望いたします。
                        元・特捜検事有志

     この問題について元東京地検特捜部検事でロッキード事件を捜査した堀田力(ほった つとむ)さんが発言している。

        信頼に傷、総長も黒川検事長も「辞職せよ」 堀田力さん

     検察幹部を政府の裁量で定年延長させる真の狙いは、与党の政治家の不正を追及させないため以外に考えられません。
    東京高検の黒川弘務検事長の定年を延長した理由に、政府は「重大かつ複雑困難な事件の捜査・公判の対応」を挙げました。
    黒川君は優秀な検察官ですが、黒川君でなければ適切な指揮ができないような事件はありえません。

      だから相手にされない。



         「コロナの時代の僕ら」

            2020・5・19 

   拡散用のハッシュタグがついた「 」のツイッターの投稿は700万件にのぼったという
  ことだ。もしこれが路上でのデモだとすると道の長さにして、また広場の面積にしてどのくらいになるのだろうか。
  為政者の方は「3密」で外に出れない状況下では多くの人が参加しての抗議行動は暫くは起きないだろうと高をくくって 
  いたのだろうが、誰もが想像出来なかった形で空前の規模の大集会が突然出現した。そして、「声を上げれば政治は
  変わる」ということを見事に証明してみせた。火事場泥棒は叩きのめされた。
    『週刊朝日』は次のように報じている。

   #検察庁法改正案に抗議します」のハッシュタグがTwitter上で大流行し、大揺れだった安倍政権。小泉今日子さんら
  芸能人を中心にした反対世論に押され、安倍晋三首相は18日午後、今国会での検察庁法改正案の成立断念に追い込
  まれた。安倍首相は自民党の二階俊博幹事長と会談後、「国民の理解なしに前に進めることはできない」と検察庁法改
  正案を先送りする方針を官邸で表明した。

    「しんぶん・赤旗」の日曜版(17日付け)は「国壊す首相に怒り爆発」というタイトルでこの間の事情を詳しく報じていた。

    いきものがたりの水野良樹さん
      「どのような政党を支持するか、どのような政策に賛同するのかという以前の問題で、根本のルールを揺るがしかね
      ない」
    俳優の井浦新さん
      
「もうこれ以上、保身のために都合良く法律も政治もねじ曲げないで下さい。この国を壊さないで下さい」
    元格闘家の高田延彦さん
      
「摩訶不思議で理解不能。なんのために?誰のために?こんな大変な時期に姑息(こそく)な事をやってんだい?」
    劇作家の鴻上尚史さん
       「国民が感染症に苦しんでいるときに、内閣や法相が認めれば、検察庁幹部の定年を例外的に延長できる法律を
       通すなんてストーリーを書いたら、プロデューサーから間違いなく『ありえないです。リアリティがなさすぎ』と突っ込ま
       れると思う」
    演出家の宮本亜門さん
       
「このコロナ禍の混乱の中、集中すべきは人の命。どうみても民主主義とは懸け離れた法案を強引に決めること
        は、日本にとって悲劇です」

    この他に俳優の小泉今日子さん、歌手の西郷輝彦さん、歌人の俵万智さん、俳優の浅野忠信さん、芸人の大久保佳代
   さん、作詞家の松本隆さん、タレントの松尾貴史さん、俳優の秋元才加さん、漫画家のゆうきまさみさん、しりあがり寿さん
   らが次々とツイッターで拡散したということだ。
   この結果、昨日まで「政権の守護神」と呼ばれていた黒川弘務検事長は憐れにも「水に落ちた犬」となってしまった。
    ジャーナリストの青木理さんは言う。

     新型コロナ対策では何もかもが後手後手でピント外れなのに、いったい何をやっているんだ! と多くの人が感じている
    んじゃないですか。安倍政権による検察庁法改定案こそ「不要不急」であり「火事場泥棒」そのものじゃないか、と。

   フォトジャーナリストの安田菜津紀さんは言う。

     物理的なデモが行えないなか、ネット上でいろんな方が抗議の声をあげていることに希望を感じます。権力にとって一番
    都合がいいのは無関心、忘却です。抗議の声を瞬間風速に終わらせないで、おかしなことはおかしいと言い続けること
    が大事だと思います。

     この日の日曜版に「問い直す『コロナ後』の世界」と題して山本昭宏さんが登場した。
    山本さんは1984年生まれで、神戸市外国語大学准教授。専攻は日本近現代文学史、歴史社会学。著書に『核と日本人』
    『大江健三郎とその時代』などがある。山本さんは次のように語っている。

     イタリア人の作家、パオロ・ジョルダーノが今年3月に発表した『コロナの時代の僕ら』(邦訳は早川書房)を読んだ。
    このすぐれた省察の最後には、「すべてが終わった時、本当に僕たちは以前とまったく同じ世界を再現したいのだろうか」と
    いう呼びかけの言葉がある。
     ジョルダーノが言う「以前と同じ世界」を、筆者なりに言い換えると、それは公共部門を含めた社会のあらゆる領域に市場
    原理が浸透し、市場原理であらゆる問題を解決できるという思い込みにとらわれた世界だ。
    【中略】コロナの時代は「水平方向」の考え方にも変更を迫っている。水平方向とは、世界の同時代性を指している。

     この数年は内外を問わず現代文学というものは読んでいないから、このイタリア人作家については何も知らない。
    イタリア文学といえば、アルベルト・モラビア(1907~1990)の小説『無関心な人々』『倦怠』『軽蔑』、評論では『目的としての
    人間』などを読んでいたが、もう50年は昔のことだ。
    でも今回、山本さんの言葉を聴くと読みたくなったね。と言うより、今読まなければならない本の一冊なのだと思う。
    パオロ・ジョルダーノをフリー百科事典で調べてみる。

     パオロ・ジョルダーノ: Paolo Giordano1982年12月19日 - )は、イタリア作家トリノ生まれ。
        人物・来歴
      もとは物理学を学び、素粒子物理学のPh.Dを取得。その関連で仕事をしていた。
     処女作の『素数たちの孤独』La solitudine dei numeri primi2008年ストレーガ賞 (Premio Strega) 受賞。2008年から
     2009年の春にかけてヨーロッパベストセラーになり、イタリア国内だけでも120万部以上を発刊。30ヶ国以上で翻訳され、
     世界中で読まれている。 2010年に『素数たちの孤独』がイタリアで映画化。日本では東京国際映画祭で上映。
        著作

幼い頃に大きな事故にあった少女と、双子の妹と離れ離れになった少年。過去のトラウマから、それぞれ自傷と拒食症になっ
ていた。二人は知り合い、特別な親しい関係になるが、そこに恋愛感情はなかった。物語は、再びそれぞれが別の道に進むと
    ころで幕を閉じる。
アフガニスタンに派兵されたイタリアの若者たちの孤独、性、葛藤を瑞々しい筆致で描きながら、現代の矛盾に鋭く迫る二十一
世紀の戦争小説。
       

   『コロナの時代の僕ら』についての書評(東京新聞・5月3日付)。

        コロナの時代の僕ら パオロ・ジョルダーノ著、飯田亮介訳
     ◆感染症と人 数学的に解く           [評]仲俣暁生(文芸評論家)

    昨年末に確認され、いまなお世界中で猛威をふるうウイルス感染症COVID(コビッド)19が、欧州で最初に広まったのはイタリアだった。
   二月には多くの都市がロックダウンされるなか、ある新聞に発表された「混乱の中で僕らを助けてくれる感染症の数学」という記事が大き
   な反響を呼んだ。
    これを書いたのは小説家のパオロ・ジョルダーノ。『素数たちの孤独』で二〇〇八年にデビューし、国内だけで二百万部以上の売り上げ
   を記録したベストセラー作家である。本書はこの文章を原型として、二月末から三月四日にかけて書き継がれた二十七本の短いエッセイ
   をまとめ、緊急出版したものだ。さらに日本語版には、後に発表された「コロナウイルスが過ぎたあとも、僕が忘れたくないこと」という文章
   が「著者あとがき」として追加されている。
    外出を禁じられた空白の時間にこれらの文章を書き継いだ狙いは二つあると著者は言う。一つは災厄への「予兆」のなかで「すべてを考
   えるための理想的な方法」を見つけること。もう一つは、それが「人類に何を明らかにしつつあるのか」を見届けることだ。
    この感染症の危険性を、さまざまな例を挙げて数学的に解説する序盤は、物理学を専門に修めた人だけあって、実にわかりやすい。
   感染症とは何か。それは「関係を侵す病(やまい)」である。世界中の人やモノが緊密にネットワークされるなか、感染症はまさにネットワーク
   に沿って蔓延(まんえん)し、感染を恐れる人々からつながり自体を奪ってしまう。
    だが本書の真骨頂はその先にある。つながりが奪われたなかにあって、著者は「誰も一つの島ではない」というジョン・ダンの詩を思い浮か
   べ、旧約聖書「詩篇」の一節から「数える」という行為について思索をめぐらせる。この本が稀有(けう)な魅力を湛(たた)える理由は、人文知
   と数理的な思考が短いテキストのなかで融合し、血肉化されているところだ。「僕は忘れたくない」という印象的なリフレインをもつあとがきは、
   未来に向けての切なる祈りを込めた、見事な一篇の「詩」である。

    次はパオロ・ジョルダーノご本人の言葉を書き写す。イギリスのファイナンシャル・タイムズに寄稿したものだ。

       「色褪せる都市」

     今日は何曜日だっけ?
    昨夜ベッドに潜り込んだとき、そう妻に訊いた。彼女は数秒黙りみ、指折り数えていた。
    ここローマでは、北イタリアより少し遅れて都市封鎖された。封鎖から3週目に入ったいま、かつてあった「時間」のあり方はすでに失われている。
    時間はふにゃふにゃと柔らかくなり、ゆっくり流れ、ポロポロと崩れているのだ。
     一方、仕事に限っては訳が違うように思える。最初の数日間は混乱していたものの、電話会議、SkypeやZoomミーティング、そしてWhatsAppに
    よって果てしなく続くチャットのなか、仕事のペースが激化しているほどだ。
    通常であれば生活への影響力を制限できる「境界線」がなくなったいま、目が覚めているあいだはいつだって仕事が襲ってくる。生産性とは私た
    ちがどうしても捨てられないもののひとつであり、激しく執着しているものなのだ。
    それが、いまとなっては生産性のための生産性になっている。私たちは、他に何をすればいいのかわからないから仕事をしているのだ。世界を
    揺るがす危機の一因となったことも偶然ではないだろう。
     私はほとんどの時間を執筆に費やしている。その傍らでコンピューター・プログラムにも久しぶりに目を向けているところだ。素粒子物理学者だ
    った頃以来のことである。感染症に伴う「数字」が意味することを理解するために使っているのだ。
     小説家になったときには数学から永久に離れようと思っていたが、思ってもいない形で再開するに至ったわけだ。
    いつ働きはじめ、いつ止まればいいのか──私の脳は、その判断ができなくなっている。そのため夜はほとんど眠れない。スマホの歩数計は歴
    史的ともいえる少なさを表示しているのに、日中は身体の疲れが残ったままだ。
    そこで、とりあえずYou Tubeにアップされているフィットネスプログラムを始めてみることにした。ソファーを移動させ、腕を広げられるだけのスペー
    スは確保している。本当は3人用に建てられたアパートに家族4人で住んでいる私たちだが、そんな場所があるだけ幸せな方だろう。
     我が家では、家族のうちふたりが交代でゴミ捨てや買い物に出かけている。
    「陽性反応は出ているか?」
    「外出の目的は?」
    「どこから来ていて、どこに向かっている?」
    そうしたことを示す、内務省の規定に沿って発行した最新版の自己申告用紙を携えて行くのだ。
    外に出る人間は常に同じである方がいいだろう。いまのイタリアでは、私たちの一挙手一投足に最大限の注意が払われている。
    だから、私は決して家を出ない。
    最後に外出したのはおよそ10日前で、自宅から一番近い公園へジョギングに行こうとしたときだ。当時はそれくらいならまだ許されていた。目的の
    公園まで行くにはコロッセオ沿いのフォリ・インペリアリ通りを延々と歩かなければならない。
    世界でもっとも観光客が多いはずの場所。そこには、人ひとりとしていなかった。
    「いつもの群衆から解放されたあの場所を見て、不思議な感動を覚えた」──なんて言いたいところだが、それでは嘘になってしまう。実際私の胸
    をかすめたのは、不安と恐れだ。
    カラビニエリ (国家憲兵) の車がゆっくりと通り抜ける。パトカーがクラクションを鳴らして私をさっさと追い払おうとする。
    晴れ渡った朝のなかで足をほぐしたい。そんなささやかな欲求を満たすべくランニングウェアを着ていることに違和感を感じた私は、まっすぐ道を
    戻った。
    それ以来、アパートを出ていない。
    私はローマに住んでいるのだが、実際はローマにいないような心地がする。

 
        「朕(ちん)は国家である」

          2020.5・18

    松尾邦弘・元検事総長ら検察OB14人が連名で15日、「検察庁法改定案反対」の意見書を森雅子法務大臣に
   提出した。その全文は「今と此処」の欄に転写したので時間のある方はお読みください。時間のない方もお読みくだ
   さい。と言うのは、この意見書は、改定案を「政府の意に沿わない検察の動きを封じ込め、検察の力を殺ぐことを意
   図している」と強く批判し、政府に撤回を求めているものだからです。問われているのは、民主主義とは何かというこ
   とです。その中に何が書かれているかということですが、その一部を紹介します。

       本年2月13日衆議院本会議で、安倍総理大臣は「検察官にも国家公務員法の適用があると従来の解釈を変更
      することにした」旨述べた。これは、本来国会の権限である法律改正の手続きを経ずに内閣による解釈だけで法
      律の解釈運用を変更したという宣言であって、フランスの絶対王制を確立し君臨したルイ14世の言葉として伝えら
      れる「朕(ちん)は国家である」との中世の亡霊のような言葉を彷彿(ほうふつ)とさせるような姿勢であり、近代国家
      の基本理念である三権分立主義の否定にもつながりかねない危険性を含んでいる。
       時代背景は異なるが17世紀の高名な政治思想家ジョン・ロックはその著『政治二論』(加藤節訳、岩波文庫)の
      中で「法が終わるところ、暴政が始まる」と警告している。心すべき言葉である。


     意見書のとりまとめを担当した清水勇男さん(元最高検検事)は、「本来は法改正を経てするべきことで、立法権の
    侵害に該当する。三権分立という近代政治の基本原則に反する恐れがある。明らかに憲法違反だ」と指摘している。
     松尾邦弘さん(元検事総長)は、「(検事総長の決め方は)基本的には内部でトップにしたいという総意が圧倒的か
    どうかが重要。外から検察組織をみて、この人がいいと評価するのはなかなか難しいところがある。(内部の意見を
    尊重するのが)一番大事です。上からだけ指示がいくような、あるいは上に対してものが言えないような組織は長い
    目でみれば衰退すると思います」と批判している。
     ところで、例の二人のコイズミさんだが、どういう反応を示しているのか。
    俳優の今日子さんはツイッターに「#検察庁法改正案の強行採決に反対します」を付けて「国会中継見てます」と投稿し、
    検察OBの意見書も紹介して「泣きました。そして背筋が伸びました。こういう大人にわたしはなりたい」と書き、反響を
    呼んでいるということだ。なんだかモンテーニュを思わせるね。
    
     私は私の意見を述べる。それがよい意見だからではなく、私自身の意見だからだ

     で、もう一人のこれも俳優?の進次郎君だが、こちらの方は完全沈黙だ。要するに、自分の意見を持っていないという
     ことなのだろう。日和見主義者、いつものことだがここ一番で喧嘩が出来ない男だ。「オモテナシ」の亭主は「ロクデナシ」
     ということか。永遠の育児休暇というやつか。
     明日のスポーツ新聞の見出しは「上昇の今日子、転落の進次郎」、これで決まりだ。
      さて、次は下駄屋のナッチャンの登場だ。
     この件について公明党の代表である山口那津男さんは「政府は説明責任を尽くしてもらいたい」とするTwitterの投稿
     したそうだ。すると「他人事みたいに言わないで」などと批判が殺到。支持者から失望の声も上がるという状況だ。

         支持者たちから落胆の声

     山口代表の投稿に対して、「問われているのは公明党の姿勢」「説明責任を果たすのは、党代表のあなた」「他人事みた
    いに言わないで」などと批判が噴出。17日午後1時までに4600件を超えるコメントが寄せられた。
    Twitterでは#公明支持やめます のハッシュタグが拡散している。
    「自民党の抑止力になってくれると思っていたのに失望しました」
    「国民の平和のための党だと思っていた残念でなりません」
    「党のプライドはどこへ」
    支持者を自称する投稿者たちから、落胆や怒りの声も上がっている。

      もうそろそろ夏だから下駄の雪も融けてなくなるのか。「鵺の鳴く夜は恐ろしい」と横溝正史は言ったよ(悪霊島)。
    では国会での動きはどうなのか、15日の衆院内閣委員会で共産党の藤野保史議員が質問に立った。
    16日のしんぶん・赤旗の第一面のトップ記事だ。


        検察庁法改定案 広がる採決反対
               野党、徹底審議を要求 武田担当相の不信任案提出
                          政府、恣意的介入否定できず 藤野氏が批判

     「検察庁法ぜったい反対」「強行採決ぜったい反対」―。国会の外で上がるシュプレヒコールが委員会室に響きました。
    特定の検察幹部の定年を特例で延長することを可能にする検察庁法改定案の審議が行われた15日の衆院内閣委員会。
    わずか6時間余りの審議での採決強行を狙う自民、公明両党に対し、日本共産党と、立憲民主党、国民民主党などの共同
    会派は徹底した審議を求めました。与党側は質疑後の理事会で採決を提案。野党側は「断固採決は認められない」と拒否し、
    国民の世論を一顧だにせず、説明責任を果たしていないとして、武田良太国家公務員担当相不信任決議案を衆院に提出。
    内閣委員会は散会となりました。
     日本共産党の藤野保史議員は衆院内閣委員会で、内閣の判断で特定の検察幹部の定年延長を認める「特例規定」を盛
    り込んだ検察庁法改定案について「検察官の独立性を害し、憲法の基本原理である三権分立を脅かすものだ」と批判しまし
    た。森雅子法相はまともに答えられず、藤野氏は「新型コロナウイルスの収束のために集中すべき時期に、火事場泥棒的に
    改定案をごり押しすることは許されない」と述べ、撤回を求めました。
     藤野氏は、検察官は唯一の公訴提起機関で、単なる行政官ではないと指摘。総理経験者さえ逮捕・起訴できる特別の権限
    を持つ「準司法官」であり、その高い政治的中立性を担保するため、一定の年齢で例外なく退官するルールとなっていたとして、
    「検察官の定年を個別に延長できる『特例』を設けること自体が恣意(しい)的介入の余地をつくりだす」と批判しました。
     森法相は「現行法上、検察官について勤務延長を認める規定はないが、その理由は当時の国会議事録を見ても見当たらな
    かった」などと的外れな答えしかできませんでした。
     藤野氏は、現行法は「検察官のキャリアの最後の出口で内閣が人事に介入できないように『特例』を設けていない」と指摘。
    法改定で「特例」を設ければ、どんなに詳細な「要件」をつくっても、「内閣の恣意的な判断が可能になる」と重ねて指摘。森法
    相は「検察官が意に反して辞めさせられることがないことは変わらない」などのごまかしの答弁に終始。藤野氏は安倍内閣が
    1月、黒川弘務東京高検検事長の定年延長を閣議決定したことが全ての始まりだとして「検察全体をゆがめ、“法の支配”を
    “人の支配”にしてしまう」と厳しく批判しました。
    野党からは、国民民主党の後藤祐一議員も追及。武田担当相は「本来なら法務省が答える」と連発し、森法相は恣意的介入
    にならないための「基準」を最後まで示すことができませんでした。

     そして靖国小僧のシンゾウだ。
    黒川弘務検事長が安倍政権に近いとの報道に対して、「それはまったく事実ではない」「私自身、黒川さんと2人でお目にかか
    ったこともないし、個人的なお話をしたこともまったくない」と全面否定。ところがNHKのサイトや各紙の首相動静には、2018
    年12月11日午後に黒川氏と個別に面会した記録が存在するという。またしても嘘だ。この男は病気なのでは、直ぐばれる嘘
    を平気で吐き続ける。嘘はまだ止まらない。今度は政権の守護神・黒川さんの定年延長について、「検察庁の人事は、トップも
    含めた総意で、こういう人事でいくと持ってこられ、そのままだいたい我々は承認をしている」と人事介入を否定した。
     ここで思い出してもらいたい。
    4月7日、緊急事態宣言を出した時、日本在住のイタリア人記者から「世界はほとんどロックダウンしています。安倍首相の対
    策は一か八かの賭けに見えます」といった趣旨の指摘があった。そして「失敗したらどういう風に責任を取りますか?」と訊ねら
    れると、安倍首相はこう返答した。「例えば最悪の事態になった場合、私が責任を取ればいいというわけではありません」と。
    なるほど、「朕(ちん)は国家である」。

    ※ 「鵺(ぬえ)」   フリー百科事典から
       『平家物語』にある怪物はあくまで「鵺の声で鳴く得体の知れないもの」で名前はついていなかった。しかし現在ではこの怪
      物の名前が鵺だと思われ、そちらの方が有名である。 この意が転じて、掴みどころがなく、立ち回りは巧みだが得体の知れ
      ない人物を喩える際に使われる。



 
        「社会的ダーウィニズム」
            2020・5・17

     法の終わるところ、暴政が始る
                      ジョン・ロック

   
このところ毎日のようにフェイスブックを見ている。
  橋本美香さん(札幌市厚別区)、福盛田勉さん(手稲区星置)、作田信子さん(手稲区星置)、多原良子さん(手稲区)、
  出口憲次さん(札幌)、佐々木明美さん(手稲区)、佐野弘美さん(札幌)、畠山和也さん(札幌)、平岡大介さん(札幌)、
  佐々木とし子さん(帯広)、西原扶美雄さん(福岡)、伊藤徹子さん(東京)、宮田佐和子さん、森埼まゆみさん、岡本
  典子さん(岡山)、その他にもいろんな人のものを見る。
  それぞれに特徴があって面白い。特徴というのは出来事に対する視点と、その調理の仕方だ。そこから見えてくるの
  はフェイスブックを運営する人の見識とセンスだ。
   これを見ていると大手商業新聞もワイドショーのテレビもいらない。特にNHKなどは生活上まったく必要としない。
   今日は作田信子さんのフェイスブックから映画の近作情報を紹介する。


   
 令和悪党列伝

 こんな奴らに
   日本の未来を任せる
    わけには到底いかない




 『アウトセイジ』

       近日上映


  原作  妖怪岸信介

 キャスト

   靖国小僧のシンゾウ
   暴言大王のタロウ
   茶坊主筆頭のヨシヒデ
   忠犬ハチ公のコウイチ


   ロクデナシのシンジロウ
   腐れメロンのイッシュウ
   欠陥工場のトシヒロ

  その他豪華メンバー総出演

 「今だけ、金だけ、俺だけ」の暗黒社会、
 生き残るのは誰だ?
 それとも全員往生か。


 ※ 作田信子さんのフェイスブックから
      


    私は4月4日のこのノートに、「世界の中のお馬鹿」と題して次のようなことを書いた。

    「新型コロナウイルスは世界中を恐怖のどん底に突き落とした。この恐怖は、人を選ばない。変な言い方になるが、
   ある意味では平等である。しかし、感染から快癒となると、人は選ばれる。貧富の差が、そのまま生死を分ける。そして、
   富裕層はその事を知っているから本気で救済に動こうとはしない。
    
    先進国と呼ばれる欧米諸国のコロナ感染状況は今日現在では以下の通りである。

      国名          感染者数          死者数
    アメリカ         1442924          87493
    イギリス          236711          33998
    イタリア          223885          31610
    フランス          141919          27529
    スペイン          230183          27459

    先進国というのは経済が発達した国ということなのだろうが、問題は、それが国民を幸せにしたのか、安心・安全の保障
   をもたらしたかということだ。欧米先進諸国が示すこの数字はまことにもって悲惨である。
   原因は、緊縮政策によって医療体制と社会保障を弱体化させたことにあるのだが、その付けを真っ先に背負わされたの
   が社会の貧困層である。貧富の格差が生死の分かれ目となっている。特に「移民の国」アメリカの状況は壊滅的である。
    この数日、「しんぶん・赤旗」で「新型コロナが問う日本と世界」と題するインタビュー記事を連載している。
   15日には早稲田大学教授の守中高明さんが次のような発言を載せている。全文転写するので、お読みください。

          新型コロナが問う日本と世界(しんぶん・赤旗  5月15日付け))

    弱者を切り捨てる思考

         早稲田大教授 守中高明さん

    新型コロナウイルス感染の拡大がつきつける日本社会の問題を、フランス思想、仏教思想を専門とする守中高明
   早大教授に聞きました。(若林明)


    新型コロナウイルス感染症が爆発的拡大のプロセスにある今、この国の現政権に特有の危険な思考があらためて
   露呈したと感じています。
         新たな優生思想
    最も憂慮すべきは、いくつかの欧米諸国と同様に日本では、新自由主義の経済政策のもとで、医療破壊がすすみ、
   ぎりぎりに縮小された体制の中で、この危機が、新たな“優生思想”を是認しつつ進行していることです。このウイルス
   感染症は罹患(りかん)しても約80%は無症状ないし軽症で済み、重症化するのが約16%、重篤化が約4%(致死率
   は3%前後、ただし国別統計により大きな幅)であることが中国における症例などからわかっていました。特に若年層で
   は無症状がほとんどで、他方、高齢者や基礎疾患を有する人が重症化・重篤化しやすいことがこの病気の特性ですが、
   この特性が健常者と非健常者のあいだに構造的差別を生みました。
    社会的弱者が死ぬことを「いたしかたない」とする思考が意識的・無意識的に形成されてしまったのではないか。この
   傾向は、今後、社会が集団免疫を獲得する過程でさらに強まり、弱者が「淘汰(とうた)」されることを前提とする「社会的
   ダーウィニズム」が容認されることが懸念されます。その背後には、高齢化社会における医療予算の将来的削減という、
   非人道的な計算すら透けて見えます。
         経済・福祉でも

    さらに問題なのは、この傾向が、公衆衛生面だけでなく、経済・福祉の分野でも広がりつつあることです。現に、社会活
   動を制限せざるを得ない状況下で、最も大きなダメージを受けているのは非正規労働者やフリーランスの人々であり、ひ
   とり親家庭とその子どもたちです。自粛を要請しながら補償をしない現政権は、「適者生存」とでも言うかのようにこれらの
   弱い人々を切り捨てています。21世紀の現代、この種の暴力的思考がまん延することは断じて許してはなりません。
        市民の社会的連帯重要
    そもそも、現在の深刻な危機は、東京オリンピックの開催にこだわった現政権の失策による人災であり、「祝賀資本主義」
   (ジュールズ・ボイコフ)による悲劇だと総括することができます。
    東京都の小池百合子知事が緊急記者会見を開き、「感染爆発の重大局面」であると宣言したのは3月25日でしたが、IOC
   (国際オリンピック委員会)のバッハ会長と安倍晋三首相の電話会議により延期が正式に決定されたのはその前日の24日
   でした。このときまで政権は、先行する韓国・台湾・ドイツなどの奏功した政策、他方、イタリア・スペイン・フランス・イギリスな
   どの悲惨な現実から学ぶことをせず、医療体制を整える時間があったにもかかわらず、オリンピック開催という非現実的な
   幻想を優先させました。
    その結果、なにが起きたか。PCR検査を極端に絞ったため真の実態がつかめないまま、コロナウイルスはすでに市中感
   染を広げ、医療崩壊が始まり、十分な治療を受けられずに亡くなる犠牲者が続出しています。
    もともと、東京オリンピック計画は、福島原発事故後の「状況はコントロールされている」という安倍首相の真っ赤なうそから
   始まりました。開催のために巨額の予算が大手ゼネコンなどの利権集団へと投入される一方、政府は福島県の諸地域で避
   難指示を解除し、自主避難者への支援を打ち切りました。「復興五輪」という美名のもとに福島第1原発の過酷事故が収束し
   たかに見せかけ、真実を隠ぺいしつつ商業主義を推し進める―これは現代資本主義の最悪の病理ではないでしょうか。
   国会では、検察庁法改悪、種苗法改悪がろくに審議されることなく強行されようとしています。危機のさなかに危機後の消費
   喚起を打算する「GoToキャンペーン」などは正気の沙汰とは思えません。
    ウイルスの変異がもたらす危機であるからには、本来、その影響は万人に等しくおよぶはずですが、政府の無策のせいで、
   救われる者と救われない者のあいだに分断が起きつつあります。私たちがなすべきは、現政権によるこの残酷な棄民政策に
   はっきりと批判の声を突きつけること、そして緊急医療体制の再構築、休業・廃業・倒産に苦しむ中小企業や小規模事業者へ
   の速やかな経済補償、家計の急変による困窮学生への給付金などを強く要求していくことです。
    そのためには、私たち市民のあいだの社会的連帯がきわめて重要です。この非常事態に真正面から向き合いつつ、資本主
   義経済の暴力的構造の外に自律的な草の根のネットワークを最大に広げることで、誰ひとり取り残さず、すべての人々を救うた
   めに別の政治を実現すること。それが喫緊の課題です。



       「二人のコイズミさん」

        2020・5・16 

     4月9日の沖縄タイムスの名物コラム「大弦小弦」にこんなことが書いてあった。

    ▼県内でなぞかけ名人として知られるケーシーさんに、コロナ対策についてお題を出すとこんな内容が返ってきた。
    「布マスク」とかけまして「森友学園や桜を見る会」と解きます。その心は「口封じに使います」▼緊急時に試される
    のは、国民の命と暮らしを守る責任と覚悟。さまざまな問題を抱えた政府に、切迫した庶民の声は聞こえているだ
    ろうか。(吉川毅)

    「大弦小弦」の意味は、日本国語大辞典によれば以下の解説が出てくる。

       大弦急なれば小弦絶ゆ   (読み)たいげんきゅうなればしょうげんたゆ
      琴、琵琶などの弦を張るのに、大弦を強くかければ小弦は切れてしまう。民を治めるには寛容が大切で、あまり
     に過酷な政治を行なえば、民を疲れさせ国を滅ぼすもとになるばかりであるというたとえ
     ※古事談(1212‐15頃)一「大絃急時者小絃不堪」 〔後漢書‐陳寵伝〕

     アベノマスクの配布目的はコロナの感染予防ではなく、国民の抗議の口封じだったのか、なる程ね。それにしては
    お粗末な代物だったが、その購入代金の明細もまた闇の中である。何所にどれだけ支払ったのか、あるいは支払わ
    なかったのか、支払わなかったとすれば、それは誰の懐に入ったのか、これも解明されていない。
     靖国小僧は事あるたびに「説明責任は私にあります」と言うが、どの問題についてもそれを果たしたことが無い。
    常に論点のすり替えと当事者?への責任転嫁で逃げまくる。「問題ない」「それは当たらない」「個人情報です」の連発
    で、まともに答えようとはしない。
     昨日の共同通信は怪盗・靖国小僧について最新のニュースを伝えている。

        「桜」巡り首相らの告発状提出へ 全国の弁護士ら500人以上    5月15日配信

    安倍晋三首相主催の「桜を見る会」を巡り、2018年4月開催の前夜に後援会が東京都内のホテルで開いた夕食会で、
   参加した有権者に飲食代を提供したとして、全国の弁護士や法学者が21日にも、公選法違反(寄付行為)などの疑いで
   首相と後援会幹部の計3人の告発状を東京地検特捜部に提出することが分かった。15日、関係者が明らかにした。
    宮城県の弁護士有志が1月、桜を見る会問題を追及する会を結成。同様の動きは全国に広がり、告発人は弁護士、
   法学者ら500人以上となる見込みだ。首相は国会答弁で「(会費は)ホテル側が設定した」と説明、支援者への利益供与を
   否定している。

     次は私が信頼する地方新聞の一つである河北新報の13日の社説だ。全文転写する。

        検察庁法改正/一度白紙に戻して出直せ

     政府、与党がもくろむように法案の早期成立を許せば、法治国家の存在意義が根本から問われかねない。
    検察官の定年を延長する検察庁法改正案である。衆院内閣委員会で審議されている。改正案は検察官の定年の63歳
    から65歳への引き上げと、検事長などの検察幹部が63歳で一般の検事となる「役職定年制」が柱だ。この点には野党も
    理解を示している。
     問題なのは、内閣が認めれば役職定年の延長を可能としていることだ。
    検察は刑事事件の捜査、起訴の権限を与えられている。行政府の一部でありながら、必要であれば「首相も逮捕できる」
    という高い独立性を保ってきた。時の政権の意向で人事が左右されるようになれば、独立性や中立性が侵される危険性を
    はらむ。
     そもそも昨年秋の段階でまとめた改正案には、役職定年延長の部分はなかったという。それが今年になって付け加えら
    れた。政府は検察官に定年延長を適用しないとしてきた従来の法解釈を1月に突然変更し、定年となる東京高検の黒川
    弘務検事長の続投を閣議決定した。この人事と密接に絡むと野党は指摘している。
    黒川氏は首相官邸の信頼が厚いとされる。次期検事総長に黒川氏を据える布石とみられている。そのことも野党は政治
    介入と問題視しているが、今回の法改正は続投人事を後から正当化するための「つじつま合わせ」と激しく反発している。
     衆院での審議に、検察庁法を所管する森雅子法相は出席していない。政府が他の国家公務員の定年を60歳から65歳
    に段階的に引き上げる国家公務員法改正案と一体で審議する手法を取ったため、審議の場が法務委員会ではなくなった
    からだ。
     森法相は黒川氏の検事長続投を巡る国会審議で、発言が二転三転した経緯がある。森法相を表に出したくないからだと
    批判されても仕方あるまい。
     恣意(しい)的な検察人事につながるとの批判に対し、自民党の森山裕国対委員長は「内閣は国民が選んだ人たちで構
    成される。非常に公正公平なやり方だ」と反論している。
     しかし黒川氏の続投決定を立法府の手続きを経ない、事実上の法改正と言うべき解釈変更によって強引に行ったのは
    安倍内閣だ。しかも文書に残さず、口頭で内閣法制局や人事院の決裁を得たと、信じがたい釈明をしている。内閣の「公正
    公平」を疑わせているのは安倍内閣自身だろう。
     ツイッターで、検察庁法改正に抗議する投稿が数百万を超えた。新型コロナウイルスの感染拡大で直接行動ができない
    国民の意思の表れだ。まず黒川氏の人事を白紙に戻し、検察庁法改正案の審議は切り離して法相を交えて徹底的に行う
    べきだ。

     この数日、超有名な二人のコイズミさんについて考えている。
    一人は女性の小泉今日子さんだ。1966年生まれの54歳。職業は女優、歌手、随筆家。この女性の言動は闇夜のキャン
    ドルを思わせる。

         発言する芸能人・小泉今日子が掲げる「自由と独立の旗」  5/15(金) 10:02配信  ERIDAY 

            月22日 長期政権の腐敗に怒りのツイートをした小泉
      「人間だから間違えや失敗は誰にでもあるだろう。一生懸命やった結果だったら人はいつか許してくれるかもしれない。
     でも汚らしい嘘や狡は絶対に許されない。カビだらけのマスクはその汚らしさを具現化したように見えて仕方がない。」

       小泉今日子「もうなんか、怖い」 検察庁法改正案にツイ連投抗議も…  5/14(木) 9:38配信 デイリースポーツ

      安倍政権が検察庁法改正案を強行採決する構えをみせている問題で、ツイッターで「#検察庁法改正案に抗議します」
     のハッシュタグを付けた投稿を連投している女優・小泉今日子が、13日深夜、「もうなんか、怖い。」とツイートした。

     もう一人の小泉さんはポエムの進次郎君だ。1981年生まれで39歳。職業は芸能人的政治屋。
    この人はある時期までは自民党の客寄せパンダと呼ばれていた。人気者だったのだ。しかし、転落した。
     「小泉進次郎に政治力はない、あるのは性事力。それも抜きん出ている」と60年以上の歴史を持つ出版社系週刊誌『週刊
    新潮』が褒め上げた記事から流れが変わった。 結婚を機に、あっという間に清廉な貴公子から、スキャンダルまみれの“堕ち
    た偶像”になってしまったということだそうだ。
     また別の週刊誌は、進次郎君の「甘い生活」をより詳しく伝える。『週刊文春』2015・8・13号。

      元復興庁職員の女性と密会した「東京プリンスホテル」の宿泊代(約69万円)も入っていた。しかも同じ時期に、女性実業家
     で亭主も子供もいるA子とも“不倫”していて、彼女との逢瀬のホテル代も同じように政治資金で払っていたというのである。

      進次郎君で検索してみれば次のような情報が出てくる。

    「1」 福島の汚染土の問題について、「30年後の自分は何歳か、発災直後から考えていた。健康でいられたら、その30年後
        の約束を守れるかどうかの節目を見届けることができる政治家だと思う」と答弁。これは竹下登元首相の「言語明瞭、
        意味不明瞭」話法であり、永田町文学における竹下派がよく用いる話法である

    「2」 2019年9月22日に開かれた地球温暖化などを議論する国連の気候行動サミットにて環境大臣として参加した際、「気候
       変動のような大きな問題は楽しく、クールで、セクシーに取り組むべきです」と発言し、大手海外メディアも報じるほどに国
       内外で物議をかもした。また、2019年12月11日、第25回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP25)での日本の消極的
       姿勢が理由で日本が「化石賞」に選ばれた際は、「驚きはない。受賞理由を聞いて私が演説で発信した効果だと思った。
       的確に国際社会に発信できていると思う」と発言した
    
    「3」 日本国内で新型コロナウイルスの感染が発生してる中、2020年の2月16日に開かれたコロナウイルスの感染症対策本
        部を欠席。小泉氏は後援会の予定を変更せず、神奈川県横須賀市の後援会に出席した。野党の追及に小泉氏は「反
        省」という言葉を何度も口にし釈明に追われた。

      進次郎君に関する直近のニュースは5月12日配信の『FLASH』からだ。

         小泉進次郎、産廃業者に出した「ポエムな手紙」に失笑の声

     「こんな手紙を受け取って、思わず失笑してしまいました。現場のことをまったくわかっていないからです」
    そう語るのは、茨城県の産業廃棄物処理会社の社長。「手紙」とは、小泉進次郎環境大臣(39)が全国の廃棄物関係事業者
    団体宛に送付した “感謝の手紙” だ。
     文面を見るだに、お得意の“ポエム”が炸裂していると知れる。新型コロナの感染拡大が収束しないなか、閣僚としてプレゼン
    スを示すのに苦労しているさまが伝わってくる。政治部記者が語る。
     「力を入れる二酸化炭素排出削減をめぐる国際的な議論も中断されているし、環境省内のテレワーク実施率を7割まで上げ
    るなど、時局に合わせた改革を実践しているが、ほとんど報道されない。見せ場に困っているんでしょう」
    苦肉の策として考案したのが、“手紙作戦” というわけだ。
    「コロナ禍で家庭ごみが増加したり、廃棄物処理業者が感染の危機に晒されるなか、環境大臣として何かできないかと、自ら
    発案したそうです。文案は役人が作成し、小泉氏自身が推敲して仕上げたそうです」(環境省担当記者)
     大臣肝いりの文書について、環境省は「厳しい状況下においても日々の廃棄物の処理に従事されているすべての皆様に対し、
    感謝の意をお伝えする趣旨で発出したものです」と話すが、前出の産廃処理会社社長の反応は手厳しい。
    「政府は医療従事者には手厚くサポートするのに、私たち産廃業者のことはなおざりです。雇用に対する助成や、危険な業務を
    していることに対する補償など、ほかにもっとやるべきことがあるはず」
    じつは当の環境省内でも、小泉大臣の評判は芳しくない。自民党関係者が明かす。
    「“クールビズ” をはじめ、環境省では20件ほどの啓発週間を設けているのですが、その多くを廃止すると言いだしたんです。
    党や官邸も寝耳に水だと猛反発しています。しかも、“動物愛護週間” は残すと言っていて、動物保護に熱心な妻・滝川クリス
    テル
さんの影響ではと呆れられています。
     新しい政策をぶち上げては、各方面から猛反対を食らって撤回するような事例が相次ぎ、幹部たちも困り果てている。彼の入閣
    を仕掛けた菅義偉官房長官も、とうとうサジを投げたそうです。小泉氏としても、誰にも迷惑をかけないパフォーマンスをするしかな
    いということから、今回の手紙に繋がったのでしょう」
     別の自民党関係者は、父親との違いを指摘する。
    「最初に耳目を集めるようなお題目をぶち上げるのは、小泉純一郎氏と同じ流儀ですが、彼は裏できちんと根回しをしていたんです。
    それができない進次郎氏は、味方を失っていく一方なんですよ」
    夢を語る前に現実を直視すべきかーー。

     苗字は同じ「コイズミ」でも内容はかなり違う。女性の方は芸能を職業とする常識人であり、男性の方は政治を職業とする非常識
    人である。女性の発現は論理的であり、男性の発言はポエムであって、意味不明である。この違いは何だ、誰か分かる人がいたら
    教えてくれないか。
     今日子さんが観ているのは独裁政治下のコロナ感染拡大の状況である。進次郎君が観ているものは、それが分らない。



         「

             2020・5・15 

    コロナ関連のニュースを拾い読みする。昨日も色々あった。
   私の意見は、今日は書かない。

  1  世界最大のカジノ運営企業である米国のラスベガス・サンズ(シェルドン・アデルソン会長)が13日、日本進出を
    断念すると発表しました。
     同社の同日付報道発表は「日本における統合型リゾート開発(IR)の機会を追求しない」としたうえ「今後、日本以
    外での成長機会に注力する」としています。

  2   日本相撲医協会は13日、西三段目82枚目の勝武士(しょうぶし)さん(本名末武清孝――すえたけ・清隆――
     山梨県出身、高田川部屋)が同日未明、コロナウイルス性肺炎による多臓器不全のため、東京都内の病院で死去
     したと発表しました。28歳でした。協会員の新型コロナによる死は初めて。

  3   自民党の河井案里参院議員(46)――広島選挙区――が初当選した昨夏参院選で地元政界に現金が配られた
     疑惑で、現金配布は、夫で同党衆院議員の河井克行前法相(57)――広島3区――が主導した疑いがあることが
     13日、関係者への取材で分かりました。検察当局は、公選法で禁止された買収行為に該当する可能性があるとみ
     て詰めの捜査を進めているもようです。

  4  「青森・西北五9条の会」「東京・日の出九条の会」
       


    5  新型コロナウイルスの死者が多い上位8カ国と世界総数

        
   死者  感染確認者  回復者
世界総数   291、981  4、262、799  1、493、450
 アメリカ   82,387  1、369、964    230、287
 イギリス   32、769    227、741      1、023
 イタリア   30、911    221、216    109、039
 フランス   26、994    178、349     57、898
 スペイン   26、920    228、030    138、980
 ブラジル   12,461    178、214     72、597
 ベルギー    8、761     53、779     13、732
  ドイツ    7、738    173、171    147、200

    6  4月の企業倒産15%増  
               前年比  中小・零細にコロナ直撃
       東京商工リサーチが13日発表した4月の全国企業倒産状況によると、負債額1000万円以上の倒産件数は
      前年同月比15・1%増の743件で、8カ月連続で増加しました。新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛
      で飲食や宿泊業の破綻が相次ぎました。特に資本金1000万円未満が全体の66%を占め、中小・零細企業への
      影響が一段と目立ちます。

    7   自民党の泉田裕彦衆院議員は13日、短文投稿サイト・ツイッターで、自身が委員を務める衆院内閣委員会で
       審議中の検察庁改定案に言及し、「国民のコンセンサス(一致点)は形成されておらず、審議を尽くさないままで
       の強行採決は「自殺行為」だとして、与党理事に「採決強行なら退席する」と伝えたことを明らかにしました。
        同氏は、「退席」を予告した直後、内閣委員から外されたとツイッターで投稿。造反議員を除外してでも同改定
       案の採決を強行しようという自民党の強硬姿勢があらわになりました。

    8   沖縄と全国の奮闘で、何としても党7議席、オール沖縄の勝利を勝ち取ろう
                                        小池書記局長の訴え(要旨)

        米軍嘉手納基地でコロナの感染者が出ました。しかし基地の中に住んでいるのか基地の外なのかも、米軍は明ら
       かにしていません。感染症対策でも米軍には日本の国内法が適用されない。こんなことでは県民の命と暮らしは守れ
       ません。国内法適用のためにも、日米地位協定の抜本改定が必要です。
        第2に、検察庁法の改悪という火事場泥棒です。安倍政権と自民、公明、維新は検察最高幹部の人事に内閣が介入
       できる仕組みをつくろうとしています。三権分立を脅かすと、日本弁護士連合会も反対声明を出しています。ツイッター
       では短期間に900万に及ぶ怒りの声が上がり、著名人や芸能関係者の皆さんがいっせいに声を上げています。まさに
       日本の民主主義の底力が示されています。

     9  検察庁法 改悪に「二重の危険」
                      志位委員長が会見

        日本共産党の志位和夫委員長は13日の党首会談後、国会内で記者会見し、検察庁法改悪について、「政府の一存で、
       幹部検察官の定年延長の是非を決めることができる。検察官はキャリアの最後の時期に、いわば生殺与奪の権を政府に
       握られることになり、政治的独立性・中立性が侵害され、三権分立と法治主義を危うくする」と強調し、これにより「二重の危
       険」が出てくると明らかにしました。
        一つは、行政権力に対するメスを入れられなくなる危険があることです。志位氏は、「検察は、かつて内閣総理大臣の経験
       者をも逮捕したことがある。このような行政権力に対して捜査のメスを入れることは、検察にしかできません。これができなく
       なる危険がある」と指摘しました。
        もう一つは、行政権力と検察権力が一体化した場合に、国策捜査が行われる危険です。志位氏は、「不当な国策捜査が
       やられる危険もあります。ブレーキが利かなくなってしまう」と指摘し、「政府案は、こうした『二重の危険』がある大改悪だと
       いわなければなりません」と強調しました。

    ※      泉田裕彦(いずみだ ひろひこ)
       
1962年生まれ(57歳)。出生地は新潟県加茂市。京都大学法学部卒。前職は経産官僚、新潟県知事。
       自民党衆議院議員(二階派)。

    ※   7番目のニュースに関連する投稿文を読む。
       1  ●安倍晋三を汚職逮捕から逃れるための違法な検察庁法改正

      2  
●この安倍晋三自民党のスピード感ある対応に批判が殺到している
          これを見ればわかる様に自民党はもう独裁政党です。意見しただけで委員を外されたそうです。もう自民党か
          ら離れた方が良いです。あんな狂った政党にはオカシイ人しか残れません。強行採決に反対した泉田議員を
          支持します。 #検察に安倍首相に対する捜査を求めます

       3  「強行採決をすべきでない」という、健全な議会制民主主義を実現する上で至極当然な主張が、自由民主党
          って所では更迭沙汰になるらしいです。 これで「自由」「民主」党と名乗る欺瞞。 #検察庁法改正案に抗議します
          #検察庁法改正法案に抗議します
#検察庁法改正に抗議します

       4 ほほう。反対意見は許さない…と。 さすがは独裁政権。今回の法改正をどのように使うつもりなのか、よく分か
         る行動ですね。 もう、自由民主党なんて名前返上してもらいたい。不自由独裁党とでも名前変えればどうでしょ
         うか?


 
       「ツイッター・デモ」

         2020・5・14

   「全国革新懇ニュース」5月号の第一面は元特捜検事・弁護士の郷原信郎さんのインタビュー記事だ。
  タイトルは「違法な検事定年延長は絶対に許されない」。これはコロナ危機の中で起きた火事場泥棒事件について
  元検事が問題の本質がどこにあるのかを解説したものだ。以下にその抜粋を書き写す。

         有罪率99パーセントが示すこと
    閣議決定はどう考えても違法で、しかも稚拙です。検察庁法は、退官年齢を明確に規定し、その年齢を超えて検
   察官として勤務することを禁じています。それは、極めて強大な検察官の権限に制限を設けるためです。
    特定の検察官を勤務延長させ、検事総長への道を開くなど許されるはずがありません。
         危険な権力が強大な権力の支配下に
    定年延長がなぜ許されないのか。それは、「検察の独立性」を侵害するからではなく、危ない権力機関を、強大な
   権力を持つ安倍内閣が違法な手段で支配下に収めることに重大な問題があるということです。
   
    出世する役人は往々にして、国民に寄り添うのではなく政治権力にすり寄ります。常に権力者に忖度し、「政権に
   迷惑をかけない」ということを最大限に考えていた官僚中の官僚だったのが、元財務省理財局長の佐川氏でしょう。
          森友再調査不要は論外
   
 近畿財務局職員の赤木俊夫さんの手記は、胸に迫ります。
   赤木さんは信念として「決裁文書をそのまま表に出すことは、国民との関係では当たり前だ」と考えたのです。真っ直
   ぐで、使命感を持つ人でした。「佐川氏のパワハラには誰も逆らえない」。この一文が全てを表しているじゃないですか。
   佐川氏は明確な指示をしていません。「こういう決裁文書はよくない」と原則論のみを言って、赤木さんなど部下を追い
   込み改ざんの実行役を押し付けていった。これは最悪のパワハラでしょう。自らの手を汚さない分、いっそう汚い。
           検察官の良心に従うなら
    
検察官は、自らの信念と良心に基づいて仕事をすべき職業です。将来を上司に握られてうるような仕事のあり方が
   問題なんです。

    このニュース・ペーパーの4面はライターの武田砂鉄さんの随想だ。これも少し書き写す。

       こんな時だからこそ、批判しなければいけない
    
とにかくこの政府は補償を嫌がる。たとえば、小中高の一斉休校によって働くことができなくなったフリーランスには、
   1日につき、4100円が支払われることになった。1カ月換算で12万円だ。当初、その補償から性風俗業などを除こう
   とした。緊急事態宣言が出てもなお、「自粛を要請するが補償はしない」という姿勢が維持され、働かなければ暮らして
   いくことができない人たちに向けて、ひたすら「家にいましょう」と言い続けた。
    自粛を要請してきながら補償をしない。国民の声を引き受けて、制度を設ける。その多くが給付ではなく貸付だ。あま
   りにも国民の生活を軽視している。
    こんな時だからこそ、批判しなければいけない。

    「全国革新懇ニュース」の年間購読料は1200円+郵送料。申し込めば誰でも読める。
   申込先は☎03(6447)4334、ホームペイジも開設している。
    上の二つの問題に関連して、この数日、「ツイッター・デモ」という言葉を耳にすることが多い。
   コロナ感染拡大に出口が見えない状況下で、3密を避けて路上から空間に場所を変えて新たな市民運動のスタイルだ。
   
既に500万人の人が参加している。この中には多くの著名人の名前も見られ、政治的立場を問わずの市民運動として
   急激に発展している。
    昔はどの家庭でもお父さんが最初に朝刊を読んで、家族全員が社会の動きについて知るという風景であった。
   次の時代は、テレビが全国に普及して、ニュースは家族全員が同時に観るものとなった。読むから観るに受容のスタイル
   が変わった時点でニュースは娯楽性を帯びるようになった。
    そして今、多くの人は新聞を読まない。テレビもまた観ない。
   今は「SNS」の時代だという。何のことかと検索してみれば、次のような説明が出て来た。

            SNSとは?

    代表的なSNSと言えばFacebookやInstagram。ソーシャルなネットワーク作りに使えるサービスがSNS。
   SNSとはSocial Networking Service(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の略です。ソーシャルなネットワーク作り
   のために使用できるオンライン上のサービスのことをSNSといいます。
   「ソーシャルなネットワーク?」意味がよく分かりませんね。ソーシャルとは、「社会的な」という意味の英語です。友達や家族と
   いった既知の人々から、まだ出会ったことのない人やグループを想像してください。それから「ネットワーク」という単語は、”交
   流”という日本語に置き換えてみましょう。
    つまり、自分の仲間と情報や写真をシェアしたり、チャットをしたり、自分の関心のある分野の記事を引用して、同じ趣味の人
   を探したり・・・そんなことができるのが、ソーシャル・ネットワーキングです。

     それで何が変わったか。新聞を読む、テレビを観る、読むと観るとでは大きな変化であり、それをもたらしたのは科学の進歩
    と言うものだろう。しかし、基本的にはどちらも受信であり、受容であり、受け止めた者のその時点での意思表示ということは
    起こらない。此処からさらに科学が進歩するとどうなるのか。その答えの一つが「SNS]と呼ばれるものなのかもしれない。
    社会の出来事に対して有名無名を問わず全ての人が自分の意見を発信する、今、これが可能となった。
    勿論、だからといって問題がまったくないわけではない。
    科学がもたらしたものを使用するのは人間である。そして、人間は嘘をつくことの出来る唯一の動物である。
    社会の出来事に一個人が自由に受発信することが可能になった今、これが表面だとすると、その裏面は監視社会の出現で
    ある。未だルールは出来ていない。自由な受発信の中にはフェイク(偽物)もヘイト(差別)もある。このことは注意しておかな
    ければならない。
     さて、「ツイッター・デモ」とは何か、ちょっと覗いて見る。
    

がこれまでと違うのは、今まで動かなかった知識人や政治と
  距離を置いてきた芸能人を含む各分野の著名人が率先して声を上げたことだ ネット住民だけなら無視できたNH
  Kでさえ報道せざるを得なかった理由でもある 一時的な現象に終わられてはならない。



 

日本がこれ以上 沈没してしまわないように 止めないと!!





安倍晋三の安倍友犯罪揉み消しトリオ





 



        「赤旗の記事」

         2020・5・13 

    11日の新聞から最重要だと思われる記事を二つ書き写す。
   最初のものは安倍独裁の恐怖政治に抵抗者として姿を現した様々な市民の声を伝えるものだ。
   二つめは私の尊敬する政治学者・白井聰さんの「コロナ後の世界」についての発言だ。これは全文転写する。
   白井聰(しらい さとし)さんは1977年生まれの42歳。若い人である。京都精華大学専任講師。専門は社会思
   想、政治学。
    何年か前、この人の『未完のレーニン』(講談社・2007年)、『永続敗戦論――戦後日本の核心――』(太田出
   版・2013年)を読んだ。その頃は白井さんはまだ40歳になっていなかったはずだが、こんな若い人が歴史をこの
   ように分析し、世界をこのように解釈するのかと驚いた覚えがある。正直なところを言えば、衝撃だった。
   つまり、それは恥ずかしながらに云えば、学びの体験だった。以来、白井さんの発言は、私が最も注目する人間の
   一人のそれとして耳を傾けるようになった。
    今日の発言の中に「黄禍論」という言葉が出てくる。

     イエローペリル 【yellow peril】
    「黄禍論(こうかろん・おうかろん)」とは、19世紀後半から20世紀前半にかけて欧米やオーストラリアなどの白人
   国家において現れた、黄色人種脅威論であり、人種差別の一種である。
    ヨーロッパから見ての黄禍の対象は古くはモンゴル帝国であったが、近代に入ってからの対象は中国人、日本人
   となり、アメリカでは1882年に排華移民法が制定され、1924年には排日移民法が制定された。
   原爆投下の思想的根拠も黄禍論である。悪い黄色人種を懲らしめるという差別観が人体実験をしたということである。
   前置きはこれで止める。記事をお読みください。

    「1」  検察庁法案 空前の抗議
            ツイッターで急上昇 400万件突破    著名人も続々

     政府・与党などが検察庁法改定案の国会審議入りを強行したことに対し、ツイッター上で空前の規模の抗議
    が広がっています。検察の人事に内閣が露骨に介入できる仕組みを許していいのか―。俳優や漫画家らも次
    々に声を上げる中、ハッシュタグ「#検察庁法改正案に抗議します」のツイートが、投稿数の多い「トレンド」1位
    に上昇。10日夕には、400万件を超えました。
     ハッシュタグを付けて投稿したのは、俳優の浅野忠信さん、城田優さん、秋元才加さん、タレントの大久保佳代
    子さん、演出家の宮本亞門さん、歌手のきゃりーぱみゅぱみゅさん、漫画「ガラスの仮面」作者の美内すずえさん
    ら。小泉今日子さんが代表を務める会社アカウントの投稿もありました。
     俳優の井浦新さんは同日朝、「もうこれ以上、保身のために都合良く法律も政治もねじ曲げないで下さい。この
    国を壊さないで下さい」とツイート。7万を超える「いいね」が寄せられています。
     問題の発端は、官邸に近いとされる黒川弘務東京高検検事長を、検察トップの検事総長に据えようと、安倍内
    閣が同氏の定年延長を閣議決定したことによるもの。従来の政府の法解釈すらねじ曲げるやり方に厳しい批判
    が相次ぐと、安倍内閣は定年を引き上げ、政府の判断で検察幹部が特別に要職にとどまれるようにする法改定
    によって無法を押し通そうとしています。
    著名人から続々と声が上がっていることに、ネット上では「勇気をもらえる」など連帯が広がっています。

     「2」 新型コロナが問う日本と世界
          資本主義の構造的問題    政治学者 白井聡さん

    新型コロナは、いまの社会のあり方について何を問いかけているのか。政治学者の白井聡さん(京都精華大学専任
   講師)に聞きました。(渡辺健)

     新型コロナウイルスの感染拡大には、資本主義の構造的問題が現れています。いくつかのレベルに分けて整理し
    てみます。
     第一に、新自由主義化による社会の脆弱(ぜいじゃく)化が露呈したことです。イギリスやイタリアで大きな被害が出
    ています。長年の緊縮財政によって公的な医療資源が削減されてきたところを感染症が直撃して医療崩壊を引き起
    こしたことが一因です。
             命の不平等顕著
     第二に、ニューヨークの状況などで顕著のようですが、富者の命は守られやすく、貧者の命は失われやすいことです。
    公的健康保険制度が貧弱なアメリカでは、貧困層はよほどの重症にならない限り病院に行こうとしない。支払えないか
    らです。よって今回のケースでは、手遅れになる場合が貧困層で多いという。激しい階級格差が命の不平等として現れ
    ています。
     こうした状況は人ごとではありません。幸運にも日本で感染爆発は起きていませんが、しかし仮に西欧やニューヨー
    クのように爆発していたら、例えば大阪では「二重行政の解消」の名の下に生じていた医療資源の貧弱化を直撃してい
    たはずです。全国レベルでも、医労連の森田進書記長によれば、1998年に9060床あった感染病床は現在では18
    69床まで減少しているという。極限まで余裕を削って効率化するという新自由主義の考え方がいかに危ういものなのか。
    いま思い知らされているのです。
              搾取の連関構造
     資本主義の問題の最も巨視的なレベルは、南北問題です。多くの識者が指摘していますが、新型ウイルスによる感染
    症の発生の背景には、発展途上国における乱開発があります。森深くに眠っていたウイルスが、開発が進みすぎること
    によって人間世界に出てきてしまって問題を起こす。途上国が自然を破壊しながら工業化を進めることで豊かになろうと
    する。それ以外に豊かさへの道がないという世界資本主義の構造こそが問題なのです。先進国は途上国を搾取し、途上
    国は自然を搾取する。この搾取の連関構造の問題は、しっぺ返しのように先進国住民にとっての巨大な脅威となって戻
    ってきました。
              米中緊張激化を憂慮
     「コロナ以後」の世界に関して私が最も憂慮しているのは米中関係です。欧米、とりわけアメリカで、「黄禍論(こうかろん)」
    が復活しています。コロナ以前から米中間には緊張が走っていたわけですが、コロナ以後にはそれは比較にならないくらい
    高まると私は見ています。仮にアメリカでのコロナ犠牲者が10万人に上るとしたら、「中国によって10万人殺された。われ
    われはその仕返しに中国人を10万人殺す権利がある」―こうした感情が支配的になってくる。トランプ政権は、国内の支持
    固めのために、この感情を抑えるどころか積極的に活用しようとしている兆候があります。要するに、米中戦争の可能性が
    飛躍的に高まるということであり、しかもこうした感情にとらわれた人々は、中国人と東洋人一般の区別がついていません。
     この予測が当たらないことを願っていますが、分断・敵対の感情をどうやって協同・協力のモードへと転換させるのかが、
    途轍(とてつ)もなく重要な課題となります。そのために両者に対してどのように語りかけていくのか。日本にとって文字通り
    の死活問題です。



        「間歇的記憶」

          2020・5・12 
 

     ツイッギー

   「消え去ったアルベルチーヌ」 第六篇

     高遠弘美訳  光文社古典新訳文庫

  本訳書は、全7篇からなる『失われた時を求めて』の<第6篇>に当たる。
 プルースト死後64年目の1986年、彼が最終的に手を入れた<第6篇>「消え去った
 アルベルチーヌ」のタイプ原稿が発見された。
 そこで翌87年、それがフランスのグラッセ書店から<第6篇の決定版>と銘打って
 刊行された。その全訳が本書である。
 じっさい、これまでの<第6篇>と較べると、文章に数々の異同があり、そうした個所
 については、ひとつひとつ、詳細な「註」が付されている。


   高遠弘美(男性)、明治大学教授、フランス文学者。


 

    今日は休日、朝早くからトライアルに車を走らせ、プリンターのインクを2本(ブラックとライト・シアン)とコピー用紙を
   買った。その帰りにホームセンターを2店ほど覗いて野菜の苗を見て回った。まだ種類は少ない。今年はハーブ(香草)
   もやってみたいね。「医学の友にして料理人の称賛の的」という奴だ。バジル、タイム、セージ、なんだか想像するだけ
   でも楽しくなってくるね。これといって理由はないのだが、毎日が楽しくてしょうがない。
    次に郵便局へ手紙を出しに行った。3密を避けてということなのだろう、外に行列ができていた。最後尾に並んで入局
   を待つこと20分、コロナは生活を脅かす現実だね。それが済むと今度はスーパーマーケットだ。100円ショップで大型
   封筒を2組買った。やる気満々である。
    そして黄昏時、優しい妻が私の大好きな牛のスペアリブと鮪のお寿司を用意してくれた。今日の酒は、懐かしのビート
   ルズの『アンド・アイ・ラブ・ハー』を聴きながら呑むのにふさわしい幻の銘酒「スーパーニッカ」だ。これをオンザロックで
   呑む。この一本は、5月3日の憲法記念日に稲穂9条の会の金田幸雄さんがプレゼントしてくれたものだ。もっと頑張り
   なさいという励ましの医薬品か、感謝。

      かくて、われらは今夜も呑む、たしかに芸術は永く、人生は短い。
      しかしこの一杯を飲んでいる時間くらいはある。黄昏に乾杯を!

    この一本は、日本のウイスキーの父と呼ばれる竹鶴政孝が1961年(昭和36年)に死去した妻リタに捧
  げるため、余市蒸留所に籠りきりになって開発したブレンデッド・ウイスキー、言わば、スコットランドのロ
  マンを追想した「愛の賛歌」というべきものだ。

   「愛というのは、相手の幸せを願うもの。お互いの幸せが何であるかを見極めて行動することが愛だと思う」と竹鶴は言
   った。
    ボトルのデザインは各務クリスタル製作所(現・カガミクリスタル)の佐藤潤四朗によるもので、セミクリ
  スタル製手吹きボトルが採用され、発売当初は3000円という高額な金額設定だった。
   ボトルについては「ウイスキーが熟成するまで何年もかかる。これは娘が大きくなれば嫁になるのも一緒なのだから、
   立派な衣装を着せてやりたい」という竹鶴政孝の強い思いがあったとされる。

   竹鶴政孝は経営者というより職人であった。それも妥協というものを厳しく拒絶する第一級の職人だった。 その人物は、
   理想、清潔、実践、というものが何であるかを訓える。だから私は昔からニッカが大好き。これは本物なのです。
   利益に拘らず本物を追求した人間、その人物も本物なのです。 私もそういう人間に成りたいものだ。
     話は変るが、最近、「消え去ったアルベルチーヌ」という言葉に出会った。
   高遠弘美という人がプルーストの『失われた時を求めて』の新訳を出し、その第6篇の題名だということだ。
   井上究一郎訳では「逃げ去る女」(筑摩書房)となっており、鈴木道彦訳でも「逃げ去る女」(集英社)となっている。
    プルーストの『失われた時を求めて』の翻訳状況は以下の通りである。
  • 井上究一郎訳 『失われた時を求めて』 筑摩書房〈筑摩世界文学大系 全5巻〉、1973-1988年
    • 改訂版『プルースト全集 1-10』筑摩書房、1984-1989年/ちくま文庫(全10巻)、1992-1993年
  • 鈴木道彦訳 『失われた時を求めて』(全13巻)、集英社、1996-2001年/集英社文庫(改訂版)、2006-2007年
    • 抄訳版が先行出版した。単行版(上・下)、1992年。文庫版(全3巻)、2002年。
  • 吉川一義訳 『失われた時を求めて』、岩波文庫(全14巻)、2010年11月 - 2019年11月(最終巻に総索引収録)
  • 高遠弘美訳 『消え去ったアルベルチーヌ』 光文社古典新訳文庫、2008年5月
    • 1980年代に発見された新たな原稿を基にしたもの。

   私が持っているのは最初に出版された共訳による新潮文庫版と井上究一郎の個人訳による筑摩書房版と鈴木道彦
  訳による集英社版の3種だ。
高遠さんのものも読んでみたいね。
    ポール・マッカートニーの『アンド・アイ・ラブ・ハー』を聴きながら、 「間歇的記憶」について考えてみようと思っていたのだが、
   ウイスキーがあまりにも美味くて、考える時間を無くしてしまった。
   その遠い昔、私も「そして彼女を愛している」と言ったのだろう。

       愛とは、心で測る時間と空間のことである。
                          マルセル・プルースト



        「反駁的読書」

          2020・5・11 

     今日のコロナ情報
            感染者数 16,537人、死者646人。


    詩人の長田弘(1936年~2015年・75歳没)に『読書からはじまる』という随筆がある。
   その中で詩人は「いい本というのは、そのなかに『いい時間』があるような本です」と言っている。
   この言葉を私流に解釈すると、いい本というのは、それを読んでいた時の自分を全的に取り戻せるような本である。
   その本の内容は忘れてしまったとしても、それを読んでいた時の自分が何者であったかを想い出せる、そういう本の
   ことである。
    詩人は読書についてこう語っている。

    自分の本棚に置く本も、そうです。一度つかったちり紙を取っておく人は、まずいない。でも本は、一度読んでも取っ
   ておく、なぜか。忘れるからです。その本がそこになくなれば、読んだことだって忘れてしまいます。その忘れるちから
   のために、本を取っておく。取っておくために、もう一度読む。このもう一度読むということが本の文化にとって抜き差し
   ならないほど大事なものなのだ、ということを考えるのです。
    読書というのは、「私」を探している本に出会うという経験です。どんなときも、わたしたちにとって、未知の親しい友人
   である本。―――のぞむべきは、本は「私」の友人、というあり方でなく、「私」は本の友人、というあり方です。

     詩人の言うように、もしも私が本の友人であるとするならば、私には多くの友人がいるということになる。中には名前
    は覚えているが顔は思い出せないという友人もいないことはないが、それでもそういう付き合いが過去にあったことだ
    けは間違いなく覚えている。
     この数日、ひょんな事から『方丈記』を読み返すことになった。本を手にした動機は、連日のコロナ感染報道の中で、
    鴨長明が生きた乱世末法の時代と共通すると思われる何かを感じたからだが、その何かを確認するという作業だけ
    であれば、再読にはそれほど長い時間は必要とはしなかっただろう。しかし、『方丈記』は、その周辺を、またその背景
    を学び直す欲求を生じさせた。それで加藤周一の『日本文学史序説』を開いた。次に唐木順三の『中世の文学』『無用
    者の系譜』『無常』の三冊を本棚から取り出した。それでも足りず今度は世阿弥の『風姿花伝』と道元の『正法眼蔵随聞
    記』『正法眼蔵』の三冊を目の前に置いた。最後に用意したのは堀田善衛の『定家明月記私抄』だ。
    どれもこれも若い時に読んだ本であるが、どれもこれも忘れてしまった本である。だから本棚というものが必要なのだ
    ろう。なるほど、確かに「人は、読書する生き物である」ようだ。
     さて、唐木順三の『中世の文学』だが、この一冊について大読書家の松岡正剛が『千夜千冊』の中で絶賛している。
 
     この本を読んでいない人と日本を語るのは遠慮したいものだ。最初に読みおわったときに、そんな気分になったこと
    を憶えている。それほどに、本書からうけた衝撃は大きかった。あまりに大きくて、本書の思索の跡をそのまま引用し
    ないで日本を語るにはどうすればいいか、ぼくはずっと病気に罹ったようなもので、その影響から脱出するのにたっぷり
    10年以上がかかってしまった。
     唐木順三は『井蛙抄』の挿話から、この一冊の思索を始めている。「文覚上人、西行をにくまれり」である。出家の身で
    ありながら数寄に遊んだ西行についての文覚の印象を突端に置いて、以降、唐木は「数寄とは何か」という思索にふける。
    いったい数寄はディレッタンティズムなのかという問いが始まり、中世の初期では数寄が「外形を極微のところまで凝縮し
    た栄華」だったことをつきとめる。それがしかし、長明で変わってくる。「数寄に対する執着にのみ頼ることが数寄」というこ
    とになっていく。ここで風雅を友とする数寄が生まれる。
    ついで数寄の背後にある「すさび」が問題になる。そこには「心理を離れた裸形の現実」がある。それは『徒然草』の思想
    でもある。裸形の現実を見つめると、そこには無常が見える。無が見える。そこで兼好は、数寄の心をいったん否定する。
    しかし、思索はそこにとどまらない。唐木の「すさび」はさらに「さび」にまで進む。「さびはすさびと同じ語源をもちながら、
    すきをも止揚する」。そこにあらわれるのが世阿弥である。世阿弥は数寄を「せぬ隙」にさえ見とどけた。
    ここから芭蕉へは一跳びである。唐木はそのことをしるして、序文をおえる。そして、このあとを、長明兼好、世阿弥、
    道元
一休、芭蕉という順で、ゆっくりと日本の中世を紐解いていく。

     ここで『中世の文学』の道元(1200年~1253年)について書かれた章を開く。

     道元は正治2年(1200)に生まれた。いま年譜と年表に頼って当時の状況を誌しておきたい。
    道元の生まれる10年前に西行が死んでいる。頼朝は1年前に死んだ。定家が頼朝挙兵にあたって紅旗征戎非吾事と書い
    てから20年の後である。道元生誕の翌年、29歳の親鸞が法然の門に入った。法然が土佐に、親鸞が越後に流されたとき、
    道元は8歳である。57歳の長明が鎌倉に下って実朝に会い、その翌年『方丈記』を書いたのだが、そのとき道元は12、3歳
    である。14歳で道元は天台座主公円について剃髪、出家した。道元20歳のとき、実朝が公暁に殺され、22歳のとき後鳥羽
    院の承久の変が起こった。24歳で入宋、26歳で如浄和尚と相見、28歳で帰国した。親鸞が『教行信証』を書いたのは道元
    入宋の翌年である。『愚管抄』の慈円の死んだのはそのまた翌年である。44歳にして道元は越前に向かった。大佛寺、後の
    永平寺を建立したのはその翌年である。

     今回、唐木順三の本を読み返して感じたことは、この人は本質的には学者である。
    石川淳の本を読んでいるとき、私は時の経つのを忘れてしまう。しかし、唐木さんの本を読んでいるときはそういうことは起こ
    らない。だからこの読書は時間がかかる。本を読んでいる間も私の意識は醒めているのである。その教科書的な文体は、私
    の読書の速力とは合わない。正直なところを言うと、松岡さんは絶賛するが、私にはその意味が分からない。
    学問的には優れているとしても、それが文学であるかどうかは別な問題である、と私は思う。
     書くということは、何よりもまず自己表現である。
    読むということは、何よりもまず自己発見である。

        一句の道著は一代の挙力なり、
        一代の挙力は尽力の全挙なり。
                            道元  正法眼蔵第41「三界唯心」   (岩波文庫)


    またしても反駁的読書である。しかし、これが面白い。
    
    


 
       「ドイツと日本の今と此処」

         2020・5・10

        今日のコロナ情報
            感染者数 15、798人、死者621人。


     「責任を認めることは恥ではない。否定することこそ恥なのだ」
                      シュタインマイヤー大統領   ドイツ降伏75年式典

    
 今日の新聞の海外ニュース。

    ドイツのシュタインマイヤー大統領は首都ベルリン市内で演説し、多くの苦しみや犠牲者を生んだナチス・ドイツの
   歴史を直視することが国際社会の信頼の獲得や民主主義と自由を守りことにつながると語りました。
    シュタインマイヤー氏は「私たちが(ナチスの)過去から解放されることはない。思い出すことを怠れば未来を
   失う」
と強調。ドイツの歴史は数百万人の苦しみや殺りくの責任を負っているとして「責任を受け入れるからこそ世界
   の人々から再び信頼され、私たち自身もドイツを信頼できる」と述べました。

    ドイツの政治家は過去の出来事を自身が犯した誤りであると認め、そのことを反省している。日本の政治家も過去
   の出来事を後悔するが、それは運が悪くて戦争に負けたという意味であって、自身の犯した戦争犯罪について後悔す
   ることはなく、それどころか奇妙な聖戦史観をもってそれを美化する。そして、事実は教科書から削られていき、復古
   主義がコロナのごとく感染拡大し続ける。
    ドイツの大統領は極右勢力などを念頭に「それに耐えられず終止符を打とうとする者は、戦争やナチス独裁がもたら
   した大災害を否定するだけでなく、私たちが成し遂げてきたすべての良いことを台無しにしてしまう」と述べた。
   しかし、日本では安倍政権そのものが極右勢力なのである。従って、戦後75年にあたって日本政府が過去を反省する
   言葉を発表することはない、それどころか過去を正当化するために信仰の自由を盾に靖国参拝が集団で行われる。
   だから、国際社会の信頼を得られない、そしてまた民主主義も自由も抑圧される。
    新聞の連載記事「新型コロナが問う日本と世界」、今日の発言者は岡野八代さんだ。


      「ケア軽視の政治転換を」
                  同志社大学教授 岡野八代さん

     新型コロナウイルス感染症の問題は、社会を支えている「家庭」「家族」の役割を浮き彫りにしました。
    人と人との接触によって感染が拡大する新型コロナの防止のために、「ソーシャルディスタンス」、つまり社会的距離をと
    ることによる“隔離”が必要となったことから、経済や教育などの人間の社会的な営みが分断されてしまいました。そのた
    め、人々の主な避難や療養の場所は、「ステイホーム(家にいよう)」の言葉通り「家庭」になりました。家庭で家事や育児、
    介護の大半を担っているのは女性です。家庭への負担増は、女性への負担増を示しています。
          女性差別の構造
     日本では、安倍晋三首相による「一律休校要請」は、学校が担う教育や児童の安全確保をなし崩し的に家庭に押し付
    けたものです。そのうえ、ひとり親世帯など家庭への配慮は極めて不十分です。一律10万円給付は「世帯主」を「受給権」
    者としており、DV(ドメスティックバイオレンス)の実態を考慮したとは言えません。家庭の負担を激増させるコロナ危機の
    構造のなかで、各家庭の事情によって異なって現れる諸問題に十分に対処できていないのは、政治の機能不全です。
     安倍政治の転換は当然です。 政治が女性差別の現状と構造に向き合い、憲法が規定する人権尊重へと転換すべき
    です。そのためには、政治に人間や社会の「脆弱(ぜいじゃく)さ」を前提に考える「ケアの倫理」が必要です。
           個人の尊厳保つ
     人間は乳幼児などの児童期、けがや障害、高齢期などさまざまな場面で誰かに依存し、また依存される存在です。この
    依存関係が保育や介護などのケア(世話、管理)行為を必要とし、それによって個人の尊厳は保たれます。
     ケアする側には何が必要なのか、適切なコミュニケーション(交流)が求められます。人間の脆弱さを認め、気遣いや聞き
    取りをし、誤りがあれば改めるなど、ケアの営みを通じて生まれる価値や態度が「ケアの倫理」です。
    ケア抜きに社会は成り立ちませんが、歴代の自民党政権は軽視してきました。育児や介護などの最終的な責任を家庭と女
    性に押し付け、その一方で、医療費を抑制するなどして社会保障関係費を事実上削減し、医療や保育、介護の現場での労
    働者の低賃金など劣悪な待遇を放置してきました。
    「ケアの倫理」は個人の尊厳を支え、“もうけ第一”“弱肉強食”で自己責任を強いる新自由主義の資本主義のあり方を鋭く問
    う視点だと言えます。
           政治の措置 今すぐに

     女性の権利向上を求めてきたフェミニズムのなかで、「ケアの倫理」を政治変革の理念に据える議論が登場してきました。
    背景には、女性がケア労働を押し付けられ、蔑視されてきた歴史があります。
     国際的には、新自由主義路線で医療や福祉の削減を推進してきた国ほど「医療崩壊」の度合いが強い傾向にあります。コロ
    ナ危機を経て、社会保障強化への流れは強まらざるを得ないでしょう。同時に、「ケアの倫理」に基づく政治の措置は今すぐに
    必要です。
     国連女性機関(UN WOMEN)がジェンダー平等の視点による感染拡大の防止策を提言したように、コロナ危機のもとでジ
    ェンダーや親子などの力関係に基づく「女性や子どもへの暴力」は深刻化しています。すでに若年の女性への食事提供や宿泊
    支援を行う「Colabo(コラボ)」やDV被害者を支える「全国女性シェルターネット」などから、被害の増加が訴えられています。
    国の不十分な行政からこぼれ落ち、“なかったこと”のように扱われてきた問題が浮き彫りとなっているのです。





      「転換期」

         2020・5・9 

        今日のコロナ情報
            感染者数 15、628人、死者601人。

 
        古京はすでに荒れて新都はいまだ成らず。
        ありとしある人は皆浮雲のおもひをなせり。
                                       『方丈記』

      古京とは京都のことであり、新都は福原のことである。入道相国と呼ばれた平清盛が強行した福原遷都は治承4年
     (1180年)のことで、この時、鴨長明は26歳であった。
     この2行を読んで私が思うことは都を京都から福原へ移すという地理的なことではなく、コロナ後の世界ということにつ
     いてである。安倍政権下の今を古京としてみれば、新都とは新しい政権ということになる。その政権の性格がどういう
     ものであるかということを考えるということだ。漠然としたものではあるが、イメージとしては市民参加の政治というもの
     を思い浮かべている。この場合、参考とするのは韓国とドイツのコロナに対する対応の在り方だ。
      6日の新聞がこの2カ国について伝える記事を読む。

     「韓国」
      韓国で初の感染者が確認されたのは1月中旬。2月には宗教施設から集団感染が発生しました。
     政府は、1日あたり1万件を超えるPCR検査の体制を構築。感染者を早期発見し、徹底した隔離と治療、接触者への
     追跡調査などを実施しました。一時、新規感染者が1日あたり900人を超えていましたが、4月19日には1桁台を記
     録。30日には2月中旬以来、初めて国内での発生者がゼロとなりました。

     「ドイツ」
      ドイツが他の欧州諸国と比べ、新型コロナウイルス感染による死者数を大幅に抑えることができたのはなぜなのか。
     初期に検査規模を大幅に拡大したこと以外に、一役買ったのが、平時には批判の的となっていた「過剰病床」でした。
      ドイツ医師会のモントゴメリー会長は「病床数の多さが、ドイツの新型ウイルス抑制の大きな要因だ」と評価しました。

     「日本」  藤原辰史さん(京都大学准教授)。
      忘れてはならないことは、オリンピックの延期を渋ったことで、初動が遅れたことです。報道もなかなか延期や中止の
     議論をしませんでした。今も官邸から流れてくる意見をそのまま流すような「報道」も見られます。
      批判的視野がなければ、対策もクリエーティブ(創造的)になりません。大きすぎるイベントに国威や経済の復興をか
     けるビックイベント経済政策の脆弱(ぜいじゃく)さが、今露呈しているのです。

      この数日、新聞に「新型コロナが問う  日本と世界」と題する特集記事が載っている。それを少し読む。

      5日  「思いやるべきは米でなく国民」
                 防衛ジャーナリスト・元東京新聞論説兼編集委員 半田滋さん

      韓国政府は4月16日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う対策として追加補正予算を編成し、全世帯に支給する
     「緊急災害支援金」の財源として、国防費9047億ウォン(約795億円)を削減して充てることを決定。4月30日に補正
     予算が成立しました。削減対象はF35ステルス戦闘機やイージス戦闘システムの米国からの購入費で、支払いを来年
     に先送りする方向だといいます。
         不要不急の支出
       これ以外にも、トランプ大統領から武器購入を要求されて導入を決めたイージス・アショアや、計画そのものが破綻し
      ている辺野古新基地の建設工事など、「不要不急」の支出はあります。これらを一時停止して、休業を余儀なくされて
      いる店舗への補償など、コロナで苦しむ国民の負担軽減のために使うべきです。
       また、これから夏にかけて、米軍「思いやり予算」の特別協定の延長をめぐる協議が始まります。韓国との交渉を見
      ても、アメリカは米軍駐留経費の大幅な増額を要求するのは間違いありません。
       韓国の場合、北朝鮮と地続きで、米軍の存在が必要だという理由がありますが、日本の場合、敗戦後の米軍駐留が
      始めにありき、といえます。アメリカは自国の国益のために基地を置いています。政府は「もっと払えというのなら、どう
      ぞお引き取りください」と言うべきでしょう。今、思いやる相手はアメリカではありません。国民であるはずです。
       現在の医療体制の危機やPCR検査体制の脆弱(ぜいじゃく)さは、歴代の自民党政権が医療費削減や行政改革と
      いった大号令をかけ、医療体制を弱体化させてきたことに原点があります。必要なのは自衛隊の強化ではなく、医療
      体制の見直しにあります。
       総じていえば、コロナ危機を通じて大きく変わるもの、そう簡単には変わらないものもありますが、この問題が鏡となり、
      日本の姿を映し出しています。その姿を冷静に見て、新しい道を見いだすことが求められています。


       8日  「生きた人間社会考えず」
                        東京外国語大学名誉教授 西谷修さん

         壊された「雇用」
        医療体制で問題が浮き彫りになっています。政府はこの間、「地域医療構想」に沿った医療体制の効率化を推し進
       めてきました。約440の公立・公的病院の再編統合や13万床の病床削減をしようとしています。これがまさに新自由
       主義による社会統治の路線です。
       その結果、病院体制はどうなっているかというと、集中治療室(ICU)は不足し、資材も、医師、看護師の数も足りません。
       現場は大変です。常に利潤を最大化する経営発想で最適化されたシステムは、無駄は省けと言われていて、緊急時に
       はまったく対応できません。公的セクターも経営原理という政策がここにきて危機的状況を招いています。
        日本社会はこれまで、無駄を省いた効率的な社会を目指してきました。そういう名目で壊されてきたのが「雇用」です。
       近代以降の産業社会では雇用が社会の入り口になっています。ここで排除されると、人は社会的な存在意義さえ認め
       られません。
           連帯意識を解体
        法人は「ジュリディカル・パーソン」といって法的には人間のように扱われますが、息もしない、腹も減らない、血も涙もあ
       りません。しかし経済の自由化の下では、その架空の人格である法人を機能させるために、生きている人間を絞り切り捨
       てるようなことが行われてきました。これが新自由主義です。
        新自由主義は経済思想というよりも国家統治の思想です。イギリスのサッチャー元首相が「社会などというものはない。
       あるのは家族と国家だけだ」と言ったのが典型的です。人々が結びつき連帯を伴う社会というものが、福祉に対する“依
       存”を生み出し、経済成長を停滞させているという認識で、富む者の自由と貧者の自己責任を説きました。こうした考えの
       下で、社会を個人に分断し、連携意識とか共同性に支えられている関係をすべて解体して、社会を市場に溶解させました。
       イギリスから始まったその路線が、今ではグローバル世界の原理になっています。こうした中で築かれた私的利潤と全体
       効率を第一とする新自由主義の問題が表面化したのが今回のコロナ禍だと思います。

       9日  「対応不能な新自由主義」
                      神戸女学院大学名誉教授・思想家 内田樹さん

           日米同盟に慣れ
        新自由主義の基本は「選択と集中」です。あらゆる社会活動を生産性、費用対効果、採算性などの数値的基準で格付
       けし、格付け上位者に資源を集中し、格付け下位は切り捨てる。路頭に迷うのは当人の自己責任だという考え方です。
       ただし、これは「平時の思想」です。国家の基盤が安定しているなら、その上でゼロサム的な競争ができる。でも、危機的
       状況では、その基盤そのものが揺らぐ。国民を格付けしたり、競争させたりしている時ではない。しかし、安倍政権には今
       が「非常時」であるという危機感がない。
        韓国や台湾と比べて異様に危機感がないのは、日米同盟に慣れ過ぎたからだと思います。安倍政権にはもう対米自立
       戦略がありません。自力で自前の国家戦略を立てることを断念したので、安全保障でもエネルギーでも食糧でも、国の根
       幹にかかわる政策については米国の指示に従う。わが国の国土や国富や国民の健康や安全をどう守るかについて自分
       の頭で考える習慣を失って久しい。
             責任を“丸投げ”
        だから、他の国々の政府が危機に際して、「非常時モード」に切り替えて、国民を守るためにさまざまな手だてを講じてい
       る時にも、日本政府だけは感染拡大に備えず、ぼんやり五輪開催を夢見ていた。その後も感染抑止のために効果的な措
       置をとらず、自治体と市民に責任を丸投げしている。すべて状況を甘く見た危機意識の欠如がもたらしたものです。
             グローバル化 見直し必要
        コロナ後の世界がどう変わるか。確かなのはグローバル資本主義が大幅な修正を求められるということです。これまでは
       生産拠点を人件費の安い国に移し、海外から部品を調達し、海外をメインの市場にしてきたグローバル企業が「勝ち組」で
       したけれど、そういう企業の思いがけない弱さが露呈した。必要なものを国内で調達でき、国内市場で商品がはける「内向
       き」の企業の方がこの種の危機には強いということがわかった。だから、米国は必須な医療品を国内生産に切り替える方向
       に舵(かじ)を切りました。危機に際しては「必要なものが金を出しても買えない」ということがあるということに気付いたのです。
       医療品だけでなく、エネルギーも食糧も、これから諸国はこぞって「自給自足」体制の整備に取りかかるでしょう。
        日本は必要なものがほとんど自給できない国です。にもかかわらず、世界の大勢に逆行して、さらなるグローバル化を進
       めようとしている。それがどれくらいのリスクを冒すことか。この機会に慎重に点検すべきだと思います。


 
      「出口なし」

 」
          2020・5・8

       今日のコロナ情報
            感染者数 15、547人、死者557人。

 
     韓国の今日の「聯合ニュース」は大統領の支持率について次のように報じている。

    文大統領支持率 1年10か月ぶり70%台に=コロナ対応が高評価

     【ソウル聯合ニュース】世論調査会社の韓国ギャラップが8日に発表した文在寅(ムン・ジェイン)大統領の支持率は、
    前週より7ポイント上昇の71%となった。新型コロナウイルス感染拡大への対応が高く評価されて急上昇し、2018年7月
    第1週(71%)以来、1年10か月ぶりに70%を超えた。不支持率は5ポイント下落の21%。
    調査は6~7日、全国の18歳以上の有権者1004人を対象に実施された。

     国内で最初の感染症例が確認されたのは韓国が1月20日で、日本は1月16日だが、現在の状況はかなり異なる。

          国名      感染者数           死者数
        
アメリカ      1,256,771人          75543人
         イギリス        206715人           30615人
         イタリア        215858人           29958人
         スペイン        221417人           26070人
         フランス        137779人           25987人
         ドイツ          169430人           7392人
         韓国          10822人              256人
         日本          15547人              557人

     この結果、韓国の文大統領とドイツのメルケル首相のコロナ対策を世界が称賛し、日本の安倍首相のお粗末を世界が
    笑う。なるほど無能無策の指導者を持つと国民は悲劇である。これはアメリカの場合も同じだ。数字は嘘をつかない。
    トランプが訳のわからないことを喋っているうちにアメリカの死者数は朝鮮戦争(5万4千人)もベチナム戦争(5万8千人)
    も超えてしまった。このまま推移すれば太平洋戦争の死者数9万3千人に近づく、下手をすればそれすら超えてしまう。
    この間、トランプは何をやっていたのか、何もやっていない。これは安倍首相とも同じである。
    一個人の政治的野心が優先されると、実態を把握することが出来なくなる、あるいは、それが出来たとしても有効な対策
    を立てることが出来ない。何故なら、こうした独裁政治の優先順位は何が何でもの政権の延命であって、国民の命と生活
    には全く関心を持たないからである。
    死者がどれほど増えようとも「洪水は我がなき後に来たれ」ということである。
     コロナ感染で貧しい人が路上に死亡している時、王様は暖かい部屋の中で愛犬と戯れていた。外に出て働かなくとも食
    うに困らぬ人、日本にはこういう人が多すぎるのではないか。これを特権階級というか、こういう人たちは口を開けると必ず
    「経済の再開」と言う、それを急ぐために現状の悲惨を過小に評価し、ありとあらゆる統計を操作する。
     安倍首相は4日の記者会見で、「感染者の増加はピークアウトし、収束への道を進んでいる」「これからの1カ月は出口
    に向かって進んでいく1カ月」などと何の根拠もないことを得意気に喋ったが、その後に「現時点でまだ感染者の減少は十
    分なレベルとは言えない」と付け加え、後の逃げ道を用意した。姑息な男である。
      事実、専門家会議委員の西浦博北大教授は「現在確認されている感染者は、氷山の一角」「実際は10倍以上」と指摘
     している。つまり感染の実態は把握できていないということだ。安倍晋三というのは、全くもって出鱈目な男である。
    出口など何処にもないのだ。これが現実である。
     靖国小僧は、コロナ感染は収束に向かっていると言いながら、その同じ口でコロナ感染は拡大していると言っているのだ。
    つまり、収束は本人の希望的観測であり、拡大は手に負えぬ現状に対しての認識を示したものである。では、あの2枚の
    マスクはいったい何だったのか。部下の閣僚でさえ着用しようとはしないアベノマスク、配送と同時に回収が始る奇奇怪怪
    の施しものの裏側にある利権の闇、先ずこのことについて説明するのが物の道筋というものではないのか、発案の愚劣
    さと、その製造責任、これが問題だ。
     そういえば、ジャン・ポール・サルトルに『出口なし』(サルトル全集第8巻・人文書院、1952年発行)という戯曲があった。
    地獄に堕ちた3人のお話である。謎めいた部屋に通された3人の亡霊が、共にこの部屋で永久に閉じ困られるという罰を
    受けるという実存主義の寓話だ。「地獄とは他人のことだ」の言葉はこの戯曲を出典とする。
     今日の毎日新聞の海外ニュース・

       米雇用、戦後最悪2050万人減 4月速報値 失業率14.7%、リーマン超え

     米労働省が8日発表した4月の雇用統計(速報値)によると、景気動向を敏感に映す非農業部門の就業者数は、季節調
    整済みで前月比2050万人減となり、第二次世界大戦後で最大の減少幅を記録した。4月の失業率は14・7%と前月(4・4%)
    から急上昇し、戦後最悪だった1982年11、12月(10・8%)を上回り、30年代の大恐慌時に次ぐ水準まで悪化した。新型コロ
    ナウイルス感染拡大によって経済活動が縮小したためで、世界経済をリードする米国の雇用情勢の深刻な実態が鮮明とな
    った。
     米国の就業者数は、リーマン・ショック後の2009年3月に80万人減、終戦直後の兵役解除の影響を受けた45年9月に195万
    9000人減を記録しているが、今回はこれらを桁違いに上回った。米国の労働力人口は現在、約1億6000万人。およそ8人に
    1人が4月の1カ月だけで職を失った計算になる。




         「ものを書く人」
           2020・5・7

        今日のコロナ情報
            感染者数 15、463人、死者551人。

 

      私の持っている『方丈記』は川瀬一馬さんの校注・現代語訳で、昭和46年に講談社から発行された文庫本である。
     当時の定価は120円、今は770円となっている。川瀬一馬(1906年~1999年)は昭和時代の随筆家、書誌学者、
     日本文化史家、それ以上のことは分からない。
     「校注」とは、古典などの文章を校訂し、注釈を加えること。また、その注釈。
      この本は全文113頁の薄いものが、その内容は「序」「本文」「補注」「現代語訳」「解説」「参考文献」「方丈記関係地
     図」「鴨長明年譜」という構成で私のような初心の者にはすこぶる親切なものである。
      鴨長明の経歴について二つほど辞典を開く。

        鴨長明

      「1」 下鴨神社の禰宜(ねぎ)、長継(ながつぐ)の次男。
     幼時から二条天皇中宮(のちの高松院)の愛顧を得、応保元年(1161)、七歳にして中宮叙爵により従五位下に叙せら
     れたが、以後、生涯昇叙されることはなかった。嘉応二年(1170)、父長継は禰宣職を又従兄弟の祐季(すけすえ)に譲っ
     て引退し、承安二年(1172)頃、死去。長明はこの頃から本格的に歌作に打ち込み、安元元年(1175)には高松院北面
     菊合に列席するなどしたが、翌年、後援を得ていた高松院も死去した。養和元年(1181)、家集『鴨長明集』を自撰(養
     和二年説もある)。初め六条藤家に近い勝命を歌の師としたが、のち俊恵に入門し、歌林苑の会衆として活動する。
     文治二年(1186)または建久元年(1190)頃、伊勢・熊野などを旅する(散佚した旅行記『伊勢記』がある)。文治四年(11
     88)に完成された千載集には一首入集の栄を得た。建久二年(1191)、石清水八幡の若宮社歌合に出詠。正治二年
     (1200)、後鳥羽院後度百首に詠進。以後、院や源通親主催の歌合に度々参加する。建仁元年(1201)八月、後鳥羽院
     により和歌所寄人に任ぜられ、昼夜奉公したが、元久元年(1204)、河合社の禰宣職に就く希望が破れ、和歌所を去る
     (『源家長日記』)。まもなく出家し、東山に遁世。のち、洛北大原に庵を移した。各所を転々としたあと、承元二年(1208)、
     五十四歳の頃、山科の日野山(京都市伏見区日野町)に落ち着く。建暦元年(1211)には飛鳥井雅経と共に鎌倉に下向し、
     将軍源実朝と会見する(『吾妻鏡』)。翌年、『方丈記』を書きあげ、前後して随筆風の歌論書『無名抄』を著す。また仏
     教説話集『発心集』も晩年の作とするのが通説である。建保四年(1216)閏六月十日(九日とも)、没。享年は六十二か。
     中原有安を管弦の師とし、琵琶などの奏者としても名高かった。『続歌仙落書』に歌仙の一人として見え、また新三十六
     歌仙
にも選ばれている。千載集初出。新古今集には十首。勅撰集入集歌は計二十五首。


     「2」 賀茂御祖神社(下鴨神社)の神事を統率する禰宜の鴨長継の次男として京都で生まれた。高松院の愛護を受け、
      応保元年(1161年従五位下叙爵されたが、承安2年(1172年)頃に父・長継が没した後は、後ろ盾を失った。安元
      元年(1175年)長継の後を継いだ禰宜・鴨祐季延暦寺との間で土地争いが発生して祐季が失脚したことから、長明
      は鴨祐兼とその後任を争うが、敗北してしまう。
       和歌俊恵の門下として、琵琶を楽所預の中原有安に学ぶ。歌人として活躍し、歌林苑の会衆として賀茂重保
      の『月詣和歌集』に入撰し、『千載和歌集』にもよみ人しらずとして入集している。以降、石清水宮若宮社歌合、正治
      
後度百首、新宮撰歌合、和歌所撰歌合、三体和歌、俊成卿九十賀宴、元久詩歌合などに出詠し、建仁元年(1201年
      8月和歌所寄人に任命された。
       元久元年(1204年)、かねてより望んでいた河合社(ただすのやしろ)の禰宜の職に欠員が生じたことから長明は就任
      を望み、後鳥羽院から推挙の内意も得る。しかし、賀茂御祖神社禰宜の鴨祐兼が長男の祐頼を推して強硬に反対した
      ことから、長明の希望は叶わず、神職としての出世の道を閉ざされる。そのため、後鳥羽院のとりなしにも関わらず長明
      は近江国甲賀郡大岡寺で出家し、東山、次いで大原、後に日野(現・京都市伏見区醍醐)に閑居生活を行った。
       出家後は蓮胤(れんいん)を名乗ったが、一般には俗名を音読みした鴨長明(ちょうめい)として知られている。建暦
      元年(1211年)には飛鳥井雅経の推挙を受けて、将軍源実朝の和歌の師として鎌倉へ下向したものの、受け入られ
      ず失敗している。
       建暦2年(1212年)に成立した『方丈記』は和漢混淆文による文芸の祖、日本の三大随筆の一つである。他に同時期
      に書かれた歌論書の『無名抄』、説話の『発心集』(1216年以前成立)、歌集として『鴨長明集』(養和元年(1181年))と
      いった作品がある。『千載和歌集』(1首)以下の勅撰和歌集に25首が入集している。

            宵の間の月のかつらのうす紅葉照るとしもなき初秋の空(三体和歌)

      【通釈】夜の初めの時間、月の桂の木はまだ薄い紅葉の色で、照るともなく照っている、初秋の空。
     【語釈】◇宵の間 宵は夕方と夜中の間の時間。◇月のかつら 月には桂の樹があるという中国の伝承に由る。桂はカ
     ツラ科の落葉喬木で、秋、葉は黄色からオレンジ色へと美しく染まる。

       【本歌】壬生忠岑「古今集」
     久方の月の桂も秋はなほ紅葉すればやてりまさるらむ

            枕とていづれの草に(ちぎ)るらむ行くをかぎりの野辺の夕暮(新古964)

     【通釈】そろそろ野宿の場所を探さなくてはならない。今夜は枕として、どこの草と縁を結んで寝れば良いのだろう。あてもなく、
     行ける限りは行こうという旅で、野辺に夕暮を迎えてしまって。
     【語釈】◇羇中夕 羇中(きちゅう)の夕べ。旅の途次に迎えた夕暮。◇枕とて 「草枕」と言うが、その枕として。
     【本歌】よみ人しらず「古今集」
     世の中はいづれかさしてわがならんゆきとまるをぞ宿とさだむる

      川瀬さんの「解説」から書き写す。

      なお、いま一つ念のため言い添えておきたいことは、前にも一寸触れたが、長明が簡易な庵室の生活を送っていた事実と、
     方丈記の生活記述とを目して、長明の生活が困窮状態であったなどと誤解することである。これらは、西行の場合も、兼好に
     ついてもまた、すべて同一であるが、彼等は何れも、荘園の収入等、しかるべき伝来の財産を所有し、生活に差支えない以上
     の収入を持っていたのである。

       夷斎・石川淳に「敗荷落日」という有名な文章がある。これは永井荷風についての追悼文であるが、その中で石川さんは
      随筆の家が成立する条件として、次の二つを挙げている。
      一つは、「本を読むという習性」、二つ目は「食うにこまらぬという保証」である。
      清貧というのは虚像である。そこにいたのは無常の転換期を生き抜いた孤高の生活者である。


       芸は、これつたなけれども、人の耳をよろこばしめんとにあらず、独り調べ、独り詠じて、みづから情(こころ)をやし
      なふばかりなり。




      
    「方丈記を読む」

          2020・5・6 

       今日のコロナ情報
            感染者数 15、354人、死者543人。


   今日もビートルズの『アンド・アイ・ラブ・ハー』を聴きながら鴨長明の『方丈記』を読む。
  
    魚は水に飽かず。魚にあらざれば、その心を知らず。鳥は林をねがふ。鳥にあらざれば、その心をしらず。閑居の
   気味もまた、おなじ。住まずして、誰かさとらん。

    本というのは不思議なものだね。私が『方丈記』を読んだのは20代の中頃のことだったと記憶するが、その時は
   鴨長明という人間について、またその文章について深く考えることはなかった。要するに理解できなかったということ
   だ。それから50年経った今、私はこの随筆が面白くてたまらない。超絶美味である。その味は東海の孤島の産であ
   るからサーロイン・ステーキではなく、和食の最高峰は明石の「鯛づくし懐石」といったところか、酒に例えるならば淡
   麗辛口というものだ。
   長生きはするものだね。旅の途中に拾った石ころが実はとんでもない宝石だったとは、それが分るには長い年月を
   必要とするということか。まことにもって愚かであることは幸せなことである。
    ここで加藤周一さんの『日本文学史序説 上』(筑摩書房・昭和50年発行)を開く。その247頁。

    しかし鴨長明は、法然流の信仰に徹底したのではなく、その何たるかを知って、自嘲しながら、和歌・管弦を捨てな
   かったのである。『無名抄』は和歌・管弦の世界におけるこの人物の態度を要約している。仏教とは殆ど関係がなく、
   その世界は全く世俗的である。全巻80ばかりの長短の記事から成り、記事の内容は、古今の歌、その題材、歌人
   の挿話に係わり、相互に独立していて、その配列には格別の秩序がない(「歌論」と称すべきものは、歌に関する記
   事の一部に過ぎない。『無名抄』は「歌論」を含むが、必ずしも「歌論」を主としない)。整然と構成された『方丈記』との
   対照は、実に鮮やかであり、そのことからも『方丈記』の秩序が、「池亭記」に由来することが知られる。粉本なくして、
   みずからよく知るところを語る鴨長明は、あきらかに全体の構造を無視し、部分を全体から離して、それ自身の興味
   のために描いた。その部分、殊に瑣末な事実に対する彼の好奇心は強く、観察は鋭かった。
   【中略】 この実地検証主義は、またおそらく、普遍的な原理よりは個別的な事実を、超越的な観念よりは日常的な
   経験を尊重してやまない土着思想の一面の、まさに典型的な表現でもあった。

    ここで確認しておくことは、鴨長明は個別的な事実から普遍的な原理に辿り着くことが出来なかったということだ。
   と言うより、その必要を感じることが無かったということか。このことは長明に限らず、日本の随筆と呼ばれる文学形式
   の最大の特徴である。これを箱庭文学と云うか。しかし、だからと言って価値がないわけではない。そこに独立した一個
   の世界があるとすれば、人は学びの姿勢をとって、その世界との交渉に歓び以上のものを見出すだろう。
    
       現代語訳
     ただ、この仮の庵だけが、のどかで恐れもない。家のほどは狭いと言っても、夜に寝るだけの床(とこ)がある。昼に
    坐るだけの場所がある。この身を宿らせるのに不足はない。ヤドカリは、小さな貝を好む。それは、この事実を知るか
    らである。みさごは荒磯(あらいそ)に住んでいる。それは人の世を恐れるからである。わたしの思いもそれに同じ。
    この身を宿らせるべき庵のことを知り、人の世を知れば、身の上を願うこともなく、あくせくすることもない。ただ静かで
    あることを望みとして、憂いのないことを楽しみとするばかりである

     庵の外は、合戦、疫病、地震の末法乱世である。
    長明にとって生きるとは、捨てる心さえも捨てるということだったのか。



      「コロナ後の世界」

          2020・5・5 

       今日のコロナ情報
            感染者数 15、231人、死者521人。


     5月1日の「しんぶん・赤旗」の記事(抜粋)、この日はメーデー。

       100年目のメーデー
      声を上げれば道は開かれる
     
コロナ危機は「新自由主義」「利潤第一主義」による日本社会のゆがみも浮き彫りにしました。疲弊する保健所
     や病院からの悲鳴は、医療・社会保障削減がもたらした深刻な弊害によるものです。マスメディアの中にも、「『公
     務員』を切り捨て続けてきた日本のツケ」などの論評が出始めています。
      国民の生活防衛という緊急の課題とともに、「こんな社会でいいのか」という問いかけが各分野で始まっています。
     政治を身近に思えなかった人たちが、いま政治の役割をひしひしと感じています。
      本来なら今年は第101回のメーデーとなるはずでした。10年のブランクには、1936年から45年まで日本軍国
     主義に禁止を強いられた痛苦の歴史が刻み込まれています。しかし、敗戦後の46年の東京メーデーは50万人の
     参加で見事によみがえり「民主人民政府の即時樹立」などを決議しました。
        よりよい世界の復興へ
      今は活動に制約はあっても沈黙を強いられることはありません。知恵と工夫で団結と連帯を強め、「コロナ後の世
      界をかつてより良い状態に復興する」(グテレス国連事務総長)ため、全力をあげようではありませんか。メーデー
      100年の歴史を踏まえ、希望の明日へ新たな出発を誓い合いましょう。

     
5月3日の「しんぶん・赤旗」の記事(抜粋)、この日は憲法記念日。

         平和のうちに生存する

       日本国憲法は、日本が侵略戦争に敗れた後の1946年11月に公布され、47年5月3日に施行されました。前文
      に記された「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにする」との決意は、憲法を貫く基本精神です。
      さらに前文は「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有する」とうたっています。
       今コロナが世界中で猛威を振るうもとで、この一節はいよいよ重みを増しています。ローマ教皇は今年4月、復活祭の
      メッセージで、コロナ危機の広がりを受けて「今は武器を製造し、取引するときではありません」「そのために費やされる
      莫大(ばくだい)な資産は、人々をいやし、いのちを救うために使われるべきです」と呼びかけました。軍事費を人々の暮
      らしにという考えは、戦争放棄・戦力不保持を規定した9条をはじめ、憲法の精神と重なります。
       安倍首相が3年前の憲法記念日に言い出した、9条に自衛隊を書き込むなどの明文改憲は、自衛隊が大手を振って
      海外に出かける、「戦争できる国」と大軍拡への道であり、文字通りの歴史逆行です。しかし、首相の描く改憲スケジュー
      ルは、自民党の改憲案が3年たっても国会へ提示できないように、思惑通りには進んでいません。それは国民世論の反
      映です。共同通信の最新の調査では安倍政権下での改憲反対が58%を占めます(「東京」など4月29日付)。

       早くも5日、「しんぶん・赤旗」は何を伝えているか(抜粋)、今日は子どもの日。動物園も水族館も休園中。
    
         平等で持続する社会へ

       新型コロナの感染爆発によって現代資本主義の欠陥が一挙に噴き出しています。それは資本への規制や課税を解体し、
      資本主義の野蛮な本性をむき出しにさせてきた新自由主義の弊害でもあります。
       新自由主義は資本の国際移動を自由化し、海外逃避による規制逃れと課税逃れを横行させました。多国籍企業は海外
      の無権利労働者や租税回避地を使って人件費と納税額の削減競争を引き起こし、貧富の格差を空前の水準に広げました。
       資本が主導する経済のグローバル化は感染症が瞬く間に伝播(でんぱ)する世界をつくりました。資本の目先の利益に固執
      する国々は新型コロナの後手に回って入国制限や検疫などの措置を徹底するのが遅れ、水際対策に失敗しました。中国に製
      造業が流出していたためにマスクや人工呼吸器などの医療物資を確保できず、争奪戦を繰り広げる始末です。資本の利益を
      第一にして人命と経済を危機に陥れた「自由貿易・投資」体制は根本から見直されるべきです。
       新自由主義は社会保障にも資本の原理を持ち込みました。自己負担を増やして公的給付を減らし、患者と要介護者を資本
      のサービスや民間保険を買う消費者に変えてきました。
       しかし利益を目的とする資本に任せたのでは、購買力のない消費者は医療や介護を受けられません。公的医療制度の貧弱
      な国々は人口に対して病床や医師が少なすぎることが、感染爆発によって露呈しました。あっという間に医療崩壊に追い込まれ、
      多数の犠牲者を出しています。新自由主義的な社会保障「改革」は根本から転換されなければなりません。
      国連のグテレス事務総長は「これまでと違う経済をつくらなければならない」と述べています。
      「私たちはもっと平等で包容力があり持続可能な経済と社会の建設に焦点を当てる必要がある」
      「世界がいま必要とするのは連帯だ。連帯すればウイルスに勝てるし、よりよい世界を構築できる」

       この朝、なぜか突然、ビートルズに『アンド・アイ・ラブ・ハー(そして彼女を愛している)』という楽曲があることを思い出した。
      あれは17歳の夏だった。懐かしい曲だ。そして懐かしい季節だ。もう半世紀も昔のことだ。
      珈琲を入れて、パソコンの前に座り、ユーチューブでポール・マッカートニーの歌声を久しぶりに聴いた。すると訳もなく涙が
      流れた。午前3時のことだ。それから夜が明けるまで何度も聴き返した。
      そうした時間のなかで、堀田善衛(1918~1998)に『ミシェル城館の人』全3巻があることを思い出した。モンテーニュについ
      て書かれた評伝だ。モンテーニュについて書かれてあるものならば落ちている紙屑でも拾い上げる私なのに何故か堀田さん
      のこの本は持っていない。いつものことだが、私という人間はつまらぬお買い物が多すぎる。本当に大事なもの、必要なものを
      を買い忘れる。さらに、その事さえも忘れる。
       そんなこんなで自身の愚かさを笑っている時、堀田さんに『方丈記私記』という本があったことも思い出した。なんと、これも持
      っていない。幸いにして鴨長明の『方丈記』(川瀬一馬校注、講談社文庫・昭和46年刊行)は手許にある。
      ポール・マッカートニーを聴きながらその本を開いてみた。

       行く河のながれは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、ひさしくとどまり
      たる例(ためし)なし。世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。

       堀田さんの『方丈記私記』について赤坂憲雄・学習院大教授がこんなことを書いている。

           【書をほどき知をつむぐ】『方丈記私記』堀田善衛著
         この堀田善衛の『方丈記私記』は、東日本大震災のあとに、何か心のよりどころをもとめて読んで、記憶に残った本の一冊
        なのである。堀田自身が『方丈記』を、東京大空襲のさなかに再発見したということに、そそられるものがあった。ここに語られ
        ていたのは、『方丈記』の解釈などからは遠く、ただ「私の、経験」だけだ。はじまりに、東京大空襲の夜のごく限られた「私の、
        経験」が語られていた。
         堀田はいう、戦争という厖大(ぼうだい)な事件は、「その巨大なまでに空(むな)しい必然性のなかに、無限の偶然性を内包
        して」いる、と。そうして、その偶然のひとつひとつは、その一人一人の生と死にかかわっている。戦争のさなかに、誰が死んで、
        誰が生き延びるか、それは残酷なまでにほんの偶然でしかない。

       『方丈記』が書かれたのは、およそ800年前、1212年頃、その時、長明は58歳だった。この作品は、日本人の無常観を表した
      ものだとよく言われるが、無常観とは、、世の全てのものは常に移り変わり、いつまでも同じものは無いという思想のことだ。
       長明は、政治の実権が公家(京都)から武士(鎌倉)に移り変わる動乱の時代を傍観者として生きた。
      モンテーニュが俗界から引退して城館に引きこもったように、長明もその晩年に京都の郊外・日野山に一丈四方の小庵を結び隠棲
      した。この時代の末法思想と長明の浄土信仰の関係はよくわからないが、世の中の価値観が一変した時、人はそれぞれの立場を
      選ぶ。その中の一つに無常観というものがあるのだろう。孤児(みなしご)だった長明が愛したものは音楽と和歌だった。

        原文
       かなむは小さき貝を好む。これ事知れるによりてなり。みさごは荒磯にいる。すなはち人を恐るるがゆえなり。我またかくのごとし。
      事を知り、世を知れれば、願はず、わしらず、ただ静かなるを望みとし、憂へ無きを楽しみとす。

         現代語訳
       ヤドカリは身の丈に合った小さな貝を好む。みさごは人を避け、荒磯に住む。私も同じだ。
      人間社会というのは得体の知れない恐ろしいところだから、出来るだけ遠ざかろうと考えた。
      ただ静かに暮らす事だけを望んで、憂いのない生活を楽しみとしている。

       堀田善衛という人間は、モンテーニュに何を見ていたのか、鴨長明に何を感じていたのか。
      夕暮れ時、またパソコンの前に座って『アンド・アイ・ラブ・ハー』を聴く。こんな素晴らしい曲を何故こんなにも長い間忘れていた
      のだろうか。
       その後、この数日の間に溜まっていた「ハック・フィン協奏曲」を三部プリントアウトし、それを塩谷さん、金田さん、小坂さんの
      3人に届けた。
       家に帰ってから今度は伊藤ゆかりがカヴァーした『アンド・アイ・ラブ・ハー』を聴きながら考えた。「コロナ後の世界」について。



       「失敗の本質」

       2020・5・4 

      今日のコロナ情報
            感染者数 15、057人、死者510人。


    5月3日現在での海外の発生状況。
    
      国名         感染者数        死者数
        中国      82、877人           4633人
        韓国      10、793人            250人
        日本      14、839人            492人
        アメリカ  1、130、115人          66364人
        フランス    130、979人          24760人
        ドイツ      164、967人          6812人
        イタリア     269、328人          28710人
        スペイン    216、582人          25100人

     アメリカの疾病対策センター(CDC)が国内での感染症例を確認したのは1月の22日のことである。中国からの帰国者
    で30代の男性だ。韓国は1月の20日、日本は1月16日。この3国はほぼ同時期である。しかし5月3日の数字を見ると
    3国の状況は大きく違う。何が原因なのか、どうしてこうなったのか。
     アメリカの太平洋戦争での死者は9万3千人、朝鮮戦争では5万4千人、ベトナム戦争では5万8千人、死者数ではベト
    ナム戦争を越えて太平洋戦争に近づいている。世界最強の国家の意外ともいえる脆さというか、これは新自由主義(グロ
    ーバリズム)の効率至上主義が隠し持つ弱者切り捨ての冷酷が露呈したということか。この事情は韓国と比較してみれば
    日本も同じであることが分かる。医療・福祉を軽視の緊縮政策がどういう結果を招くのかという視点でみればスペイン、イタ
    リアも同罪である。つまり、悪政がもたらす必然としての人災だということだ。
     日本の場合は、1月の時点ではオリンピック開催を第一の政治目標としていた、それが為に、数字が操作され、対応が
    遅れ、結果として感染拡大を許してしまった。そればかりでなく、その後も医療体制の強化が急がれるのにアベノマスクな
    どという新興宗教の護符のようなものを配布するという狂騒で世界の笑い者になってしまった。愚劣な指導者を持つと国民
    は悲惨を背負わされる。同じ頃、アメリカではトランプが「消毒剤を注射すると治る」と、科学的な根拠もないことを公然と語
    っていた。マスクに消毒剤、このあたりの知性の水準は安倍とトランプはその計り知れないほどの低さにおいて同類である。
     丸川和雄(東京大学社会科学研究所教授)という学者が5月2日の「ニューズウイーク」で、安倍政権の迷走ドタバタに
    ついて「繰り返される日本の失敗パターン」と題して、いくつかの問題点を指摘していた。
    「1」あいまいな戦略、「2」役に立たない兵器、「3」科学よりも情緒に引きずられる入国拒否、「4」厚生労働省による統計
    操作。
     丸川さんは太平洋戦争での日本軍の犯した戦術・戦略上の誤りから安倍政権の対応の間違いを読み取っているのだが、
    結論から言うと、先の太平洋戦争と同じようにこのコロナ感染拡大問題は負けるべくして負けたということだ。
    もし方法に誤りがなかったとすれば現在の状況とはもっと違ったものになっていただろう。これは韓国の文在寅大統領の
    採った作戦の優越性と正当性が証明している。簡単に云うと、文大統領は第一の目的を「国民の命と生活を守ること」と
    し、この一点に持てる力のすべてを集中したのである。一方、安倍首相はオリンピック開催を最優先にし、それが中止と
    決まると、今度は自身の政権の延命を政治目標とし、最初から最後まで私事の世界から一歩も外に出ることはなかった。
    その象徴的な場面が、例の部屋の中で愛犬と戯れる痴呆の老人の映像である。
     丸川さんが参考にした本は、『失敗の本質 日本軍の組織論的研究』、初版は1984年(昭和59年)、ダイヤモンド社
    から刊行されたもので、6名の研究者(戸部良一、寺本義也、鎌田伸一、杉之尾孝生、村井友秀、野中郁次郎)による
    共著である。1991年(平成3年)に中公文庫で文庫本として再刊された。
     出版の目的は、「組織としての日本軍の遺産を批判的に継承もしくは拒絶」(「本書のねらい」)であった。
    結論は、日本軍は環境に過度に適応し、官僚的組織原理と属人ネットワークで行動し、学習棄却(かつて学んだ知識を捨
    てた上での学び直し)を通して、自己革新と軍事的合理性の追求が出来なかったということだ。
    旧日本軍の体質や現在の官僚機構を考える上では上質の参考書だと思う。読み物としても面白い。
    ただし、戦争を個々の戦場での情勢の推移だけで捉えるものであるから、戦術・戦略論としては成り立つが、総力戦の実
    態的解明という点では限界を持つ。そもそもの狙いが日本軍の失敗から教訓を引き出し、それを今日の企業経営に生か
    すということであるから、初めから銃後の国民は不在であり、それは経営者にとって労働者が不在であるのと同じ意識で
    ある。さらに一言加えるならば、戦争と企業活動は根本的に異なる。たとえ共通するものがあったとしても、それはあくま
    でも表層的なエピソードに過ぎない。戦争の目的は殲滅であり、企業の目的は生産である。
    過度の類推は本質を見誤る、と私は思う。
    安倍政権の最大の問題点は、政治の私物化である。すべては此処から始まり、すべては此処に還る。



       「芸能人がいっぱい」

            2020・5・3 

        今日のコロナ情報
            感染者数 14、544人、死者458人。


      この国には「芸能界」という特殊な業界がある。スポーツ新聞などの紙面構成は基本的にはスポーツ界、政界、経
     済界、それにこの芸能界の四つで、後は昔ながらの三面記事(事件、醜聞、事故)がつく。この中のどれに比重を置
     くかは、その時の空気、もしくは話題性による。
      芸能界とはどういう世界かと言うと、これが漠然としていてどうも良く分からない。
     スポーツ界と言えば運動選手の消息であり、また競技についての情報であり、これは分かり易い。政界というのは
     政治家の言動であり、政局の裏情報である、これも分かり易い。経済界と言えば、景気の予想であり、企業の商品
     開発の動向や、個々の経営者の発言の紹介であり、これも分かり易い。だが芸能界となると、その生息の範囲が確
     定できない。またそこに生息している人は芸能人ということになるのだろうけれども、芸能の定義が曖昧で、何をもっ
     て芸能人と呼ぶのかの基準がない。だからいわゆる芸能人というものが大量に生産され続け、巷に氾濫する。
     中には芸らしきものを全く持っていない人もいる。そういう人は男も女も己の裸体そのものが芸もしくは商品である。
     男の芸能人の裸体はコメディアンもどきであり、女の芸能人の裸体は写真集となる。
      まあ、それはともかくとして、この数日、芸能人と呼ばれる人たちの発言がやたらと多い。ただし、よくよく見ると、現役
     の芸能人らしき人も確かにいるが、多くは元・芸能人、只今修業中、明日の芸能人、何となく芸能人、何故か芸能人、
     といった面々である。
      ここでヤフーのホームペイジを開いてみる。グーグルでも構わないが。ニュースの項目の立て方と取り上げる視点は
     スポーツ新聞と同じである。ただ紙面が画面に変るだけで、内容に変化はない。安価な大衆娯楽である。
      最初のニュース? は田中みな実(33歳)という女性がテレビドラマで怪演したというもの。この女性は元TBSテレビ
     アナウンサーだったそうだ。先頃、写真集も出し、それが大変に評判だったとか。元はアナウンサーだというから「これ
     から芸能人」といったところか。
      次は歌手の世良公則(64歳)、中日スポーツからの記事だ。

     自民党甘利明衆院議員が「要請だけで接触をここまで減らせる日本って、やっぱり凄いですね。あと一息です。ゴー
     ルデンウィークをステイホームで『さすがニッポン!』って、もう一度世界に言わせませんか」とツイッターで発言したこと
     について、世良は4月29日に「政府の援助無しでここまで弱りきっていても『今は我慢する時』と自分に言い聞かせ努力
     するのが日本人。そんな国民に政府は『はいはい。良くできました。もう少しです。頑張りましょう』と言える神経が理解で
     きない」とつづっていた。
      この人は歌手であり俳優でもあるから本物の芸能人か。とりあえずは現役である。
       次は5月2日の「デイリー」からの記事。

      大阪府知事と大阪市長を務めた橋下徹弁護士が2日放送のカンテレ「胸いっぱいサミット!」にゲスト出演。立憲民
     主党の尾辻かな子衆院議員
がツイッターで橋下氏のギャラについて「1講演200万円」と投稿したことに関連し「一回こ
     こ来い!尾辻!」と“公開討論”を希望した。

      橋下徹の現在の肩書はタレントか。商売上手な男である。ただし、政治と性事の区別が付かないようだが。
       4番目は5月2日の「スポーツ報知」からの記事。

      2日放送の日本テレビ系「ウェークアップ!ぷらす」(土曜・前8時)で、北朝鮮の朝鮮中央通信が2日に金正恩朝鮮労
     働党委員長が1日、中部の平安南道順川で肥料工場の完工式に出席したと報じたことを伝えた。
      番組では朝鮮中央通信が公開したテープカットする正恩氏の写真を放送したが、辛坊治郎キャスターは「この写真をど
     の程度信じていいのかと言わざるを得ない」と見解を示した。

      辛坊治郎(64歳)、元読売テレビアナンサー。よく分からない男だ。
     5番目は4月27日配信の知的な週刊誌『女性自身』から。


       自民党・馳浩議員 セクハラ告発にブログで言及も非難やまず

      自民党馳浩議員(58)が4月22日、虐待や性暴力で居場所を失った少女たちのために運営しているカフェを視察。
     その際にセクハラをしていたことなどがカフェを運営する一般社団法人「Colabo」の代表・仁藤夢乃氏(30)から指摘された。
     馳議員は同件について公式サイトなどで言及したが、火に油を注ぐ形となっている。

     馳浩は元プロレスラー。昔は一流ではなかったが、今も一流ではない。バッチを付けたセクハラ叔父さん。
      6番目は「デイリー」から。

      前東京都知事の舛添要一氏がツイッター投稿で、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の延長に対する持論
     を記した。
      舛添氏は、1人の感染者が何人に感染させているかを示す数値を挙げ、「私は実効再生産数を出せと要求してきたが、やっ
     と専門家会議が1日の会見で出した。全国は0・7、東京都は0・5に低下。しかも感染者数は大幅に減少」と指摘し、「では緊急
     事態宣言解除だろう」とした。

      舛添要一(71歳)、履歴書の職歴の行が長すぎて何が本職だか分からない男だ。公私混同で東京都知事を辞職したことは
     記憶にある。それにしても良く喋る男だ。
      7番目は「日刊スポーツ」から。

         たけし否定「頭きた」元弟子が妻の不正行為告発報道

      タレントビートたけしが2日夜、レギュラー出演しているTBS系の情報番組「新・情報7days ニュースキャスター」に出演した際、
     今週発売の「週刊新潮」で、元弟子の男性が、たけしと再婚した妻が自身の保険証を「不正使用」していると訴えている問題に
     ついて「冗談じゃない」と述べ、真っ向から否定した。

     北野たけし(73歳)は元漫才師、一般大衆を代表する日本人。ヤクザが大好き、皇室が大好き、説教が大好き。何と言ったらい
     いのだろうか、頭がいかれた水戸黄門か。
      8番目は「東スポ」から。

         高須院長「変なこと言いだしたな」とWHOの動きを警戒

      高須クリニック高須克弥院長(75)が2日、自身のツイッターを更新し、世界保健機関(WHOテドロス・アダノム事務局長
     の会見内容に警戒の目を向けた。
     WHOは、4月30日に開かれた専門家による緊急委員会が勧告した内容を1日の会見で公表。国際協力によってウイルスの起源
     を特定することなどが確認されたという。
     高須院長は、この件を報道するネット記事を引用し「変なこと言い出したな。ウイルスの起源は武漢ではないのか!」と投稿した。

      この人は医者というより商売人である。とにかく良く喋る男だ。意味のないことを得意げに長々と喋れるというのは、これも一つの
     才能なのだろう。ナチスを礼賛しホロコーストを否定し、南京事件を否定し、731部隊を擁護するネトウヨである。要するに典型的
     なお馬鹿である。『愚かな知恵者になるよりも、利口な馬鹿になりなさい。』とシェイクスピアは言ったよ。
      9番目は「デイリー新潮」から。緑のタヌキこと小池百合子おばさんの登場だ。

      【コロナ禍】緊急事態宣言解除ならず 小池知事の扇動で“命の経済”をいつまで止めるのか

      「緊急事態宣言が7都府県に出されたのは4月7日でしたが、当初、安倍総理は宣言を出すことに積極的ではなかった。ところが、
     3月下旬の3連休前に手を打たず、感染を広げてしまった小池知事が、7月の知事選に向けて挽回しようと官邸に日参。宣言を出
     すよう執拗に求め、官邸側が折れたのです」
      勢いづいた小池知事は先走って、総理が宣言を発令する前日にフライングで会見し、理美容店や百貨店にも休業要請すると言
     ってしまった。それを受けて百貨店などは、本来は必要なかった休業の準備をしてしまったため、いまも開けられないままである。
     そんな経緯もあるものだから、

      この人は元ニュースキャスター、その後は政界渡り鳥として生計を立てている。忙しい人だ。何事にせよ、立ち止まって考えるこ
     との出来ない人だ。要するに、目立ちたがり屋ということ、ただそれだけだ。
     「存在の耐えられない軽さ」とミラン・クンデラは言ったよ。
      10番目は「フライデイ」から。

        岡村隆史「コロナ風俗発言」謝罪も番組降板署名開始でドロ沼の予感

      「たくさんの方に不快感を与えてしまいました。大変な失言だったと思います」
     お笑いコンビ「ナインティナイン」の岡村隆史が4月30日深夜放送のラジオ番組『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)で、自身
     の発言をめぐり謝罪した。1週間前の同番組で、「コロナが終息したら絶対面白いことがある。美人さんがお嬢(風俗嬢)をやります。
     短時間でお金を稼がないと苦しいですから。今はお金を貯めて踏ん張りましょう」と、新型コロナの影響で収入が減った貧困女性ら
     が風俗店で働くことを楽しみにしているという趣旨の発言が大問題となっていた。

      岡村隆史(49歳)というのは吉本興業所属の漫才師だと思う。それ以上のことは知らない。
     少し人気が出て知名度が高まると傲慢になる、そしてこれといった芸もないのに自分を芸能人だと錯覚する。よくある話だ。
     岡村某の頭の中はともかくとして、吉本興行という会社そのものが何だか変だ。
      11番目は「デイリースポーツ」から。

        東国原 コロナ対策「日本は韓国方式を取り入れるべきだった」  5/3(日) 14:54配信

      元宮崎県知事の東国原英夫が3日、テレビ朝日系で放送された「ビートたけしのTVタックル」に出演。新型コロナウイルス対策に
     ついて、日本は韓国を見習うべきだった、との主旨の発言をした。
      韓国では1日、新たな感染者数が9人と発表。4月30日の発表は4人(全員が外国からの渡航者)だった。
     2月には大邱市で2月、新型ウイルスのクラスター(感染者集団)が宗教団体で確認され、感染者数が急増。しかし、政府がドライブ
     スルー型の診療所を全国各地に開設するなど、検査数を増やしたのをはじめ、濃厚接触者を隔離して検査するなど、徹底した隔離
     作戦もとった。さらにスマホで感染者の位置情報をチェックするなど、ITを駆使した施策を行った。
      番組では、封じ込めに成功した国として、韓国、台湾、ニュージーランドを取り上げた。東国原は「韓国はやっぱり、SARSとかME
     RSの経験がありますから、非常に感染症対策が行き届いていた」とした上で、「日本は2、3月には韓国方式を取り入れて、先手先
     手を打っていくべきだったと思う」とコメントした。

      どこの町内にもこういう人物はいる。どんな問題にも顔を出し、上からの目線で口を出し、その場をかき回し、白けさせる。
     元々何の専門分野も持たない素人(しろうと)なのだが、全ての分野において訳知りの玄人(くろうと)ぶる軽薄者、俗に言う騒動師で
     ある。
      騒動師と言えば、この他に徳洲会グループからの不透明な借入金問題を追及されて都知事を辞任した猪瀬尚樹(73歳)、俳優と
     しては見るべきものは何もないが、「不倫は文化」の世迷い言で世間を騒がせた石田純一(66歳)がいる。さらには「話し方が嫌い
     なタレント・ランキング」でみのもんたについで堂々の第2位、「嫌われるジジイ」では善戦の第9位に輝くテリー伊藤(70歳)、瞬間性
     興奮症というのか落ち着きのない男である。この他にもう一人、証券取引法違反容疑で逮捕されたホリエモンこと堀江貴文(47歳)、
     地方から出て来た金儲けの上手い子ども。昔、ジョージ秋山に『銭ゲバ』という漫画があった。主人公の名前は蒲郡風太郎といった。
      騒動師の女性ナンバーワンはデヴィ夫人こと根本七保子(80歳)、プライドの高さは超一流、品性の無さも超一流、不思議なバア
     サンだ。最近売り出し中なのは新潟県出身の金子恵美(42歳)さんだ。元自民党議員だが現在は夫の宮崎謙介(39歳)さん(この
     人も元自民党議員)との「夫婦漫才」で生計を立てている。
      昔は「芸人」という言葉があった。フリー百科事典(ウキペディア)では次のように解説している。

     芸人(げいにん)とは、なんらかの技芸や芸能に通じている人、または身に備わった技芸や芸能をもって職業とする人のこと
    を指す日本特有の概念である。史的には江戸時代に定型化した庶民芸能にたずさわる専門職業人に限る場合がある
     かつては俳優舞踊家を含め、演芸や芸能に通じた専門的で職業的な演者一般を芸人と呼ぶことが一般的であった。この用法に
    おける芸人が扱う芸種は今日の落語から歌唱演奏演劇歌劇人形劇舞踊手品傀儡、に至るまで多岐にわたっていた。
     近年の日本ではテレビ番組などの影響により、本来の意味での芸人全体を構成する一部であるお笑い演芸の更に一部にすぎない
    はずの「お笑いタレント」のみを指して芸人と呼ぶ用法が若年層を中心に一般化しつつある。このような用法の変化は芸能人の語が本
    来の意味を離れいわゆるテレビタレントのみを指す語として日本で定着していった現象と軌を一にしており、日本の大衆社会における
    テレビの位置付けや、日本の大衆社会における演芸や芸能に対する認識の水準を物語る現象となっている。

      「芸人」、懐かしい言葉だね。今日では「芸能人」と呼ばれる人間は掃いて捨てるほどいるが、「芸人」という存在はあまり見かけなく
     なった。長い修業時代、辛い稽古や厳しい訓練を経て芸人というものは生まれる。時間に耐えて芸は磨かれて風格となり花となる。

       秘する花を知ること。「秘すれば花なり。秘せずは花なるべからず」となり。この分け目を知ること、肝要の花なり

      各種の芸を稽古しつくし、工夫に工夫を加えて後、はじめて永続する「花」すなわち一生失せない芸の美を知ることができる。 
                          
                                     世阿弥 『風姿花伝』



     「偽善的であることの大切さ」

        2020・5・2

          今日のコロナ情報
         感染者数 14、281人、死者432人。


      アメリカのモーニング・コンサルト社が2020年4月21日に行った世論調査では、安倍首相(自民党)の支持率は、
     支持が31%で不支持が60%となっているということだが、ではアメリカの方はどうなっているのか。
      米ギャロップ社が発表した最新の世論調査によると、トタンプ支持は43%、不支持は54%ということだ。
     アメリカはこれまで、戦争や危機など国家の重大局面に直面するたびに国民が指導者の下に結集し、大統領の支持
     率が大きく伸びるという現象を繰り返してきたという歴史を持つ国である。その時の指導者が特に偉大だったとは限ら
     ないが、危機に際して一致団結するという現象は良くも悪しくも建国以来の伝統なのである。そして、国民のこの性格
     を良く知っている指導者は危機を「守るべき正義」という立場で演出し、帰属意識に訴える。そういう能力のある大統領
     は歴史に名を遺すことが出来る。
      ワシントン(独立)、リンカーン(解放)、ルーズベルト(反ファシズム)、ケネディ(キューバ危機)、といった人たちだ。
     ジョージ・W・ブッシュは同時多発テロの後、実に70ポイント近い上昇を記録している。決して有能だったとは言えない
     ブッシュでも、その時点ではアメリカ国民は支持した。アメリカ人の愛国心は、一種の集団ヒステリーである。
     単純な善悪二元論は、事の本質についての説明を必要としない。これがアメリカ型の民主主義の怖ろしいところだ。
      がしかし、今回はどうも様子が違うようだ。国難という一致団結のしやすい状況下にあって、何故かトランプの支持率
     は上がらなかった。その理由は何だ、問題は、言葉だ。
     ワシントン、リンカーン、ルーズベルト、ケネディの4人は国民に向かって理想(ビジョン)を語ることが出来た。また、アメ
     リカ国民は理想を語ることの出来る人物を指導者として求めた。
     「アメリカン・ファースト」は金箔不動産屋のトランプの専売特許ではない。歴代の大統領で「アメリカン・ファースト」でなか
     った人物は一人もいない。ただ、それを口にすることの軽率を恥じることを知っていただけである。
     「アメリカン・ファースト」とは「パクス・アメリカーナ(アメリカによる平和)」のことである。つまりは、帝国主義である。
      アメリカのアイデンティティ(自己同一性)に係わる基本的な思考と姿勢には何の変化もないのにも関わらずトランプは
     支持率を上げることが出来なかった。アメリカ国民はトランプの何を拒絶したのか。
      トランプの政治の特徴は、人種差別と経済的分断である。本音はどうであれこれを政策として公然と掲げた大統領は
     過去に一人もいない。
      加藤周一に「偽善的であることの大切さまたは『ローマ帝国滅亡史』の事」という文章がある。
     本は『言葉と人間』、1977年に朝日新聞社から出版されたものである。その248頁。

      たとえば、「彼の美徳、いや、その悪徳さえも、つくりものであった」といって、ローマの自由をみずから破壊しながら、
     自由体制を尊重した皇帝アウグストスの「偽善」を述べる。「人が名によって支配されるものであることを、アウグス
     トス帝は知り抜いていた。古来の自由権がまだあるということさえ、敬意を示して保証してやれば、元老院も国民も
     よろこんで隷属に甘んじるだろうという見通し、これもまた誤っていなかった」(中野氏訳)と、
      一般に政治家に期待できる最高の美徳はおそらく「偽善」だろう、と私は考える。偽善は、少なくとも「善」または大義
     名分に表向きの敬意を示すことを、前提とする。裏向きもそのままでは政治がなりたたぬだろうから「偽」善である。表
     向きにも大義名分を通さぬ場合は、偽善にさえ及ばない。ヒットラーは偽善者ではなかった。

      「偽善」についての定義は人それぞれとする。加藤さんが「ヒットラーは偽善者ではなかった」と言う時、この意味は、
     ヒットラーは政治家ではなかったということだろう。そして、トランプもまた、その飼い犬のポチもまた政治家ではなか
     った。
      最後に、隣国からのニュースを伝える。

         文大統領の支持率64% 9週連続上昇

           5/1(金) 11:48配信   聯合ニュース

      【ソウル聯合ニュース】世論調査会社の韓国ギャラップが1日に発表した文在寅ムン・ジェイン)大統領の支持率は、
     前週より2ポイント上昇の64%となった。9週連続で上昇し、同社の調査で2018年10月第2週(65%)以来、約1年6か月ぶ
     りの高水準となった。不支持率は4ポイント下落の26%。

 


 
         「答弁不能」

           2020・5・1

        今日のコロナ情報
         感染者数 14、088人、死者415人。


     新型コロナウイルスの感染者(累計)が29日現在で、世界で約310万人、死者は21万6000人以上。
    アメリカは死者・感染者とも世界最多で、感染者は100万人を越え、死者は5万8300人を越え、とうとう
    ベトナム戦争での死者5万8220人を上回った。新聞によれば、「感染者には無症状の人がいるほか、
    急速な感染拡大に検査が追い付いていない米国では、実際の感染者数ははるかに多いとみられていま
    す」ということだ。
     久しぶりに知的な週刊誌『女性自身』を開いてみる。

          新型コロナ感染者数が答えられない 安倍首相答弁に不安の声

                      4/30(木) 11:35配信   『女性自身』

     「感染状況が(緊急事態宣言の解除や延長を判断する)ひとつの要素だって、さっき言っていましたけど、
    いったいどれくらいなんですか? いったいどれくらいの国民が感染しているんですか? このコロナウイル
    スに。いま現在」

     4月29日の参議院予算委員会で、国民民主党の森ゆうこ議員(64)からこんな質問を受けた安倍晋三首相
    (65)。新型コロナウイルス対策費を盛り込んだ補正予算案を審議している予算委員会の場。当然、安倍首相
    は即答するかと思いきや、なんと1分以上にわたって、答えに窮してしまったのだ。

     森議員が質問すると、手元の書類に目を落とした安倍首相。しばらく書類を凝視したのち、あたりをキョロキ
    ョロ見まわして、後ろに座っている加藤勝信厚生労働大臣(64)の方に指を向けるが、森議員に「総理に」と言
    われてしまう。そばに近寄ってきた官僚に書類を渡され、何やら説明を受けて、安倍首相はようやく答弁に立つ。
    森議員の質問が終わってからおよそ1分10秒が経っていたが、第一声は森議員への文句だった。

    「いまの、その、現時点で、いまの感染者数というご質問はいただいてなくてですね。いま、あの、これにあるの
    は『緊急事態宣言を解除、延長する基準、判断時期を明確にされたい』、というのが、私への答弁、質問でござ
    いまして、いましておられることについては、質問の通告はされていないということは、まず申し上げておきたいと
    思います」

     議場がざわつくと、さも心外といった口調でこう続けた。

    「それはそうですよ。だって…こ、これに書いて、これに、これに、これに書いてないじゃないですか。その上でで
    すね……」

    安倍首相がいう「これ」とは、おそらく森議員の「質問通告」が書かれた書類のことを指している。「質問通告」とは、
    正確な答弁ができるように、質問する側が事前に質問の要旨を政府に通告すること。あくまでも慣習なので、通告
    にない質問をしてはいけないという決まりもないのだが、安倍政権では「事前通告がない」ことを理由に、閣僚が答
    弁を拒否する例が常態化している。

     だが、ここは新型コロナウイルス対策費などを審議している場。当然、ウイルスの感染者数は審議の前提になるし、
    直前の答弁で安倍首相は「感染者の拡大状況」が緊急事態宣言の判断基準になると答えている以上、おおよそで
    も現状の数字は把握してそうなものだが……。ちなみに安倍首相は新型コロナウイルス感染症対策本部の本部長
    でもある。

    「全部書かないと答えられないの? それももう許されないよ。何を言ってるんですか」

     そう森議員が声を荒げると、安倍首相は書類に目を落として、ようやく政府が取りまとめているPCR検査の陽性者
    数を読み上げたのだった。もともと森議員は“検査不足のために政府が把握する感染者数は正確ではないのではな
    いか“ということを指摘するためにこの質問をしたようなのだが、その前段階、把握している感染者数を答えるというと
    ころで、安倍首相がつまずいてしまうという予想外の結果に……。一連のやり取りが、ツイッター上などで広まると、こ
    んな声が挙がった。

    《感染者数聞かれた時の答弁、知らない事聞かれたから逆ギレ。情けない…》
    《感染症対策をしなければならない責任者が感染者数すら把握していない。通告がなくても答えなければならない数字
     だ。他人から言われなくても毎日把握しておくべき数字だ》
    《安倍ちゃん最高責任者なのに現在の感染者数すら知らんのか…挙げ句の果てに「質問通告書に書いてないんだか
     ら答えられないのは当然」みたいなこと言ってる》

    さらに、芥川賞作家の平野啓一郎氏(44)はやり取りをまとめた動画とともに、ツイートした。

    《「こ、これに、これに、これに書いてないじゃないですか。」彼が首相で、この危機を乗り越えられるとはとても思えない。》

      29日現在での国内での感染者数は14、088人、死者は415人、この数字は特定秘密ではない。新聞を読む人、
     テレビを観る人、パソコンを開く人、スマホを持っている全国の小中学生、つまりコロナ感染状況に関心のある人であ
     れば誰もが知っている危機管理情報である。コロナという見えない敵は国内の全域で私たちの「今日の生活」を脅かし
     ているのである。この数字を知らないのは感染状況に関心のない人だけである。よほど安全な処にいるのか、あるい
     は自身の体力?に絶対の自信があるのか、もしくは底抜けの無神経なのか、そういう人物である。ところが、日本で
     は、そういう不思議な人物がコロナ対策本部長だというのだ。これは現実なのか。
     国会でのこのやり取りを観ていた人は、笑っていいのか、それとも泣くべきかと判断に迷うだろう。
     しかし、「こ、これに、これに、これに書いてないじゃないですか。」の意味は、絶望的である。これが最高責任者の言葉か。
     この人物には事態を正確に把握する能力がない。対策(医療・経済)を実行する意思もない。危機の拡大についての想
     像力もない。それ以上に、生活上必要とする日常的な日本語を話す知力がない。従って、コロナの件に限らず、すべて
     の問題について誰とも対話が不可能である。非常に珍しい人物である。
     知性の貧困、品性の欠如、理性の氷結、彼はいったい何者なのか。
      私は世論調査というものはあまり信用していない。と言うのは、設問によって回答をあらかじめ誘導できるからだ。
     内閣支持率については、読売は高めに出す、朝日は低めに出すといった傾向があるそうだが、この2社に毎日、産経、
     日経、NHKを加えても、単なる情報の氾濫でしかなく、なんの為の世論調査なのか、その意味がよく分からない。
      アメリカのモーニング・コンサルト社が2020年4月21日に行った世論調査では、安倍首相(自民党)の支持率は、
     支持が31%で不支持が60%となっている。この調査結果は日本の報道各社のそれよりは信用できる。
      2020年4月21日(火)、パリに本部を置く国際ジャーナリスト団体「国境なき記者団(RSF)」が「世界報道自由度ラン
     キング」を発表した。世界180カ国と地域を対象にしたものだ。
      1位はノルウーで、フィンランド、デンマーク、スウーデン、オランダと続く。
     42位が韓国、45位がアメリカ、149位がロシア、177位が中国、最下位の180位が北朝鮮。
     日本は66位である。この位置は上位5カ国とは限りなく遠いが、149位から180位までの諸国とは限りなく近い。
      そして、この国の最高責任者は感染者数について答えることが出来なかった。
      今は笑う時でも泣く時でもない。怒りを持って立ち上がる時だ。


 
      「メディアとしてのフェイスブック」

         2020・4・30

        今日のコロナ情報
         感染者数 13、852人、死者389人。


     昨日の「日刊ゲンダイ」にジャーナリストの立岩陽一郎さんの発言が載っていた。
    それによると、韓国は国防予算を削減してコロナ対策費に当るということだ。先ず、その発言を紹介しよう。

           「韓国は国防予算削減 今の日本に必要なのは最新鋭戦闘機か」
                 公開日: 更新日:

     韓国が20年の国防予算の削減を決めたと国際的な軍事情報誌ジェーンが伝えた。2%を削減して新型コロナウイルス
    
対策に振り向けるという。極めて合理的な判断だと思うが、その合理は日本では通用しないようだ。20年度の当初予算は
    新型コロナについて全く触れない内容がそのまま成立している。これは新型コロナ対策のための補正予算を早く成立させる
    ためだと説明されているが、仮に、この予算の組み替えができていれば迅速な対応は可能だったと悔やまれる。
     北朝鮮との軍事的な緊張を抱える韓国政府が国防予算の削減に踏み切った理由は、国防予算が持つその性格にもよる
    だろう。国防予算は長期的な計画の一部という側面が強く、先送りが可能だ。

      この決断の根拠は、韓国にとって現在の状況下で正面の敵は誰なのか、社会を脅かすものは何なのかという合理的な
     判断によるものだ。北朝鮮とは話し合うことが出来るが、コロナとは話し合うことは出来ない。とするならば、どちらの恐怖
     が目下の現実であるのかということだ。この決断一つ見てもやはり韓国は文明国家である、道義的先進国である。
     政府の仕事は一つしかない。それは国民の命と生活を守ることだ。
     文在寅大統領の政治にはドタバタとか迷走といったものが無い。その発言に嘘はなく、その行動は常に目的が明らかで
     あり、かつ公正であり、示す方向の先には必ず民主主義の光がある。
      こんな素晴らしい国がすぐお隣にあるのだから少しは学んだらどうかと思うけれども、何故か日本は今もって「脱亜入欧」
     の精神分裂症である。
      話は変わるが、私はフェイスブックというものをよく見る。限られた人たちのものだが、そこで知ることは大手商業新聞や
     ワイドショウーで盛り上がるテレビよりも内容が深いというか濃いというか、問題の本質がどこにあるのかを分かり易く教え
     てくれる。
      例えばアベノマスクのことだが、この数日見たものは次のようなものである。どれもこれも信頼できるメディアである。

           「メディアとしてのフェイスブック」

     最初は橋本美香さんの28日付のもの、この人は札幌市厚別区に住む女性だ。

     
 高田 富雄

  不明の1社は、マスク代が247.1億円‼️

 小出 成仁 すでに、菅が調達費90億って白状してますよね。更に日本郵便が、受注額26億と言ってますので、116億で済んでいる。それを200億とか、466億とか言ってた。差額をちょろまかすつもりだったのでしょう。


     

      Naoki Takaishi

マスク業者4社目の謎の会社、株式会社ユースビオ(福島市)。

どう見ても、公明党の事務所。

【同一所在地の会社】

...

技研通信工業株式会社 
福島県福島市西中央5丁目54番6号

株式会社ユースビオ 
福島県福島市西中央5丁目54番6号

株式会社樋山ユースポット
福島県福島市西中央5丁目54番6号


     次は福盛田勉さんのフェイスブックから。この人は星置九条の会の代表である。私の盟友だ。

  小早川 智フォローする
4月21日 20:57

カラクリが分かった!!

今まで、パンツを作っていて、マスクを作った経験もなかった企業の
マツオカコーポレーションは、国から約6億円の設備導入のための
資金を国から補助金で貰ったが、実際は設備導入せず、ミャンマー
の人達を、ただ同然の安い労働賃金で、手作業で一枚一枚マスクを
作らせていたんだ!!

どれだけ、過酷な労働条件下で働かせられていたのかは、カビだらけ
のマスクを見れば分かる。

そりゃ、血まみれになるよ!!!!

 川原 茂雄

北海道のある学校に送られてきたアベノマスクの中に異物が混入していたようです。子どもたちに配布する前に先生方で全品点検したところ、なんと四分の一がアウトだったそうです。こんな不良品を全国民に送りつけるのでしょうか?もし不良品だった時の返送料と再発送料も国が負担するのでしょうか?もし四分の一が不良品ならば、さらに100億円...以上かかるのではないでしょうか。(かわ)

       作田信子さんのフェイスブックから。この人は星置九条の会の呼びかけ人である。

   

     西原扶美雄さんのフェイスブックから。西原さんは九州・福岡在住の人。

   


  宮田佐和子さんのフェイスブックから。岡山の女性。
    「三馬鹿の肖像」

   



       「書くとは、耐えるということである」

         2020・4・29 

    この数日は、ミシェル・ビュトールの『モンテーニュ論』(筑摩叢書201、1973年発行。松崎芳隆訳)
  を読んでいる。昔読んだ時は青いボールペンで傍線を引いていた。今回は赤いボールペンにした。色の違い
  で若い時と今の私の読解力と関心の向かうところの変化(成長ではない)が分かると考えたからだ。

   モンテーニュはラ・ボエシについてこう書いている。

  「もしも人からなぜ彼が好きだったのかと問い詰められても説明のしようがないように思う」「こう答えるより
  しょうがないように思う。『それは彼であり、私であったから』と」。ビュトールは、「みんながラ・ボエシを
  見てみずからの盲目に気づいて欲しいと彼は希う」とモンテーニュの内面を分析する。

    訳者の松崎さんの後書きのタイトルは「エセー――あるいは動く織物について」である。そこにはこう書かれ
  ている。


    詩と小説と批評とを頂点とする三角形の内部を自由に動き回るビュトールにとって、『エセー』とは何であるか。
  この書物での、彼自身の表現を借りて言えば、「動く織物」である。織物とはもちろんテクストの意味であって、
  この表現をもう少し推し進めて彼の別の作品の表題にかけて言うなら「モビール」ということになるだろうか、
  これは私の推測にすぎない。


    ミシェル・ビュトール(1926~2016)はフランスのヌーヴォー・ロマンの作家の旗手の一人である。
  「モビール」はビュトールがどういう意味で使っているのかは分からないが、一般的には、わずかな空気の流れに
  も反応して動く彫刻の一種である。

    ヌーヴォー・ロマン(新しい小説の意)はサルトル・カミユの後の世代のフランス文学で、アンチ・ロマン(反小説)とも呼ば
   れる。私がそれを読んでいたのは20代の中頃のことで、ビュトールのものでは『ミラノ通り』(松崎義隆訳・竹内書店・197
   1年)、『時間割』(清水 徹訳・河出文庫・2006年)、『心変わり』(清水 徹訳・岩波文庫・2005年)の三冊だ。
    ヌーヴォー・ロマンは党派的な文学運動ではないが、個々の作品に共通する特徴として「前衛性」が挙げられる。
   アラン・ロブ=グリエ、クロード・シモン、ナタリー・サロート、マルグリット・デュラスといった作家たちだ。
    1967年に新潮社から出版された『フランス文学史』(河盛好蔵・平岡 昇・佐藤 朔・編)では、ヌーボー・ロマンを次のよう
   に解説している。その317頁。

    彼らは年齢も性格もそれぞれ異なり、べつに一つの流派を作ったわけではないが、伝統的小説の属性である時間に沿った
   筋の展開、作中人物の典型、心理描写、題材の明証性、それに作者の造物主的視点などのすべてを排除するという、共通
   の目標を所有していた。
   「われわれの小説は、作中人物を創造せず、また物語ることもしない」とロブ=グリエは言った。

    少し長くなってしまった。今の私の関心はヌーボー・ロマンにあるのではない。最大の関心事は、常にモンテーニュである。
   より正確に言うならば、『エセー』と、それを読むその時代の人たちとの関係性の濃淡である。そして、私の場合、その中の
   一人にシェイクスピアがいる。
    シェイクスピアについては、最初に立てた全作品を揃えるという計画は、例によって順調に遅れているが、この月曜日、新
   川通りにあるコーチャンフォーで松岡和子さんの訳による『夏の夜の夢  間違いの喜劇』『十二夜』の二冊を買った。
    翻訳者が変わったということは、新しい段階に入ったということだ。
   昨日、庭に水仙の花が咲いた。残酷極まる四月も後1日で終わる。5月になればチューリップも咲くだろう。海辺から吹く風も
   もう少し優しいものになるだろう。順調に遅れているとしても、計画は昨日よりは一歩進んでいるのだ。
    港ヨコハマの釣友・小野さんからメールを頂いた。

 
       4月27日  受信 

    お礼のご挨拶が遅くなりましたが、「星置言論工房 超絶私家版」届いております。

   この本を頂くに値する全国10数名の中本さんの友人に私が本当に該当するかどうか、極めて疑わしいところではありますが、
   喜んで再読させていただきます。
ネットは便利ですが、人の手で綴じられた本には生命が宿っています。
   
星置の 北極星の輝きは 遠き横浜の地も照らしけり
    

     これは褒めすぎと言うものだ。しかし、この励ましは老骨を奮い立たせる。
    平山さん、國中さん、金田さん、そして小野さん、私は友人に恵まれている。もしもこういう人たちとの交遊がなかったならば、
    この70歳の春は救いようもなく悲惨なものとなっていたに違いない。
     モンテーニュは、「私は私の意見を述べる。それがよい意見だからではなく、私自身の意見だからだ」と言ったが、その
    意見を聞いてくれる人がいなかったとしたら、どういうことになるのか。ここに私の幸運がある。
     ビュトールは言う。モンテーニュにとって、書くという行為こそ運命の度重なる打撃に耐える助けになるに違いない、包囲に
    耐えることである、と。
     
モンテーニュはこう語っている。

     最初に物を書いてみようという気がおこりましたのは、ある憂鬱な気分、私の生まれつきの性格に全く反する気分のせいで
    ありまして、これは数年前に飛び込んだ孤独の淋しさから生まれたものです。それに、他にこれといって書く素材も見当たりま
    せんので、私は眼の前に自分自身を差し出し、これを素材とも主題ともいたしました。これは乱暴で突飛な企てです。ですから
    この仕事には、こうした珍しさ以外には注目に値するものは何一つございません。

    
孤独な者にとって、書くという行為は、外側の出来事に耐えるということである。
   



              
      特報

      「絶対に伝えなければならないこと」
 
        2020・4・28  夜
    

     津田 孝さんからのメールを全文転写する。

     皆さま

   相変わらずお騒がせ相済みません

   BCCでお送りしていますが以下は江別市の樋口さまの転送です

   自由と民主主義を守るために奮闘されていらっしゃる方です

   共鳴する所があって勝手に皆さまに発信しています

   この件に関しては昨年の『世界』10月号読者欄に小生の投稿が採用されています

   言いたいこと(納得できないこと)は黙っていないで言うことが大事

   言わないと相手(政府)の言うことを承認したことになる

   動画の中に登場する女子学生がそう言っていますが全くその通りです

 

*************************************

  つ だ たかし 

  津 田  孝(獅子吼老)

   メール;tsudatch@mx32.tiki.ne.jp

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

 

-----Original Message-----
     From:
樋口みな子
    Sent: Monday, April 27, 2020 9:41 AM
    To:
銀河通信読者 <ginga@ml-box.sakura.ne.jp>
    Subject: [ginga:00288]
『ヤジと民主主義~小さな自由が排除された先に~』動画で見ることできます。

 

    読者のみなさま

   昨日、放映された標記の番組、見逃した方、道外の読者にお伝えします。

   私は昨日の番組を見ましたが、メディアがコロナ一色になっている今、是非、見るべき番組だと思いました。

   ヤジ排除は北海道だけで起きているのではありません。遠く関東にまででかけ、ヤジを飛ばした大学生を取材
   しています。また札幌で排除された人たちの安倍政権への抗議の声を取材しています。
   私の通信も、民主主義を守りたい、自由に発言したいという思いで発行しています。小さな声を届けつづけた
   いです。
   動画で配信されています。 以下から是非ご覧ください。
    【HBC公式無料動画配信サイト「もんすけTV」】 https://www.hbc.co.jp/monsuketv/
   HBCドキュメンタリー『ヤジと民主主義~小さな自由が排除された先に~』
    【放送日】

     4月26日(日)午後2:00~2:57※北海道ローカル
     【内容】

     「安倍やめろ」

     2019年7月15日、安倍首相が札幌で参議院選挙の応援演説をしているときに、それは起きた。演説会場で
    ヤジを飛ばした1人の男性が、多数の警察官によって排除されたのだ。「増税反対」と声を上げた女性も同じよ
    うに排除された。ヤジだけではない。年金問題に関するプラカードを掲げようとした年配の女性も、警察官によっ
    て安倍首相から遠ざけられ、掲げることはできなかった。
    「無言でプラカードを掲げるというのは誰にでもある権利。弱者ができる唯一の一人でできることを奪う国は民主
    主義ではない」(女性)。
     あの日、札幌では少なくても9人が警察によって排除された。弁護士団体や市民らが北海道警察に抗議し、説明
    を求めたが、道警は7か月にわたり説明をしなかった。だが今年2月、道警はヤジを排除したのは適正だったと結
    論付けた。
     番組では排除された当時の映像を独自に集め、公職選挙法や元警察官、刑法の専門家などへインタビューを行
    い、ヤジ排除の正当性について真正面から検証する。一方で排除された当事者の思いに迫る。
    さらにかつて北海道内で治安維持法によって逮捕された当事者にも取材するとともに、日本で言論の自由を弾圧し
    た原点となる「弁士中止」も発掘する。
     地方都市で起きた警察によるヤジ排除。「たかがヤジで…」という声も少なくない。しかしこの問題を放っておいて
    いいのだろうか。小さな自由が奪われた先に待つものは何か。あの日札幌でおこったヤジ排除は、この国の民主
    主義になにをもたらすのだろうか、検証する。
     +:+:+:+:+:+:+:+:+:+:+:+:+:+:+:+:+:+:+:+:+:+:+:+

       ☆  江別市                

       ☆   樋口 みな子            

    http://www13.plala.or.jp/minginga/                             

  +:+:+:+:+:+:+:+:+:+:+:+:+:+:+:+:+:+:+:+:+:+:+:+  

 
       「またまた文章について」

         2020・4・28   昼

    試論「シェイクスピアを訪ねて」を何人かの友人・知人に配ったことは前に書いた。
   その中の一人に國中吾風さんがいる。その吾風さんから礼状を頂いた。それで何となく気になってパソコンを開いて
   久しぶりに読み返してみた。またやってしまった。何か所か書き間違えがあった。
   コロンブスの新大陸発見の年は1492年だ、それを1942年と書いていた。松本清張に関する所にも書き間違えが
   あった。その他にも有るかもしれないが、もう手遅れだ。どうしてこんな初歩的なミスを犯すのか、本当に馬鹿は死な
   なきゃ治らないね。前にもこんなことがあった。恥ずかしながら一度や二度ではない。
    2年前の11月、私はこんなことを書いていた。

「文章について」
2018・11・30

   日記であれ手紙であれ恋文であれ、あるいはまた小説であれ詩であれ随筆であれエッセーであれ論文であれ
  、その他の何であれ、人が一つの主題(必ずしもあるとは限らないが)と取り組んで、想うままにペンを動か
  して文字を刻んで行を組み立ててゆく、その出来上がったものを一般的には文章と呼ぶのだろうが、外部に発
  信する前のこの段階では、一連の作業は個人の私的な領域に属することであって、読者はそれを書いたご本人
  一人であるからそこで何が起きても世間様には迷惑は掛からない。

   次の段階では、その仕上がった文章らしきものを読み返してあれかこれかと表現の正確性もしくは文学性に
  ついて悩む。
いわゆる「推敲」というやつだが、これは唐の詩人・賈島(かとう)が、「僧は推す月下の門」と
  いう自作の詩句について、
推す(たた)とすべきかどうか迷ったすえ、優れた名文家である韓愈
  
(かんゆ)に問うて、「敲」の字に改めた という故事からできた言葉である。つまり、言葉は意思によって選ば
  れて初めて意味を持つという訓えである。

   しかし、ここでも事はまだ個人の私室の出来事である。起こることはおそらく一つ、それは自身の無知無学
  について改めて思い知るという喜劇だが、幸いなことに部屋のドアは閉められている。誰も見ていないし、誰
  も気づかない。ただ、本人が赤面するだけである。

  そんなつまらぬ思いをするのなら始めから書かなければよいのにとも思うけれども、目の前に紙とペンがあれ
  ば人は何かを書かずにはいられない。

    今それを書かねばならぬ絶対的な必要性がなくとも、人は文字を並べ始める。何故そうなるのか、私の思う
  処その理由は一つしかない。それは書くこと自体が楽しいからである。ふと「遊戯」という言葉を思い出す。

   オランダの文化史学者ホイジンガは、人間の諸活動を「遊び」の視点から考察し、「遊戯」は「文化」より
  古いとし、「ホモ・ルーデンス(遊ぶ人間)」という概念を提唱した。

   洞窟の壁画は人類が最初に発見した「遊び」だろう、と私は思う。そして今、69歳に成らんとする私が毎夜
  この雑文を書き続けるのも堅い岩盤に線を引いている男が、或いは女が覚えるところの歓びに近いものがあるこ
  とを認めなくてはならない。

   さて、ここまでは一個人の孤独な遊びについての話であるから、そこに間違いがあろうとなかろうと全て内緒
  の祝祭事である。

  問題はこの後だ。その仕上がった文章らしきものを止せばよいのに印刷物にして外部に発信するとする。
   例えば封筒に入れて、例えば回覧板として、例えば一冊の本にして出版するとか、方法は色々と想いつくが、要
  するに自分の手許から離すということだ。この時、文章は二度と弁解できないものとなる。公私の領域を問わず、
  文章それ自体に責任が発生するということだ。

  書いた本人は手放す前に何度も読み返している。奇妙な思い込みを持って読み返している。だから、実際には読
  んでいないということになるのだが、この事実に本人が気づくことはない。

  本人は完全な仕上がりだと満足し、完璧な表現だと己惚れるのだが、果たしてそうか。
  プリント・アウトしたものを数時間後あるいは数日後、何かが気にかかって読み返してみる。
   文章は悲惨な状態である。文法上の誤りといったような呑気なものではない、それ以前の全くもって初歩的な間
  違いがそこら中に氾濫している。こうなると赤面どころではなく顔面蒼白である。

  文章がそれを書いた本人の手許から離れるときの作業の手順は、執筆、次に推敲(必ずしもあるとは限らないが)、
  そして校正・校閲となる。

    校正は、誤りを正すことであり、校閲は、原稿に書かれている文章の意味や内容を読み、その誤りを正すことで
  ある。
この作業は一般的には執筆者本人ではなく、その文章を客観的な立場で読むことが出来る第三者が担当する。
  例えば出版社の編集部にはそういう専門家がいる。

   ここで思い出すことは、以前なにかの本で読んだことだが、それはある出版社の編集部の人の話だが、石川淳の
  原稿は校正・校閲の作業を全く必要とはせず、真直ぐ印刷所に送ることが出来たということだ。つまり、文章が完
  璧ということである。

  「夷斎」の雅号をもつこの作家は別格として、普通は誰が書いたものであれ第三者の校正の手を煩わすものだ。
  と言うのは、人は自分の書いたものを客観的に読むことは不可能だからだ。

  だから文章には誤字・脱字の問題が付きまとう。それにパソコン使用者であれば変換ミスがあり、出版物であれば
  誤植ということが起こる。それで『論語』の「後世畏るべし」をもじった「校正畏るべし」という言葉が生まれた
  そうである。

   それで話は私事に戻る。
  何か月か前からだが、私はこの「ハックフィン協奏曲」を3人の人にプリントアウトして郵送している。その理由は、
  一つは3人がパソコンを使わない主義の人だからであり、いま一つ私の方の事情としてはこの3人にはどうしても読
  んでもらいたいという甘えがあってのことだ。人は、自分を理解してくれると思う人には心を開くものだ。それも相
  手の迷惑を考えることもなく必要以上に。

   それは兎も角として、この習慣が身についてから暫くして「校正」という問題にぶつかった。
  プリントアウトしてから四つ折りにして封筒に入れる前にもう一度読み返すのだが、いやはや突然にして世界は真っ
  黒だ。
気分ノリノリで書いた名文と信じたものが実は洞窟の壁に書き殴られた解読不能の低能児の落書きであったとは、
  所詮はこんなものだと諦めはするが、後一月もすれば69歳になるのだよ。

 「馬鹿は死んでも治らない」とは、けだし名言であるな。だが、書くと言うことは、私の知っている唯一の「遊び」であ
  る。これが楽しくて止められない。

  陽も暮れてみんなが家路に就いたとしても私は一人でいつまでも遊んでいる。幼い頃から私はそういう人間だった。
  みんなが日の丸を振って「ガンバレ・ニッポン」と大合唱するとき、私は田舎正宗を呑みながら「コレデイイノカ・
  ニッポン」と横を向く。

   なに、特別に難しいことを言っているのではない。私と言う人間は、集団生活が嫌いだと告白したまでのことだ。
  文章については一つ思い出がある。
  私は中学の2年生の時、同級のある女の子に恋文を書いた。低能児の落書きだから恋心は伝わらなかったのだろう。恋
  は実ることなく終わった。

   仲間の悪餓鬼たちは「どうしてあんな女がいいんだ」「生意気で、意地悪で、気取っている」と言った。
  その時、私は口には出さなかったが、心の中で呟いた。「オマエ達には、あの娘の良さは分からない」と。「あの孤独
  の清潔さは、オマエ達には理解できない」と。「俺が求めているのは餓鬼の色恋ではない。神秘だ。」と。

  自分が世間一般の人間とは異なること、この発見が私の少年期の始まりだった。これはナルシズムではない。だから誇
  りとするものでもない。無能無芸にしてただこの一筋、私もまた風雅の誠を追い求める。

  だから今夜もこうして偽の日記を書いている。
  最後に一言。自分の書いたものを自分が校正する、そんなことは不可能だ。

    あれから2年経った。私は何も変わらない。一つも成長していない。
   相変わらず愚か者である。文章の事に限らず、全ての領域において誤りが多すぎる。やっぱり痴呆症か。あるいは持って生まれた
   性格喜劇か。いずれにしても大人に成り切れない男だ。
   このことは特に恥ずかしいとは思わないけれども、そんなに己惚れてはいない。私の能力は、全ての領域においてこの程度のもの
   だ。まあ、この先も恥をかき散らして走り抜けるさ、これしか生き方を知らないのだから。こんな低能児に生んでくれた母を恨むが、
   その母はとっくの昔に彼岸の人だ。
    私が少年の頃、無慈悲な母はよく言ったものだ。

    「馬鹿な子どもほど文房具に凝るね」と。
  


 
       「パンデミック・プロフィティアーズ」      

        2020・4・28    朝

        今日のコロナ情報
            感染者数 13、576人、死者376人。


     一ヶ所に富が集積する時、他方では不幸、苦悩、苦渋、苦役、孤独、蛮行、精神の退廃が集積しているのだ。
                   カール・マルクス『資本論』

     
戦争や災害が起きて人々が嘆き苦しんでいる時、何処かで笑っている奴が必ずいる。
     彼らは人々の嘆きや苦しみを食べて肥っていく。
      フランス王ルイ15世の愛人であったポンバドール侯爵夫人は「我が亡き後に洪水よ来たれ」と言った。
     侯爵夫人は、悲惨と絶望が及ばない安全で贅沢な邸宅にいたのである。
      マルクスは、この言葉に言及し、、「"大洪水よ、わが亡きあとに来たれ!" これがすべての資本家およびすべての資本家国民
     のスローガンである。それゆえ、資本は、社会によって強制されるのでなければ、労働者の健康と寿命にたいし、なんらの顧慮
     も払わない」と述べた。
      今日のニュースだ。アメリカから二つ。

        「パンデミック・プロフィティアーズ」(感染症拡大で暴利をむさぼる者)
     億万長者(資産10億ドル以上) 30兆円増 米シンクタンク調査 新たな失業者2200万人

      【ワシントン=遠藤誠二】米国で、新型コロナウイルス感染拡大にともない空前の失業者が出る一方、インターネット通販大手
     アマゾンの創業者ベゾス氏ら億万長者らの資産がさらに増えていることが分かりました。
     米国のシンクタンク「政策研究所(IPS)」の調査によると、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)で、同国では3月18日
     ~4月10日に2200万人が職を失う一方、資産10億ドル以上の億万長者の資産の合計は2820億ドル(約30兆円)も増加し、
     これはコロナ禍が始まる前と比べ10%増えています。
      アマゾンのベゾス最高経営責任者(CEO)の資産は15日の時点で、今年1月1日に比べ250億ドル(約2兆6800億円)増加。
     IPSは「近代史上、未曽有の増加だ」「中米ホンジュラスの国内総生産(239億ドル)より多い」と指摘しています。
     アマゾンは、新型コロナウイルス感染拡大による外出制限で需要を増大させ、17万人規模の追加雇用を行い株価も上昇していま
     す。他方で、全国にある集配センターでの感染対策が不十分だとして2度にわたり従業員によるストが実施されています。
     IPSは、ベゾス氏や電気自動車メーカーのマスクCEO、ズーム創業者のユアンCEOら、米国で最も裕福な34人のうちの8人を「パ
     ンデミック・プロフィティアーズ」(感染症拡大で暴利をむさぼる者)と命名。8人はそれぞれ、今年10億ドル以上のもうけをあげてい
     ます。調査責任者のコリンズ氏は▽パンデミック・プロフィティアーズを監視する議会特別委員会を設置する▽増収に応じ緊急に課
     税する▽富裕税の増税を実施する―などの施策を提案しています。

       消毒剤の大手メーカー、飲むな危険と警告  トランプ氏は発言は「皮肉だった」と

               2020・4・25   ニュース・ジャパン
             

      ドナルド・トランプ米大統領が新型コロナウイルス治療として消毒剤を注射するのはどうだと記者会見で言及したことに対し、消毒
     製品の大手メーカーは危険なので「絶対に」体内に入れないよう呼びかけた。
      洗剤など日用品の英大手、レキット・ベンキーザーは24日、「はっきり申し上げます」として、「どのような状況だろうと弊社の消毒製
     品は絶対に、(注射でも内服でもその他のどのような方法でも)人体に入れてはいけません」と声明を出した。
     23日のホワイトハウス会見での自分の発言が多くの医療関係者からも批判されたトランプ氏は、24日午後の新型ウイルス対策タス
     クフォース会議に出席し、記者団を入れたその冒頭で、「おたくみたいな記者たちに、皮肉として質問して、どうなるか試したんだ」と
     発言の意図を述べた。
     消毒剤は人体には危険な物質で、体内に服用すれば害をもたらす。体の表面に付着しただけでも、肌や目、呼吸器官を傷つける恐
     れがある。レキット・ベンキーザー社の消毒剤「ライゾール」はアメリカでも売られている

        トランプ氏は何と

      23日の定例会見では米国土安全保障省の科学技術局幹部が、新型コロナウイルスは太陽光や熱を浴びると比較的早く不活性化
     するようだという政府研究の結果を発表した。
     この研究はさらに、唾液や気道分泌物に含まれる新型コロナウイルスは漂白剤で5分以内に、イソプロピルアルコールを使えばさら
     に速やかに不活性化する可能性を示した。
     これを聞いていたトランプ氏は、「とてつもない紫外線」や「ただひたすら強力な光」を、人体に外から、あるいは内側から浴びせる方
     法が効くかもしれないと発言。さらに続いて、同席していた新型ウイルス対策の政府調整官、デボラ・バークス医師に向かってこう述
     べた。
     「それから、(新型ウイルスを)1分でやっつける消毒剤もあるだろう。1分だ。そういうのをやる方法はあるかな? 体内への注射とか、
     それこそ洗浄に近いような?」
      ホワイトハウスは24日朝、大統領はアメリカ市民に「繰り返し」、新型コロナウイルスの治療法については医師に相談するよう強調し
     てきたとコメントを出した。
     しかし、この時点での声明には、トランプ氏の発言が「皮肉」だったという説明は一切なかった。トランプ氏は同日午後に記者団に、発
     言は記者の反応を試す「皮肉」だったと述べた。
      ツイッターやレディットなどソーシャルメディアには、漂白剤や消毒剤に関するトランプ氏の発言に関する投稿が相次いでいる。レキッ
     ト・ベンキーザー社の「ライゾール」は、アメリカでも有名な掃除・除菌剤ブランドのひとつで、トランプ氏の発言以降、少なくとも12万回以
     上はツイッターの投稿に登場した。
     メリーランド州知事室によると、新型コロナウイルスによる感染症「COVID-19」と消毒剤について100件を超える問い合わせの電話が
     相次いだ。同州の緊急事態管理庁は、消毒剤を注射したり内服したりするのは危険だと警告を発した。
     カナダのマギル大学ヘルスセンター胸部外科のジョナサン・スパイサー医師はBBCに、トランプ氏の発言内容を実行すれば死に至るお
     それがあると述べた。
     「(消毒剤に)含まれる腐食性成分は内臓の内壁を溶かしたり破壊したりする」として、スパイサー医師は家庭内にある掃除洗剤の内服
     は「きわめて危険だ」と強調した。
     トランプ氏が提案した紫外線照射については、米コロンビア大学のドナ・ファーバー医師(疫学)がBBCに、「実用的ではない」と話した。
     「紫外線はあまり遠くまで届かない。なので体外からだろうが体内だろうが、肺には届かない。ただ、肌が黒くなったり赤くなったりするだ
     けで、DNAにも傷がつく」
     ファーバー医師はさらに、体内の新型コロナウイルスに作用するほどの放射能を人体に照射すれば、「コロナウイルスの方がまだましと
     いうくらい、人体をひどく損傷してしまう」と説明した。
     トランプ氏による治療方法についての発言が、広く批判され物議を醸したのはこれが初めてではない。トランプ氏は少し前まで、 抗マラ
     リア薬のヒドロキシクロロキンがCOVID-19に効くかもしれないと、ことあるごとに繰り返していたが、臨床上の証拠はなかった。米食品医
     薬品局(FDA)は24日
、逆に重篤な不整脈など心臓系の副作用が懸念されると声明を出している。

      国内のニュースは一つ。

        馳元文科相らに謝罪要求 セクハラ 
                   女性支援団体が抗議文

      10代の女性に食事提供や宿泊支援を行っている団体「Colabo」(仁藤夢乃代表理事)は24日、自民党の馳浩元文部科学相・衆院
     議員など自民党議員らが同団体の施設を視察中に、馳氏が団体メンバーにセクハラ(性的いやがらせ)を行ったとされる問題で、「抗
     議文と要望書」を発表しました。馳氏らによる視察は団体の活動を尊重せず、メンバーに性加害の恐怖を与えたとして、5月1日までに
     文書での謝罪を求めています。馳氏は現在までにセクハラ行為を自ら行ったことは認めていません。
     「抗議文と要望書」は、「5人まで受け入れ可能」という団体からの事前要請に反して約15人(大半が男性)が訪れたと述べ、無許可で
     の写真撮影とSNSへの写真の投稿や、馳氏らによる威圧的な態度などの問題行動を挙げています。
     同文書は、馳氏が10代の女性向けに定期的に開催しているカフェの設営中に、10代メンバーの「腰を両手で左右から触りました」と
     指摘。女性はすぐに逃げ、活動終了後に「つらかった」と職員に報告したとしています。被害を訴えたメンバーは性暴力被害のトラウマ
     を抱え、「彼女にとって安心安全を感じられる場所であったColaboの活動の中で被害にあった」として、食欲がなくなるなどの症状に悩
     まされていると告発。馳氏がセクハラを認めて謝罪することや、視察参加者全員の反省と文書での謝罪などを求めています。

               きょうの潮流   2020・4・28  しんぶん・赤旗

       ありがたいことに、本欄には日々励ましとともに、さまざまなご意見や感想が寄せられます。己の認識不足を思い知り、目がさめるこ
      ともたびたび▼志村けんさんの訃報をとりあげたときもこんな意見をいただきました。彼の笑いを評価しているが、あのセクハラギャグ
      に女性たちがどれほど嫌な思いをしたか。亡くなったから、昔の話だからと流さないで、そういう人たちを心にとめて書いてほしかったと
      ▼長く男社会にまみれた感覚。それは往々にして態度や発言に表れ、公共の場に垂れ流されることもあります。いまSNS上では、お笑
      いタレント、岡村隆史さんのラジオでの発言が炎上しています▼「コロナ明けたら、なかなかのかわいい人が、短期間ですけれども、美人
      さんがお嬢(風俗嬢)やります」。感染拡大で貧困がひろがり、風俗で働かざるを得なくなる女性が増えることを予想。それを楽しみにして
      いるかのような物言いが批判されています▼「だから、今は我慢しましょう」と呼びかける間、スタッフの笑い声も。これには「追い込まれ、
      風俗に身を投じざるを得ない女性の立場を全く分かっていない」「彼のような考え方が福祉の拡充を阻んでいる」との書き込みが次々と
      ▼日常の生活が断たれるなか、困難や矛盾が働く女性やシングルマザーに集中しています。政府の対策にも性差による視点はとぼしい
      。おりのようにたまった社会のゆがみを正す。コロナ危機の先に、新しい社会をつくっていく契機がここにもあります。

     人々の嘆きや苦しみを大好物とする奴、権力を笠に着て己の欲望を満たそうとする奴、どうしてもこういう人間がなくならない。
     しかし、それ以前に不思議に思うのは、こうした人間がなぜ高い地位に居るのだろうかということだ。こうした人間をその地位に持ち上げ
     たのは誰なのか、私たちである。
      マルクスはこうも言っている。

     「例えば、この人が王であるのは、単に他の人々が彼に対して臣下として振舞うからでしかない。
ところが、逆に彼らは、彼が王
     だから自分たちは臣下だと思い込んでいる
のである」

      
何か月か前のことだ。それほど若くもない二人の男女がオープンカーに乗ってパレードをした。時間にして1時間もあったかどうかと
      いったものだが、その為に造られたオープンカーは8000万円もする超高級車であった。たった1時間程度のパレードのためにだよ。
      もっと他にやるべきことはなかったのか。こうした人たちの仕事とは何なのだろうか。
      ホームドラマの中の王権神授説か。
     



       「緊縮政策とは何か」
   
          2020・4・27

       今日のコロナ情報
         感染者数 13、182人、死者348人。


    25日の新聞にイタリアとスペインのコロナ感染による医療崩壊の現状が報じられていた。
   タイトルは、「元凶は緊縮政策」。
   両国が直面する医療崩壊の主要な原因の一つが、緊縮政策による医療の切り捨てだということだ。
    イタリア国内で感染者・死者が最も集中している北部ロンバルディア州のベルガモ市内の病院に勤務する
   医師はテレビ局ニュースでこう語っている。
   「病院の資材、集中治療室(ICU)のベッド数と重症患者の数が釣り合わない。もし呼吸に問題のある高齢の
   患者が来ても処置はされないだろう。治療するかどうかは、患者の年齢や健康状態で決められる。冷酷な宣
   告だが、残念ながらそれが真実だ」。
    同国メディアでは「(新型コロナの)大流行はシステムの欠陥を浮き彫りにしている。少なくともこの10年間、
   民間の医療を利するために公共の保健分野で行われた財政削減が影響している」という指摘を報じている。
    スペインのプブリコ紙は3月20日付で「新自由主義の右派が医療を壊した」と題する記事を掲載したという
   ことだ。
   全国労組スペイン労働者委員会はメーデー向けの声明で「(EUなど)欧州の機関は、過去の金融危機で彼
   らが押し付けた緊縮政策が、社会的保護と労働者保護の仕組みを弱体化させたことを認めるべきだ」と批判
   し、「人々の権利と福祉が最優先される新しい経済・社会モデルを我々は要求する」と宣言した。
    国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは18年にスペインについて「緊縮政策で追い詰められる患
   者」と題した報告書を発表している。
    ベルギー労働党の欧州議会議員マルク・ポテンガ氏は論文(4月3日発表)で、コロナ危機の前から欧州諸
   国では緊縮政策で医療が切り捨てられてきたと批判し、「緊縮政策は証明済みの深刻な健康被害だ」と述べ、
   「公共サービスは利益志向であってはならない」「健康は商品であってはならない」と強調し、公的医療制度の
   再建を取り組みの中心に置くよう訴えたということだ。
    フランスの社会学者エドガー・モリンさんは「今回の危機によって、われわれがあらゆるレベルで新自由主義
   から脱却することを可能にしなければならない」と述べている。
    この日の新聞の違う紙面では、「米労働省が23日発表した新規の失業保険申請件数(季節調整済み)は、
   18日までの1週間で442万7000件となりました」と報じている。
    その次の海外ニュース欄では、世界的流行受け国連総長が「人権上の危機に」と警告を発したと報じている。

    【ワシントン=池田晋】国連のグテレス事務総長は23日、新型コロナウイルスの世界的大流行が公衆衛生上
   の非常事態と経済危機を同時に引き起こしているだけでなく、「急速に人権上の危機になりつつある」と述べ、
   格差や差別によって社会的・経済的弱者ほど被害を受けていると警告しました。各国の対策では「国民と人権
   が中心に位置づけられなければならない」と呼びかけました。
    また、グテレス氏は、コロナ危機が「感染拡大とは無関係の、弾圧政策に口実を与えうる」とし、「容認しがたい」
   とも強調。国名はあげませんでしたが、米国ではコロナ名目で移民受け入れの一時停止などが進められています。

    最後の紙面は国内ニュースだ。

      長埼クルーズ船 新たに43人陽性
     長崎県は24日、長崎市に停泊中のクルーズ船「コスタ・アトランチカ」で、新たに乗員43人の新型コロナウイ
    ルス感染が判明したと発表しました。同船の感染者は計91人となりました。

     驚いたね。クルーズ船がまだ運航していたとは、ほんとうにどうかしているよ、この国は。
    今、世界がどういう状況下にあるのか分かっているのかね。3密厳禁ではなかったのかね。
    次の記事をもう一度真剣に読んでほしいね。他人事ではないのだよ。

       世界死者が20万人超に―ジョンズ・ホプキンス大集計:新型コロナ世界の感染者数(随時更新)
              Japan Data    4月26日付

     米ジョンズ・ホプキンス大学システム科学工学センター(CSSE)の集計で、日本時間26日早朝、新型コロナウイ
    ルスによる世界の死者が20万人を突破した。国別の死者数は米国が約5万3000人で最も多く、イタリアは2万600
    0人、スペイン、フランスが各2万2000人、英国が2万人超。欧米5カ国だけで死亡者は14万人以上に達し、世界全
    体の7割を占める。世界の感染者数は288万人で、米国が約92万6000人で最多。
     感染者数の多い主な国は以下の通りだ。
    
       国名              感染者数             死亡者数
        アメリカ             933933人            53449人
        イタリア             195351人            26384人
        スペイン             223759人           22902人
        フランス             124114人            22614人
        イギリス             148377人            20319人

      ここから最初の問題に戻る。
     「緊縮政策」とは何かということだが、 『日本語大辞典』によれば、「国家が、財政の基礎を強固にする目的で、冗費
     節約、新事業の繰延べ、または中止などを行なう政策」と解説されているが、これはあまりに常識的というか、事の本
     質には触れていない。三省堂『大辞林』では、「財政政策のうち、可能な限り支出を抑え、歳出を少なくすることで、赤
     字削減や増税回避のための対策とする方策」となるが、これも建前論である。どちらもこの政策が社会に及ぼす影響
     については触れていない。
      松尾 匡・立命館大学経済学部教授はこう語っている。

         「MMT」や「反緊縮論」が世界を動かしている背景
                 「AOC、コービン」欧米左派を支える主要3潮流

     MMT、リフレ、財政出動……混乱している「反緊縮」経済政策を欧米左派の経済政策を紹介しながら整理します。
    アメリカ政界に旋風を巻き起こしている「グリーン・ニューディール」や「MMT(現代貨幣理論)」を唱えるオカシオコルテス
    下院議員をはじめ、イギリスのジェレミー・コービン労働党党首、フランスの「黄色いベスト運動」など欧米左派の新しい
    動きが取り上げられることが増えている。今いったい何が起きているのだろうか。
    「反緊縮」経済政策論の旗手であり、このほど『「反緊縮!」宣言』を上梓した編者の経済学者、松尾匡氏が解説する。

      欧米反緊縮左翼のコンセンサス


     イギリスのジェレミー・コービン党首の労働党やアメリカのサンダース派、フランスのメランション派や黄色のベスト運動、
    スペインのポデモス、ヤニス・バルファキス元ギリシャ財務相の始めたDiEM25など、近年、欧米では反緊縮左翼が台頭し
    ているが、そのコンセンサスとなっているのは、次のような見解である。
     彼らは「財政危機論」を新自由主義のプロパガンダとみなしている。財政危機を口実にして財政緊縮を押し付けることで、
    公的社会サービスを削減して人々を労働に駆り立てるとともに、民間に新たなビジネスチャンスを作り、公有財産を切り売
    りして大資本を儲けさせようとしていると見なす。
    したがって、財政緊縮反対は政策の柱である。逆に、財政危機論にとらわれず、財政を拡大することを提唱する。
    その中身として、医療保障、教育の無償化、社会保障の充実などの社会サービスの拡充を掲げるのはもちろんである。
    しかし「反緊縮」というのは、それにとどまらず、財政の拡大で景気を刺激することで、雇用を拡大するところまで含んでいる
    ことに注意しなければならない。
    その財源としては一様に、大企業や富裕層の負担になる増税を提唱している。しかしそれだけではない。中央銀行による
    貨幣創出を利用する志向が見られ、中央銀行によるいわゆる「財政ファイナンス」はタブー視されていない。
    公的債務の返済を絶対視することは新自由主義側の信条と見なされており、公的債務を中央銀行が買い取って帳消しに
    することも提唱されている。

     スペインの新聞が「新自由主義の右派が医療を壊した」と緊縮政策を批判したが、その意味は具体的にはどういうことな
    のかと考えてみる。
     各国が緊縮政策を取らなければならなかった理由はどこにあるのか。これが問題だ。
    答えは、「グローバリゼーション」である。経済の国際化、または新自由主義のことである。
    フリー百科辞典は次のように解説している。
   
     グローバリゼーション: globalization, globalisation)とは、社会的あるいは経済的な関連が、旧来の国家や地域などの
    境界を越えて、地球規模に拡大して様々な変化を引き起こす現象であるグローバライゼーション、グローバル化、世界
   化、地球規模化
などとも呼ばれる。他動詞にする場合にはグローバライズする(英:globalize)という。

      別の辞典によれば、
     「グローバル化」は「グローバリゼーション」あるいは「グローバライゼーション」とも呼ばれているもので、グローバルの元に
     なっているグローブ(Glob)という単語は、英語で地球のことを指しています。したがって「グローバル化」とは、社会的・経済
     的な関係を地球規模にまで拡大させることを表し、具体的には「ヒト・モノ・カネ」の流れを滞らせる障壁となる国境や規制を
     取り除き、世界規模で結びつきを深めていくような活動が進んでいくことをいいます。

   要するに、グローバル化とは、社会的・経済的に国や地域を超えて世界規模でその結びつきが深まることということだが、この
   解釈で間違いはないとしても、問題はここから先にある。
   グローバル化を必要とするのは誰なのかということ、その必要とする理由が何なのかということだ。
    グローバル化によって起きたことは、産業の空洞化と雇用の損失である。そして、医療・福祉の切り捨てである。
   コロナウイルスのパンデミックはグローバル化に対する警鐘である。



        「もう一つの戦争」

            2020・4・26 

         今日のコロナ情報
         感染者数 12829人、死者334人。


     「COVID-19(コビッドー19)」の猛威が止まらない。アメリカでは感染者数が905358人となり、死者は51,
    949人となった。地球の全地域に対して宣戦布告なしに自由に侵略する世界最強の軍事国家、経済制裁を外交
    の武器とする世界一裕福な国家で何故こういうことになるのか。
     第2次世界大戦でのアメリカの軍人の死者数は約30万人で、そのうち太平洋戦域での死者は9万3千人である。
    朝鮮戦争では5万4千人、ベトナム戦争では5万8千人、イラク戦争では4486人、アフガン戦争では2万2千人以上。
    コロナ感染による死者数は朝鮮・ベトナムの二つの戦争での死者数に近づいている。おそらく近日中にそれも超える
    だろう。死者数が5万人を超えた時、アメリカでは何が起きるのか。朝鮮戦争の時は厭戦気分が国中に広まり、英雄
    マッカーサーが解任された。ベトナムの時は反戦運動が起こった。
     意味のない死を嫌うのはどこの国民も同じだと思うが、その死が国家の政策によるものだと判断された時、アメリカ
    国民は激しく反発し、抵抗し、政府を転覆させる。
    アメリカは建国以来、戦争経済国家であるが、その一方に草の根民主主義の伝統をも持っている。その第一の特徴
    は、大統領が嘘をつくことを許さないというところにある。その第二は、大統領が無能であることを許さないということで
    ある。
     死者の数が5万人を超えたということは、アメリカは新たな戦争を抱えたということである。ここからの問題は、この
    戦争に対してトランプ大統領の発言に嘘があるのかないのかということと、この戦争の解決に向かってトランプ大統領
    が正しいリーダーシップを取る能力があるのかどうかということだ。この2点について、このところクオモニューヨーク州
    知事と比較される内容の記事が多く伝わってくる。指導者の発言に対する信頼性と、その対処能力の迅速性が問われ
    ている。
     アメリカの場合、貧富の差(人種間の格差と同じ意味)がそのまま生死の分かれ目である。シカゴ市では黒人の感染
    死亡者は全体の7割を占め、白人の約5倍にのぼると伝えられる。「ヘルスケア不平等」ということだ。
     アメリカの今日の状況を予測した一冊の本がある。堤未果さんの『沈みゆく大国 アメリカ』(集英社新書・2014年発
    行)だ。少し読んでみる。

     ●人生の終わり方を自分で選ぶという崇高な目的をかかげて導入された〈 尊厳死 〉はいつの間にか、ふくれあがる
     医療費に歯止めをかける最大の免罪符になっていた。
     ●全体の8割を占める中流以下の国民の富はわずか17%。7秒に1軒の家が差し押さえられ、労働人口の3人に
     1人が職に就けず、6人に1人が貧困ライン以下の生活をするなか、年間150万人の国民が自己破産者となってゆく。
     ●政府が薬価交渉権を持たないアメリカで、薬は製薬会社の言い値で売られ、おそろしく値段が高い。
     ●この国のすべての専門職の中で自殺率がトップの職業をご存知ですか? 医師ですよ。
     ●これはちょうど、日本の電力会社とよく似ている。
      経営上のマイナスは、電力料金に上乗せして消費者である国民に負担を回し、電気料金をあげる際は、日頃から
      たっぷり献金している政権与党が承認をくれる。電気料金を値上げする一方で、株主配当と役員報酬はどんどん
      あげられるため、国民の生活は苦しくても大企業の株価は上昇する一方だ。

       私は先に「アメリカ国民は、大統領が嘘をつくことを許さない」と書いた。「大統領が無能であることを許さない」とも
      書いた。51、949人の死の意味はどこにあるのだ。この責任は誰にあるのだ。

       では日本の場合はどうなのだろう。「虚言」と「無能」は安倍晋三という政治家の二大看板であるが、それで
      も彼は総理大臣であり続けている。アメリカ国民にあって、日本国民にないもの、それが問題だ。
       日本と韓国のコロナ状況が逆転した。
      日本の感染者数12829人、死者数334人。
      韓国の感染者数10718人、死者数240人。
      ひと月ほど前までは感染者数・死者数ともに韓国の方が多かったはずだ。それが何故こうなったのか。
      政府の危機意識の違いか、拡大阻止対策の迅速性か、医療体制の強弱の違いか、色々と考えられるが、はっきり
      している事が一つある。
      文在寅大統領は、黴の生えた2枚のマスクを国民に配って、「わが国の支援は世界で最も手厚い」とは言わなかった
      ということだ。


 
        「二つの嘘」

             2020・4・25

         今日のコロナ情報
         感染者数 12388人、死者317人。

   
      「休業に対して補償を行っている国は世界に例がなく、わが国の支援は世界で最も手厚い」

     4月13日、安倍首相は日本の休業補償の充実ぶり、支援の手厚さが世界で一番であると胸を張った。 
    発言は自民党の役員会の場であるから異論は出ない。だから、その場に限っては首相の言葉は真実として
    通用し、少なくとも自民党内では共有された認識となる。
     この発言の前段は、「感染拡大防止のためには人と人との接触機会を最低7割、極力8割削減する必要が
    ある。7都府県に強い自粛要請を行うことで、ほかの県への人の流れが生まれるようなことがあってはならず、
    繁華街の接客を伴う飲食店の利用自粛を要請したところだ。それぞれの地元でも徹底するよう、議員一人一
    人の協力をお願いする」というもので、補償なき要請を一方的に語ったもので具体的な対策というものはない。
     そしてこの後に嘘が自信満々で平然と語られる。
     「さまざまな支援を用意したが、補正予算案の成立を急ぐことで準備を加速させたい。休業に対して補
    償を行っている国は世界に例がなく、わが国の支援は世界で最も手厚い」。

     
 安倍首相は「休業に対して補償を行っている国は世界に例がなく」と言うが、果たしてそうか。ドイツでは大
     企業向けの債務保証などに加え、中小企業や個人事業主に対しても総額500億ユーロ、日本円にしておよそ
     6兆円の支援策を進めている。
      イギリス政府は外出制限の発表に先立って、事業者への支援策を打ち出している。
     仕事がなくても従業員を雇い続ける事業者に対しては、その規模や事業内容に係わらず、従業員一人当たり
     賃金の80%を月2500ポンド、およそ34万円を上限に肩代わりするというものだ。
      安倍首相の発言の前日の13日、アメリカでは
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急の経済対策の1つと
     して、大人ひとり当たり日本円で最大13万円の現金の給付を始めている。
    
以上のことは、この時点で新聞各紙で報じられていた。ネットでは時間的にはもっと早く拡散していた公然の事実
     であって、この世界の動向を知らない日本人は一人もいなかったはずだ。にも拘わらず、安倍首相は休業補償
     をしている国は無いと言い切る。
      彼が天性の嘘つきであることは世間周知の事であるが、それにしてもだ、彼は現職の総理大臣である。
     公人中の公人である総理大臣が感染拡大防止対策について述べなければならない場において、私生活上の事
     について言い訳を繰り返す。森友、加計、桜を見る会、と続く公私混同の醜聞の中にはもう一人の主役として必ず
     奥様の昭惠大明神が出てくる。
      靖国小僧はその女房についてこう語る。
     芸能人とのお花見会について「レストランの敷地内の桜の下でのもので、公園での花見ではない」。
     大分旅行について「観光ではない。参拝しただけである」。
     相変わらずのご飯論法だが、見苦しいというか、浅ましいというか、救いようがない。お馬鹿である。
      休業補償を行っている国はないというのは真っ赤な嘘である。もう一つの「我が国の支援は世界で最も手厚い」と
     いうのは真っ黒な嘘である。
      福盛田勉さんのフェイスブックを開く。

 
   小早川 智
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  カラクリが分かった!!

  今まで、パンツを作っていて、マスクを作った経験もなかった企業のマツオ
 カコーポレーションは、国から約6億円の設備導入のための資金を国から補
 助金で貰ったが、実際は設備導入せず、ミャンマーの人達を、ただ同然の安
 い労働賃金で、手作業で一枚一枚マスクを作らせていたんだ!!

 どれだけ、過酷な労働条件下で働か...せられていたのかは、カビだらけのマス
 クを見れば分かる。

 そりゃ、血まみれになるよ!!!!

 

    次は西原扶美雄さん(左)と作田信子さん(右)のフェイスブックを開く。

   


    「世界で最も手厚い支援」の嘘。
   
      「アホノマスクの謎」  (24日22:18)   TBSニュース

    マスク不足対策として安倍総理が打ち出した、あの布マスクの問題です。汚れや異物の混入など不良品が
   相次いで見つかり、これから配る予定のマスクの全品回収に踏み切る事態となりました。さらに、調達コストが
   当初、政府が発表していた予算「466億円」の5分の1以下だったことも判明。どういうことなんでしょうか。
        
       「アベノマスク」調達も謎だらけ 公開情報わずか、発注枚数や単価さえ分からず

             4/24(金) 17:02配信    47NEWS

    新型コロナウイルスの感染拡大を巡り、安倍政権が全世帯に配布する布マスクの調達先は、医薬品と繊維
   事業を手掛ける興和(名古屋市)、総合商社の伊藤忠商事(東京)、アパレル製造のマツオカコーポレーション
   (広島県福山市)の3社で、契約額はそれぞれ約54億8千万円、約28億5千万円、約7億6千万円の計約90
   億9千万円と公表された。厚生労働省が社民党の福島瑞穂党首の問い合わせに答えた。しかし、各社の契約
   枚数や単価、郵送費や事務経費は明らかにされず、466億円と言われる総費用と約90億9千万円との差額の
   明細も非公開だ。こうした不透明な調達手法の問題点について、独禁法や公共調達法制を専攻する上智大法
   学部の楠茂樹教授に聞いた。(共同通信編集委員=竹田昌弘)
 

 
        「歴史の見方」

            2020・4・24

      今日のコロナ情報
         感染者数 11919人、死者287人。


    試論『シェイクスピアを訪ねて  あるいは反駁的読書論』は金色の製本テープで背中を閉じて一冊の読み物
   に仕上げた。(この方法は昨年亡くなられた五十嵐公人さんが教えてくれたものだ)。それを信頼する数人の友
   人・知人へ送った。星置の友だちや手稲の知人、それに小樽、横浜、長野、奈良、大阪に住む人たちだ。全部
   で15人ほどか、70年も生きて来て友だちが15人しかいないというのは何とも寂しいことだね。と言うより、恥じ
   るべきか。
    友人が少ない理由は、おそらくは私の性格にあるのだろう。狷介不羈、これである。
   辞書を開くと、「頑固に自分の意志を守って妥協せず、枠に囚われること無く、何ものにも縛られること無く自由気
   ままに行動すること」とあった。このことについては若い頃から気づいてはいたが、治ることはなかったし、また、治
   そうともしなかった。この性格の一番の問題点は、人間としての優しさに欠けるということである。つまり、未熟児、
   あるいは欠陥品ということだ。つまらぬ自己分析はこのくらいにして、今日の出来事を一つ書いておこう。
    試論の送り先の一人に小樽高島在住の平山裕人さんがいる。その平山さんからA4サイズの礼状が届いた。
   中に『東大教授のアイヌ遺骨盗掘 北海道の旅 (1)』と題する小冊子が入っていた。これは官学批判の書である
   と手紙に書いてあった。問題は、曲学阿世の先生たちの研究が、何を証明することを目的としてなされたのかと
   言うことである。
    この小冊子の発行元は「チャランケの会(日本人類学会のアイヌ遺骨研究を考える会)」、共同代表は木村二三夫
   (平取アイヌ遺骨を考える会)と川村シンリツ・エオリパック・アイヌ(旭川アイヌ協議会)と記されている。
     平山さんについてはパソコンで検索すると次のような紹介文が出てくる。

     平山裕人(ひらやま ひろと、1958年6月22日‐ )は、アイヌ史研究者。 北海道小樽市生まれ。1981年北海道教
    育大学
卒業。教職につき、小樽市立北手宮小学校、北海道小樽市立高島小学校教諭。1989年「夷千島里とウソリ
    ウシ政権」で郷土史研究賞特別賞(新人物往来社)受賞。
     「著書」
  • 『アイヌ史を見つめて』北海道出版企画センター 1996
  • 『アイヌの学習にチャレンジ その実践への試み』北海道出版企画センター 2000
  • 『アイヌ史のすすめ』北海道出版企画センター 2002
  • 『アイヌ・北方領土学習にチャレンジ ワークブック』明石書店 2005
  • 『ようこそアイヌ史の世界へ アイヌ史の夢を追う』北海道出版企画センター 2009.5(2刷)
  • 『アイヌ語古語辞典』明石書店 2013
  • 『アイヌの歴史 日本の先住民族を理解するための160話』明石書店 2014
         



     平山さんと知り合ったのは私が60歳の時であったから、かれこれ10年のお付き合いと言うことになる。
   その間、平山さんからは著書やパンプレットや多くの資料を頂いた。
   『シャクシャインの戦い』は2016年に寿郎社から出版されたもので、この後に新しいものを出されたかどうかは分からな
   いが、それ以前のものは全部持っていると思う。『シャクシャインの戦い』は新川通りにあるコーチャンフォーにはまだある
   と思う。その他の作品は曙図書館と石狩図書館にはすべて揃っている。
    私が平山さんから教えられたことは色々あるが、先ずは、歴史と伝説を明確に区別すること、この意味はどちらかを否定
   するというようなことではなく、それぞれの価値を認めた上で、伝説が生まれてくる背景を読み取り、それが何時の時代の
   どのような出来事を反映したものなのかを見極めるということである。二つ目は、歴史を「関係性」の視点で捉えるということ
   である。単一民族史観ではなく、複数の民族の関係の発展と盛衰を相対的に見るということである。
   三つ目は、歴史を中央から見るのではなく地方から見るということである。この意味は、ある立場によってそれが望ましいと
   され公認され文書化された年表類を事実として受け入れるのではなく、地方で現実に起きていたことを掘り起こして再構築
   するということである。
    例えば、「終戦記念日」の問題がある。
   日本人は8月15日を終戦記念日とするが、しかしロシアの対日戦勝利は9月であり、アメリカでは9月2日の東京湾上に
   浮かぶ戦艦ミズーリ号で行われた降伏調印式を記念日としている。中国では9月3日であり、この日を「日本の侵略に対
   する中国人民の抗戦勝利日」としている。
    ロシアというのは旧ソ連のことだが、ソ連の対日作戦は9月2日の降伏文書調印をも無視して継続され、南樺太、北千島、
   択捉、国後、色丹、歯舞の全域を完全に支配下に置いた9月5日になってようやく、一方的な戦闘攻撃を終了した。つまり、
   8月15日以降も戦争は続いていたのである。とするならば、8月15日の終戦記念日は極めて政治的な虚構であり、歴史
   としての事実はそこには無かったということである。
    8月15日とは、天皇がポツダム宣言の受諾を日本国民と大日本帝国軍人に「玉音放送」という形で直接語り掛けた日で
   あり、それは終戦も敗戦も意味することのない曖昧なものであり、戦闘状態をいったん休止する「休戦宣言」に過ぎなかった。
    以上のような考え方は平山さんから学んだことである。




       「医療体制強化とは何か」

            2020・4・23 

     今日のコロナ情報
         感染者数 11496人、死者277人。


     新型コロナウイルス対応の特別措置法に基づく緊急事態宣言(5月6日まで)が7日に出されてから21日で
    2週間となる。この2週間で、国内の感染者数は3906人から1万751人と2・7倍に増加した。驚くべき感染
    拡大の速さだが、おそらく実際の数字はこの10倍だろう。
     そうした中、安倍首相は21日、東京・九段北の靖国神社で春季例大祭が始ったのに合わせ、同神社に祭具
    の真榊(まさかき)を奉納した。靖国神社がコロナウイルスの感染拡大防止の観点から昇殿参拝を受け付けて
    いないため今回は参拝を見送るということだが、この件について韓国は「深い失望と遺憾」を表明する報道官
    談話を発表し、中国は「日本の侵略の歴史に対する誤った態度の反映だ」と批判し、その上で、「日本側が約
    束を確実に守り、実際の行動でアジアの隣国と国際社会の信頼を得ることを促す」と求めたということだ。
     この問題は、コロナ報道の陰に隠れてしまったのかあまり大きく取り扱われてはいないが、国の歴史観と対外
    姿勢の根本に係わることであるから、いずれは政権の体質そのものを問う大問題となるだろう。たとえ国内の
    メディアが問題視しないとしてもアジアの人々にとっては忘れることの出来ない傷跡である。歴史は立場や主観
    でもって操作することはできない。何事もなかったかのような振る舞いや、忘れてしまったかのような態度は誠実
    とは言えまい。
     高市早苗総務相と衛藤晟一沖縄・北方担当相は参拝を断念したそうだ。高市さんと加藤勝信厚生労働相は首
    相と同様に真榊を納めたということだ。こうした人たちが内閣を構成しているのだ。ここには一人のメルケルさんも
    いない。お友だち内閣とは、「画一的(がいちてき)」「云々(でんでん)」「背後(せいご)」の反知性主義の集団のこ
    とである。お馬鹿の楽園の話はまたのこととして、目の前の問題に戻る。
     昨日の新聞の「焦点・論点」欄のインタビュー記事だ。
    タイトルは「問われる病院再編統合」、佐藤英仁さん(東北福祉大学准教授・医療経済学・社会統計)は「間違いだ
    らけの削減論拠、国がすべきは体制強化だ」と語っている。
    では何が問題なのか、佐藤さんのお話を聞いてみよう。

     ―国の姿勢は“カネありき”ですね。

      医療は市場メカニズムの議論がなじまない分野です。企業の目的は利潤の最大化ですから、“お金にならない
     患者は治療しない”ことになるからです。
     だから、自治体が運営する公立病院や、日本赤十字社、済生会などが運営する公的病院は、民間には困難な
     過疎地域での医療や、救急・小児医療など不採算部門を担う歴史的な役割があるのです。
      公立・公的病院が感染症病床の9割以上を担っていることからも、赤字でも医療提供体制を止めるわけにはい
     きません。赤字を理由にした病床削減や統廃合は間違いです。国民の命や健康を守るために必要なお金なので
     す。国が支援すべきです。
       【中略】
      単純な比較ですが、日本がOECD(経済協力開発機構)加盟国の臨床医数の平均値に到達するには、あと約14
     万人養成しないといけません。東京都もOECDには届いていません。日本の高齢化率が世界一であることを考慮す
     ると、より深刻です。絶対的に不足しているのです。
     ところが、厚生労働省による医師の需給推計はと言うと、医師の労働時間を過労死レベルの週55~80時間の間
     で設定しています。医師を抜本的に増やすのではなく、過酷な労働で医療需要に対応しろという考え方です。
     感染拡大という緊急時だからこそ、公立・公的病院をはじめとした医療の役割を再認識すべきです。再編統合を迫
     るなど、逆に追い打ちをかけるような政治は間違っています。


          世界のコロナ死者、18万人超す AFP集計

              4/23(木) 3:34配信    AFP=時事

    【AFP=時事】AFPが当局の発表を基にまとめた集計によると、新型コロナウイルスによる世界の死者は18万人を超えた。
   日本時間の23日午前2時40分時点での世界の死者数は18万289人で、うち3分の2近くに当たる11万2848人が欧州で死亡。
   感染者数は世界全体で259万6383人、欧州では126万3802人となっている。
    死者が最も多い国は米国の4万5153人。以降は多い順に、イタリア(2万5085人)、スペイン(2万1717人)、フランス(2万13
   40人)、英国(1万8100人)となっている。【翻訳編集】 AFPBB News



        「私自身のための広告」

           2020・4・23 

    2月の18日、新川通りにある郊外型大型書店コーチャンフォーでシェイクスピアの『リア王』を買った。
   それから雪の降り続ける間、シェイクスピアの森で迷子となった。元々、方向感覚など持ち合わせていない男なので、
   ホワイト・アウトの空間では脱出の方法が見つからない。いや、そればかりでなく、この森で過ごすことがあまりにも楽
   しかったので、ついつい時の経つのを忘れてしまい、気が付けば世の中は四月、春になっていた。
    迷子であった時間の中で時々、ペンを持ってノートに思いつくことを書き殴った。愚者の落書きである。「小人閑居し
   て不善をなす」の類だが、その落書きを「シェイクスピアを訪ねて」というタイトルを付けて文集らしきものに仕立て上げ
   、何人かの友人諸氏に配った。超絶私家版である。
   その全文をこのホームペイジの「愚者の書架記第二部」のその2として転写した。
    愚者の書架記第二部のその1は「異境異客  ある旅人の肖像」と題して吾風・國中拓(ひろむ)さんについて書いた
   もので、転写したのは昨年の4月の1日のことだから、この間の空白は1年、いったい私は何をしていたのか。
    1年か、世の中は色々なことがあったし、また私の家にも色々なことが起こった。
   まあ、いいか。
    時間のある方は開いてみてください。
   書かれてあることの内容の出来不出来については私の知るところではない。
   モンテーニュの言葉を借りよう。
    
   私は私の意見を述べる。それがよい意見だからではなく、私自身の意見だからだ。
 「シェイクスピアを訪ねて」

      あるいは反駁的読書論


 運命とは、最もふさわしい場所へと、貴方の魂を運ぶのだ。

 
      



         「畑仕事の後で」

             2020・4・22 
     朝7時、畑に消石灰を散布した。これは昨日、近くのホームセンターで買ったものだ。5K袋詰めで598円。
    畑仕事をすると気持ちがいいね。農地が広いから仕事は10分で終わったけれども、何か大きな仕事を終えた
    後の充実感のようなものを覚えるね。太陽の下で土と親しむ、「労働の報酬は、歓びだ」と言ったのはウイリア
    ム・モリスだ。
     さてと、少し世の中を眺めてみるか。

     「手稲区星置のニュース」 
 星置九条の会代表・福盛田勉さんのフェイスブックから―――
     
 4月21日・火曜日
    
     昨日は温かく、小さな畑を耕す。雀ではないの鳴き声に癒された。
    星置9条の会の新幟が届いた
    現行幟はおとなしいデザインで会名が目立たなかった。何ものにも染まらない黒地に、人民の色の赤文字とした。
    福の独断発注!NHK「麒麟がくる」に出てくる幟は、かってなく黒地が多い?!
     コロナのせいで、3の日、19の日、手稲区平和行進等々中止。いつ、お披露目出来るか?...
    発注して、二回校正して、一週間掛からず届いた。四隅補強縫製、送料込みで2590円。
    世の中はさくさくスピードで商売が成り立つ。
    1人10万円支給もさくさくと届くように。         


      

       4月13日・月曜日

      星置緑地の水芭蕉が咲き始めた。赤ゲラ?巣作りのドラム音が心地好い
     春一番の観察会がコロナのせいで中止
     久しぶりの快晴なのに
     緑地は星置駅から小樽方面へ徒歩5分です。

         
         

       「日本国東京のニュース」     

      「1」   野党で協力し抜本的組み替え要求へ     しんぶん・赤旗(4月21日付)から

      
日本共産党の小池晃書記局長は20日、国会内で記者会見し、政府が、新型コロナウイルス感染対策として、
      一律に10万円を給付するとした補正予算案の組み替えを閣議決定したことについて、「自民党と公明党でい
      ったん閣議決定したものを世論の力でひっくり返したことは画期的だ」と語りました。同時に「1回こっきりの10
      万円の給付だけで終わらせるわけにはいかない。補正予算案には、『休業補償』という考え方がまったくないこ
      とが最大の問題だ」として、引き続き、休業・自粛要請などによって、損失を受けた事業者、労働者の営業と生
      活が維持できるよう求めていくと表明しました。
    
      「2」 坂上忍 麻生氏の10万円「手を挙げる方に配る」に「この人のお金でも何でもない…なんであんな
         言い方」
       4/20(月) 16:06配信     スポニチ

       俳優の坂上忍(52)が20日、フジテレビ系「バイキング」(月~金曜前11・55)に出演。麻生太郎財務相が17日の
      閣議後の記者会見で、新型コロナウイルス対策での全国民への10万円給付について「要望される方、手を挙げ
      る方に配る」と発言したことに言及した。
       公明党や野党は一律給付を当初から求めていたが、財務省の反対もあり、7日に閣議決定した緊急経済対策
      では1世帯30万円の給付で1度決着していた。一律給付の先例はリーマン・ショック後の09年、全国民に1万2000円
      を配った定額給付金で、当時首相だった麻生氏は、多くが貯蓄に回って経済の下支え効果は限られたとしていた。
       坂上は、麻生氏の発言について「そもそも、この人のお金でも何でもないんですけどね。なんであんな言い方され
      なきゃいけないのか僕はさっぱり分からない」と話した。

      「3」  岡田晴恵教授、変死後コロナ感染判明11人に危機感「カウントされない死亡者がいる事は肝に銘じないと」
                  4/21(火) 11:10配信      スポーツ報知

       21日放送のテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜・前8時)で、感染が拡大する新型コロナウイルス
      について特集した。番組では、5都県で11人が変死後にPCR検査を行い、コロナウイルスへの感染が判明したこと
      を報じた。
       元国立感染症研究所研究員で白鴎大教授の岡田晴恵氏は「こういう事が起こってくるという事は、市中感染が上
      がっているんだろうと。それから、カウントされないコロナの死亡者がいるって事は肝に銘じないといけないと思ってま
      す」と警鐘を鳴らしていた。


      「4」  布製マスクの不良品、7千枚強 厚労省、妊婦向けで確認
                 4/21(火) 13:25配信   共同通信

        妊婦向けに配布している布製マスクに汚れの付着などが見つかった問題で、加藤勝信厚生労働相は21日の閣議
       後記者会見で、不良品は143市町村で計7870枚だったと公表した。厚労省は同日、自治体側に配布をいったん停止
       するよう連絡すると明らかにした。
        妊婦向けの布製マスクは、政府が新型コロナウイルス感染症対策として配っているが、黄ばみや黒ずみの汚れが
       確認されていた。加藤氏は「回収し早急に原因を分析している」と述べた。メーカーには検品体制の確認と強化を要
       請したという。

       「5」 河井前法相夫妻と安倍首相の大誤算 逮捕許諾請求と1億5千万円の行方
                    2020・3・13  週刊朝日
                
         河井案里参院議員と衆院議員で夫の河井克行前法相の公職選挙法違反事件がようやく動いた。広島地検は3月
        3日、案里氏の公設秘書立道浩容疑者、選対幹部の脇雄吾容疑者、克行氏の政策秘書高谷真介容疑者を車上運
        動員(ウグイス嬢)らに法定上限の2倍、3万円の日当を支払ったという運動員買収の容疑で逮捕した。
        だが、ウグイス嬢への日当3万円は、秘書らではなく、最終的に克行氏が決めていたと広島地検ではみているという。
         「脇さんは選挙のときにかかわるだけの立場の秘書。選挙期間中、克行氏と案里氏の選挙遊説のスケジュールを
        毎日、調整していたので、日当3万円の了解を克行氏から得たようだ。広島地検の取り調べや供述調書の内容から
        克行氏をターゲットにしているのは明らかです」(案里氏陣営関係者)
        広島地検は秘書ら3人を逮捕した際、河井夫妻が滞在していた都内のホテルにも捜索に入ったという。

        「6」  国語の時間    西原扶美雄さんのフェイスブックから

       

       漢字を読み間違えた安倍晋三君は靖国幼稚園の学級委員長ですが、性格と頭の方はあまりよくありません。
      正しい読み方は次の通りです。  三省堂『大辞林』から。
       
       「1」 「画一的」の意味は個性や特色がないこと
           「画一的」は「かくいつてき」と読み、一言で説明すると個性や特色がないことを意味しています。
          物事や人などの状態が均一にそろっていることを指している言葉です。「
画一的」を構成している「画」という
          漢字には、限る・区切るという意味があり、時間・空間・数量・状態などの範囲を決めることを表しています。
          つまり「画一的」は、物事の範囲が一つだけで個性や特色がないことをいう意味です。

       「2」 「云々」は「うんぬん」と読む。
          文章や言葉を引用する際に、その後の言葉を省略するために使う言葉。また、言葉にしにくい事柄を濁す
          際にも用いる。
       「3」 「背後」は「はいご」と読む。
          ① 物のうしろ。背中の方。後方。「-に回る」
          ② 物事の表面に現れていない陰の部分。「-から操る」
          
      

            「世界のニュース」


      「1」 中国に透明性求める メルケル独首相     4/21(火) 0:53配信 ・時事通信

       【ベルリンAFP時事】ドイツのメルケル首相は20日、新型コロナウイルスについて「最初の話から中国がもう少し
      透明性を持ってくれていたら、この問題を学ぶ上で全世界の人々にとって、もう少し良い結果になっていたと思う」と
      述べた。 ベルリンで記者会見して語った。 


      「2」 五輪「延期」は保険対象外 IOCは追加経費一銭も出す気なし

           4/14(火) 13:13配信    日刊ゲンダイ

      そんな額では足りないだろう。

     国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は、独紙ウェルトが12日の電子版に掲載したインタビューで、東京五輪
    の1年延期に伴う追加経費に関して現時点で数百億円の負担が想定内にあると語った。また、新型コロナウイルス
    感染が来年も終息せず、五輪をさらに1年延期する可能性については否定的な考えを示した。
     肝心の追加経費については「日本が引き続き負担することで(安倍)首相と合意している」と述べ、IOCが契約している
    保険は五輪中止の場合にのみ適用され、延期は対象外であるとも説明した。
     コロナ禍による休業補償や解雇や倒産の支援にも金がいる。安倍総理が「GDPの2割に当たる事業規模108兆円、
    世界的にも最大級の経済対策」と大見えを切っただけに、この先国の金庫は空っぽになり、大量にお札を刷らなければ
    日本経済はアップアップだ。1兆円ともいわれる五輪の追加経費を払える余裕などない。五輪継続しか頭にないドイツの
    おっさんはそんなことはどうでもいいのだろう。
     もっとも、感染の勢いが止まらない今の状況では、来夏、国立競技場に世界のアスリートが集結するのは厳しそうだが……。

      そして、今日の国内のコロナ情報。

         感染者数11118人、死者186人。

     これでも緑のタヌキは厚化粧ではしゃぎ回り、赤いキツネはお出かけし、靖国小僧はお部屋でポチと遊ぶ。
    8つの政党は、また政党助成金(79億4300万円)を仲良く分け合う。
    自民党43億1500万円、立憲民主党10億7200万円、国民民主党11億6200万円、公明党7億5700万円、日本維
    新の会4億6300万円、社民党9000万円、NHKから国民を守る党4100万円、れいわ新選組4000万円。
    共産党は受け取り拒否。その理由は「日本共産党は政党助成金について、支持政党にかかわりなく税金を山分けするも
    のであり、国民の思想・信条を侵し、政党の堕落をもたらすものとして一貫して廃止を主張し、受け取りを拒否しています」
    と言うことだ。
     貧しい農夫が畑仕事の後で、煙草を一服し、我が手をみつめながら、ふと考える。政治は、清潔でなければならない。

           働けど働けど猶わが生活(暮らし)楽にならざりぢっと手を見る
                                      『一握の砂』   石川啄木



       「韓国に学べ」

          2020・4・21 

      この数年、世界を見渡して見て偉大な政治家だと思える人間が二人いる。
     ドイツのメルケル首相と韓国の文在寅大統領だ。二人の共通するのは、自らの実績を誇らないこと、
     発言に感情論を持ち込まないこと、相手が誰であれ最後まで対話の姿勢を崩さないこと、政府とは国
     民に奉仕する機関であるという哲学に徹しているということ、この2人は東西の文明文化を代表する
     政治家だと思う。
      今の国際社会は、鷲(アメリカ)、熊(ロシア)、龍(中国)の三国志演義の世界であるが、この三国は
     独裁国家であり、外に対しては侵略主義であり、内に対しては貧富の格差を容認する経済至上主義
     であり、それぞれが自国第一の帝国主義国家である。
      第2次世界大戦が終わった時、世界の人々は「自由の国アメリカ」に憧れたと思う、また別な人は
     「革命の祖国ソビエト」を理想とした、また別な人は「中国を民族解放の教師」としてその倫理性を高く
     評価したであろう。しかし、これらのことはすべて幻想であった。
      今、この三国を見るに、アメリカは世界中に軍事基地を持つ戦争経済の警察国家であり、ロシアは
     武力を背景に至る処で土地を掠め取る強盗国家であり、中国は中華思想に酔いしれて統制と弾圧を
     正当化する一党独裁の古代帝国である。この三国には文明と呼べるようなものはない。第一に、民主
     主義というものがない。従って、その外交政策にも内政にも道徳的指導力というものが全くない。
      そして日本はと言うと、安倍首相はトランプには「血の同盟」とへつらい、プーチンには「君と僕は大親
     友」とポエムを捧げ、習近平には「四つの原則を守りなさい」と説教されて項垂れるだけである。
     つまり靖国小僧・安倍晋三は国内では大国主義を煽るが、現実に一歩外に出ると鷲の前でも熊の前で
     も龍の前でも、借りて来た猫ならぬ永遠のポチなのである。ここには自主独立というものはない。これを
     「芸者外交」という。慰安の出前サービス業者なのである。まあ、それでも呼んでくれるお座敷がある内
     はまだいいとして、近頃は何処からもとんとお呼びが掛からない。可哀想に愛嬌者のポチは常に蚊帳の
     外である。主が相手をしてくれないとなれば「忠犬ハチ公」もただの野良犬である。既に賞味期限は過ぎ
     ているということだ。ポチのことは雑種専門のペットショップの店長さんに任せて先へ進もう。
      18日の「しんぶん・赤旗」は韓国の総選挙結果について次のように報じている。

          「ろうそく革命」前進さらに
      15日投開票の韓国総選挙(定数300)は文在寅(ムン・ジェイン)政権の与党が大勝し、市民の力で
     前政権を倒した「ろうそく革命」の前進を望む有権者の意思が示されました。文大統領は16日に発表し
     た談話で「決して自慢せず、より謙虚に国民の声に耳を傾ける」と残り2年の任期に向けた決意を述べ
     ました。【中略】恵泉女学園大学の李泳采(イ・ヨンチェ)教授は「大統領選以降、昨年の地方選、今回の
     総選挙と、国民は民主党に権力を与えることを選択し政治勢力を一新してきた。市民革命がようやく完
     成した」と分析。「選挙結果には、格差社会の解決、南北の平和プロセスの推進など、改革をさらに進め
     てほしいという明確な意思が現れた」と述べました。

      この一報を読んで、私が感じたことは、韓国は世界でもトップクラスの先進国だということだ。ここで言う
     先進性とは、一滴の血も流さずにこういう政権を実現する市民の政治感覚のことだ。
     特権階級の不正と嘘と私物化を許さないという民主主義の成熟度、これが素晴らしい。
     日本はどうなのか、天皇家あり、将軍家あり、得宗家あり、内管領あり、今もって鎌倉時代である。
     半端品の2枚のアベノマスクがお上からの施しとして領民に配布される神の国。常に蒙古襲来を国難とし
     て待ち望む武断主義の国。この国では、歴史は止まったままだ。
      総選挙の結果について韓国国内ではどのように報じられているのか、これも紹介しておく。

         総選挙圧勝「国難克服という民意」 大胆な政策実施へ=文大統領

          4/20(月) 17:06配信     聯合ニュース

     【ソウル聯合ニュース】韓国の文在寅ムン・ジェイン)大統領は20日、青瓦台(大統領府)で開いた首席秘書官
    ・補佐官会議で、15日に実施された総選挙で与党が圧勝したことについて、国難克服のために力を合わせようと
    いう民意だとした上で「一にも二にも国難克服だ。国民の生命を守り、経済も再生させてこそ次がある」と話した。

     また新型コロナウイルスがもたらした人命被害や経済や社会に与えた影響は第3次世界大戦と呼べるほど甚大
    であるとし、「世界経済は(1929年以降に世界を深刻な不況に陥れた)大恐慌以来の最悪の沈滞に陥っている」と
    指摘しながら「われわれはこの戦争の最も先頭にいる。必ず勝利して希望を作り出す。全幅の信頼を寄せてくれた
    国民の意思をかみしめ、国民を信じて大胆に進む」と強調した。

     さらに文大統領は新型コロナによる国難を克服するために与野党が協力するよう求め、緊急災難(災害)支援金
    支給のための追加補正予算案の早急な処理、また経済状況によっては追加で出される可能性のある各種対策な
    どに対する政界の協力を求めた。 

     その上で「恐れなければならない対象はウイルスではなく、国民のみ」とし、国民からの厳しい要求を受け入れ、政
    府と与党が無限の責任を負うという姿勢で、全力で国難克服に対応するよう指示した。

     文大統領は「野党も知恵と力量で競争しながら、国難克服のために協力するよう願う」とし、「政府は野党の意見に
    も常に耳を傾ける」と強調した。

     新型コロナに対する防疫については、「世界にとって希望となる国になる」とし、「国の全ての能力を集め、最も迅速
    で最も模範的にウイルス戦争における勝利をもたらす」と話した。

     韓国で新たな感染者数が減少したことについては、「世界の状況を見ると、安心するにはまだ早い」とし、「われわれ
    がウイルスを十分にコントロールできると判断するまで、防疫の基調を維持していく」との方針を明らかにした。

     これは政府が先月22日から実施している「社会的距離の確保」の強化期間について、5月5日まで維持した上で一部
    制限を緩和するとの方針を発表したことに関連した発言と受け止められる。

     文大統領は「われわれが防疫でしてきたように、連帯と協力で力を合わせれば、経済でも被害を最小化し、最もはや
   く危機克服に成功した国になることができる」とし、果敢な景気対応基調を続ける方針を示した。

      江戸中期の対馬藩の外交官・儒学者である雨森芳洲は、こう言った。

     国のたふときと、いやしきとは、君子小人の多きとすくなきと、風俗のよしあしとにこそよるべき。中国にむまれたりとて、
    ほこるべきにもあらず、又夷狄にむまれたりとてはづべきにしもあらず。

     私は思う。私たちはありとあらゆることについて韓国に謙虚に学ぶべきだと。
    民主主義について、対話外交について、医療体制について、人権擁護について、大衆文化について、無血革命について。
    優れた指導者を生み出すのは、優れた市民にして始めて可能なことだ。
     今、必要なのは虫食いのアベノマスクではなく、N95という「市民と野党の連合政権」である。

      ※   N95マスク
 

  N95マスクは、NIOSH(米国労働安全衛生研究所)規格に合格したマスクです。厚生労働省では、SARS
 (重症急性呼吸器症候群)、MERS(中東呼吸器症候群)、新型インフルエンザや結核菌の対策指定品の
 一つとしています。 
  ウイルスを含んだ飛沫の侵入を防ぐことができる高性能なマスクです。医療施設等における日常業務で
 の感染の可能性も最小限に抑えます。
 通常のインフルエンザは、飛沫※1や接触※2によって感染すると考えられています。特に電車の中や公共
 施設、職場での感染を防ぐため、マスクはとても有効です  


     「アベノマスク」について

     厚生労働省は19日めでに、新型コロナウイルス対策で政府が配布した妊婦用マスクについて不良品が見つかったと発表
    した。汚れの付着などの報告が1900件寄せられたという。妊婦用マスクは14日から配布が始まり、これまでに約50万枚
    が発送された。17日時点で80市町村から、黄ばみなどの変色や髪の毛の混入といった報告が寄せられている。中には虫
    の混入もあった。
     総額466億円のこのマスクはどこで作られているのか。政府はなぜか具体的なメーカー名については終始「答えられない」
    の一点張り。つまりこのマスクには製造者責任が始めからないのである。誰が何処で製造したのか分からないものを感染
    防止対策としてばら撒くこの好い加減さ。能力がないのなら、さっさと辞めろ。



        「COVID-19(コビッドー19)」      

            2020・4・20

          「最新コロナ情報」(4月19日付)
     国内感染者数10361人、死者161人。
         国別死者数
     アメリカ37158人、イタリア22745人、スペイン20002人、フランス18681人、イギリス14576人、ベルギー
     5163人、ドイツ4352人、イラン4958人、中国4632人、韓国230人、日本161人。


       ニューヨーク知事のクオモさんは「この国に王様はいない」とトランプ大統領を批判した。(FLASH)。
      作家の田中康夫さんは「
令和のルイ16世が犬を抱いて…」と安倍首相を批判した。(スポニチ)。
       落語家の立川談四楼(68)が18日、自身のツイッターを更新し、安倍政権への怒りをあらわにした。

       「ロイター通信が『世界一間抜けなファーストレディー』として昭恵夫人の50人旅行を報じ、その夫である安倍さんの新型
      コロナ
への対応を『臆病でナメクジのように遅い』と痛烈に皮肉ったんだってさ」と紹介すると「何という比喩の巧さだろう。遅
      いと言えばカメだが、その上をゆくナメクジに喩えたんだ。勉強になるなあ」とチクリ。
      直前の投稿では「麻生さん、何だいその『手を挙げた人に10万円』てのは。一律だろうがよ、何で申告しなきゃならねんだ。
      あんたから施しを受けるわけじゃねえぞ」とバッサリ。「財源がなきゃ非常時なんだから札を刷れよ。ゴマをスルように刷りゃい
      いんだ。じゃんじゃん刷れ。そして日本中にばら撒け。分かったか、このヒョットコ野郎!」と痛烈に批判した。(東スポ)。

       とうとう国内感染者数が1万人を超えた。おそらく実際の数はこの10倍だろう。死者は161人、これも今後の2週間でどれ
      だけ上がるか予測がつかない。またこの状況が続けば病死とは別にコロナ不況による自殺者も出るだろう。
      政府の企業救済を目的とする経済対策ではこの危機は乗り越えれない。救済すべきは企業ではなく人命である。
       18日の新聞・赤旗の「焦点・論点」欄は加藤茂孝さん(ウイルス学・元国立感染症研究室室長)のインタビュー記事だ。
      題して「新型コロナ 特徴と影響・対策」。
      加藤さんのお話を聞く。

       コロナとは「王冠」のことで、分類は、電子顕微鏡でみた形で決まります。細菌は単独でも生きられ培養液でふえますが、
      ウイルスは単独では生きられず培養液でも増えない。動物の細胞に入って初めて増殖できます。これまでヒトに感染する
      コロナウイルスは7つ見つかっています。【中略】7番目が今回の新型コロナウイルスで「COVIDー19」(コビッドー19、20
      19年に発生)と呼ばれます。これも呼吸器症候群で、いまのところ致死率が5・5%です。サーズが10%、マーズが35%
      でした。【中略】本来大事なことは普段、流行していないときに計画を考えるグループや組織が必要だということです。日本
      では、流行少し広がってから専門家会議をつくったけれど、中国・武漢の事態がわかってすぐにつくるべきでした。政府は
      今回の対策が終われば専門家会議を解散するといいますが、それではいけません。平時の人材・施設の確保、医療関係
      者の訓練こそ大事です。感染症を甘く見ています。【中略】21世紀の20年でWHOが「新興感染症」と呼ぶものの流行が
      5回起きています。サーズ、新型インフルエンザ、マーズ、ジカウイルス、今回のコビットー19です。それ以外にもエボラ出
      血熱があります。このうち日本に入ってきたのは新型インフルエンザと今回です。10年に1回と思っているかもしれません
      が、世界では5年に1回起きているのです。新興感染症はいつでも起こるものなのです。【中略】感染症を爆発させない対策
      と、経済活動や国民生活を持続させることを併行して進めなければなりません。安倍首相の打ち出した経済対策を見ました
      が、自粛で打撃を受ける弱者への補償や教育継続への観点が弱いです。新興感染症は人類とともにあるので、日常的に
      備えなければなりません。常に議論し考えておく専門的な組織こそ必要です。

       16日夜放送のTBS系番組「NEWS23」では、世界保健機関(WHO)事務局長上級顧問の渋谷健司医師が日本の検査
      体制の問題と逼迫(ひっぱく)する医療現場への財政的支援について語った。イギリスからの中継だ。
      「人と人の接触8割減は困難だ」
      「家にいるというインセンティブ(動機づけ)が足りない。休業補償も含めた、お店に対して休んでもいいよというような施策を
       出すべきだ」
      「日本はクラスター対策をメインにしていたので検査数を絞っていた。非常に監査数が少ないので表れている数字は氷山の
       一角に過ぎない。おそらく(感染者が)10倍以上はいる」
      「肺炎で亡くなった方でも診断がついていないケース」
      「日本は一番肝心な集中治療のベッド数が医療崩壊したイタリア、スペインの半分ぐらい。集中治療医も非常に少ない」

       最後に日刊ゲンダイの記事を紹介しておく。
       
       「不評アベノマスクまた誤算…ネットやリアル店舗で供給回復」   4/19(日) 9:26配信

        「混乱を招いたことは私の責任。おわび申し上げる」
       コロナウイルス禍を巡り5回目となった17日の会見で、安倍首相は珍しく頭を下げた。緊急事態宣言の対象地域の唐突な
       全国拡大や、臨時給付金30万円案を撤回して一律10万円給付を決めたドタバタを謝罪。もっとも、それ以外は新味も中身
       もゼロ。きのうから配布が始まった不評のアベノマスクについては「需要はある」と相変わらずの強弁だったが、品薄とはい
       え紙マスクは少しずつ流通し始めている。泥縄対策にはほとほとウンザリだ。


 
       「タヌキとキツネ」

         2020・4・19

   大昔のことだ。無頼の大将・坂口安吾は「批評の神様」と呼ばれた小林秀雄を「骨董の鑑定人」と切り捨てた。
  その神様・小林に「美しい花がある、花の美しさという様なものはない」という意味不明な名文句があった。
 そんなことを思い出していたら、次の迷文句が自然と口から出た。
    
  「美しい女がいる、女の美しさという様なものはない」

  下の二枚の写真は超有名人
であるから何の説明もいらないだろう。
  私の見るところ左の女性はコメディアン風であり、右の方は指名手配風である。この二人のことをある週刊誌は「ファ
  ーストレディ」と持ち上げ、別の週刊誌は「ワーストババア」とこき下ろす。どちらが正解かは分からないが、この2人は
  何かと世間を騒がすプロの騒動師であることは間違いない。強烈な発信力があるのだ。ただし、その発信力は現在の
  恵まれた地位が生み出しているもので、それがなければ誰も相手にはしないだろう。
   左の女性はこれまでの経歴が示すように計算高くしたたかな人物であり、右の女性はこれまでの言動が示すように
  いわゆる天然である。そうした違いはあるが、最大の共通点は「目立ちたがり屋」ということである。病的なまでの自己
  顕示欲、これがスタミナの唯一の源である。タヌキの方は電卓片手の冷酷な演出であり、キツネの方は神憑りの狂乱
  の巡礼である。多くの人を踏みつけ、巻き込み、そして投げ捨てる。結果としては同じである。

 
   小池百合子
  1952年(昭和27年)生まれ。67歳。
  愛称は、政界渡り鳥、緑のタヌキ。
  経歴  数えきれない。
  趣味 厚化粧とカタカナ連発。
  現・東京都知事。シングルババア。
 
   安倍昭惠
  1962年(昭和37年)生まれ。57歳。
  愛称は、田植えオバサン、赤いキツネ。
  経歴 森友学園・元名誉校長、その他名誉職。
  趣味  お花見とお酒。
  現・首相夫人。


    しかし、本当は「美しい女はいない、女の美しさというものがあるだけだ」ではないのか。
   ではこれを男に置き換えてみるとどうなるのか。

    「美しい男がいる、男の美しさという様なものはない」でいいのか、それとも「美しい男はいない、男の美しさという様なものが
    あるだけだ」ということになるのか。いずれにしても女であれ男であれ、人は美しくなければならない。断るまでもなく面貌容姿
    のことを言っているのではないよ。
    私が日々心掛けているのは、その顔を見ると酒が不味くなるようなものは細心の注意を払って私の生活から取り除くというこ
    とである。精神もまた殺虫剤・除菌剤を必要とするというお話である。
     珍獣図鑑の覗き見はこれぐらいにして、先へ進もう。
   コロナ感染は日に日に拡大している。17日現在、感染者数は9167人、死者は148人。
   共産党の志位和夫委員長は16日、国会内で記者会見し、次のように語った。(シンブン・赤旗 17日付)。

    志位氏は、安倍政権の新型コロナウイルス感染症対策の「緊急経済対策」とそれにもとづく補正予算案の最大の問題点に
   ついて、「『外出自粛や休業要請と一体に補償を』という国民の圧倒的多数の要求に背を向けており、これでは感染爆発を抑
   止する実効性はありません」と指摘。「もう一つの問題点は、すでに始まっている医療崩壊を阻止するための実効ある措置が
   全く盛り込まれていないことです。これらをただちに改めなければなりません」と強調しました。
    提案では▽外出自粛・休業要請などによって、直接・間接の損失を受けている、すべての個人と事業者に対して、生活と営業
   が持ちこたえられる補償をスピーディーに実施する▽医療崩壊を止めるために、検査体制を抜本的に改善・強化するとともに
   、医療現場への本格的財政的支援を行う▽介護・障害者など社会保障の体制を守り、ジェンダーの視点での対策をすすめる
   ▽消費税5%への減税に踏み切る―ことを求めています。




          「ボエシの訓え」

         2020・4・18

    夜遅く、いつものように「日刊ゲンダイ」のホームペイジを開いたら西谷修さんのインタビュー記事が載っていた。
   西谷さんは1950年生まれの70歳。日本のフランス哲学者だ。ちくま文庫から出版されたボエシの『自発的隷従論』
   の監修者である。ボエシについてはこのホームペイジの「愚者の書架記・第一部」に書いたので、ここでは繰り返さない。
    今回の「緊急事態宣言」について西谷さんがどのように観ているのか、それが知りたかった。
   記事の全文をこの後に転写する。お読みください。

「多数者が一者に隷従する不思議」

  ここで私は、これほど多くの人、村、町、そして国が、しばしばただ一人の圧制者を耐え忍ぶなどということが
 ありうるのはどのようなわけか、ということを理解したいだけである。その者の力は人々がみずから与えている
 力にほかならないのであり、その者が人々を害することができるのは、みながそれを好んで堪え忍んでいるから
 にほかならない。その者に反抗するよりも苦しめられることを望むのでないかぎり、その者は人々にいかなる悪
 をなすこともできないだろう。

                        エティエンヌ・ド・ラ・ボエシ 著『自発的隷従論』

   
    『自発的隷従論』  エティエンヌ・ド・ラ・ボエシ(1530~1563)
 フランスの裁判官、人文主義者。16歳か18歳の時に『自発的隷従論』を書いた。
 「圧制は支配される側の自発的な隷従によって永続する」という支配・被支配構造の本質を見抜
 いたとされる。ミシェル・ド・モンテーニュの親友だった。32歳で亡くなった。

     ちくま文庫  2013年第一刷発行
         西谷 修 監修・山上浩嗣 訳

       (1   国民の信頼なき政権が緊急事態宣言の茶番 西谷修氏に聞く
                  公開日:

     政府は16日、新型コロナウイルスに関する「緊急事態宣言」について、対象地域を全国に拡大した。これ以上
    の感染拡大を防ぐには全国規模で人の移動を抑えることが欠かせないと判断したためだ。外出自粛の要請によ
    って休日の都市部の混雑は少なくなったとはいえ、平日の電車内はいまだに通勤する会社員らの姿が目立ち、首
    相が呼び掛けたオフィス出勤者の「最低7割削減」は程遠い。
     感染拡大を完全に封じ込めるには、国民一人一人の協力が欠かせず、政府側も強い信念と覚悟が必要だが、
    安倍政権にその姿勢は見られない。多くの国民が求めている「休業補償」に対しても、安倍首相は「休業に対して
    補償を行っている国は世界に例がない」と否定的だ。英国やドイツなど他国の政府と比べて対応の遅れが否めな
    い現政権について、東京外国語大名誉教授の西谷修氏(70)に聞いた。

      ――まずは緊急事態とは、どういう状況を指すのでしょうか。

     近代民主主義国家における政府というのは、国民の負託を受けて権力を行使しています。権力行使には当然、
    制約があり、その制約が法体系です。しかし、通常の法秩序に従っていたのでは間に合わないような事態が生じた
    場合、行政府が機動的かつ強力に動けるようにするために、国民の信頼、信託を得て事態を「緊急」と認定し、必
    要に応じて権力行使の制約を解除する。それが「緊急事態宣言」です。

     ――安倍首相も緊急事態宣言を全都道府県に発令しました。

     安倍政権下の日本というのは、緊急事態宣言を発令する前から、すでに同様の状況にありました。というのも、
    ここ数年の第2次安倍政権下では、あらゆる行政権の制約、統治システムが壊されてきたからです。
     例えば、国家機構が動くためには官僚の存在があり、官僚が動く根拠というのは常に文書です。この法律、条文
    にこう書いているから、私たちはやる権限がありますと。官僚制の根幹です。ところが、安倍政権というのは、その
    文書を改竄したり、破棄したり、あるいはもう作らない、とさえ言い出している。さらに、重大な問題が起きたとしても
    立件されないように検察組織も抑え込もうとし、子飼いの人物を検事総長に充てようとしています。
     そうなると、権力はあらゆる法の拘束を受けず、「権力はあらかじめ無罪である」という状況になりつつあるわけで
    す。緊急事態宣言を発令する前から、行政権に制約がないという状況ですね。こういう権力が緊急事態を宣言する
    のは茶番と言ってもいいでしょう。

      ■国民が緊急事態宣言の発令を求めた意味

     ――今回の緊急事態宣言は国民からも発令を求める声が上がりました。

      緊急事態というのは、誰がそれを認定するのかという問題もあるわけで、政府は他のことばかり気にしてのほほ
     んとやっている。国民が発令を求めた意味は、必ずしも政府に「権力を一元化して仕切ってくれ」ということではない
     でしょう。むしろ、今回の新型コロナウイルスの感染防止は通常の対応では間に合わない。今までの行政対応では
     ダメだから、これが日本社会の危機だということを早く認めて緊急に対処してほしい、という要求の表れでしょう。

      ――欧米でも緊急事態宣言を出して国民に協力を呼び掛けていますが、日本とは何が違うのでしょうか。

      イギリスやドイツ、アメリカでは連日、首相らがテレビなどで新型コロナウイルス感染の危険性や拡大防止を真剣
     に訴えています。ニューヨーク州のクオモ知事もその一人ですが、そうすると、市民の側にも危機感が強くなり、協力
     しようという機運になる。いわば、政権担当者と国民の間で信頼関係が生まれるわけです。ところが、日本では緊急
     事態宣言を発令しても、政府は経済のことだけを気にして人びとをコロナ禍から守るという思いが見えません。日本
     で外出者の7割や8割の削減がなぜできないのかと言えば、国民が勝手だからではなく、これまでの政府対応が不
     十分で、根本的に信頼関係がないからです。宣言の強制力ではなく、政府の姿勢に問題があるのです。

        ■新型コロナは戦争ではなく緩慢な津波

      ――外出制限が進まない最大の理由は補償の問題ですが、安倍首相は「休業補償」に否定的ですね。

      米国でも現金給付が始まりましたが、外出や移動を止めろと言うのなら、それでも生活できるような手当が必要です。
     それでないと市民は行き倒れます。コロナ蔓延を防ぐためと言うなら、国が当座の生活を補償しなかったら、国民は
     生活を維持できない。しかし、日本政府はハナから補償する気がない。だから「緊急事態宣言」発令後も強い姿勢に
     出られないわけです。
      当初の政府方針だった1世帯30万円の「生活支援臨時給付金」にしても、給付申請に大変な手続きが必要。申請し
     ても宝くじに当たるようなものなんて大変な誤魔化しで、その間に困窮者が溢れたでしょう。それが緊急事態なのであ
     って、だから当座はともかく現金支給して、あとで調整すればいいわけですよ。

       ――安倍首相が「世界的に見ても最大級」と胸を張った緊急経済対策についてはどう見ていますか。

      政府の支援はほとんどが企業向けです。企業は経済のエージェントですが、生きた人間ではありません。息もせず、
     腹も減らないし、肺炎にもなりません。新型コロナウイルスに感染して苦しむのは誰かと言えば、生きた一人一人の
     人間です。その人たちが働けなくなったり、あるいは出勤停止になったりして、家賃が払えない、収入が減って家族を
     養えない、というのが問題なのであって、それに対処するのが政府の役目です。社会の担い手が失われるかもしれな
     い状況を放って置いて、経済システムを回すためにだけ支援する。倒錯しているとしか思えません。

      ――新型コロナウイルス感染拡大を止めるにはどうすればいいと思いますか。

      今回のコロナ禍はよく戦争に例えられますが、戦争ではなく、災害と考えるべきです。集団の利害が絡んだ争いでは
     ない。緩慢な津波のように静かに社会に浸透していく。感染の被害を避けるためには社会を閉じる必要があり、その
     ためには経済が打撃を受けるのは避けられません。しかし、今の政権はこの経済システムを維持することしか頭になく、
     その覚悟がない。これまでも日銀などを使って株価を上げ、経済成長していると粉飾してきたため、経済システムを止
     めると全部破綻する。つまり、アベノミクス壊滅となるので、やりたくないのでしょう。

      とにかく「緊急事態宣言」をしたのであれば、それが社会の緊急事態だという意識を強く持ってほしい。そうでないなら、
     すぐに首相を辞めるべきです。それ以外にはまともな展望は立ちません。
      新たな内閣が出来たら、あとは官僚や専門家に「政権のためではなく、この社会の危機を救うためにできることをやれ」
     と言えばいい。あとは地域・現場の要望を聞く、それだけです。

               (聞き手=遠山嘉之/日刊ゲンダイ)
       ▽西谷修(にしたに・おさむ)フランス哲学者。東京外国語大学名誉教授、神戸市外国語大学客員教授。立憲デモクラ
      シーの会呼びかけ人・安保法制に反対する学者の会呼びかけ人を務めた。
     「不死のワンダーランド」「戦争論」など著書多数。
     



        「自由人」

          2020・4・17 

     国内のコロナ感染状況は16日現在で感染者数8582人死者136人。
    感染防止対策として厚生労働省は3月28日、「3密」を避けてくださいと発表したが、これは全国民にあてはまる
    お願いと言えるものなのか、少々疑問である。「3密」を避けることは間違ってはいないが、その前にやらなければ
    ならないことがあるのではないだろうか。
     厚生労働省の言う「3密」とは、1.密閉空間(換気の悪い密閉空間である)、2.密集場所(多くの人が密集している)、
    3.密接場面(互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や発声が行われる)という3つの条件だが、現実の話、生活上
    この3つの条件をクリアーできる人は経済的にかなり余裕のある人たちである。とすれば、「3密」云々の前にすべて
    の国民がこれを順守できる状況が作られることが先になければおかしいのではないか。
    「3密」などと言う非現実的な造語を振り回す前に「餡蜜」「蜂蜜」「隠密」の3密について協議をし、公開し、実行する
    ことが政治の仕事ではないのか。問題の本質は、補償なき要請という「仁政」にあるのだ、と私は思う。
     「餡蜜」とは生活補償のことであり、「蜂蜜」とは医療体制の強化のことであり、「隠密」とは政府や東京都の隠蔽体質
    のことである。先ず、こちらの「3密」を解決しなければ感染拡大は阻止出来ないだろう。
     私はこの日記の中で、コロナ感染は変な言い方になるが、ある意味では平等である、しかし、そこからの快癒となる
    と不平等が起こる、貧富の差がそのまま反映されると書いたが、このことがアメリカでは事実として証明された。
     アメリカでいま何が起こっているか、最新のニュースを転写する。

         米国 コロナ感染・死亡率 アフリカ系住民突出
                          貧困・持病 背景に人種間格差

     【ワシントン=池田晋】新型コロナウイルスの感染者・死者数がともに世界最多となった米国で、アフリカ系住民(黒人)
    の感染率・死亡率の高さが各州や市の集計から明らかになっています。数値は暫定的なものですが、トランプ大統領や
    米政府専門家もこうした人種間の格差を認めており、背景にはアフリカ系が歴史的に置かれてきた貧困や劣悪な医療
    環境、健康状態があるとみられています。
     南部ルイジアナ州が公表している最新データによると、人口比が32%にすぎないアフリカ系が死者884人のうち約6割
    を占めています。一方、人口比で62%の白人の死者の割合は3割です。
     中西部イリノイ州やミシガン州などでもアフリカ系からは同様に、人口比に対し突出して高い割合で死亡者が出ています。
    感染の中心地となっているニューヨーク市では、アフリカ系(人口比27・5%)とヒスパニック系(同33・5%)の死者数に占
    める割合が高くなっています(6日時点)。
    こうした現状を受け、トランプ氏は7日、アフリカ系住民が「非常に大きな打撃を受けている」との認識を示しました。
     自らもアフリカ系のアダムス公衆衛生局長官は、有色人種の方が高い割合で、高血圧やぜんそくといった新型コロナの
    重症化を招きやすい慢性疾患をもち、自宅勤務への移行が難しい職業や、過密な住宅環境に置かれていると指摘。生物
    学的要因から感染しやすいのではなく、「社会的に感染しやすい状態にある」と述べました。
     米紙ニューヨーク・タイムズは12日付の社説「アフリカ・ヒスパニック系の命を救え」で、少数派は日ごろから貧困、不十分
    な医療、慢性疾患によって不公平に苦しんでいると指摘。ウイルス検査や処置すら受けられず、急激な症状悪化によって自
    宅でそのまま亡くなる人が相次いでいるとし、「こうした人種間の格差は、この国の医療政策のより根本的転換を必要として
    いる」と、できることから手を尽くすべきだと主張しています。

      外に出ることや、人が多く集まる場所は危険だと分かっていても誰もが立派な住宅の茶の間で、テレビを観たり、お茶を
     飲んだり、愛犬とじゃれあったりして、その日一日を何の心配も不安もなく優雅に過ごせる訳ではないのである。
      ところで、厚生労働省は「3密」を避けよと言うが、国内には日本人だけが暮らしているのではない。
     在日米軍の問題はどうするのか、これは外務省の管轄か。
     日米地位協定9条は「合衆国軍隊の構成員は、旅券及び査証に関する日本国の法令の適用から除外される」としている。
     政府は米国を含め過去2週間以内に海外に滞在した外国人の入国は認めないとしているが、米兵は協定上、日本への
     出入りは自由なのである。無審査出入国。
     簡単に云えば、感染患者であるとしても米兵は日本国への出入りは自由であり、また国内の何処へ出向こうとも自由なの
     である。米兵は米国本土にいる時よりも日本にいる時の方が自由人なのである。とすれば米軍基地や寄港した艦船が第
     二波・第三波の震源地となる可能性があるということは否定できない。あるいは既にそうしたことが起きているかもしれない。
      日米地位協定によって在日米兵が特権を持つ自由人であることは分かったが、在日日本人にもそういう人たちがいる。
     次のニュースはファーストレディ安倍昭惠さんに関するものだ。ワーストババアと呼ぶ人もいるが。

          どこかへ行こうと」昭恵夫人が安倍首相“コロナ警戒発言”翌日に大分旅行
                     4/15(水) 16:00配信   文春オンライン

       安倍晋三首相が、新型コロナウイルスから「自らの身を守る行動を」と警戒を呼びかけた翌日、昭恵夫人が大分に旅行し、
      約50人の団体とともに大分県宇佐市の「宇佐神宮」に参拝していたことが、「週刊文春」の取材でわかった。昭恵夫人は、同
      行者に「コロナで予定が全部なくなっちゃったので、どこかへ行こうと思っていたんです」と語っていたという。
       3月15日、昭恵夫人が訪れたのは、全国4万600社の「八幡さま」を束ねる総本宮。この日、昭恵夫人は朝7時ごろに宇佐神
      宮の元宮・大元神社を訪れた後、車で移動し、午前10時半ごろに宇佐神宮へ。
      「この時期なので境内を歩く人はまばらなのですが、その中で、ほとんどの人がマスクをつけていない団体が境内を歩いてい
      たのです。しかも、よく見ると先頭に立っていたのはノーマスクの昭恵夫人。無警戒さに驚きましたね」(目撃者)
      昭恵夫人は宮司の出迎えを受け、お祓いや祈祷といった神事に参列。
      「最近はコロナ対策で、祈祷の際にも間隔を空けて着席するグループが多いのですが、昭恵さんたちは密着しており、警戒
      しているそぶりはなかったそうです」(大分県関係者)
       参拝に同行したのは、医師の松久正氏が主催するツアーの一行。〈神ドクター降臨 in Oita〉と銘打たれたツアーを主催する
      松久氏は、慶応大学医学部出身で「ドクタードルフィン」「変態ドクター」などと自称し、鎌倉市内で診療所を経営しながら、講演
      やYouTubeでも活動している人物だ。松久氏の「診療方針」について、公式サイトではこう説明している。
      〈ドクタードルフィンの超高次元医学(診療)では、薬や手術というものを一切使いません。患者自身で問題(人生も身体も)を
      修復する能力を最大限に発揮させます〉
       新型コロナウイルスについても、フェイスブックでこう述べている。
      〈不安と恐怖が、ウィルスに対する愛と感謝に変わった途端、ウィルスは、目の前で、ブラックホールから、突然、喜んで、消
      え去ります〉
       なぜ昭恵夫人は、松久氏率いるツアー一行と宇佐神宮に参拝したのか。松久氏に聞いた。
      「どこでツアーをお知りになったのかは分かりませんが、昭恵さんから『コロナで予定が全部なくなっちゃったので、どこかへ
      行こうと思っていたんです。宇佐神宮へは前から行きたかった。私も参拝していいですか』とご連絡をいただきました。ツアー
      そのものには参加しておらず、参拝だけ合流した形です」
      昭恵夫人の行動について、安倍事務所に書面で事実確認を求めたが、回答はなかった。
       この前日には、安倍首相が記者会見して、「現状は依然として警戒を緩めることはできません」「感染拡大の防止が最優先」
      「全国津々浦々、心を一つに、正にワンチームで現在の苦境を乗り越えていきたい」と国民にコロナウイルス対策の重要性を
      訴えていた。
      4月16日(木)発売の「週刊文春」では、昭恵夫人の宇佐神宮参拝の詳細や、安倍首相が星野源とコラボして炎上した動画の
      仕掛人は誰なのか、さらには小池百合子東京都知事の9億円CMを巡る水面下の攻防など、「新聞・TVが報じないコロナ全真
      相」を22ページの大特集で報じる。

               「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年4月23日号

       靖国小僧の奥様が神憑りな自由人であることは世間周知の事実であるが、国内にはまた変わった種類の自由人もいて、
      次のニュースは、これだ。知的な女性週刊誌『女性自身』の記事だ。

            高井崇志議員に止まぬ非難の嵐…首相の会食批判もブーメラン

              4/15(水) 23:40配信    女性自身

       立憲民主党・高井崇志議員(50)が4月9日、東京・歌舞伎町のセクシーキャバクラを訪れていたと報じられた。
      新型コロナウイルスの感染が拡大する中、安倍晋三首相(65)が会食を連日行っていたことについて批判していた高井議員
      ネットでは、非難が殺到している。
       デイリー新潮や文春オンラインの報道によると、高井議員が訪れたのは女性の身体への接触などを伴う性風俗店。高井議
      員は合計120分、店内に滞在したという。両媒体によると、高井議員は「軽率だった」として来店を認めたという。
       高井議員は2月、新型コロナウイルスの感染者が増加するなかで安倍首相が会食を続けていたと国会で批判。「総理の危機
      感のなさが国民の皆さんを不安にしている」「せめて今後、会食を自粛される考えはありませんか」と問いかけていた。
      そのため今回の行動は「盛大なブーメラン」として、Twitterでは非難の声が殺到している。
      《自粛要請中の総理の会食つめるも、高井本人は自粛せず》
      《自分はセクキャバとか凄いな》
      《批判する資格ゼロですやん》
       いっぽう、高井議員には妻がいる。そのため《高井崇志議員の奥さんが気の毒》など、家族を心配する声も上がっている。
      各メディアによると、高井議員は14日に離党届を提出。だが、立憲民主党は除籍処分としたという。

        何と言ったらいいのかね。思うに、この国だは、「自由人」という言葉には精神的な意味合いはまったくない。安倍首相、米兵、
      昭惠夫人、高井議員、こうした人たちが自由人であるとすれば、それは「特権階級」とい意味しか持たない。つまり、法律の外側
      の人、常識の外側の人ということである。
       最後に「しんぶん・赤旗」の15日のコラムを転写しておく。

            きょうの潮流 (4月15日付)

        いま人の移動や接触が制限されるなかでインターネットを通じた支援の輪がひろがっています。深刻な事業者に資金をすぐ
       に届けるため寄付を募ったり、家で楽しめるように各界の人気者がSNSで動画を送ったり▼ミュージシャンの星野源さんがギ
       ターで弾き語りする動画「うちで踊ろう」もその一つ。歌に合わせてダンスや共演する音楽家や芸能人がリレーのように次つぎと。
       そこに勝手に乗っかってきたのが安倍首相です▼自宅のソファで犬を抱き、カップ片手にゆったり、読書やテレビをみている自
       身の姿を投稿。「今この瞬間も、過酷を極める現場で奮闘して下さっている、医療従事者の皆さんの負担の軽減につながります」
       などという文言をつけて▼これには批判が殺到。政治利用にくわえて、国民が苦しんでいるときに首相が家で優雅に過ごす様子
       を見せつけるとは。「何様のつもり」とSNS上でも炎上し、「これほど無神経な人間をほかに知りません」「フランスなら革命が起こ
       る異常なレベル…」といった書きこみも▼マスク2枚で怒りをかったばかりなのに、このずれた感覚。周りもいさめない裸の王様状
       態。菅官房長官にいたっては、たくさん「いいね」をもらったと発信の有効を強調する始末です▼仕事がない、お金がない、生きて
       いけない―。ぎりぎりまで追いつめられている国民に思いをはせ、早く安らぎをもたらす。それがあなたのやるべきことではないか。
       危機のなかでくつろぐ首相に私たちの命を託せるものか。



        「ノブレスオブリージュ」

          2020・4・16 

     14日現在での国内での感染者数は7645人、死者は109人。この中で東京都の感染者数は断トツで
    2171人。コロナウイルス対策として政府が拡充した雇用調整助成金(雇調金)について、相談が4万70
    00件に上る一方で、支給決定はたったの2件にとどまっている。
     共同通信社の世論調査によれば、緊急事態宣言を受け、休業要請に応じた企業や店舗の損失を国が
    「補償すべきだ」との回答は82%で「補償する必要ない」は12・4%にとどまっている。
      また「産経」とENNの合同世論調査では、安倍内閣の支持率は、支持は39%で、不支持が44・3%と
     発表された。
      そうした中、安倍首相の短文投稿サイト「ツイッター」への投稿(12日)への批判が殺到している。
     この件については海外メディアも注目し、ロイターは「人々が生き残りを懸けてたたかっている時にこんな
     ぜいたくな(生活の)動画を見せて、『何様のつもりだ』と思わずにいられない」との怒りのツイートを紹介し
     た。また、「アーティストへの休業補償もしないくせして、著名アーティストの人気だけは政治利用する」など
     の厳しい声も上がっている。
      タレントのラサール石井さんは自身のツイッターで「この時世にいい部屋でお茶して犬?庶民の神経逆
     撫でか、世は家でくつろいでおる、民もそうせよって王様感まる出し」と指摘。
     お笑いコンビ・極楽とんぼの加藤浩次は司会を務める情報番組で「なんかちょっとバカにされている気もす
     るんですよね。周りの人間も動いてこうなっているのか、首相も止められなかったのかと思ってしまう」とコ
     メントした。
      13日の『文春オンライン』から転写する。

     「星野源の政治利用」で大失敗 安倍首相ツイッターが理解していなかった「大切なこと」
           4/13(月) 21:00配信    文春オンライン

       《安倍晋三首相が12日、ツイッターを更新し、星野源(39)が歌う「うちで踊ろう」とともに、自宅ソファで愛
      犬のミニチュアダックスフントのロイを抱く姿や、カップ片手にくつろぐ様子を公開した。》(日刊スポーツ4月
      13日)この一面見出しは「国難なのに優雅なツイート 安倍首相は貴族か!!」。日刊スポーツがまたしても日
      刊ゲンダイ化! 2月29日の一面「安倍政権、ふざけるな!!」に続いた。
      スポーツニッポンは「アベノコラボ マスクに続き大失敗」。こちらも厳しい。

        問題はどこにあるのか。4万7000人が雇調金について相談している、その一方に、優雅な特権階級の
       休日がある。
       アベノミクスがアホノミクスと一段格上げとなり、さらにアベノマスクと進化し、最後に行き着いたところが
       アベノコラボということか。この状況をどう見たらいいのか、大本営発表の読売新聞はどう伝えているか。

          内閣支持率42%、不支持率が47%と逆転…読売世論調査
                    4/13(月) 22:09配信

        読売新聞社が11~12日に実施した全国世論調査で、安倍内閣の支持率は42%となり、前回調査(3月
       20~22日)の48%から6ポイント下落し、不支持率47%(前回40%)と逆転した。不支持が支持を上回っ
       たのは2018年5月以来だ。

          緊急事態宣言「遅すぎた」81%…読売世論調査     
        読売新聞社が11~12日に実施した全国世論調査で、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府が東京
       都や大阪府などに緊急事態宣言を発令したタイミングが「遅すぎた」は81%に上った。「適切だった」は15%、
       「早すぎた」は1%だった。

         政府の布マスク配布「評価しない」73%…読売世論調査     

        読売新聞社が11~12日に実施した全国世論調査で、政府が全ての世帯に布製マスクを2枚ずつ配布すると
       決めたことについて聞くと、「評価しない」が73%と多かった。

        私は読売の世論調査などは信用しないが、この記事を読むと、安倍政権の無能と頽廃について読売でも庇い
       切れなくなったということか。
        この件について共産党の小池晃書記局長は「救いようのない、ずれ方だ」と批判し、「仕事が出来ない、お金が
       入らない。生きていけないというのが国民の声だ。国民の悲痛な声に応えるメッセージを送るのが総理の仕事だ」
       と指摘した。さらに、「自宅でこんなふうに過ごせる国民がどれだけいるのかということを考えれば、こういう発信は
       しないと思う。今必要なのは、暮らしを守るために休業補償をし、命を守るために医療を支えるという断固としたメ
       ッセージだ」と訴えた。
        靖国小僧とドクター小池の違いはここだ。政治屋(家業)と政治家(公僕)の違いである。
       公僕の本来の意味は、「公共の立場に対する奉仕者」、または「全体(すなわち国家)のに対する奉仕者」というこ
       とであり、私人ではないということ、さらに加えるならば、それは単なる公務員ではないということだ。
        「ノブレスオブリージュ」という言葉がある。簡単に云うと、身分の高い者はそれに応じて果たさねばならぬ社会的
       責任と義務があるという、欧米社会における基本的な道徳感だ。「高貴な人たちの義務」という訳もあるが、社会的
       身分そのものは重要ではない。人間全般に関わる倫理上の規範である。
       かつて作家の開高健は「位高ければ務め多し」と訳した。



       「梨の種類」

       2020・4・15  

    昨日、星置九条の会の代表・福盛田勉さんからメールが入った。
   この9月に予定していた「ていね9条の会」連絡会主催の鳩山友紀夫講演会が中止となったという報せだ。
   コロナウイルス感染拡大のこの状況下では無理だと判断したのだろう。星置9条の会も3月には作田信子さん
   を囲んでの「講演と文化のつどい」を中止している。9条の会の運動に限らず、今は2人の人間が出会う場合
   でも2メートルの間隔を置かなければ危険だと言う。そうなると年内は集会の企画は立てられそうもない。
   どういう形で運動を継続させるのか、何かいい方法はないのか。
   とりあえずは信頼できるフェイスブックから広く意見を集めて、それをここで紹介するか、今の私に出来ることは
   そんなところだろう。
    先ずは、西原扶美雄さんのフェイスブックを開く。

   
   

    「家庭菜園百科全書」で梨の種類を調べる。

       オモテナシ    滝川クリステル       ロクデナシ    小泉進次郎
       イクジナシ    岸田文雄          ナニモナシ    麻生太郎
       ヨウナシ     菅 義偉           ノウナシ     二階俊博
       ハシタナシ    小池百合子         ヒトデナシ     安倍晋三
 
   ※ 以上の商品はスーパーでは取り扱っておりません。 全品「ザイコナシ」です。             

            



       「先ずは、東京から」

         2020・4・14 

    朝8時、今年初めての農作業をやった。先ずは基本の土起こしである。
   畑は玄関を左に回って直ぐ目の前、何年か前までは花壇と呼ぶこともあったが昨年からは心を入れ替えて「種を蒔く
   人」となったので、それからは我が農園と呼んでいる。
   猫の額よりもまだ一回り小さい鼠の掌ほどの土地ではあるが、農業について知識も経験も技術もない私にとっては
   夢を育てる大農園である。昨年の収穫は、唐黍、唐辛子、小松菜、トマト、青紫蘇、と大豊作?であった。
   愚者の自給自足、土を起こし、種を蒔き、水を与え、一日の労働を終えて額の汗をぬぐう。その夕暮れ時にはシェイ
   クスピアを読み、あるいはモーツルトに耳を傾け、いつものように命の水で喉を潤す。
   ウイリアム・モリスは、「労働の報酬は歓び」だと言ったよ。
    私事はこれぐらいにして、少し世の中の方に眼をやるか。どうなっているのかこの国の「今と此処」は。
   国際ジャーナリストのモーリー・ロバートさんという外国人がこんなことを言っている。

          新型コロナ問題と東京五輪延期で見えた「保守ブームの終わり」

                       4/13(月) 6:00配信    週プレNEWS

     『週刊プレイボーイ』で「挑発的ニッポン革命計画」を連載中の国際ジャーナリスト、モーリー・ロバートソンが「保守
    ブームの終わり」について語る。

         * * *

     新型コロナの感染拡大による安倍政権の対応、そして東京五輪の延期決定までの混乱ぶりを見ると、ここ数年の
    「保守ブーム」が終焉(しゅうえん)を迎えることになるような気がしています。
     これまで安倍首相は"強いリーダー"を演出し続けてきましたが、実際にそこにあったのは強い意志ではなく、「なん
    となく」さまざまな周囲のステークホルダーや"仲間"の都合を優先しつつ、「なんとなく」理想的な日本像とされるもの
    に向けて共同幻想を形づくり、「なんとなく」進んでいただけだったのではないか。そのように感じられるのです。
     本当は東京五輪を成功させたところで、日本が抱える諸課題が解決されることはない(一時的な盛り上がりや関連
    事業のバブルはあったとしても)。にもかかわらず、五輪成功の先には輝かしい憲法改正があり、それによってジャパ
    ン・アズ・ナンバーワンの時代を取り戻せる――安倍政権はそんなムードを醸成しようとしてきました。
     トランプ米大統領にとって「MAGA(Make America Great Again)」というフレーズが"万能薬"だったのだとすれ
    ば、安倍首相にとってのそれは東京五輪の成功だったのでしょう。
     安倍首相はトランプ大統領のように、明らかな差別発言やヘイトスピーチをリツイートしたり、本人が露骨に差別意識
    をにおわせたりはしません。
    「日本人」が緩く連携し合うイメージ、心情的に「愛国」に傾くようなムードづくりをしつつ、平気で差別発言をするような"
    安倍応援団"的な右派論客らの存在を黙認することで利用してきたというのが実態に近いでしょう。
    これが安倍政権がつくり出した「右派のエコシステム」だったのです。本来であれば安倍首相本人なり、自民党の気概
    ある議員なりが、「こんなことを言う人々は本当の保守とは言えない」「保守にパラサイト(寄生)している人たちの意見
    が大きくなると日本は衆愚化する」くらいのことを言うべき場面は何度もあったと思いますが、そんなことは一切ありま
    せんでした。
     その一方で、連立相手は数合わせの宗教政党。グローバリズムの規制緩和に乗り、見せかけの景気回復を実現さ
    せるも、実質賃金は上がらず格差は開くばかり。課題に対する本質的な議論は先送り......。そうした矛盾を全部解決し
    てくれる"最後のおまじない"が五輪だったのです。
     安倍政権周辺の五輪に対する執着が、どれほど新型コロナ問題に影響を与えたかはまだわかりません。ただ、当初
    から思い切った策を打ち出すことなく、学校休校やイベント自粛要請をいったん2週間程度で緩和するかのような様子を
    うかがわせたことが、その後の感染拡大に負の影響を与えたとの見方が強くなれば、逆風はますます強まるでしょう。
     今思えば、東京五輪組織委員会の森喜朗会長の「私はマスクをしないで最後まで頑張ろうと思っている」というコメント
    は、日本の保守層の「なんとなくのロマン」を端的に表していたと思います。五輪に限らず、リニア、万博、カジノ......といっ
    たものも同じかもしれない。
    それを実現することでさまざまな問題が解決するかのような"スピン"が止まったとき、何が起きるのか。コロナ問題がな
    ければ東京五輪後に見るはずだったものを今、われわれは見ているのかもしれません。

    ●モーリー・ロバートソン(Morley Robertson)国際ジャーナリスト。1963年生まれ、米ニューヨーク出身。『スッキリ
     (日テレ系)、『報道ランナー』(関テレ)、『水曜日のニュース・ロバートソン』(BSスカパー!)、『Morley Robertson 
     Show』(Block.FM)などレギュラー出演多数。2年半に及ぶ本連載を大幅加筆・再構成した書籍『挑発的ニッポン革
     命論 煽動の時代を生き抜け』(集英社)(集英社)が好評発売中!1

     ※ Make America Great Again(メイク・アメリカ・グレート・アゲイン、MAGA日本語訳:アメリカ合衆国を再び偉大
       な国に)とは、アメリカ合衆国の政治において用いられる選挙スローガン英語版である。1980年の大統領選挙にお
       いてロナルド・レーガンが使用したのが最初であり、近年では、2016年の大統領選挙においてドナルド・トランプ
       使用している

     オリンピック開催延期決定、コロナウイルス感染爆発のこの状況を日本人はどう見ているのか。
    昨日、「全国革新懇ニュース」4月号が届いた。
    その第一面は7・5都知事選に向けての、「都政を考える夕べ」呼びかけ人3氏からのメッセージを掲載している。

        「共同の力で東京を市民の手に取り戻そう」

     
今の日本は、国政と都政の両レベルで下心政治の餌食になっている。都知事選が近づいて来る中で、改めて、つくづく、
     そう感じます。
      人々のためにあるはずの政策と行政。それらを、自分たちの野望達成のために手段化する。私物化する。この由々し
     き姿勢、許し難き行動原理において安倍政治と小池政治は全く瓜二つです。【中略】小池都政の下で、東京はどんどん、
     人々が住む街、人々のための街でなくなってきました。下心政治のモンスターが、その目立ちたがり願望を満足させる
     ためのパフォーマンス会場。それが今の東京です。こんな東京はあまりにも悲しい。
                         浜 矩子さん・同志社大学大学院教授

      第1は、公社・都立病院の独法化、羽田新ルート、カジノ誘致の問題は急速に浮上してきた重大争点です。また、小池
     知事が掲げていた「築地を守る」などの公約がどれだけ実現されたかという検証も欠かせません。第2は、モリ・カケ、桜
     を見る会、検事長人事での疑惑、公文書管理のずさんさ、政治の私物化などで国民の信を失っている安倍政権に審判
     を下すチャンスだということです。都知事選で「ノー」を突きつけ、東京を変えれば日本は変わります。
                         五十嵐 仁さん・法政大学名誉教授

      願みれば小池都政4年の功績は何だったのだろう。築地のネズミ退治に何らかの戦果を挙げただろうか。小池百合子
     戦法は、初発は攪乱が効くかに見えた。衆議員選挙では「分断と排除」戦法で、国政への野望もご開帳に及んだ。思えば、
     都民ファーストはまさに初発だけだった。3代前の石原都政を引継ぎ、都民ラスト・デベロッパー・ファースト都政に立ち戻
     った。【中略】都政は都営交通、上・下水道などの都民インフラを都開発軍団のインフラに衣替えされる。内閣府も特区開
     発メニューを拡げ、都民の声を聴く術すら奪う。こんな都政はご免だ。
                           永山利和さん  元日本大学教授


       この国を変えよう。先ずは、東京から。
      緑のタヌキは動物園へ、靖国小僧は幼稚園へ、それぞれに最もふさわしい場所へ送り返そう。


 
       「パンデミック宣言1カ月」

           2020・4・13

     世界保健機構(WHO)が3月11日のパンデミックを宣言してから1カ月が経った。
    米ジョンズ・ポプキンス大学の集計によると、世界の感染者は11日現在で、約170万人、死者は10万人を越えた
    ということだ。
     1月に中国の武漢市で爆発的感染が確認され、感染者83、003人、死者3,343人の数字が報道された時には、
    その数字の大きさに驚いたものだが今では桁がはるかに違う。しかも一国内の事ではなく地球全体での同時多発
    である。新聞によれば、「今後、アフリカ諸国など医療体制が脆弱な地域への感染拡大が懸念されます」ということだ。
     この事態に対して国連のグテレス事務総長は3月31日、「国連の創設以来、われわれが直面している最大の試練」
    と表明し、ドイツのメルケル首相は「東西ドイツ再統一や第2次大戦以来の最大の試練」と言い、フランスのマクロン
    大統領は「われわれは(ウイルスとの)戦争状態にある」と危機感を示している。
     各国の死者・感染者数は12日現在で以下の通りである。

    「世界を覆うコロナ禍」 (しんぶん・赤旗)から 
  国名    死者    感染者   国名 死者   感染者
  アメリカ     18,777人   501、560人   中国       3,343人   83,003人 
  イタリア    18、849人   147、577人   韓国     208人   10,450人
  スペイン    16、081人   158、273人   トルコ   1、006人   47、029人
  フランス    13、215人   125,931人   イラン   4、232人   68、192人
  イギリス     8、974人    74、605人  ブラジル   1、074人   19、943人
  ベルギー     3、019人    26、667人   日本      94人    6、005人
  ドイツ     2、736人   122、171人      
  オランダ     2,511人    23、249人      
  スイス     1、002人    24、551人      

      伝え聞くところによれば、遠いドイツのお話だが、メルケルさんは「経済的影響を緩和し、雇用を守るため可能なこと
     すべて行うと約束する」と国民に向かって呼びかけたということだ。
      次も遠い国のお話だが、イギリスのジョンソンさんは「人々の生活や仕事に与える影響は甚大だ。だからこそ大規模
     な経済政策を実施する」と、補償が一体であることを表明したということだ。
      では日本はと言うと、緊急事態宣言(内容は不透明である)によって自粛の要請は大文字で報道されるが、損失補償
     については何らのメッセージもない。安倍首相は、自粛と一体の補償を拒んでいる。
      ここでしんぶん・赤旗の昨日のコラム「きょうの潮流」を転写しておく。お読みください。

          「きょうの潮流 」  2020・4・12

      人類は人命救助にこそお金を使うべきではないか―。新型コロナウイルスの感染拡大をめぐり米国の学者が米誌に
     意見を寄せていました。医療を後回しにして核兵器などに資金をつぎ込む社会で良いのかという提起です▼ベッド、人工
     呼吸器、マスク、防護服が世界各地で不足しています。医師や看護師の過重労働も深刻です。本来なら救える命が救え
     ない。各国メディアは医療従事者や市民の苦悩を伝えています▼感染者数が世界最多の米国は世界最大の核兵器国で
     す。国際NGOの試算では、米国の核兵器支出1年分だけで、集中治療室のベッド30万、人工呼吸器3万5千を導入し、
     22万人超の医師や看護師の賃金をまかなえます。これだけあれば一体どれほどの人命を救えるでしょうか▼冒頭の学者
     は、コロナ危機は「警鐘」だと指摘します。「理性に欠けた優先順位」や国同士の恐怖・不信をあおる政策を見直し、本当に
     人間を中心に据えた安全保障へかじを切るべきだと訴えました▼英国でも退役した軍司令官3人が国会議員へ宛てた書簡
     で核兵器予算に疑問をぶつけました。コロナ危機からの復興には何十年もかかる。にもかかわらず核ミサイルの維持へ今
     後も資金を出し続けることが「適切なのか?」と▼コロナ危機は今後も長期にわたり続く可能性があります。ウイルスに負け
     ない社会をどうつくるか。当面必要な対策に全力を尽くすと同時に、“軍事優先を続けていいのか”と社会の在り方を根本か
     ら問う声をさらに強めるときです。

      「場当たり、その場しのぎ」の安倍晋三さんは何を考え、どういう生活をしているのだろうか。
     今日の「日刊スポーツ」が、私の疑問に答えてくれた。お金持ちのお馬鹿の休息。ポチがポチと遊ぶマイホーム。

            優雅にくつろぐ安倍首相に「貴族か」ネット批判殺到

                       4/12(日) 20:12配信    日刊スポーツ

       安倍晋三首相が12日、ツイッターを更新し、星野源(39)が歌う「うちで踊ろう」とともに、自宅ソファで愛犬のミニチュア
      ダックスフントのロイを抱く姿や、カップ片手にくつろぐ様子を公開した。「ステイホーム」を訴えるのが狙いとみられるが、
      世の中の混乱をよそに優雅にくつろぐ姿にネットは騒然。同日夜までに30万を超える「いいね」が押される一方、「この国
      の首相は貴族か」と批判も殺到した。

            ◇   ◇   ◇

       星野が「家でじっとしていたらこんな曲ができました。誰かこの動画に楽器の伴奏やコーラスやダンスを重ねてくれないか
      な?」と呼びかけ、大泉洋や高畑充希らが応えて話題を集めていた「うちで踊ろう」に、安倍首相がコラボした。

       星野がギターを手に歌う動画とともに、カジュアルな服装の首相はロイを抱いたり、カップ片手に飲み物を口にしたり。本
      を読み、テレビのリモコンもいじった。「友達と会えない。飲み会もできない。ただ、皆さんのこうした行動によって多くの命が
      確実に救われています。そして、今、この瞬間も過酷を極める現場で奮闘して下さっている医療従事者の皆さんの負担の
      軽減につながります」「いつかまた、きっとみんなが集まって笑顔で語り合えるときがやってくる。その明日を生み出すために
      今日はうちで…。皆様のご協力をお願いします」とツイートしたが、あまりに優雅にくつろぐ姿に「くつろいでいる場合じゃない
      人が日本にたくさんいますよ」と批判的な投稿が殺到。「何様のつもり!」はトレンドワード入りした。

       立憲民主党の蓮舫氏は「医療現場、生活のために仕事を休めない方々の気持ちに応えるには、自身の自宅映像ではな
      く『自粛と補償はセット』の政策を、安倍総理」と訴え、自民党二階派に入会し、与党側にいるはずの細野豪志元環境相まで
      「それどころじゃない人もいる。なぜ星野源さんと一緒なんだ。総理と違って狭い家だとストレスがたまるなど突っ込みどころ
      満載」と筆を滑らせた。

       動画は11日、東京・富ケ谷の私邸で撮影されたという。世界保健機関(WHO)が「パンデミック」を表明して1カ月の節目の日
      だった。新型コロナウイルス対策で先頭に立つはずの首相の超然とした姿にマリー・アントワネットを思い起こした人も多い。
      「下流老人」などで知られる藤田孝典氏は「この国の首相は貴族か。フランスなら第2のフランス革命が起こる異常なレベルだ
      よ」。

       映画「孤狼の血」の白石和弥監督はこう書き込んだ。「これほど無神経な人間を他に知りません。どれほど苦しんでいる人が
      いて、星野さんがどんな思いで動画を作ったのか。想像力のカケラもない人に政治は出来ません」。


 
      「最新情報」
           2020・4・12

     
    「新型コロナウイルス(COVID-19 )」


   11日現在、感染者数7629人、死者数145人。


   
 コロナウイルス感染拡大に関する報道の大氾濫の中で、何が本当なのか判断に苦しむ。
   というのは政治家、専門家、有識者、さらに芸能人、職業不明の暇人とありとあらゆる人がこの時と
   ばかりに存在感を示そうと様々な意見?を述べるので、何が事実なのか分からなくなってくる。
    ただはっきりしていることは、政権の座にある者たちや、それに繋がる者たちや、それに媚びる者
   たち(メディアも含めて)の発言は、オリンピック開催延期決定の前後を挟んで虚言の垂れ流しである。
    虚言はこの一件に限らず、安倍政権の神話的伝統とも言うべき唯一のお家の芸であるから、この
   人